中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

6月議会質問(2)PCR検査体制について

2020年7月20日 5:48 am
カテゴリ: 活動報告

PCR検査体制について

感染症と共存しながら経済を回し人が動くのであれば、積極的な検査が可能な検査体制が必要不可欠です。
先にのべた18道県知事の要請にもあった「戦略的な積極検査」に向けて、体制を作っていく必要があると考える。特に要請では、福祉分野や医療分野が強調されています。
また、先ほどの答弁がありましたが、今議会には観光施策が多く盛り込まれていますが、クーポン券でPRしても、来訪者や従業員の感染が判明すると一気に客足が遠のいてしまうという事は、すでに私たちは経験しております。
本来、原因はウイルスで有り、感染してしまった方も施設も責めを負うものではありません。感染症との共存が成功するかどうかのカギは、安心して人が訪れることのできる県であり、同時に飲食店や宿泊施設の従業員も広く検査を受けられ安心感を持って働くことのできる事が求められています。
このように各産業分野において経済を回していくのであれば、幅広くPCR検査が実施されることが大前提であります。

PCR検査体制の強化について

中川ゆう子の質問

安心した日常生活、経済活動を行う上で、幅広くPCR検査を実施していくことは非常に重要と考えますが、検査にあたっての県の基本的な考え方を、知事にお聴きします。

知事の答弁

本県ではこれまで、新型コロナウイルス感染者の早期発見と感染拡大防止と、この両面から、国の基準に厳格にとらわれることなく、柔軟かつ積極的にPCR検査を実施する方針を明らかにしてまいりました。特に、濃厚接触者に対するPCR検査は、5月29日に国が基準を改定する前から、症状の有無にかかわらず実施してきております。これによって、3月下旬から4月にかけてのクラスター事案では、複数の無症状病原体保有者を確認をし、感染拡大を早期に終息させることができたわけであります。こうした取組みについては県の専門家会議でもご評価をいただいております。

これまでの検査体制の強化を振り返ってみますと、県及び市が行う行政検査につきましては、当初1日40件ということでございました。機器の購入、人員の増強といったことで検査能力の増強を行いまして、 1日120件まで増やしてまいりました。

今後、さらに検査時間の短い試薬の導入により、 1日160件まで強化してまいります。また、県と市のクラスター対策合同本部、これは初めての試みでありますが、これを設置して後は、県・市いずれかの検査数が過大となった場合には、調整のうえ、お互いの検査を補い合うということで、効果的、効率的に検査を実施する体制ができてきております。
また、病院内で検査を実施していただくための設備整備の支援を行ってまいりました。現在、9病院で検査が可能となっておりますが、今後さらに加えて8病院でも院内検査体制を整備してまいります。

さらには、地域でPCR検査を必要とする患者に適切に検査を実施する体制を整えるという観点から、地域医師会等が運営する「地域外来・検査センター」の設置を進めてきております。東濃圏域でのセンター運用開始を皮切りに、現在、県内5圏域で7つのセンターを運用していただいているということでございます。

こうした取組みによりまして、 1日の検査能力を600件を超えるところまで拡大する目途が立ったところでございます。これまでの1日の最大検査実績、岐阜県としては161件でございました。こうしたことも勘案しながら、感染の拡大期においても十分な検査を実施できる体制の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。

感染警戒QRシステムなどの運用について

中川ゆう子の質問

これは施設やイベント会場において携帯でQRコードを読み取り登録することで、後日その会場に感染者が発生した場合に通知がされるという岐阜県独自のシステムです。また岐阜市など各自治体でも同様のシステムがありますし、国の感染者接触確認アプリも運用がはじまっておりますが、これらの各種ツールから通知を受けた場合は検査対象になるのかどうかは明確になっておりません。通知を受け取った方への積極的な検査実施など、PCR検査の拡大に向けた運用についてお聴きします

健康福祉部次長の答弁

県の感染警戒QRシステムは、施設に提示したQRコードを来訪者がスマートフォン等で読み取り、メールアドレスを登録いただくことで、施設利用者に患者が発生した場合、同じ日に施設を訪ねていた方に対し、注意喚起のメールを送信する仕組みです。一方、国の接触確認アプリは、スマートフォンにアプリをインストールすることにより、患者と半径1メートル、 15分以上接触した可能性のある利用者にアラートを発する仕組みです。

「場所」に着目した県のQRシステムと、「人」に着目した国のアプリの双方の特徴を活かすことで、幅広く濃厚接触の可能性のある方を把握することが可能になると考えております。

県としましては、いずれのシステムについても、情報の通知を受けた方から、保健所がご本人の行動歴やマスクの着用状況、体調等を丁寧に聞き取らせていただき、必要な方に対しては柔軟かつ積極的に検査を実施することで、感染拡大の防止につなげてまいります。

 

岐阜県保険医協会のアンケート結果をふまえた課題の把握について

これまでPCR検査までの流れは、保健所に設置された帰国者接触者相談センターが、本人またはかかりつけ医からの相談を受け付け、保健所を通じて、検査機関に橋渡しされ検査が実施されるというものでした。

このように当初から新型コロナ対策の要になっていた保健所ですが、岐阜県においては1990年代に保健所数が11箇所あったのが減らされてきました。政府諮問委員会の尾身茂(おみしげる)会長も、「保健所が大規模な検査をすることを前提委にした仕組みになっておらず、人員も削減されてきた」「しっかり議論すべきだ」と参考人質疑で述べられておられるように、これは岐阜県のみならず全国的な問題です。

こうした状況下での新型ウイルスの対応は、様々なご苦労があったのではないかと思っている。人員を増やし対応されてきましたが、やはりこれを契機に体制を抜本的に見直す出来だと思う。そして削減前と比べ少ない人員の中、連続しておきたクラスターへの対応などきめ細かく対応されたことに感謝と敬意を表します。

しかし、保険医協会の調査で、回答した医師の7割が医学的見地から検査必要と判断したのに検査してもらえなかったと回答されていることは、今後に生かすためにもしっかり考える必要があります。
3月の時点で、岐阜県は国の基準より幅広く検査を実施し、少なくとも医師が必要と判断した場合は検査を行っているという説明でしたが、全く違う実態が報告されていることに驚いております。保険医協会のみなさんは今後に生かしてほしいとの思いで公表されたとのことです。
一体何が課題なのか検証し、体制全体を改善しておく必要があると思うがいかがでしょうか。また、ぜひ実情を医療関係者から聞き取ってほしいと感じているが、お考えを聞く。

診療所への支援とPCR検査センター(地域外来・検査センター)の円滑な運営について

検査数を拡大するために、新たにPCR検査機能を地域の医師会に委託するPCR検査センターが現在県内7か所に設置され、重要な役割を担っていただけると期待している。
しかし、このセンターの運営は地域によって異なっているようで、一定の指針が必要ではないかと感じています。

また、このPCR検査センターにかかるには、診療所での診察が必要だが、そもそも診療所では発熱した場合診察できないという事案が出ていることも見逃せません。
その理由は、診療所のスペースや資材不足のため受け入れ体制が十分ではなく、また医療従事者自身は一律には検査対象にならないなど不安もつきない。体制が十分でない中診察をし、検査で陽性だったとき2週間診察を休むリスクも大きいようです。

大変気になるのは、先にご紹介した保険医協会の調査では、県内の多くの診療所で受診控えにより大幅減収となっていることです。

中川ゆう子の質問

PCR検査センターで検査を受ける入り口は、こうした地域診療所が担っており検査体制の中では重要な入り口部分です。発熱患者の受け入れ体制がどうなっているか、また減収の実態把握とそれに対する支援を検討すべきでないかと考えます。また、PCR検査センターの1日あたりのキャパシティは各圏域20件とのことだが、4月のピーク時は岐阜市だけで一日100件近くの検査を行っておられます。第2波やインフルエンザ流行期に備え、検査数をさらに拡大する必要があると思うが、どれほどの検査数を確保しておく必要があると考えていらっしゃるか。今後の取り組みを健康福祉部次長に聞く。

健康福祉部次長の答弁

新型コロナウイルス感染症による診療所の経営への影響については、日本医師会が実施した経営状況アンケートなどから保険診療収入が減少していることを把握をしております。また、県の専門家会議でも、診療所の経営状況が厳しいとのご意見を伺っております。

そのため、今回の補正予算では、診療所への支援として、院内での感染拡大を防止し地域に必要な医療を提供いただくために、診療所が行う感染拡大防止対策に係る経費を支援するほか、感染リスクに立ち向かい強い使命感を持って業務に従事される診療所の医療従事者や職員への慰労金の給付も実施をいたします。

また、地域外来・検査センターの検査能力については、今後の感染拡大に備え、検査件数を増強できる体制を整えるよう、運営主体である地域医師会等に働きかけるとともに、県としては必要な支援に努めてまいります。なお、県全体の1日の検査能力については、専門家会議でのご意見をいただいたうえで、第2波に備えて、計600件を超えるところまで拡大することとしております。

中川ゆう子の再質問

医師会の調査を挙げられたが、調査方法、回答手順が全く異なる2つの調査を比較するのは合理性に欠ける。詳細を明らかにすることは対応車を責めることになる。無記名であったり、いつの時点かわからない、地域がわからないという考えではなく、まずは、直接このアンケートをされた方々に、実態をしつかりと丁寧に聞き取って課題が何で、それが今は解消されたのかどうか、ここを検証していただきたいと思うが、そのお考えは。

健康福祉部次長の再答弁

先ほどお答えさせていただきましたとおり、新型コロナウイルス感染症は、これまでに経験のない新たな感染症であったため、特に初期の段階では現場に混乱もあったものと考えております。しかし、その中でも、保健所に7割が断られたとの数字については、県も、また県の保健所関係者も驚きを持って受け止めたところでございます。

今後に生かすためにも、関係者からご意見を伺うことは重要でございますので、調査を実施された県保険医協会からも近日中にお話を直接伺って今後に生かしていきたいというふうに考えております。

また、感染状況は日々刻々と変化をしていきますので、一度状況を把握して終わりということにはまいりません。コロナウイルスに関連する県の専門家会議には感染症の専門家に加えまして、県医師会や県病院協会の代表にもご参加をいただいているところであります。引き続きこうした関係者から、継続的に県内の検査実施状況についての状況も聞きながら、今後の対応に生かしてまいりたいと、このように考えてございます。

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