中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

【23年9月議会/質問と答弁5】教員の未配置状況と解消について

2023年10月15日 7:25 am
カテゴリ: 活動報告

中川ゆう子

2021年度当初時点で、小学校、中学校、高校、特別支援学校で2558人の教員不足が起きていることが、文科省の調査で明らかになりました。

未配置の場合は現場で対応せざるを得ず、教員の過密労働がさらに悪化するというだけでなく、これはどうしても子どもたちへのしわ寄せが起きることが懸念されます。

本日、お手元に配布されている陳情にもあるように、現場からは改善を求める声が上がっております。

そこで教育長に2点お聞きします。

 

(1)県内の実態及び問題意識について

教員未配置に関する県内の実態をお聞きします。また、未配置の状況に対し、どのように対応され、県教育委員会としてどのようにこの問題を受け止めておられるでしょうか。

 

答弁 教育長

本県の今年5月1日現在における教員未配置の状況ですが、小学校が21人、中学校が6人、高等学校が26人、特別支援学校が5人となっております。その主な理由ですが、少人数学級の拡充、特別支援学級の増加、高校における単位制の増加等によって、少子化で子どもの数が減っているにも関わらず、必要な教員数が減っていないこと、さらに、かつて大量に採用したベテラン教員の退職に伴って採用した若手の教員が、産休や育休を取得する時期を迎えており、その代替となる教員が見つからないこと等が挙げられます。そうしたことで必要な教員が現在確保できない状況にあると受け止めております。

県教育委員会としては、この状況を非常に重く受け止めており、教員のOB、さらには教員免許を持っている方に、講師への登録を働きかける等の取組みを行っているところです。また、教員不足が発生している学校においては、学級担任を担当していない、いわゆるフリーの教員が代わりに授業を行ったり、また常勤の講師が見つからない場合は、止むを得ず非常勤の講師を任用するなど、子どもたちの学びに影響が生じないよう、それぞれ状況に応じた対応を行っているところです。

 

中川ゆう子

(2)未配置解消に向けた取組について

2点目です。未配置の解消のため、小学校で担任を持たないフリーの教員を増やす、正規での採用を増やすなど配置や採用計画の見直しを行う必要があるのではないでしょうか。また、これは全国的な問題であり、国に対しても必要な支援を求めるべきと考えます。教育長のお考えを伺います。

 

答弁 教育長

先ほど申し上げたように、未配置が生じている学校においては、学級担任を担当していない、フリーの教員がその穴埋めをするところですが、このフリーの教員を増やすことは、未配置の解消はもとより、子どもたちの教育環境の充実には非常に有効であると考えております。そのため、各学校に一定数のフリーの教員が配置できるよう進めているところです。

一方、教員の採用においては、様々な要素、例えば、児童生徒や学校の数の変化、教員全体の年齢構成、退職者や再任用者の数などを見越して決定する必要があります。さらには、特別支援学級の増加や定年延長など、国の教員定数を巡る政策の方向性を踏まえながら、毎年度必要な採用数を決定しているところです。

教員不足の対策については、現在、国の中央教育審議会において、働き方改革、処遇改善、指導・運営体制の充実を一体的に進める方向で議論が進められており、その議論の方向性を注視する必要があると考えております。教員定数は、国の法律に基づいて算定されるものでありますから、今後も国に対してフリーの教員を含め、必要な定数を増やすよう要望してまいります。

 

再質問 中川ゆう子

担任を持たないフリーの教員や教頭先生等が担当するとのことだが、教頭先生には元々他の仕事がありながら担当することになるため、学校全体の運営に目が行き届かなくなるのではないか。

国に対しての要望ももちろんだが、県として正規の採用を見直していく必要があると思います。未配置の学校への非常勤や常勤の講師がなかなか見つからないのは、現場の仕事の大変さを理解しているため、なかなかOBが見つからない、といった問題があり、それが今働いている教員へのしわ寄せになり、また希望者が減るという悪循環になっていると感じる。先ほどの答弁で、子どもの数は減っているが、必要な教員数は減っていないということであり、正規の採用についても検討できないでしょうか。

 

再答弁 教育長

先程来申し上げている、フリーの教員、私としては「フリー」という言葉だと「仕事していない」と捉えられかねないので、あまり使いたくありませんが、ここでいうフリーの教員とは、小学校ではほとんどの教員が学級担任を持っておりますので、学級担任を持たない教員を「フリーの教員」と、ここでは言いたいと思います。

では、その教員が何をやっているのかと申しますと、教務主任とか生徒指導専任、そうした担当をしているわけです。もちろん、教頭は教頭としての仕事をしています。

県教育委員会としましては、国全体もそうですが、学校全体をサポートするために、教員ではないスクール・サポート・スタッフや業務支援員などを配置しているところですが、いずれにせよ、こうした学級単位を持たない教員が小学校においては非常に重要であるということを、まずは認識しております。

そうした中、採用を増やすべきではないのか、というご質問ですが、当然、若い教員を採用すれば、30年以上その雇用を県としては続けなければならないわけです。そうしたことを考えますと、闇雲に採用するわけではなく、先ほどの繰り返しになりますが、年齢バランスに大きな隔たりが起こらないように、さらには、まさに今年度末に起こります定年延長、そうした状況を踏まえながら、現在採用を進めているところです。

 

再々質問 中川ゆう子

正規採用すると、今後30年雇用しなければならない、おそらく今後の財政負担を考えてのことだと思うが、ここ3年間の数字を見ても状況は改善しておらず、むしろ悪化している実感があると言われています。少子化が進む中、更なる少人数学級に対する要求は高いものがあり、手厚い教育とセットで正規の採用を増やしてはどうか。そのためには、国庫負担割合の改善など、国に対して今一歩踏み込んだ要望をしていくことを望みます。

再々答弁 教育長

教員の未配置問題については、私も議員と同様、これは岐阜県だけの問題ではなく全国的な課題だと思っておりますので、国への要望は有効だと考えております。そうした点で、現在、国に対して県教育委員会として行っている要望は、教員の定数の改善、さらには調整額の見直し、給与体系の見直し、業務改善のための全体の体制の整備など、そうしたことを要求しているところです。

そうした中、一番最初にも申し上げたように、この教員の定数の改善は、子どもに直結する大きな問題ですので、先ほどの繰り返しになりますが、教員の採用を取り巻くいろいろな課題や諸問題がございますが、まずは子ども目線で、この定数改善を一番の要求として、今後も引き続き国に要望してまいりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

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