中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

三重県議会の議会改革を学びました

2024年3月27日 5:35 am
カテゴリ: ゆう子の一言


三重県議の吉田綾華さん、県議事務局の方にお世話になり、愛知県のしもおく県議とともに三重県議会の議会改革について学びました。

東海3県の県議勉強会第二弾です。

予算決算常任委員会について

三重の県議会改革の肝になっているという予算決算常任委員会は、都道府県議会では初となる平成10年度に特別委員会として設置。今の常任委員会形式になったのは常任委員会の複数所属が可能となった地方自治法改正を受け平成19年度からです。

予算編成が始まる前や各部局が予算要求している段階から委員会として調査し、次期予算編成や県政運営方針につなげていくスケジュール、仕組みとなっているようです。

予算や運営方針にかかわる問題を質したり提案することが定例議会での一般質問以外でも可能であり、議会活動の幅が広がります。また、推進したい施策については、予算要求段階から必要性や予算の運用について要求することもできます。

以前、岐阜県議会の議会活性化対策検討員会でも議論し検討したことがありましたが、予算議会である3月定例議会の会期中に予算案を集中的に審査できないかという視点だったため、実際には会期スケジュールがタイトすぎて難しいため見送りとなりました。当時、私には予算編成前から取り組むという視点はありませんでした。

実際に三重県議会のお話を聞き、スケージュール上無理がなく、また予算編成に反映させやすく効果的な仕組みなのでとても納得しました。

特に、予算をつけて欲しいという要求については定例議会の一般質問で取り上げるか、決算特別委員会で質問するか、党として予算要望書を提出する等しかなく、質問時間が限られているため苦慮してきたのが実情です。

他にも面白い取り組みが

興味深い取り組みは他にもありました。

定例議会における一般質問時にその質問項目に関わって他の議員が行うことができる「関連質問」です。答弁含め10分で当日通告も可。当初は同じ会派の議員が関連質問するスタイルだったそうですが、近年では質問者と方向が異なる質問も出てくるようになったとのこと。質問テーマについて多様な切り口で県行政を質すことができるのは、議員はもちろんですが行政や傍聴者にとって問題を深めることができ面白いと思いました。

また、高校生議会や出前講座、委員会のネット中継など、議会の中だけで完結させずリアルな発信チャンネルを多様に作っていることも先進的だと感じました。

私自身、議長にお渡しした議会改革の提案にも同様の提案を盛り込んだところだったので、進め方や苦労されていることなど今後のためにお聞きしました。

先日、岐阜県議会活性化検討委員会として子どもたち向けの県議会見学会の開催や(将来的には)出前講座について議長に答申をいたしました。新年度はこの答申を受け実施を模索することになります。新たな取り組みに挑戦したいと思います。

これらの取り組みは議員にとっては魅力的である一方、実施した場合は議会事務局や県執行部の業務負担は非常に大きくなると思われます。しかし、「確かに事務負担は大きいがこれが事務局の仕事だと考えている」と議会事務局の方は説明されました。

議会事務局も県執行部もこの使命を果たせるような組織体制が不可欠だと思います。

最後に

なぜこんなに議会改革が先進的に進められてきたのか?その背景が気になりました。

おそらく知事と県議会の力関係など過去の経緯もあると思いますが、議会改革の議論の歴史が長くその中で議員の皆さんが切磋琢磨されてきたのだろうと思います。また、議会事務局が自らの使命をしっかり掲げておられたように、県議会も、知事・議会それぞれが選挙で選ばれている二元代表制のもとで、知事を追認するのではなくしっかり監視し対峙するという姿勢が貫かれていると感じました。

岐阜県議会は私以外は全議員が知事を支えているオール与党体制ですが、そうであっても本来の県議会の役割は変わらないはずです。

この姿勢を見失うと、議会の必要性を自ら否定することになり、議会改革も目先の目新しさや中身のない薄い議論になりがちです。

とても勉強になりました。

持ち帰って、岐阜県議会の中で模索を続けたいと思います。

ありがとうございました。

中川ゆう子


 

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