2023年3月14日 5:00 pm
カテゴリ: 活動報告
質問しました。3.加齢性難聴者の社会参加の促進に向けた補聴器購入支援制度の創設について
3.加齢性難聴者の社会参加の促進に向けた補聴器購入支援制度の創設について
続いて3点目。加齢性難聴の社会参加の促進に向けた補聴器購入支援制度の創設についてです。年齢とともに人の声が聞こえにくくなる、周りが何の話をしているのか分からないといった、加齢性難聴は65歳以上の男性で4割強、女性で3割が該当すると言われています。
日常的な会話を困難にし、コミュニケーションができなくなり、社会的に孤立する可能性も指摘されております。しかし、難聴に対して効果的な補聴器は価格が高く、片耳10万円や15万円以上のものもあり、両耳では数10万円に上るようです。
そのままにしておくと、さらに聴力が低下するため、WHOでは普通の会話が聞き取りにくい、中程度で補聴器をつけることを、推奨していますが、年金暮らしの高齢者にはなかなか手が届かないのが実情です。
昨年3月議会で認知症との因果関係を理由に、知事は国の研究結果を踏まえて本県として補助制度の創設について判断をして行くと答弁されました。
しかし、県が行った岐阜県医師会への聴き取りでも、中程度の難聴は認知症を進めるとの意見があったとのことです。過去には岐阜県市長会から県議会に陳情も出されております。
特に難聴により意欲はあっても、団体活動や自治会活動の役員を辞めざるを得ない、生活のため再雇用先を探しても大きな壁になっているなどの声が寄せられています。国民年金だと月に5、6万円ですが、これでは補聴器は到底手にすることができないのはもっともだと思います。
だんだん社会コミュニティから自ら身を引いていく、社会から排除されていると感じていると語られた方もいらっしゃいます。こんなにつらいことはありません。
そこで知事に伺います。高齢者の社会参加が阻害されているという観点で、支援の必要性についてお聞きします。また、国の研究を待つのではなく、モデル事業で始めてみてはどうでしょうか。
<答弁 知事>
この加齢性難聴につきましては、高齢者の方々が早期に補聴器を利用することで、社会参加やコミュニケーションが促進され、認知症予防、ひいては介護予防につながる可能性があるとのご意見があることは十分承知しております。しかしながら、補聴器をつけることが、社会参加の促進や認知症予防にどの程度効果があるのかといったことについては、未だ科学的な検証による明確な因果関係は示されておりません。
そうしたこともあって、障害者手帳の交付対象となる重い難聴の方は、補聴器の購入の助成が受けられますが、日常会話が聞きづらい程度の中等度の難聴の方には、国による公的な支援制度はございません。
この問題について、国において行われております研究の結果が、令和4年度末にまとまるとされておりましたが、現時点で未だ発表されておりません。
また、独自の支援制度を有する東京都や県内市町村、令和2年度末に廃止をした群馬県などに、この補助制度の導入が認知機能の低下にどのような効果を挙げたかについて聴取をしたところ、一部の自治体では一定のニーズが認めることができたとしているものもございますが、政策的な効果について検証されたとしている自治体は、今のところございませんでした。
本県としては、引き続き医療団体や市町村などと意見交換を行うとともに、今後発表される国の研究結果も踏まえて、補助制度の創設の要否について判断をしてまいりたいと考えております。