中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

9月議会質問(1)豚コレラについて

2018年10月13日 1:42 pm
カテゴリ: 活動報告

豚コレラへの対応について

 

岐阜市の養豚場で豚コレラが発生した問題は、現場において速やかに防疫措置が行われました。一方、岐阜市内を中心に野生イノシシへの感染が広がっており、現在は、イノシシの調査捕獲を開始し、捕獲した野生イノシシを中央家畜保健衛生所で検査しているとのことです。

そこで2点、農政部長にお聞きします。

県の初動対応の検証について

県によると、血液検査で「何らかの感染が起きている可能性がある」とされながら、一貫して熱射病として処理され感染症の検査がされていなかったなど初動対応に問題があったとして、現在検証がすすめられているとお聞きしております。

私の疑問は、一つは8月27日には中央家畜保健衛生所から県畜産研究所に検査結果が共有され専門的見地を求めるなど、複数の専門機関が関わっていながら、判断に課題がある場合のチェックや方向性の修正がされなかったこと。
二つめは、当初、県の説明では9月3日に初めて異変を把握し9日の陽性反応を受け発表したとのことでしたが、その後の報道では8月に採取した血液から陽性反応が9月7日に出ていたということが判明しました。なぜその事実が12日まで公表されなかったのかということ。
三つめは発生農場では死亡した豚をたい肥に混ぜていたとの報道があり、豚の死亡はその都度県に報告されていたのかどうか、死体はどう処理されていたのか。
これまで農場に対する指導に問題はなかったのかなど様々な疑問があります。多角的な検証が必要ではないかと感じるところです。

中川ゆう子の質問

県はこれらの初動対応を検証するとのことですので、現時点での検証状況をお聞きします。

農政部長の答弁

これまで検証チームでは、豚コレラへの初動対応について、関係者への聞き取りなどの事実確認、課題の洗い出しなどを進めてまいりました。

これにより、当初から一貫して熱射病として処理され、何かの感染を懸念しつつも、豚コレラの視野に入れた感染症の検査を実施していなかったこと、早期に豚の刻々の死亡状況を把握すべく、農場との緊密な連絡体制がとられていなかったことなど、県の初動対応に反省すべき課題がございました。

このため、現在、検査の実施ルール、農場との連絡体制など初動対応手順の明確化、必要な人員配置など検査体制の強化、さらには、情報の集約と広報体制の確立、といった様々な観点から見直しと再発防止のための作業を進めているところです。

 

野生イノシシの感染確認検査に関する今後の取り組みについて

「豚コレラの拡散防止と畜産農家の営業を守る」という観点から、野生イノシシの感染確認検査に関する今後の取り組みについてお聞きします。

死亡したイノシシについては、発見されたら直ちに回収・消毒し中央家畜保健衛生所へ運搬されていますが、これらは現在市町村に協力を依頼されています。

最も多い岐阜市では、大型のイノシシであったり、運びづらい山地や腐敗が進んでいる状態であったりなど運搬にかなりのご苦労があるようです。
決して多くない職員体制の中、4人体制で本来の業務に加え手弁当で対応しているとのことですが、消毒薬など資材が県から提供される他、国からの財政措置はありません。

県によると「市からも負担軽減や財政支援の要望は出されている」とのことであり、感染拡大防止策を確実に実施するためにも、何らかの対応が必要ではと感じます。

また、中央家畜保健衛生所では豚コレラの拡散を防ぐため、家畜豚と感染の疑いのある野生イノシシで場所も職員も分けて対応されており、さらに検体が多いということで、県庁の畜産課や健康福祉部からも応援が入っているとのことでした。

機能の答弁ではこれまで101頭を検査したとの事ですが、県では、野生イノシシの調査捕獲の範囲を先月27日からさらに広げ実施しているため、検体は増えるのではと思われます。

中川ゆう子の質問

今後の見通しは不透明であり、事態が長引き死亡イノシシの発見や検査を要する事案が増える可能性もあると思います。着実に感染拡大防止策を実施するためには、検体体制を見直していくべきではと考えますが、部長はどのようにお考えでしょうか。
また、地元市町村の負担軽減や財政措置が必要とおもいますが、これについてもお考えをお聞きします。

農政部長の答弁

検査体制の見直しについて
中央家畜保健衛生所では、9月9日に豚コレラ感染が確定して以降、発生農場での貿易措置、豚コレラが疑われる豚、捕獲あるいは死亡した野生イノシシなどのウイルス検査を実施しております。この間、県他部局はもちろん、国、他県、県獣医師会、県畜産協会からの応援をいただいているところです。

現在は、監視対象農場の出荷豚の全頭検査や、搬出制限区域の解除のための検査は終了し、また、9月19日以降は豚コレラが疑われる豚も発生していないことから、これまでのような状態は解消されつつあると考えております。

しかしながら、今後の不測の事態に備えるためにも、必要な人員配置とともに、県内4カ所の家畜保健衛生所の検査体制の強化など、機能強化が必要と考えており、検証チームにおいて、見直し作業を進めております。

地元自治体の負担軽減や財政措置について
市町村では、平時から死亡イノシシの一般廃棄物としての収集業務及び有害鳥獣としてのイノシシの捕獲業務を行っておられますが、県からの通知により、回収したイノシシの中央家畜保健衛生所への搬入について、ご協力をいただいております。併せて、全ての市町村に対し、改修に必要な使い捨て手袋や消毒薬を配布するとともに、イノシシの調査対象区域内の市町村には防護服も配布しているところです。

一方、国が負担する経費は、監査に必要な薬品や家畜防疫員の旅費などに限定されており、イノシシ運搬に係る経費は対象とされておりません。
このため、当該業務に伴い市町村の業務に支障がある場合には、県事務所や農林事務所も参加し、円滑な回収・運搬の実施につなげているところです。

今後とも、市町村のご意見を伺いながら、密接な連携の下で、スピード感と緊張感を持って、野生イノシシの対策に取り組んで参りたいと考えております。

中川ゆう子の再質問

豚コレラの発生により野生イノシシの死亡が起きている。県の責任として、せめて災害などの場合に措置される特別交付税の対象となるよう国に要請するとともに、国の財政措置が実現する前の支援が必要。市町村への負担軽減策は。

農政部長の再答弁

先ほどもご答弁を申し上げましたけれども、捕獲、死亡した野生イノシシにつきましては、検査のため、県から市町村に対し、中央家畜保健衛生所へ運搬して頂くよう依頼をしているところでございます。

これにつきましては、家畜伝染病法第3条の2におきまして、「都道府県知事は必要があると認めるときは、市町村に対し、家畜伝染病の発生予防及びまん延防止のための措置の実施に関し、協力を求めることができる」と規定されていることによるものでございます。

また、市町村が野生イノシシを改修する際に必要な手袋あるいは消毒薬、防護服などを県から支給させていただいており、加えて、市町村で運搬が困難な場合におきましては、現地の農林事務所あるいは県事務所が連携して対応することとしております。

また、最近進めております調査保護につきましては、これは県の猟友会の方で運搬をお願いしているものでございます。このため、市町村に特段の財政負担を強いるものではないと考えておりますけれども、また現在のところ、市町村から経費負担についてご意見も伺っておりません。このような中で、今後とも市町村にはご意見を伺いながら、しっかりと連携して対応してまいりたいと考えております。

中川ゆう子の再々質問

防疫措置については県と市が責任を持ち、市町村が協力をするというもの。要請を受けた市町村は昼夜を問わずイノシシの対応に追われており、明らかな負担。感染を防ぐ対策も必要であり、国に財政支援の要求していくお考えは?

農政部長の再々答弁

先ほども申し上げましたけれども、現時点におきまして、市町村には大きな財政負担を強いるものではないというふうに考えておりますので、国に対して制度の要望をする予定はございません。

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