中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

【22.12月議会 質問と答弁全文書き起こし⑤】県立看護専門学校の自死事案に対する見解並びに実態調査の実施及び相談窓口の設置について

2022年12月16日 3:00 pm
カテゴリ: 活動報告

5.県立看護専門学校の自死事案に対する見解並びに実態調査の実施及び相談窓口の設置について


県立看護専門学校の自死事案に対する見解並びに実態調査の実施及び相談窓口の設置について知事に質問しました。

<質問>

県立看護専門学校の学生が実習中に自死するという痛ましくつらい事案が起きました。心よりお悔やみ申し上げます。

SNSには学校のことで悩んでいた旨が書かれており、現在、第三者による調査が始まっています。

指導との因果関係は今後の調査にゆだねられるものと考えますが、他にもさまざまな声が寄せられており、在学している学生や学校関係者へ寄り添った対応が求められていると思います。

近年、全国では看護専門学校におけるハラスメント疑惑が問題となっています。

千葉県の養成所では教員のパワハラを訴えて1学年の4割が一斉退学、北海道のある学校では学生の自死、53件のハラスメントがあったことが明らかになりました。

命を守る医療現場で働くための厳しさと、学生が自ら命を絶つほどに追い詰められることは、根本的に違います。

こうした事態を厚労省も重く受け止め、個別の学校だけの問題にとどめず、看護専門学校の実態を調査すると答えています。

今回の自死事案に関する報道の中で、11月9日付けの中日新聞では、岐阜県内の看護専門学校の卒業生が、厳しい指導に対し悩み精神科を受診した経験や、耐えられず退学するケースがあったとの訴えが掲載されました。

またこの方だけでなく、ご遺族が聞き取った県立看護専門学校の学生たちの声からも、指導の中で「人格否定されたと感じる」等の声があり、悩んでいる様子が感じられました。

そういった声は今でもご遺族のもとに寄せられているようです。また市町村へも学生からの相談がなかったわけではないようです。

<答弁 知事>

今回の事案は、県立看護専門学校で起きました大変残念な出来事でございます。私としても心からご冥福をお祈り申し上げるしだいでございます。

こうした出来事は、断じてあってはならないことであり、事実の確認、原因の究明、再発防止の徹底が急務でございます。

そのため、先ずは、お亡くなりになった学生に対し、学校がどのように日頃の指導に当たってきたのか、指導と死との間にどのような関連があったのか、あるいは学校の指導に問題はなかったのか、などについてしっかりと把握をし、課題を明確にすることが重要でございます。

こうしたことから、5名の専門家に、第三者調査として公正.中立な立場からの事実調査と、多角的視点からの検証をお願いし、現在精力的に作業を進めていただいて おります。また、それらを踏まえ、現在行われている教育内容についても、改善すべき点があればご提言頂くこととしております。

県としては、この第三者調査の報告を踏まえて、対策をまとめたいというふうに考えております。

また、他の県立看護専門学校の学生への実態調査の実施につきましては、この第三 者調査の終了後、その内容も踏まえて対応したいと考えております。

次に相談窓口についてでございますが、事案の発生前から、全ての県立看護専門学 校におきまして、意見箱を設置しております。

そして本事案が発生した学校では、発 生後直ちに学生のメンタルケアのため、今回の事案に対する緊急措置ということで、 スクールカウンセラーあるいは教員による相談窓口を設置いたしました。

その後も、 学校生活全般に関する様々な悩みを相談できる「お悩み相談箱」を設置し、記名.無 記名を問わず、学生の皆さんが悩みを訴えやすい環境の整備に努め、寄せられたご意 見は、教務主任が確認をし、対応にあたるという体制を確立してきたところでござい ます。

他の県立看護専門学校における、緊急事態への対応をはじめ、悩み事に対する相談窓口の設置につきましても、今後、第三者調査の結果を踏まえて、対応してまいりたいと思っております。

<再質問>

最後に県看護専門学校の自死事案を受けた対応について伺います。第三者調査を待って今後の調査、相談体制を行っていくとのことですが、新聞報道によると、この調査はすごくしっかりやって頂かなくてはいけないので年度内にとりまとめられるかどうかとの報道になっています。

現在、在学している学生はどうなるのかなと先ほどの答弁を伺って思いました。実際に様々な声が遺族の方に寄せられているのであれば、県としてこの部分は乗り出して相談体制や調査を行う必要があると思います。

相談体制についての学校の設置ではなく、秘密がちゃんと保持されるという保障を県として学生や学校に対して示して頂きたい

<答弁 知事>

私としては、丁寧に慎重に対応していきたいというふうに思っておりまして、色々と 経緯はございましたが、ご遺族の意向も丁寧に伺いながら、今、第三者調査に入っておるということでございます。

まずはその結果をしっかり見届けて必要な対策を総合的に 打ち出していきたいと。当然、更なる実態調査の必要性も出てくるかもしれませんし、 新たな相談窓口ということも出てくるかもしれませんが、そこらへんは見極めていきたいと。

ただ、おっしゃるように相談窓口という意味では、一般的には既にそれぞれの学校に様々なやり方があるわけでありますが、その他に先程答弁申し上げましたように、意見箱も匿名でできるということでございまして、改めて、一人で抱え込まずに悩みや困りごとについては早めに相談するように呼びかけていくということを各学校で徹底していただくということはやっていったらいいんではないかというふうに思っておりますし、それから身近な学校では、どうしても相談しにくいという場合には、県やNPO法人が運営する外部の相談窓口もございますので、そういったこともご紹介をしながら呼びかけはしっかりやっていきたいというふうには思っております。

いずれにしても、本格的な対策そのものはこの調査の結果を待って県としてきちっと判断をしたいと思っております。

1人の看護・医療をめざした学生が志半ばで自らの夢や希望、将来を絶ってしまわれたことに無念さを感じます。色々な意見等をお寄せ下さい。

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