7月に岐阜県が県民に対して実施した県政世論調査では、暮らし向きが去年に比べて「苦しくなった」との回答が6割を超えました。「変わらない」を上回ったのは昨年に引き続き2年連続であり、6割を超えたのは15年ぶりです。
暮らしの満足度については、今年は十分、おおむね満足に比べまだまだ不満、きわめて不満が上回りました。満足度は2年連続で下がっています。
値上げラッシュが続く中、実質賃金は下がり続けており、一円でも切り詰めて生活している状況が、この調査からも現れています。
先の9月議会で質問した医療機関、社会福祉施設等への物価高騰対策については、今議会で補正予算に盛り込まれました。重要な補正予算であると思います。しかし今回物価高騰対策として補正予算に盛り込まれたものの多くはこれまでの延長となっているようであり、県政世論調査の結果からみると、生活者支援の施策が足りないのではないかと感じます。
今回の国の臨時交付金、重点支援地方交付金の推奨事業メニューでも、事業者支援と生活者支援、両面で、それぞれメニューが上げられています。とくに生活者支援では、エネルギー、食料品価格等の物価高騰に伴う、低所得者支援、子育て世帯支援、消費を下支えする生活者支援などが上げられ、子ども食堂に対する負担軽減のための支援やヤングケアラーに対する配食支援も可能とされている。
そもそも、国からの交付金の限度額が前回の7割程度と少ないことも問題だとはおもいますが、県においては、コロナ等対策基金を前回の議会で約20億円積み増しています。今議会での取り崩しは約2億円とのことですので、約72億円が活用可能ということです。県民世論調査の結果を受けて、こうした基金も活用し生活者支援を拡充すべきではないでしょうか。
知事にお聞きします。
県政世論調査結果を反映した12月補正予算における生活者支援施策の拡充について
質問 中川
12月補正予算の中で、調査結果を反映させた生活者支援の施策を拡充していただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。
答弁 知事
先月1 0日に公表した県政世論調査では、くらし向きが苦しくなったと答えられた方が、前回調査に比べ1 0 . 1ポイント増加し、6 0 . 4 %となっております。その理由としては、物価上昇による支出が増えたためとする方が9 2. 7 %を占めております。
県としては、今年度の5月補正予算におきまして、9月末までを基本とした物価高騰対策予算を計上し、生活者や事業者への支援を行ってきたところでありますが、くらし向きがなお苦しいという県民の方々の声や、物価水準が依然として高い状況にあるということを踏まえ、改めて支援のニーズをお聞きし、必要な対策を検討してきた次第であります。
今回の補正予算案に盛り込んだ物価高騰対策は、生活者の方、事業者の方それぞれに対しまして、5月補正予算で計上した支援策について、来年3月まで期間を延長して実施するとともに、新たな支援も行うこととしているものでございます。
その中で、生活者の方への支援としては、Lpガスを使用している一般世帯などへの料金支援、私立学校や保育施設における給食費やスクールバス燃料費への支援、医療機関や福祉施設の食材費等への支援などについて、継続して実施いたします。
また、新たに、子ども食堂などに食料品を提供するフードバンク活動団体に対して、農家などから寄付された農産物の配送に要する燃料費の支援を実施することとしております。
再質問 中川ゆう子
令和3年,4年,5年度のそれぞれの変化が非常に大きい。特に4年,5年が悪化をして,(グラフの)角度が急になっていると感じました。今回の12月補正というのは,この世論調査結果を踏まえた初めての補正予算だと思います。そういった意味では,もっと敏感に受け取って新しい事業を始めてほしいというのが私の思いです。
最初にご指摘申し上げましたけれども,この12月補正予算,LPガスであったり,給食費で あったり・・それぞれは非常に重要ではありますが,これまでの支援の延長が多くを占めており ます。今回は,新たな事業を打ち出すべきではなかったか,と感じます。この部分について,生活者支援策の拡充の必要性,さらなる拡充の必要性について感じておられるか、お考えをうかがいます。
再答弁 知事
国の対策、県の対策、市町村の対策、それぞれ全体として、今、国をあげてこの問題に取り組むという中で、県がどういう役割を果たすか、それからどんなご要望があるか、といったことを各部局で精査しながら積み上げていったものが今回の補正予算の内容です。
生活者支援と事業者支援について、国の分類ではほぼ半々の内容になっておりますが、私立学校や一般公衆浴場、地域公共交通事業者などに対する光熱費や燃料費の支援については、国は事業者支援と分類しているものの、結局は県民生活の支援につながるものであり、そういった面も含めて、生活者支援の内容が全体の約3分の2を占 めているものと思っております。
ただ、これで十分で、もう何もしなくていいというわけではなく、現在、来年度予算を検討しているところでありますし、状況の変化に敏感に対応しながら、次の予算 編成にも反映させていきたいと考えております。

再々質問 中川ゆう子
是非「来年度予算に反映していきたい」ということでしたので,それはお願いしたいと思います。が県民の、かなりリアルな声が今回、調査結果で現れておりますので、やはりここの12月補正予算というのも大事にしていただきたいというふうに思います。
特に、前回の議会で「物価高騰にも使える基金」というのを積み増しをいたしました。今議会で2億円取り崩したけれども,まだ72億円あると・・・。本来,基金というのは何かあったときにスピード感をもって補正予算が組めるように予算を積み増ししたものです。これの活用はできないのか、この点についてうかがいます。
再々答弁 知事
今回の補正予算は、県庁内各部局で、現場の様々なご意見・ご要望を精査しながら組み立てたものであるということと、継続案件ばかりではなく、先ほど一部ご紹介しましたが、フードバンク向けの事業など、5月補正では計上されていなかった事業も含まれているわけでありまして、現時点では、この補正予算をしつかりと実行していくというふうに考えております。
さらに状況が急変し、またいろんなニーズが出てこれば、その時点で弾力的に考えていく所存であります。
