中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

9月議会質問(2)7月豪雨、21号台風、および北海道胆振東部地震を受けた県の取り組み、防災対策の見直しについて

2018年10月13日 1:46 pm
カテゴリ: 活動報告

7月豪雨、21号台風、および北海道胆振東部地震を受けた県の取り組み、防災対策の見直しについて

豪雨、台風など、相次ぐ自然災害に見舞われています。被災された方々にお見舞いを申し上げるとともに、被災地の救援や復旧にご尽力いただいたボランティアのみなさん、職員のみなさんに心から感謝と敬意を表します。

災害に強いまちづくりとは、災害から教訓を学び制度や対策に繋げていくことだと思う。
自然災害をコントロールすることはむつかしいが、被害を最小限に抑えるために今回は3点申し上げたい

県被災者生活・住宅再建支援事業の増額、拡充について

7月の西日本豪雨、21号台風、北海道胆振地震でも、非常に多くの住宅被害が発生しました。

被災者の生活再建を支援し、住民の生活の安定と被災地の速やかな復興に資する目的で制定されたのが、被災者生活再建支援法です。7月の西日本豪雨では、関市が適用され、被害の状況や再建方法に応じ最大300万円が支給されることになっています。

しかし、適用条件の計算が市町村ごとに一定割合以上の被害世帯でないと適用されないため、同じ西日本豪雨で同じ住宅被害を受けても関市以外の県内自治体の住民は被災者生活再建支援法が適用されません。同じ災害であれば同じように国の支援金が受けられるのが本来であり法の支援対象拡大が必要だと考えます。

こうした法の適用から外れた被災世帯に対しては、県独自の被災者生活・住宅再建事業として被害状況に応じて支援金が支給されます。しかし金額には差がありたとえば今回の場合、住宅全壊だと法が適用された関市では300万円ですが、関市以外の方は100万円の支給になります。

中川ゆう子の質問

そこで知事にお聞きします。
このように、国の被災者生活再建支援法と県の被災者生活・住宅再建支援事業では金額に差があるため、同じ災害で同じ住宅被害にあっても県内で住んでいる場所によって受けられる支給金額がバラバラになっています。本来、国においてどこに住んでいても生活再建のための支援が受けられるのが本来であり、県は国に要望を行っていただいていますが、県としても拡充を検討すべきでないでしょうか。

知事の答弁

現行の国による被災者生活再建支援制度でございますが、一定規模以上の災害時に、基本的には市町村を単位として支給されるということでありまして、例えば、全壊家屋が10世帯未満など基準を満たさない場合には、同様の被害でありながら、住居地域によっては支援が受けられず、被災者間での不均衡が生ずるという問題がございます。これはご指摘のとおりであります。

この問題については、かねてより全国知事会でも共通の問題意識を持っておりまして、本年8月にも国要望の中で、その是正に向けて、「一部地域が適用対象となるような自然災害が発生した場合には、法に基づく救済が被災者に平等に行われるよう、全ての被災区域が支援対象となるよう見直すこと」ということで要望をさせて頂いております。

こうした中で、本県としては、平成16年度にこの国の制度を補完するという形で県単独の被災者生活・住宅再建支援制度を創設いたしました。この制度のもとでは、国の基準では対象とならない市町村における被災世帯に対して支給金の交付を行うということで、一定の不均衡の是正にあたったということでございます。

一方、ご指摘がありましたように、国の制度では最大300万円と、これに対して、県の制度では最大100万円ということでございますので、額については差があるというのが現実でございます。

この県の制度でございますが、県3分の2、市町村3分の1の負担で、市町村が支給主体になるというそういう制度でございます。つまり、市町村の支給を県が支援するというこういう趣旨の制度になっているわけであります。従いまして、この県制度のあり方をどうするのかということにつきましては、昨年度あたりから市町村との間で意見交換を進めておりますが、市町村そばからは、例えば、「小規模災害で支給が受けられないのは不公平とも考えられる」というご指摘もある一方で、「支給対象が拡大すれば市町村の負担増が懸念される」と、こういう意見もございまして、意見の集約には至っておらないという状況でございます。

先般の7月豪雨災害もございました。あらためて、この県制度のあり方について、市町村との意見交換を行ってまいりたいというふうに思っております。

中川ゆう子の再質問

県の被災者生活・住宅再建支援事業の増額、拡充について、もう一度知事にお聞きします。国に対して分け隔てなく支給を受けられるように要望されているということで、これは私もまったく同感であり、この点については違いはないと思います。

ただ、そうはいっても現実問題として、今回はこのような金額の差が出てしまっております。この差を埋めるために、全国では18の府県で国と同額の300万円に増額したりとか、または解体費の支給がつくられているのも16の自治体であるということです。また、先ほど知事がおっしゃったのは、市町村の負担がネックとなっているということでしたが、市町村の負担がネックとならないように、県が全額負担しているというのが全国で22府県であります。

こうした制度の充実や金額の増額ということについて、もう一度お考えをお聞かせください。

知事の再答弁

もちろん、全国を眺め渡しますと、色んなやり方がある訳で、それぞれのお考えの中で制度が組み立てられているということだと思います。

それから、今日ここでは触れませんでしたけど、岐阜県の場合にも、国の支援の対象外のものについて、いわゆる「横だし」といっておりますけども、こういったことを支援するということもやらしていただいておりますわけで、その辺の濃淡や支援の幅とかいろんな角度から検討するということについては、やぶさかではないわけでありまして、先ほど申し上げましたように、とりあえず私どもとしては、市町村の支給を支援するというですね、この制度論を維持するのか、それとも全く新しい制度をこれから考えるのか、そこの所も一つ考えなければいけないところだと思います。

色んな意味で先ほど申し上げましたように、先般の7月豪雨もあったわけでありますから、よく良く検討したいということでありまして、特にこれまで市町村と県のともに支援をしていくという構えをやってきたわけでありますけど、この構えをどうするか、その場合の市町村のお考えはどうなのかという所から、議論に入っていくのだろうというふうに思っております。

自然災害による停電への対応について

台風21号により岐阜県をはじめとする東海地方で広範囲に停電となり、復旧には数時間という地域から1週間を要する地域もあるなど、テレビや携帯電話が使えない中、防災情報をはじめとする情報から遮断されるという日が続きました。

北海道では、台風翌日に最大震度7度の地震が発生し約300世帯が一斉に停電しました。情報から遮断される中、台風と地震が連続して起き、異なる自然災害が同時におこる複合災害への対応や長期の停電への対応など新たな課題を感じています。

とくに長時間の停電は、生活が不便という問題だけでなく、スマホやテレビで得られる災害情報や避難指示という重要な情報から遮断されるという危険をはらんでいますが、党内のどこが停電しているのかよくわからず、共助に動きづらかったという実感があります。

また、重度障害者や酸素ボンベや吸痰を利用していらっしゃる方の場合、医療器具も長期の使用はむつかしかったようです。
福祉避難所になっている福祉施設では発電機がかなり高価なため自前で導入できず備蓄していない場合もあり、長期の停電における課題は多方面で多いと思われます。
今後に向けて、対策を講じておく必要があると感じました。

中川ゆう子の質問

そこで災害時に停電した場合の対応を検討する必要についてお聞きします。
電力会社の説明責任については、現場は大変だったと聞いているが、携帯からの電話窓口もホームページも混雑していてつながらない状況が続きました。
電力会社と協力し、電気利用者への情報提供が必要ではないかと思うところです。
また、蓄電池の充実、停電していない公共施設の開放、防災無線の活用など、長時間の停電時の対応を検討すべきと思うがお考えをお聞きします。

危機管理部長の答弁

停電は県民生活に多大な影響を及ぼすものであり、県民の不満や不安をできるだけ解消するためにも、電気事業者はきめ細やかに情報提供を行っていくことが必要であると考えております。

県では、先月の台風21号による停電発生時には、電気事業者には復旧の見込みはもとより復旧が遅れる場合にはその理由も含めてホームページをこまめに更新するなど、県民及び市町村に対し適切に情報提供を行うよう要請したところです。一方、市町村では、住民の状況や要望に応じ、発電機やランタンの貸し出し、電気事業者への非常用電源車の出動要請、さらには庁舎を開放してのスマートフォン充電などの対応がなされたとの事例もありました。

今回の経験を踏まえ、電気事業者との間では役割分担や連携方針についての協議をすでに開始したところですが、さらに市町村とも協議を行うこととし、避難所での資機材の整備や公共施設での対応など、ご指摘の点を含め検討を進めて、停電時の対応策として取りまとめてまいります。

要支援者、高齢者の安全な避難と特別警報時の対応について

関市では危険を察知した時点では、浸水が始まっており、深夜だったという事も加わって避難指示の発令が遅れた。一方、岐阜市で深夜に避難勧告が出された地域では、避難を躊躇したり、寝ていて気づかなかったという事例もあった。

中川ゆう子

雨が降る前に(特別警報が出された時点で)避難を促すことや、避難できる雰囲気づくりと行きやすい避難所づくりが必要ではないか。と感じるが、今後の取り組みをお聞きする

危機管理部長の答弁

高齢者、障害者など避難支援を必要とする避難行動要配慮者の避難対策は重要な課題であります。風水害などにおいて避難勧告などの発令が想定される場合、要配慮者の安全な避難のためには、時間帯も考慮しつつはやめに「避難準備・高齢者等避難開始」を発令するとともに、避難時解説など所要の体制を整えることが不可欠です。県では、災害時にはその都度テレビ会議システムを活用して当該避難情報の発令について呼びかけ、適切な対応を促しております。

次に、避難所運営の点ですが、県では、避難所の解説及び運営を迅速かつ円滑に行われるよう「避難所運営ガイドライン」と作成し、要配慮者用スペースの確保をはじめ基本的事項についてチェックリストを添えて市町村に示しています。今後は、市町村での運営訓練の実施についても働きかけてまいります。

また、避難所において要配慮者が気兼ねすることなく過ごすことができるよう、環境整備のための市町村向け補助制度を本年度創設したところであり、その積極的な活用についても促して参ります。

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