2021年12月13日 10:00 am
カテゴリ: 活動報告
「原油価格高騰への対応について」質問。12月10日、午前。
12月10日午前、「原油価格高騰への対応」と「灯油購入補助である福祉灯油制度創設」について質問をしました。質問と答弁の概要を掲載します。コロナ禍の影響で厳しい状況にくわえ、この冬は原油価格の高騰が各分野に大きな影響を与え始めています。
レギュラーガソリンのリッターあたりの小売現金価格は昨年の12月初旬134.2円だったのが、この12月は168円。エネルギー庁の取りまとめ調査によると、ガソリン、軽油、灯油どれも昨年に比べ非常に値上がりしています。
まわってくる灯油販売の音を聞きながら、寒くなってきていつ灯油ストーブをつけようか、迷いに迷うという高齢者。タクシーやハウス栽培の施設園芸など石油製品や燃料を使う事業者は利幅が小さくなり、値上がり分を転嫁できない小規模事業だけでなく、介護施設や障がい者施設などの福祉施設の送迎、補助金やカンパで事業が成り立っている学習支援や子ども食堂、子ども宅食事業などといった支援活動の場まで影響はとどまりません。
愛知県では県内の影響調査を実施するとともに、県内事業者、農業、漁業者、交通事業者、社会福祉施設、私立学校向けに県独自の「原油・原材料価格高騰対策」を幅ひろく実施することを発表しています。
鳥取県などでは市町村の灯油購入補助制度の助成を始めています。一昨日前に追加された補正予算では新たな貸付融資が出されましたが、新たな借金に手が出せない基盤が弱い小規模事業者やそもそも収益を上げることが目的ではない団体、そして県民生活、と本来、支援を必要としている方々はもっと多く、支援も貸付融資に留まらずもっと幅広く準備する必要があると感じる所です。
【質問 原油価格高騰への対応】
現在県では、県内の状況を取りまとめる部署はなく、各課で状況把握の対応が異なっているようですが、状況の取りまとめや情報共有を統一し対策を検討できるよう庁内で体制を整備する必要があると思います。県内の経済をはじめとする様々な分野における影響と今後の取組方針についてお聞きします。【知事 答弁】
今般の原油価格高騰の主な要因は、世界的な新型コロナウイルス感染症で落ち込んだ原油の需要が、ワクチン接種が進み経済活動が回復する中で拡大する一方で、OPECやロシアなどで構成する OPECやロシアなどの供給側では、今後の感染拡大で再び需要が減少することなどを懸念し、供給拡大のぺースが鈍いことが挙げられております。資源エネルギー庁の調査に上りますと、例えば、本県のガソリン価格は、第1回目の緊急事態宣言下にありました昨年5月11日は1リットル126.7円でありましたが、先月29 目では16 9.3円にまで上昇しております。このため、県経済への影響につきまして、事業者へのヒアリングを継続して実施しているところでございます。
例えば、「製造業」では物流コストや原油を材料とする化学製品などの原材料価格の上昇で負担が増大をしております。また、「運輸業」も燃料価格の上昇で、厳しい状況にあるとの意見、「卸売業、小売業」からは配達コストの増加のほか、回復しつつある個人消費への影響を懸念する声、ボイラーを使う「公衆浴場」や 「クリーニング店」も影響が大きいとの声を聞いております。
さらに、「農業分野」でも、ハウス栽培などに必要な暖房費用の増加による経営の圧迫のほか、今後、本格的な冬を迎えるにあたり、宿泊業、飲食業、介護施設、保育所、子ども食堂などでも暖房費用の増加などによる経営への影響が懸念されております。
こうした状況を踏まえ、国では、先月取りまとめた経済対策に、エネルギー価格高騰への対応を掲げております。そして、ガソリン価格の全国平均が170円以上となった場合、ガゾリン、軽油、灯油などを1リットル当たり5円の範囲内で国が石油元売り事業者に支給する措置を講ずるほが、アメリカなどと協調し、石油の国家備蓄を放出する方針を決めるなど、過去に例のない対策を講ずることとしております。
また、本県においては先月には、中小企業者・農業者向けの融資相談窓口を開設したほか、県産業経済振興ゼンダー、各商工会議所、商工会連合会等に経営相談窓口を開設いたしました。
さらに、原油に加え、原材料の高騰・円高の影響を強く受ける事業者に対し、信用保証料の一部を県が負担する制度融資や施設園芸農家への省エネルギー設備の導入補助金の創設に係る予算案を先日追加提出させていただいたところでございます。
直近の原油価格の世界的な動向は、奇しくもオミクロン株の影響で需要が減少するとの予測などからやや下落傾向にございますが、新型コロナウイルス感染症の影響による世界的な需要への影響や産出国側の動向に;引き続き注視してまいります。
また、国の対策につきましても、実行された場合の効果を見極めていく必要があります。そして、冬季を迎え、本格的に燃料需要が増すことを踏まえると、引き続き、幅広い事業者への影響を丁寧に把握していく必要があります。
このため、商工労働部を中心に、関係部局の主管課長を主なメンバーとする部局横断的な連絡会議を今月中にも設置したいと考えております。そして、原油価格の動向、国の対応状況、各分野の事業者への影響などの情報を共有するとともに、状況に応じて必要な対策は躊躇なく実行してまいりたいと思います。
【質問 福祉灯油制度について】
灯油購入補助である福祉灯油制度は県内2市で実施予定であり、さらに複数の市町村で検討中とのことですがまだ実施に至っておりません。他県の事例も参考にお聞きしますが、市町村による生活困窮者への支援を促進させる取り組みはどのようにお考えでしょうか。【健康福祉部長 答弁】
灯油価格への補助につきましては、今般の国の経済対策において、地方公共団体が生活困窮者に対し灯油購入費助成を行う場合の特別交付税措置が盛り速まれました。また、これまでも、コロナ禍の影響を受けた生活困窮者に対し、同様の助成事業を行う場合にあっては、地方創生臨時交付金の活用も可能とされているところです。
こうした中、まずは、住民に身近な市町村において、冬期の気候条件その他の地域の実情に応じ、灯油補助支援の必要性を判断していただき、今回の特別交付税措置などを活用した機動的な支援を検討いただくよう、市町村に対して働きかけたところであります。
なお、現時点では、冷え込みの厳しい飛騨地域4市村などで実施あるいは検討中となっており、今後も、市町村の実態を把握し、必要な助言を行ってまいりますが、住民税非課税世帯への給付金など経済対策で講じられた他の対策とあわせ、きめ細かな生活困窮者支援を期してまいります。
【再質問 連絡調整会議と予算措置について】
知事から新たに連絡会議を作って対応していただくという答弁がありましたので、それについてもう少し伺いたいと思います。先ほど、健康福祉部長が市町村に特別交付税措置をを使うようにということを求めていくとおっしやいましたが、この特別交付税措置の中には、福祉灯油だけでなく、社会福祉施設の暖房費高騰分の助成であったりとか、そもそも自分たちで貯蓄があまり出来ないような福祉施設に対する助成なども含まれているんです。
市町村に対して、この特別交付税を活用するように求めるのであれば、この連絡調整会議の中で、県としてもこの特別交付税措置を使いながら対応していくと、そういう方針も盛り込んでいただきたいと思いますが、そのお考えについてお聞かせください。