2021年7月6日 10:00 am
カテゴリ: 活動報告
第4波を軽験しての課題と教訓,それらを踏まえた今後の対策.
つづいて、県としての今後の対策をお聞きします。5月中旬のピーク時には、新規感染者数、病床使用率ともにステージ4「感染爆発段階」にあり、自宅療養者ゼロを堅持していただいたものの、陽性が判明してから入院に至るまで入院調整に数日かかるなど厳しい状況であったと聞いております。感染対策にあたられた医療関係者、県市職員の皆様の奮闘に心から敬意を表します。
まん延防止措置の指定が解除された6月18日、第4波の終息を目指して大きく5つの対策が打ち出されています。この対策の中に挙げられている予防的検査は、ワクチンの効果が行き渡るまでは重要な対策のポイントだと私自身は注目していますので、この後、2項目目の質問で触れたいと思います。
今後、オリパラ開催をひかえ必ず人流が増えると言われているなかで、県民の命を危険にさらす第5波を避けるために、これまで以上の対応策が求められます。対策を強化するためには、その中心を担う県の体制強化も欠かせませんが、今年度、保健所などの職員体制が強化されたものの、職員の時間外勤務の状況ではさらに深刻なものになっています。最新の3月4月で比較すると、県庁全体として月45時間以上、80時間以上ともに4月には改善しているものの、健康福祉部は逆に増加しております。月45時間以上80時間以内の時間外勤務が108名、月80時間を超えている職員が84名にも上ります。
健康福祉部は、医療、保健所、検査、ワクチン接種等、と県のコロナ対策の要を担っているところであり、このままで良いのか不安を覚える。不要不急の事業やイベントを見直し、十分な職員体制にする必要があるのではないかと考えます。
以上をふまえ、どういった課題と教訓があると認識されているでしょうか。第4波を経験しての課題と教訓、それらを踏まえた今後の対策についてお聞きします.
【知事】
第4波最大の特徴といたしましてはまず、感染力の強いアルファ株の影響により、これまでに比して、感染拡大の速度が圧倒的に早かったことが挙げられます。特に、大型連休明けから連日100名超の感染確認があり、5月だけで2,800人を超える感染者が発生し、病床使用事もピークで73.5%に達しました。このため、病床及び宿治療養施設の大幅拡充を進め、1.826床を確保し、医療関係者の多大なご尽力のおかげで、何とか 「自宅療養者ゼロ」を守り切ることができました。
次に、第4波では、時短要請の実施もあり、飲食店での感染拡大がと比較的抑えられた一方で、家族内、職場内感染が多くみられ、また外国人県民でのクラスターも依然として多く発生いたしました。
一方で、福祉施設につきましては、予防的検査が未実施で職員のワクチン接種もされでいなかったデイサービス施設で大型のグラスターが発生いたしました。
また、30代までの若年層の感染が5割を超えております。若年層をはじめとする県民の皆様に対する意識啓発を徹底し、引き続きワクチン接種を迅速に進めるとともに、ワクチンが一般に行き渡るまでの間、基本的な感染対策を徹底していただくことが必要となります。
ちなみに、昨日時点での厚労省の発表した数字によりますと、高齢者に対する第1回目の接種率、岐阜県77.72%ということで全国第一位ということになっております。
別にこれはレースをしているわけではありませんし、またこの順位を意識して特別な事をやっていたわけではありませんけれども、多くの関係者、自治体の大変きめ細かな着実な努力の結果であるということで感謝を申し上げる次第でございます。
以上申し上げました第4波の特徴、課題を踏まえつつ、第4波の早急な終息を目指し、また、リバウンドを防止し第5波を招くことのないよう、引き続き取り組んでまいりたいと思っております。それでは、重要な点についていくつか申し上げます。
第一に、アルファ株を上回る感染力を持つデルタ株対策であります。このため、保健環境研究所で陽性となった全ての検体についてスクリーニング検査を実施することとし、今月中旬から、変異株特定の分析機器である次世代シークェンサーを本格稼働することで、早期に感染拡大の予兆を捉えてまいります。
第二に、ご指摘のありました予防的検査につきまして、今月中に福祉施設における対象を県内全ての通所施設まで拡大するとともに、市町村と連携をして、積極的な受検を働きかげてまいります。また、外国人県民についても外国人コミユニティ、雇用企業などを通じ、予防的検査の受検などを呼びかけてまいります。
第三に、外国人県民対策であります。今申し上げました予防的検査の受検勧奨のほかに、感染防止対策の徹底、ワクチン接種の促進を図ってまいりたいと思っております。なお、接種にあたりましては、言葉の問題等もございますので大規模接種会場での外国人県民接種といったことも実施しでまいりたいと思っております。
第四に、病床及び宿泊療養施設をさらに拡大し、併せて2.000床の確保を目指してまいります。また、宿泊療養施設につきましては、酸素吸入装置の設置や医師による診療体制の構築などにより機能を強化し、感染患者の急拡大にも備えてまいります。
第五に、マスク着用、手指消毒、密の回避、体調管理など基本的な対策の徹底継続、感染状況に応じた外出及び移動の慎重な検討を県民の皆様にお願いしでまいります。特に、若年層への働きがけとして、私も柴橋岐車市長とともに啓発動画に出演しておりますが、県広報番組;映像コンテンツ、SNSなど様々な媒体を用いて、様々なやり方で,緩まず感染対策を講じていただくよう,呼びかげを進めてまいりたいと思っております。
以上の対策を円滑に進めるため、保健所をはじめとする職員の体制につきましては、これまでも 「岐阜県・岐阜市クラスタ一対策会同本部」の設置、職員の増員、あるいは応援職員の派遣など、諸々の体制強化を図ってきたところでございますが、今後も適時適切なものとなるよう。絶えず点検をして進めてまいりたいと思っております。