中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

3月議会、閉会日の討論。3月24日、午前。

2021年3月25日 9:00 am
カテゴリ: 活動報告

3月議会、閉会日の討論。3月24日、午前。

3月24日に3月議会の閉会日にあたりいくつかの問題について討論を行いました。

岐阜県一般会計予算  徳山ダム上流域公有地化特別会計予算  県営住宅特別会計予算  内ケ谷ダム取水放流設備工事の請負契約等の議案に反対し、長良川河口堰の運用見直しとゲートの試験的開放の議決を求める請願、日本政府に選択的夫婦別姓の導入など、一日も早い民法改正を求める意見書採択についての請願を採択するように討論を行いました。

「<第三号議案 令和3年度一般会計予算 歳入について>

県債発行額は1345億円でこれは県歳入の約15%を占めています。年度末の県債残高は1兆7162億円と過去最高額となっており、県民ひとりあたりで計算すると84万4383円、1年で4万円以上も増えています。

現在の実質公債費比率は5.8%ですが、この県債依存を続けることにより、2030年度には9.3%にまで上がり、県財政が再び悪化するとの見通しです。結果として、歳出における県債の返済にあたる公債費は、年々増え続け、財政の自由度は大きく奪われ、教育や福祉、県民要求に応えることができないと危惧されます。

<歳出面において>

こういった県債依存度の高い大型公共事業を見直すべきと考えます。新年度、東海環状自動車道は87億円のうち93%が県債、新県庁舎建設は、309億円のうち74%が県債と、ほとんどが借金でまかなわれています。

とくに、計画ベースで660億円を超す新県庁舎建設は、今年度の財源不足を理由に県債の割合を7割にまで引き上げました。公共事業は、道路や公共施設の老朽化対策や防災などに軸足を移すこと、身の丈にあった県庁舎の規模を検討すべきです。

<病床削減支援金 6794万円>

稼働病床の削減に対して支給されるものです。この一年、コロナ対策で医療体制の強化が最大の課題になってきました。このタイミングで、病床削減を推進するすることは、新年度予算のタイトル「県民のいのちを守る」という理念からもかけ離れており、理解に苦しみます。

新型コロナの感染状況は、まだまだ見通しは厳しく、変異株も急速に広がりを見せています。むしろ、医療体制の維持・充実こそ、医療現場や県民から望まれているのではないでしょうか。

さらに、新型コロナ感染症拡大防止対策についてですがコロナ対策に万全を期すための、予防的PCR検査を広げるという方針には非常に期待をしておりますが、福祉現場からの要望は大変大きい。要望にこたえるためにも、新年度予算としてしっかり組む必要があることも申し上げます。

イベント関連ではオリパラ関連行事、ホストタウン交流事業、ねんりんピック、国民民文化祭の準備などで10数億円が計上されています。イベント自体を全否定するわけではありませんが、今は、限りある財源を県民の生活や営業の応援に最優先で充てるべきだと思います。

また、これらのイベントを開催すれば多数の職員がその業務にあたることになりますが、現在、県職員はコロナ対策の最前線で文字通り昼夜を問わず全力で業務にあたっており、余裕はないのが実態です。イベントの規模や時期について県民や県職員の声を広く聞き再検討することが必要だと考えます。

[第8号議案 令和3年度岐阜県国民健康保険特別会計予算]

2点申し上げます。

2020年度は、コロナの影響を受けた方々への大幅な保険料の減免が行われ、先日の3月補正で国から補填があったところです。この特例減免は、高い保険料に苦しむ加入者にとっては大変喜ばれましたが、新年度は、コロナの影響をすでに受けていた2020年の所得を基準に、さらに3割以上の減収が見込まれなければ対象になりません。

コロナの影響は継続しており、2019年を基準にしなければ、救済ができないという制度設計になっています。国制度の改善が必要ですが、県や自治体で追加の救済措置を求めます。

2点目は、保険料そのものが高すぎる問題は依然として解決されていないという問題です。

2018年度の県単位化を契機に、市町村へ県が標準保険料率を示し、保険料引き下げのための法定外繰り入れの解消が求められてきました。

結果として、保険料引き上げ仕組みが作られ、2020年度、県内の改定状況は、年収400万円4人世帯で計算した場合、県内11もの自治体で引き上げられ、これは全国で15番目に多い県となっています。更に新年度、岐阜市等では引き上げが一部されるようです。

方針では、保険料水準の統一を掲げていますが、全国で最も統一化が進んでいる大阪府で8割以上の自治体が保険料を引き上げていることからも、この方針自体見直す必要があると思います。

[議第15号 令和3年度岐阜県徳山ダム上流域公有地化特別会計予算]

所有者である旧徳山村住民が自分の土地に立ち入ることができるように、取り付け道路を作るのが本来の計画であったはずであり、公有地化事業には反対します。

[議第16号令和3年度岐阜県県営住宅特別会計予算]

岐阜県では入居率が低い県営住宅を対象に、縮小統合する計画を進めています。

なぜ入居希望者が減っているかと言ったら、入居者が集中している所と比べ交通の便が悪い、老朽化、階段しかなくバリアフリーになっていないなど住環境の問題があげられています。

入居者が半分以下になった住宅をそのまま維持管理し続けることは適切とはいえませんが、こうした住環境という根本的問題をそのままに縮小してもさらに何年かあとに同様の事態を生むだけではと思います。

住生活基本法、住宅セーフティネット法が施行され、10年以上になります。耐震補強を万全に行い、耐用年数もあり、まだまだ使える建物を空き家にしてしまう事こそ、合理的ではありません。再編計画は、法の精神に基づいて住環境向上を基本的に優先して進めるべきであり、縮小と集約化ありきでは根本的な解決にはならないということを申し上げます。

[議第57号内ケ谷ダム取水放流設備工事の請負契約]

これは内が谷ダムの取水、放流のための設備工事にかかる請負契約です。毎年のようにゲリラ的な集中豪雨が頻発する中、治水対策は待ったなしであり、想定外の局地的な豪雨に対応する策が求められています。

しかし、ダムによる治水の手法は一定限度の規模の洪水にのみしか対応できないという弱点が、最近の豪雨災害で明らかになっております。特に内ヶ谷ダムは集水面積が狭く、長良川流域のうちたった2%、亀尾島川流域の33%しか対応できず、それ以外のところで集中豪雨が起きたら洪水対策効果は得られません。

さらに、本ダムは、1年前に岩盤の亀裂による追加工事が必要なことが判明し、約3年、令和8年3月まで工期が延長、工事金額も増額されてきました。完成が先送りになったことで、その間は洪水対策効果は得られないばかりか、事業費が増加するため、再度の事業検証が必要だと申し上げてきました。

昨今の想定外の雨量による豪雨災害の教訓を生かし、流域全体で水を受け止める治水対策に早急に思い切った財源を充て、全力を注ぐべきです。

【請願23号長良川河口堰の運用見直しとゲートの試験的開放の議決を求める請願】

河口堰運用からすでに25年が経過し、堰の下流にはヘドロが2メートル堆積し、ヤマトシジミは絶滅し、ヨシも9割が消滅しました。残念ながら私より下の若い世代は、こうした長良川しか知りません。

この10年間は、愛知県が立ち上げた長良川河口堰検証プロジェクトチームの運用検討委員会で、科学的な検証が行われ、開門調査も提言されるなど他県は動き始めました。

運用から四半世紀が経ち、岐阜県としても長良川をめぐる全生態系におよぼす河川環境の悪化を科学的に検証し、SDGs、生物多様性の観点から具体的な手を打つことを始めるべき時だと思います。

ゲートを上げると農業への塩害がおきるという理由でしたが、遡上シミュレーションは川の流れのない時のモデルであり、実際に川が流れているときのシミュレ―ションではありません。せめて実証データに基づく議論をすべきということも申し添えます。

【請願請願24号日本政府に選択的夫婦別姓の導入など、一日も早い民法改正を求める意見書採択】

結婚したら、強制的にどちらか一方の姓を名乗ることを法で義務付けているのは国際社会で日本だけであります。現在でも、外国人との結婚では選択制が認められており、実際に同姓が義務づけされているのは日本人同士の婚姻だけということです。

日本が批准している女性差別撤廃条約には姓を選択する権利も含まれ、国連女性差別撤廃委員会から再三にわたり法律改正の勧告を受けています。

法制審議会で選択的夫婦別性の導入が提言されてから、この間、内閣府の世論調査にもあるように世論も高まってきております。

委員長報告において制度のあり方、家族のあり方について議論が尽くされていないとの慎重意見が出されたとのことですが、政府が進める旧姓併記は、海外ではまず例がなく、すでにトラブルの原因になっております。

通称と戸籍上の姓を二つもつことで、本人の同一性が確認できないことが、職業生活上の不利益や混乱が出ていることは直視しないといけない問題であり、これらは早急に解消すべきことです。

世論の高まりとともに、尊重すべきは全世代の中でも、これから注目すべきは結婚をする割合が多い若い世代において、圧倒的に賛成が過半数を超えているという点です。

家族のあり方を心配される声もあるようですが、内閣府の調査においても「家族の一体感、きずなが弱まる」という方は3割、「影響ない」という方はその2倍の6割に上っており、心配には及ばないと思われます。

本請願は結婚によって一律に同じ姓を名乗るのではなく、家族の姓をどうするかは同姓にするか別姓か二人で選択することができるよう法改正を求めるものであり、制度上の不利益解消と個人の尊厳の観点から当然の事だと考えます。採択を求めます。」
引き続き、県民の皆さんの声を活かすとともに県当局に届けていく活動を続けていきます。色々な声をお寄せ下さい。

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