9月議会以降継続審査となっていた決算認定のうち4会計について不認定とし、それぞれ問題点を指摘しましたのでご紹介します。
なお、この他の各決算は全会一致で認定されました。
議第73号 令和4年度岐阜県一般会計歳入歳出決算
県財政の悪化傾向に関し、起債の在り方や大型公共事業の優先順位を検証すべきと考えます。県の借金である県債残高は令和4年度約1兆7294億円となり、前年度に比べ約190億円増加しました。財政規模における返済額の割合、実質公債費比率は、令和4年度当初予算編成時の見通しに比べ急激に悪化しており、将来の負担規模を示す将来負担比率も222.9%に悪化、こちらは全国でも高い水準となっています。
令和4年度決算における県債の多い上位3事業は、1位が国直轄道路事業負担金おもに東海環状自動車道、約144億円、2位が県庁者建設約120億円、3位が道路新設改良費で約97億円。
このように、県債依存度の高い高規格道路の建設が、財政に過度な負担となっており、借金増の要因であることは明白です。公共事業は、老朽化が進む道路や橋梁の改修や安全対策、学校施設の建て替えを優先し。優先順位を見直すべきです。
先ほどの討論でも申し上げたように、今議会には数多くの請願が出されました。教育や子供の医療費助成など切実な要求が多く、実施には継続的な財源措置が必要です。返済額が大きくなるということは、県民の教育や福祉ニーズにこたえるための財源が厳しくなるということであり、県債残高そのものを減らしていくための財政計画を作るべきと申しあげます。
採決結果【認定】認定:45 不認定:1(中川)議第78号 令和4年度岐阜県県営住宅特別会計歳入歳出決算
入居率の低い県営住宅を集約化し、実質縮小化させていく方針のもと、これまで、宮代、あかほぎ、荒崎、加野、尾崎団地が順次集約化されてきました。
しかし、入居率の低さは、公営住宅全体のニーズが減ったからではなく、時代に即さない古い間取り、エレベーターがない、交通の便がわるい、など住環境の悪さが要因です。この要因を抜本的に解消しないかぎり、集約化しても入居率の低下はとめることができず、根本的な解決にはなりません。
移転対象となった世帯では、高齢や障がいなどそれぞれ困難な状況をかかえる中で移転を余儀なくされてきましたが、さらなる集約化で2度目の転居を迫られる事例もあるようです。本来はセーフティネットであるべき公営住宅で、いつまで住み続けられるのか、入居者が不安を抱えてしまうやり方には賛同できません。集約化一辺倒ではなく、建て替えなど思いきった住環境の改善を要望します。
採決結果【認定】認定:45 不認定:1(中川)議第80号 令和4年度岐阜県国民健康保険特別会計歳入歳出決算
高い保険料が課題ですが、抜本的な解決につながっていないばかりか、さらに引き上げをせざるを得ない自治体が増えています。
市町村が独自で行ってきた保険料を抑制するための法定外繰り入れは、県の運営方針により削減されてきましたが、本来県が行うべきは、法定外繰り入れの削減ではなく、保険料軽減のための財政支援です。加入者の生活実態を調査し、国に対し、さらなる財政支援を強力に求めることを要望します。
採決結果【認定】認定:45 不認定:1(中川)議第83号 令和4年度岐阜県徳山ダム上流域公有地化特別会計歳入歳出決算
旧徳山村村民は、山林の公有地化を望んでおらず、ダムが建設されたのちも自身の所有地に立ち入ることが保証される取付道路が、当初からの要望でした。公有地化事業が順調に進まない根本的な要因は、こうした過去の経緯であり、この事業そのものに賛同できません。
採決結果【認定】認定:45 不認定:1(中川)