中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

【23年3月議会/質問と答弁1】新年度予算の方向性と課題

2023年3月14日 4:00 pm
カテゴリ: 議会質問

質問しました。1、新年度予算の方向性と課題について。3月10日、午前。


3月10日、午前に1、新年度予算の方向性と課題について質問しました。

1、新年度予算の方向性と課題について

はじめに、新年度予算の方向性と課題についてです。その前に新年度の国の当初予算についても申し上げます。いわゆる安保3文書防衛力整備計画では、今後5年間で総額43兆円という莫大な拡張計画となっています。

その内訳は、アメリカからの武器の大量購入です。財源案は17兆円を増税でまかなうとも言われますが、全体として不確定な部分が多く将来的には地方自治体予算も無関係でなくなる可能性が考えられます。

(1)物価高騰により困窮している県民の暮らしを守る対策について

今、住民の暮らしの実態は異常な物価高騰で危機的事態であり、さらなる増税や社会保障の削減は到底受け入れられないのが実情です。岐阜県が今年度行った県政世論調査では、前年に比べ暮らし向きが苦しくなったと回答された方は50.3%、前年より15.2%も増えております。

電気代の請求額が跳ね上がり、愕然としたという方、食費や生活費を切り詰めても切り詰めても、それでもぎりぎりの生活になるという方、少なくない方から同様の声が届いております。

地方自治体においては物価高騰に困窮する住民に対し、様々な取り組みがなされています。厳しい寒さが続いた北海道では市町村の8割が高齢者などを対象に灯油、ガス、電気などの経費への助成を行っています。

その財源の多くは北海道が交付する補助金を活用しています。岩手県でも市町村が光熱費などの支援を行う場合、県が助成し、その基準額を引き上げました。このように県は光熱費の高騰に対する市町村の支援を強力に後押しする役割が求められております。

そこで1点目です。物価高騰に、より困窮している県民の暮らしを守る対策について知事に伺います。今議会には、県有施設整備コロナ対策基金の名称をコロナ対策等とする変更が提案されています。

更に物価高騰対策に活用する財源として、新年度40億円の積み増しをするとのことです。これらを、例えば水道料金の基本料金部分、社会保険料、介護サービスの利用料など生活するために必要不可欠なものの減免、家計の支出を減らすために活用すべきではないでしょうか。

そこで質問です。物価高騰により困窮している県民の暮らしを守る対策は、生活に必要な公共サービスの支出を免除・減免制度をつくることで軽減することが有効ではないでしょうか。今後、どのように取り組まれるかお聞きします。

<答弁 知事>

本県の物価状況でございますが、県内の基準値である岐阜市の消費者物価指数が、令和5年1月時点で前年同月比4.6%上昇と、全国とほぼ同様に高い水準になっており、厳しい状況が続いておるというふうに認識しております。

一方、令和4年度の生活困窮者自立相談の件数は、12月末時点で2,418件、 昨年同期の4,416件の約半数に減少しております。これまで、生活にお困りの方への支援としては、国の制度に基づき、緊急小口資金などの生活福祉資金特例貸付、住居を失うおそれのある方への住居確保給付金、住民税非課税世帯への10万円給付、生活困窮者に寄り添った伴走型の相談支援などを行ってまいりました。

また、本県としての子どもの貧困対策として、子どもの居場所への相談支援、子ども食堂の運営経費の助成などを行うとともに、生活にお困りのひとり親家庭の方への就業支援などを実施してきております。

さらには、今年度の9月補正予算による県独自の支援として、緊急小口資金などを借りた方で、国の償還免除要件に該当しない方への償還費用の支援や、生活困窮者への食料品や生活必需品の提供、社会福祉協議会などの支援を受けて就職に至った方に対する10万円の就労準備支援金の支給といった、様々な支援を行ってきているところでございます。

議員からは、生活に必要な公共サービスの利用料の免除•減免のご提案がございました。例えば、水道料金は市町村、社会保険料はそれぞれの保険者が定めており、また、介護サービス利用料は公定価格である介護報酬の一定割合というふうになっておるわけであります。

このように、それぞれの公共サービスの価格は、一義的には各制度の責任主体が決定しており、これを県が取り扱うことは難しいのではないかというふうに考えており ます。

<再質問>

物価高騰対策にあたるというのであれば、市町村の取組みを財政的に支援することはできないのか、再度伺います。

<答弁 知事>

公共サービスに対する助成でありますが、上乗せ支援というやり方がそもそも不可能と、そういうことではないとは思っております。

ただ、水道でいえば市町村、社会保険料でいえばそれぞれの社会保険の保険者がいて、 しっかりとした制度ができているわけでありますし、それから介護サービス利用料も公定価格、そこから介護報酬の一定割合ということでつながっている訳でありまして、そういう、かなり公共サービスとしてカチッとした利用料というものが決まっている中で、どういう形でどういう上乗せが可能かということについては、一義的になかなか難しいんではないかというのが、私どもの考えでありますけれども、色々とご指摘もありますし、こうしたことについての検討をですね、してみたいと思います。

<質問>(2)少子化対策における公的支援制度の拡充について

新年度予算案の柱の一つとして、少子化対策が掲げられていますので、2点目として少子化対策における公的支援制度の拡充について、知事に質問します。

平成30年度に岐阜県が18歳から50歳未満の県民に対して行った少子化に関する県民意識調査があります。この調査によりますと理想子ども数が予定子ども数より少ない理由の1位はダントツで、子育てや教育にお金がかかりすぎるから、これが6割以上の方が回答をしています。

日本で子どもを成人まで育てるのに必要なお金は、一般的に1,000万円から数1,000万円と言われています。この経済的負担をなくして行くことがまず求められるのではないでしょうか。

今回の新規事業として、第2子の出産祝い金10万円、中学3年生に3万円など現金給付が目玉となっています。出産や進学のタイミングはいろいろ物入りですので、とても助かる支援だと思います。

さらに子どもに確実に届くのは公的制度であり、この拡充は必要不可欠だと感じます。平成31年3月に内閣府がまとめた「少子化社会対策に関する意識調査報告」では、どのようなことがあれば皆が安心して希望通り子どもを持てるかという質問に対し、多い順に保育所などの費用の補助、ついで妊娠出産費の補助、教育費の補助、子どもの医療費の軽減となっています。

特に、例えば、進学時の教材や制服の購入などの見えない教育費の中でも最も大きいのは給食費です。そのため、無償化に踏み切る自治体が増えています。

都道府県単位では千葉県が、第3子以降の子どもを対象に無償化に取り組んでいます。高校卒業まで医療費助成を行う自治体も県レベルで拡大をしています。新年度は東京都、岩手県、群馬県で、奈良県では2024年度からの実施に向けて準備を始めるとのことです。

そこで知事に伺います。現金給付自体は否定致しませんが、少子化対策は子育てにかける経済的負担をなくして行くことが基本であるべきではないでしょうか。

成人までに必要な養育費をトータルで軽減するべきだと思います。子育て支援、少子化対策として、子どもの医療費の無料化の年齢引き上げ、学校給食費の無償化への県としての支援など法的制度の拡充についてはどう考えでしょうか、お聞きします。

<答弁 知事>

少子化の要因については、既に議論がなされておりますけども、非婚化•晩婚化の進行でありますとか、結婚意欲の低下、若者の県外流出等々、様々考えられるわけでありますが、子育て世帯の経済的負担が非常に大きいということもその要因のひとつであります。

現に、ご指摘もありましたが、平成3 0年に実施した少子化に関する県民意識調査におきましても、理想の子ども数が実現できない方の6 2. 5%が「子育てにお金がかかりすぎる」と答えておられます。

新年度予算におきましては、こうした県民の皆様の声も踏まえて、第2子以降の出生児に対する10万円の祝金や、高校進学等への3万円の準備金の支給を実施することといたしました。

子どもの医療費助成でございますが、現在、県内42全ての市町村が入院•通院とも中学校卒業までの無料化を実施されております。高校生につきましても、令和5年度には、通院については26の市町村、入院については28の市町村が対象とされる予定でございます。

これは市町村のそれぞれの政策判断のもとで実施を決定されたものと考えております。しかしながら、子どもの医療費は、本来は、国が全国一律の制度を創設することが望ましいというふうに考えております。全国知事会からも、また本県としても、子どもの医療に関わる全国一律の制度の創設を国に要望してまいりたいと思っております。

また、小中学校の給食費への助成についてでありますが、既に県内各市町村において、その実情に応じて様々な対応がなされております。まずは設置者において政策的に判断されるべきものと認識しております。

<再質問>

例えば、子どもの医療費であれば、本来、国が一律に行うことが望ましいのは同意見ですが、それができていないため、知事も就任時に予算を増額し、6歳まで入院•通院に係る医療費を無料化されました。

今回、様々な対策に取り組まれるとのことですが、公的支援制度の拡充も必要不可欠と考えます。公的支援制度の拡充を実施する意思があるかどうか、その考えを再度伺います。

<答弁 知事>

公的支援制度への県の支援は既にいろいろなことをやってきているわけでありまして、 私どもがやっていることは、横軸にライフステージを書き、縦軸に少子化対策に必要な経費を書き、それぞれのボックスの中に、誰がどのような支援をしているかというマトリックスを書き、何が抜けているのか、県としてどこに入っていったらいいのか、既に行われているものは何か、という整理をしながら、かつ、持続的な財政運営の中で、できる限りのことをやっていこう。こういったことで、予算を取らせていただきました。

そのような中で、特にご指摘のありました医療費の助成につきましては、既に中学校卒業までは、県内すべての市町村で入院•通院とも無料化となっている。

高等学校についても、ご紹介しましたとおり、既に26ないし28の市町村は通院•入院の無償化を政策判断としてやっており、それを見守りながら、県は県としてやれるところをやっていこうという整理をさせていただいているところであります。

給食への助成も県内すべての市町村が、完全無償化にしているところもありますし、部分的無償化にしているところもありますし、補助金という形で対応をしているところ もありますし、様々な対応を42のすべての市町村でやっております。

それぞれの政策判断を見つめながら、県は県としてどこにどのように手を加えていくか、ということで、今回の予算編成になったということでございます。

<再々質問>

一般質問初日に、少子化対策については、厳しい危機感を持って、あらゆる施策を総動員し取り組むと答弁されました。縦軸と横軸の話をされましたが、もう一つ大事な問題として、県内で市町村ごとに制度がバラバラということがあります。

県内どこでも子どもはせめて18歳まで医療費は無料にするとか、学校給食は全ての市町村で軽減されていると答弁されましたが、多くは物価高騰分の補填で、引き上がらないような補填が多いと思われることから、もう少し底上げできるような市町村への応援も公的支援制度の拡充になると思われます。

危機感を持って、ということであれば、公的支援制度について、県としても支えていく考えが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。

<答弁 知事>

先ほど申し上げたように、公的支援制度については、県•市町村がそれぞれ協力し合って、システムを構築していくことは、いくらでもありうるわけでありますけれども、今話題になっている医療費の助成、これは繰り返し申し上げますが、ほとんど制度ができあがっているわけであります。

ですので、たまたまある市町村がやっていないから、そこだけ補填するとなると、全ての市町村が原点に戻って、県から支援をしてくれと、必ずこういう話になる。

したがって、市町村間の不公平などいろいろあり、それぞれ市町村の政策判断も尊重しなくてはいけないと私どもとしては考えているところです。公的支援制度一般について、そういった市町村との協力、あるいは組合せといったことを否定するわけではありませんが、医療費については、もうかなりのところにまできている現実を申し上げているわけであります。

それから給食費についても、それぞれの市町村がそれぞれの判断でいろいろなことをやっておられる中で、この時点であえて県が一律の制度を上から押し付けるような形になってよいのかということもございますので、市町村それぞれの努力を見守りながら県としてどこまで、どう入っていけるかということについては、慎重に検討してまいりたい。

もちろん検討することはやぶさかではありませんが、十分注視はしていきたいということを申し上げているわけであります。

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