中川ゆう子の代表質問と答弁をご紹介します。
中川ゆう子
昨年7月、各務原市の水道水から有機フッ化化合物PFASが高濃度で検出された問題について、9月議会に続き質問いたします。
発がん性などが指摘されるため、この間、各務原市は独自に活性炭による物質除去などの措置をとっておられ、併せて県と市はそれぞれ地下水や河川の水質調査をくまなく行い、先日、その結果が公表されてきたところです。
こうした水質調査と並行し、各務原市においては防衛省に向けて、土壌調査への要望書提出を準備されてきたようですが、防衛省から「土壌」の文言を修正、削除できないかとの要請があったと報道されています。
知事が以前おっしゃっていたように、土壌については調査の方法、評価の在り方など難しい部分があることは承知ですが、しかし、住民の不安解消、健康被害を防止するためには、最終的に汚染源の特定と汚染除去が必要であると考えます。そのためには、基地を含め一帯の土壌の調査は必要不可欠です。
国への土壌調査の要望について
9月議会で「汚染範囲の特定を進めていく中で必要があれば基地内の土壌調査についても、各務原市とともに要請することも検討していきたい」と答弁されていますが、当初とお考えは変わっていないでしょうか。報道によりますと、各務原市は土壌調査の要望を提出する意向だったようです。水質検査について一区切りついた今、市と足並みを揃えて要望すべきと考えますがいかがでしょうか。
答弁 知事
各務原市の三井水源地において暫定目標値を超過するPFOS及びPFOAが検出されていたことが昨年7月に判明して以降、県は各務原市と連携して、汚染範囲の把握のため、地下水や河川等の水質調査を進めてまいりました。
具体的には、国の「PFOS及びPFOAに関する対応の手引き」を踏まえつつ、三井水源地の取水井から半径500メートル範囲の井戸を調査し、超過が確認された井戸がある場合に、されないところまで、4次にわたる調査を実施いたしました。
また、各務原市が行った市内全域95ヶ所の観測井戸に係る水質調査についても、2次にわたる追加調査を実施いたしました。
さらには、地下水の調査を実施した範囲で通過する河川、用水路及び水路についても、2次にわたって16地点を調査したところでございます。
これらの調査が完了したところで、1月31日に各務原市と共同で専門家会議を開催し、これまでの調査結果をお示して議論していただきました。
専門家からは、まず第一に、「高濃度が検出された地点の周辺で井戸がないために、追加調査が少ないエリアがある。そういう場合には、さらに範囲を拡大して水質調査を行うべきである。」第二に、「発生源の絞り込みや今後の地下水の汚染拡大防止・浄化対策などを検討していくためにはまだまだ基礎データが不足していることから、地下水の流れ方や利用状況などに関する情報収集が必要である。」第三に、「周辺事業者のPFOS・PFOAの使用実績の調査が必要である」といったご意見をいただいております。
更には、濃度や暫定目標時の超過範囲が変動することも考えられるため、定点を決めて既に行った調査について更に継続的なモニタリング調査が必要であるというご意見もいただいております。
そして、土壌調査につきましては、これらの取組みで得られた情報を整理し、調査する目的をよく見極めたうえで、必要性を判断するべきであるというご意見でありました。
これら水質調査の結果と専門家の意見については、本年2月に公表するとともに、環境省にも報告いたしました。
また、1月と2月と2回にわたって、各務原市と共同で、岐阜基地に対しても報告するとともに、今後の調査への協力について要請したところでございます。
現在は、専門家のご意見を踏まえて、各務原市と連携をして、4つの調査といいますか、さらなる広い範囲での水質調査、それからデータの収集・分析、そして使用実績調査、さらには継続的なモニタリング調査、これらを順次進めております。
これらの調査結果につきましても、まとめた段階で公表してまいりたいと思っております。
土壌調査につきましては、こうした調査やデータ収集の結果について、改めて専門家からもご意見を聴取しながら、必要があれば、国に対する要望も含め、各務原市とともに検討してまいります。この点については、前回のご答弁と同様でございます。
再質問 中川ゆう子
土壌調査の要望については、まず地下水の流れなど基礎データの収集などをしていったうえでと、言うことではありましたが、その基礎データの収集については必要性は私も否定していないのですけれども、同時並行でやるのは必要なんじゃないかと思います。実際に各務原市の方でこの土壌調査についても要望されるという意思がありました。で、県としてもこれまでの答弁では市と足並みを揃えていくんだというお話でした。せっかくなので一緒に要望されたらいいんじゃないかと言う風に思うんです。その点について、再度お考えをお聞かせください。
再答弁 知事

土壌調査を各務原市と一緒に並行してやってはどうかということでありますけれども、先ほどもこのところ各務原市とはほぼ毎週のように一挙手一投足に至るまで丁寧に足並みをそろえて意見交換をして、率直にやり取りをしながら進めてきているところでありまして、今回の調査の結果と専門家会議のご判断というのを踏まえて、先ほど御答弁申し上げましたように、まずこの4月5月にかけてですね一連の調査をまずやると、その上でもう一度議論をした上で土壌調査については必要かどうか判断するということで、これは各務原市も岐阜県もまったく一致した今考えでございますので、そういう方向でも臨みたいということでございます。