2022年12月16日 1:00 pm
カテゴリ: 活動報告
3安全で手厚い保育の実現に向けた保育施設への支援の拡充について。12月9日、午前の質問。
安全で手厚い保育の実現に向けた保育施設への支援の拡充について質問しました。
(1) 保育現場の現状に対する見解と配置基準以上に保育士を配置している保育施設へ の支援拡充について
認定子ども園の送迎バスでの園児置き去り事故を受け、今議会には安全装置導入をすすめる予算が出されていますが、現場からは、そもそも現在国が定める保育士配置基準では子どもの安全を守れないとの声が上がっています。
国が定めた現在の保育士配置基準は、保育士1人に対し、1、2歳児6人、3歳児20人、4、5歳児30人となっています。
3歳の子ども20人や4,5歳の子ども30人を一人で保育するのは到底無理です。
そのため多くの保育施設では、配置基準以上の保育士を配置していますが、配置基準に応じた公定価格しか支払われないため、基準以上の保育士の人件費はほとんど施設の持ち出しです。
しかし3歳児20人を一人で保育するところを保育士2人に手厚く配置したとしても、子どものひとりがトイレに行きたいと言えば、保育士がその子に付き添い、その間は19人の3歳児をひとりで保育するということになり、子ども一人一人に気を配れるものではありません。
3歳だと、一段と活発になり元気で予測できない動きをし、お友達とのトラブルも多くなるお年頃。園の外での散歩は子どもの発達に欠かせない体験ですが、手厚く保育士を配置したとしても「園に帰ってくるたびホッと胸をなでおろしている」とある保育士は語っておられました。
また、ある保護者は、県の子ども家庭課との懇談の場で、子どもがトイレに行きたいと言ったら保育士がつい困った顔をしてしまい、子どももそれを察し「悪いことをした」と感じていたこと、その保護者も保育士自身が余裕のない中いっぱいいっぱいなのを感じ、申し訳なく感じたとのことでした。
おそらく保育士さんも子どもにそんな表情を見せたくなかったと思います。子どもの発達と安全を保障するには、今の配置基準がかなり現実と乖離していることは明白です。
手厚い保育は、子ども、保護者、そして保育士、誰にとっても切実なものだと思います。そこで子ども女性局長に2点伺います。
(1)保育現場の現状に対する見解と配置基準以上に保育士を配置している保育施設への支援拡充について、1点目。配置基準と現状とのひらきをどう受け止めているでしょうか。また基準以上の保育士を配置している保育施設への支援をどうお考えでしょうか
<答弁 子ども・女性局長>
より質の高い保育を目指すため、基準以上に保育士を配置することは、県としても 意義のある取組みであると考えております。そこで、これに取り組む施設への支援を 実施しています。平成2 7年度に開始された子ども•子育て支援新制度における配置加算の取組みと して、国は、配置基準以上に保育士を配置した場合に運営費を加算する制度を掲げて います。しかし、現在は、3歳児配置加算のみ実施されており、1歳児及び4 . 5歳 児の配置加算については行われておりません。このため、これらの加算が早期に実施 されるよう、全国知事会を通じて要望しているところです。
また県としては、障がい児を受け入れるに際し、療育支援補助者として保育士を配 置するための人件費支援を私立保育所等に対して実施しており、今後も継続してまいります。
<再質問>
保育士の配置基準について2点伺います。配置基準以上に手厚く(保育士を配置)するのは県としても意義あることと答弁がありました。医療的ケア児や障がい児の保育支援というのは保育士が付き添えるように配置したのであって通常の手厚い配置基準とは少し意味合いが違ってくると思います。各保育施設では保育士の給料を上げたいと思っても、それ以上に(保育内容を)手厚くしたいので、そこに持ち出しをして保育士を配置している実情があります。こういう実情から考えますと国に要望されている通り(保育士の)配置基準をもっと手厚くする必要がある。県としても支援する必要があると思います。考えを伺います。<答弁子ども・女性局長>
先ほどの答弁でも答えさせていただいたとおり、安全性を確保するための配置基準は、 国が保育全体として検討すべきことと考えております。まずは、1歳児及び4~5歳児の配置加算が実現されるように、引き続き全国知事会を通じて要望していきたいと考えております。
(2)低年齢児保育促進事業費補助金の小規模保育所への対象拡大について
2点目、低年齢児保育促進事業費補助金の小規模保育所への対象拡大についてです。コロナ禍で少子化が想定以上に加速しており、低年齢児保育の現場は運営が不安定となっています。この制度は、年度途中に入所することが多いゼロ歳児など低年齢児保育に対して、事前に保育士を配置した分を補助する県独自の制度であり大変喜ばれていますが、私立保育所などが対象となっており、小規模保育所は対象になっていません。小規模保育所とは0.1.2歳児を対象とした保育施設であり、年度途中でも子どもを受け入れられるよう体制を維持し、待機児童を無くすために大きな役割を果たしています。保育士の雇用もまもるため、県としても支援する必要があり、県内の小規模型保育連絡会や保育団体連絡会からも制度改善を求める要望が出されています。昨年度決算では予算額に対し執行率が約6割であり、4割が不執行でした。予算を余らせるのはなく、ぜひ対象を拡大していただきたい。そこで伺います
低年齢児保育促進補助金は小規模保育所が対象外となっているが、対象拡大を検討できないでしょうか。
<答弁子ども・女性局長>
低年齢児保育促進事業費補助金は、当時特に0歳児の年度途中における待機児童が 多かったことを踏まえて平成20年度に開始したもので、あらかじめ年度当初から低年齢児担当保育士を加配する私立保育所等を支援することで、年度途中に新たに生ずる保育希望に対応するものです。ご指摘の小規模保育事業は、平成27年度に始まった子ども•子育て支援新制度の中で、待機児童の解消とともに地域における多様な保育需要に応えるため、市町村が認可する事業です。そのため、小規模保育事業に係る経費については市町村が負担することが相応しいと考え、本補助金においては対象としていないところです。
また、県内保育所の定員は、令和4年4月1日時点で約20%の空きがあり、保育ニーズは一定程度充足していると考えられます。このため、本補助金については拡充せず、現在の枠組みを維持してまいりたいと考えております。
<再質問>
低年齢児保育促進事業費の補助金ですが、小規模保育所は市町村が認可するものであるので市町村が負担するのが適切との答弁でした。この補助金自体も保育の事業主体である市町村に間接補助を行っているものです。ですから認可している市町村への支援という意味では小規模育所も十分対象になるのではないかと思います。県内どこでも零歳児から低年齢児の保育の預け先をちゃんと確保することは県全体の課題です。そのような拡大ができないか伺います。<答弁 子ども・女性局長>
先ほども申し上げたとおり、小規模保育事業に係る経費については、制度の趣旨から、 市町村が負担することが相応しいと考えております。また、令和4年度に県が調査した小規模保育を含めた地域型保育事業の定員の充足率 は約8 0%となっております。約2 0%の空きがあるものと承知しておりますので、そ の中において、市町村で保育ニーズを把握し、適切に調整していただければと考えてお ります。
将来を生きていく子どもたちの保育を担う方々を手厚くし、安全な子育てのつながりができることを願って質問しました。色々な意見等をお寄せ下さい。