中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

【2024年3月議会/質問と答弁2】防災・災害時の対策について

2024年3月26日 12:26 pm
カテゴリ: 議会

中川ゆう子の質問と答弁をご紹介します。

中川ゆう子

まず住宅耐震補強工事にかかる補助金制度の拡充について都市建築部長に伺います

大規模地震から命を守るためには住宅の耐震化は欠かせませんが住宅土地統計調査によりますと岐阜県の耐震化率は83%となっています

2025年までに耐震化率95%を目指すという目標ですが2014年以降に持ち家の耐震補強工事をした割合は2%です目標達成は難しい状況と言わざるを得ません

住宅の耐震補強工事は一般的に平均で300万円ほどかかると言われています年金暮らしや非正規雇用ではローンを組むことはでき工事に踏み切れないという県民もいらっしゃいます


(1)住宅耐震補強工事に係る補助金制度の拡充について

耐震化率95%をめざすため経済的事情で工事に踏み切れないケースに対し耐震補強工事への補助金制度を拡充できないでしょうか。


答弁 都市建築部長

県では木造住宅のなる耐震化を進めるため補助金の上限額を段階的に引き上げてまいりました具体的には平成16年度の事業開始時に、60万円としていた上限額について、現在は110万円まで引き上げており全国的にも手厚い補助となっております

また今回の能登半島地震を踏まえ来年度当初予算案では耐震改修に係る補助金を今年度の割増に拡充いたしました

一方個別の理由から住宅の耐震化を躊躇されている方に対しては所有者のご事情を踏まえつつ、必要な耐震化を進めていただけるよう個別無料相談会において安価な改修工法の選択肢や工事費の目安をお示しするなど支援を行っております

県としては県民に必要な耐震補強工事を行っていただけるよう補助金による支援や個別無料相談会でのきめ細やかな対応のほか、各戸訪問による働きかけを強化してまいります


再質問 中川ゆう子

手厚い支援を行っているとそれ自身は私自身も否定しませんが、それでも8割強しかまだ耐震化が進んでいない原因をしっかり見ていただきたいというのが私の思いであります。例えば、手厚い支援は行っていると言いつつも上限が110万円です。だいたい平均で工事には300万円かかると言われているそうなので、200万円近く自己資金が必要である。しかし、年金暮らしの方、それから非正規雇用の方というのは実質ローンは組めませんので、やりたくてもやれないということがあります。相談会は無料だということですが、それであってもできない方がいると。そこに対してもう少し光を当ててもらいたいという思いがあります。今回の能登半島地震でも圧死で亡くなられた方が大半を占めているということから考えるとやはりここについては工事をしたくてもできないという方について、もっときめ細かい支援メニューを作るなど、補助金制度の内容の拡充が必要ではないかと思います。戸別訪問などされているということでしたが、そこでぜひ経済的理由で一定割合、工事に踏み切らないという方がいらっしゃると思うのです。そういう方々のニーズを聞き取って、補助金の拡充のヒントにしてほしいと思いますが、お考えをお聞かせください


再答弁 都市建築部長

耐震改修は、県民の命を守るために必要なものであるということから、県では、より多くの方に必要な耐震改修を行っていただけるよう、補助金の上限額を段階的に引き上げており、全国的にも手厚い補助となっております。

県といたしましては、県民に必要な耐震補強工事を行っていただけるよう、引き続き、個別無料相談会や各戸訪問を通じて、安価な改修工法の提案など、所有者のご事情に寄り添った提案に努めてまいります。


(2)災害時の避難について

続いて災害時の避難について3点、危機管理部長にお聞きします。


① 指定避難所以外の多様な避難の在り方について

地域ごとに確認すると、指定避難所の定員と想定される被災人口には大きな隔たりがあり、これをどうするかが課題だと私は思います。市町村の指定避難所以外の自主避難所、ホテルなどを活用した2次避難所など様々な避難のあり方を広げられないでしょうか。

そこで1点目です。

想定される被災者数からすると、避難所の定員は少ないと感じます。多様な避難のあり方を計画に位置付け、県内で広げていただきたいのですがどのようにお考えでしょうか。


答弁 危機管理部長

県地域防災計画においては、指定避難所だけでは避難する施設が不足する場合を想定し、ホテルなどの宿泊施設の活用も含め、可能な限り多くの避難所を開設することに加えて、自宅にとどまったり、親戚・知人宅などに避難された方への支援物資の配布などに努めることとしております。

これをもとに、県では、まず市町村に対して、個別の宿泊施設や旅館組合との協定締結により、多くの避難所の確保を促しているところです。今月中に「協定締結のてびき」を作成するとともに、引き続き、市町村長を対象とした災害対応研修や、担当課長会議などの機会を捉えて、更なる協定締結を促してまいります。

また、昨年10月には「分散避難システム」を導入し、指定避難所以外に避難している方の避難場所や人数、必要な物資の種類や数量を把握できるようにしております。このシステムにつきましても、市町村に活用を働きかけるとともに、地域の防災訓練や研修の場を通じて、県民の皆さまに広く紹介してまいります。


② 国際基準を踏まえた避難所体制と財政支援の拡充について

災害から生き延びた被災者が避難所生活や車中泊を続ける中で命をおとしてしまう災害関連死も大きな課題です。

国際基準いわゆるスフィア基準とは避難所や難民キャンプの環境についての国際基準であり例えばトイレは20人に1つ、居住スペースは1人3.5㎡、プライバシーが守られる場所の確保など避難所の避難者の健康を維持するための最低基準とされているものです。 

しかし県内の市町村ごとの避難所の資材の備蓄状況を見ますと例えば段ボールベッドの備蓄は全市町村の6割にとどまり、段ボールベッドの間仕切りを備蓄している市町村5割にも満たない状況です。

岐阜県では今年度から避難所の環境整備にむけて女性等の視点に立った避難所運営推進事業費補助金を設け市町村ごとにモデル避難所を決め財政支援を行ってきました。しかし、1市町村に1カ所のみが対象であり、これを全市町村全ての避難所に広げる必要があると思います。

そこでお聞きします。

国際的な避難所運営の基準であるスフィア基準が守られた避難所にする必要があると思いますが、現状はほど遠い状況です。目指すべき避難所のあり方と県の財政支援の拡充についてどのようにお考えでしょうか。


答弁 危機管理部長

県の避難所運営ガイドラインは、避難所における生活環境の基準を定めた「スフィア基準」の考え方に準拠しており、市町村において、これに基づいた避難所の環境整備や避難所運営が進められるよう、研修や説明会を通じ、ガイドラインを周知し、その取り組みを促しているところです。

また、本年度からは、女性や配慮が必要な方々の参画のもと、モデルとなる避難所を整備する市町村に対し、必要な資機材を導入する経費を支援するための取組みも始めております。

来年度は、全ての市町村で本事業に取り組めるよう、事業費を拡充する予定としております。まずは、本事業の実施を通じて、避難所のモデルケースを蓄積し、これを市町村と共有することにより、市町村においてその他の避難所にもモデルケースを参考にした環境整備や避難所運営が進められるよう、県として支援をしてまいります。

その上で、財政支援の規模や内容については、避難所整備の広がりを踏まえて検討してまいります。


③ 男女共同参画の視点に立ったガイドラインの活用について

災害時に女性や子どもに対するDV、性暴力などのリスクが高まっていることを受け令和2年内閣府男女共同参画局において男女共同参画のガイドラインが策定されました。そしてこのガイドラインに沿った避難所運営や暴力防止の取り組みについてチェックリストが作成されています。岐阜県地域防災計画の基本方針にも男女共同参画の視点を取り入れた防災体制の確立に努めるとありますが、認知度は低く、実際の防災訓練などではまだまだ浸透しているとは言い難いと感じます。

そこでお聞きします。

男女共同参画の視点に立ったガイドラインに沿った取り組みを進めるため、内閣府が作ったチェックリストを周知し現場で活用することが必要であると思います。県としてどのようにお考えでしょうか。


答弁 危機管理部長

避難所では、不特定多数の方が共同生活を送ることとなるため、男女の双方に配慮した避難所運営が必要となります。

内閣府男女共同参画局が作成したチェックリストは、「避難所のスペース」「避難所の運営体制・運営ルール」「暴力防止・安全の確保」「衛生環境・感染症予防」「在宅避難者を含む避難所以外への避難者への支援」といった5つの観点から、避難所運営に際し配慮すべきガイドラインの内容を分かりやすく確認できるものとなっております。

本県の避難所運営ガイドラインは、内閣府のチェックリストを踏まえて作成しておりますが、内閣府のチェックリストについても、年度当初に行う「市町村防災担当職員研修」の場や、子ども・女性局と連携して実施する「男女共同参画の視点からの災害対応力強化研修」において、しっかりと周知してまいります。併せて、避難所運営訓練や地域の防災訓練などを通じて、地域で避難所の運営に携わる方や住民の方々にも、内閣府のチェックリストも活用いただくよう、市町村に促してまいります。

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