中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

6月議会質問(3)雇用を守る取り組みについて

2020年7月20日 5:42 am
カテゴリ: 活動報告

雇用を守る取り組みについて

厚労省が発表した雇用調整見込みでは、岐阜県は6月26日時点で491人であり、今後失業者が一気に増加する恐れが出ています。
また、休業や解雇で住宅を失う恐れのある方に原則3ヶ月間支給される住居確保給付金の岐阜県全体の利用実績は、昨年1年間は39件でしたが、今年度は4月5月の2ヶ月ですでに268件と爆発的に急増しています。

あきらかに、休業による収入減や解雇が原因です。
こうした数字からも、夏から秋にかけて生活困窮者が県内で急増する恐れがあり、雇用対策は待ったなしの状況です。

リーマンショック時の教訓から学び、様々な企業支援策が補正予算に盛り込まれているが、これらが直接労働者の収入や生活の安定に資する制度設計になっているかも重要ではないかと考えます。

県内の雇用を維持するための県の取り組み姿勢について

減らされるシフト数などを見ながら、いつ仕事を失うか不安な毎日を送っている多くは不安定雇用の方々です。
しかし今回の事態は、感染症が原因であり、企業の経営努力や労働者個人の問題ではありません。厚生労働大臣は国内の各経済団体に対し、雇用の継続、解雇や雇い止めの回避、雇い止めの場合の就業先の確保、社員寮など住居の確保など、細かく要請を行っています。
失業に繋がる雇用調整見込み数の公表を受けて、知事としてどう取り組むお考えでしょうか。

ぜひ、雇用を守るために県としてできる事をすべてやる姿勢を示し、失業ゼロ施策を思い切って立ち上げること。ひとりも路頭に迷わせないために、企業側が労働者にセーフティネットをしっかり知らせることを要請する必要があります。知事のお考えをお聴きします。

知事の答弁

4月に有効求人倍率は1.51倍、対前月比マイナス0.13ポイントでございましたが、これは平成以降2番目に大きい落ち込みでございました。さらにそこから5月もマイナス0.11ポイントの1.40倍ということで、急激に落ち込んできているわけでございます。

また、ご指摘もされましたが、岐阜労働局が把握している解雇等の見込みの労働者数は6月26日時点で491名と、5月末に比べますと115名増加をしております。

事業者の方々ともいろいろヒアリングをやっておりますが、そうした声の中でも多くは、新規の求人は抑えつつも、雇用調整助成金やつなぎ融資、休業、ワ‐クシェアといった工夫を重ねて、現在の雇用をなんとか維持しているという状況だというふうに聞いておりますが、さらに雇用を守っていくためには、早期の経済回復が望まれるわけであります。

このため、今回の6月補正予算では、経済再生対策ということで、業態転換に取り組む小規模事業者への応援補助金の大幅な増加、これは25倍増額いたしました。県産品シェアや商店街のにぎわい回復への支援などによる販売促進や消費喚起、県内宿泊クーポン券の発行などによる観光の再スタートを強力に後押しするといつたようなことを進めてきております。

一方、当面の雇用を守っていただくために、市町村と連携した雇用調整助成金の上乗せ助成、助成金の速やかな申請をサポートするための社会保険労務士による休日の個別相談会の開催に加えて、支給までの間のつなぎ資金としても活用していただける実質無利子無担保の「新型コロナウイルス感染症対応資金」の融資限度額あるいは融資枠を大幅に増額をしてきております。融資枠で申し上げますと、280億から2, 300億に拡大をしておるわけであります。

離職者に対しましても、総合人材チャレンジセンターの相談員増員によりまして就労相談体制を強化したことに加えまして、離職者を正社員として雇用した事業主への60万円の給付金、これは、先ほど大変良い制度といってご評価いただきましたが、これも今回の予算で4倍に拡充をいたしました。今回の、そういったことで、県の5次補正予算でありますが、私どもとしては、現時点で可能な限りの施策を盛り込んでいるというつもりでございます。

今後、さらにスピード感をもつてこれらの施策を進めるとともに、引き続き経済や雇用状況について丁寧に把握をし、必要な対策については躊躇なく追加実施をしてまいりたいというふうに思っております。

こうした中で、例えば、国でも検討が始まっておりますが、人手に余剰がある企業と不足している企業とのマッチングによって、一時的な労働者の出向といつたことを促して、雇用の継続を図る仕組み、いわゆる企業間でのワークシェアを支援すると、その際の給与の差額も補填をするということでありますが、そういった対策も有効ではないかと、本県としてもやってみる価値があるのではないかということを考えております。こうしたことも含めて、更なる雇用対策の強化について、引き続き検討していきたいと思っております。

また、労働者の方々への新たなセーフティネットとしては、先般の国の2次補正予算で、休業期間中の賃金の支払いを受けることができなかつた方が、直接、自ら国に申請し、休業支援金を受けるという制度が創設されております。

また、本県でも、収入減があった世帯を対象とした緊急小日資金貸付、あるいは住居を失う恐れが生じている方への住居確保給付金の大幅な拡充など、セーフテイネットの強化も図っております。

そうして、こうした国や県、更には市町村でもいろいろとやっておられますが、こうしたセーフテイネット制度を盛り込んだガイドブックを早急に取りまとめ、労働者団体などを通じて周知をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

併せて、企業に対しましても、商工会議所、商工会、経営者協会などの経済団体を通じて、あるいは、直接事業者のトップの方々に、改めて雇用の維持をしつかりと要請するとともに、雇用している従業員に対するセーフテイネット制度の周知といったことについても要請してまいりたいというふうに考えております。

中川ゆう子の再答弁

格差が広がっている中で、景気回復を望むなら労働者一人一人の生活の安定こそ重要。雇用維持は大きなカギです。雇用維持をテーマにした会議を。

知事の再答弁

雇用については、先ほどの答弁でも申し上げましたが、雇用の維持でありますとか、離職者への対応でありますとか、これまた現時点で考えることは一生懸命やらせていただいているつもりでありますので、ただ、絶えず実態の変化を見ながら、絶えず現場のご要望とかご提案を受けながらということで、ご指摘の何らかの会議をという話については、既に経済再生会議というところで、雇用も含めて議論させていただいておりますので、また必要なタイミングで、この経済再生会議をまわしながらその辺の議論をさらに深めていきたいというふうに思っております。

県内企業の雇用状況の実態把握について

今後の経済動向、雇用情勢が見通せない状況において、早めに実態を把握し、効果的な雇用対策を実施することは非常に重要と考えます。今のうちに実態をつかんでおかないと、次の一手が打てません。特に、不安定雇用や、生活保護基準ギリギリのところで働いている方の雇用を維持することが、これらの方々が生活困窮に陥ってしまうことを防ぐ上でも非常に重要である。それらの方の支援につなげる上でも、県内の雇用状況の把握は必要不可欠です。

中川ゆう子の質問

各企業が今後どうやって従業員の雇用を維持していくのか、県内企業へ従業員の雇用についてどう考えているのか等の聞き取りを行うなど、県内の雇用状況の実態把握を行う必要性について、どうお考えでしょうか。

商工労働部長の答弁

県内事業者に対しては、これまで毎月、経済情勢のヒアリングを実施しておりますが、新型コロナによる経済への影響が危惧された3月からは、随時、業界団体へのヒアリングや意見交換を行うとともに、6月下旬には、特に雇用状況を中心に調査を実施しております。

今後も経済への影響が長引くなど、雇用問題は顕著化すると見込まれるため、経済対策を速やかに進めるとともに、刻々の雇用状況の推移を丁寧に把握していく必要があります。

このため、引き続き、事業者等へのヒアリング調査を、さらに対象を拡大して実施するとともに、新型コロナの影響による雇用の実態についてのアンケート調査を実施してまいります。

併せて、国に対しては、雇用調整助成金の申請や解雇等が見込まれる労働者数についての県内の業種別状況など、国が把握する詳細情報の提供も求めてまいりたいと考えております。

雇用を維持する企業や、就業者への支援について

リーマンショック時の教訓として、雇用対策がもっとも重要だったと私は考えています。当時、主に就職氷河期世代の不安定雇用の方々が厳しい状況に立たされたが、今回真っ先にターゲットになるのはこうした氷河期世代とこれから社会に出る若い世代です。

県が先の補正予算で創設した、解雇された方を新たに正規雇用する企業に対して給付金を支給する事業は好評で、安定雇用を生み出すためにもとてもよい取り組みだと思っています。

一方で、仕事は減っても解雇せず休業などで雇用をつなぐ企業に対しての国の持続化給付金の給付は難航しており、支給の遅れにより、その前に解雇せざるをえなかったケースもあると聞く。

また、雇用を維持するために、一人当たりの労働時間を減らすワークシェアに取り組む企業へは、給与の補填はないとのことです。

解雇や失業による生活不安や自己肯定感の喪失は深刻であり、社会にとっても本人にとっても、社会復帰までには余分なコストと時間がかかります。これは当事者はもとより就労支援をおこなっている支援者も痛感されていると思います。
ぜひ、解雇された方の救済とともに、解雇を生み出さない取り組みも強化していただきたいです。

中川ゆう子の質問

失業者を出さないために、離職者を新たに雇用した企業だけでなく、雇用を継続させたいと頑張る企業や就業者へも支援ができないか、商工労働部長に問う。

商工労働部長の答弁

雇用の維持に向けては、国の雇用調整助成金が有効な制度であり、6月26日時点で県内約2, 600件の支給が行われております。

県としても社会保険労務士による助成金の申請サポートや、支給までのつなぎ資金として活用できる実質無利子無担保の融資制度を創設するとともに、本県独自の市町村と連携した上乗せ助成制度についても全ての市町村で実施することとなりました。

今回、国において申請手続きの簡素化とともに、日額上限額が大幅に引き上げられ、また、時間短縮などのワークシェアの場合も対象となることから、これらをしつかり周知し、引き続きより多くの事業者に活用いただけるよう促してまいります。

今後は、一時的な企業間でのワークシェアを支援する制度なども含め、更なる雇用維持に向けた対策の検討を進めてまいります。

併せて、国の新たな労働者が直接、休業支援金を申請できる制度について、国に対して、制度の周知や速やかな支給を求め、労働者のセーフティネットの確保に努めてまいります。

中川ゆう子の再質問

制度が変わるとトラブルが相次ぐ。一軒も倒産・失業を出さない決意を。

商工労働部長の答弁

県内の中小企業の方々にとつては、雇用調整助成金の制度は申請が難しい、あるいは、時間がかかるといつたことで諦めている方もおみえになるかと思います。
これまで県が取り組んできました、分かりやすい制度とか、休日相談について分かりやすい資料を作りまして、中小企業を管轄しております商工会議所や商工会の力を借りまして、できるだけ多くの企業に周知してまいりたいと考えております。

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