中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

3月議会質問(2)県庁舎再整備について

2019年3月25日 6:30 am
カテゴリ: 活動報告

県庁舎再整備について

最初に、県庁舎再整備の全体像についてです。

新年度予算には、県庁舎再整備のうち、先日、実施設計が明らかになった行政棟と議会棟、2棟の建設工事費が計上されています。

ちょうど1年前の昨年3月議会、総務部長の答弁では、住民説明会の中で事業費の縮減に関して、「延べ床面積を縮減できないか」「費用面をよく検討してほしい」などの意見があったこと、さらに、行政棟と議会棟の建設工事費は500億円程度を見込んできたが、可能な限りコスト削減に努めたいとの答弁があったところです。

しかし結果として、縮減どころか増額の約524億円が計上されていること、大規模災害への備えや県職員の執務スペースが狭いことなど、建て替え自体は理解できるものの、これから人口減少社会に入っていくにもかかわらず、現在の1.6倍までの大きな建物が本当に必要なのか。さらに、先ほど1項目目に質問したように、財政に無理を生じさせるまでの規模であること、など疑問を申し上げてきました。
これをふまえて、知事に2点お聞きします。

1点目、県庁舎再整備の全体像について

この県庁舎再整備は、県庁舎再整備基本構想を基本にスタートしました。これによると、まず現在の本庁の東側、駐車場敷地に行政棟と議会棟を建設する1期工事。本庁舎の引っ越しを行った後、現在の行政棟と議会棟を解体しこの場所に県民サービス棟を建設するという2期工事が予定されているとのことです。

しかし、2期工事である県民サービス棟については同じく昨年度の3月議会において「現庁舎を取り壊した後に考える」と答弁されており、具体的に何を目的にどんなものを建設するのか全く示されておりません。しかし、本来、この県庁舎一帯が最終的にどんなエリアを目指すのか、全体像を示したうえで議論し、本格着工に踏み切るべきではないでしょうか。さらに、それによる財政負担が最終的にどれだけになるかも明らかになっておりません。

現在の状況は、この議会棟の北側駐車場に立体駐車場が建設されていますが、これら駐車場やバス停などの工事で、本年当初予算で27.5億円がすでに計上されています。また公園の改修設計も今年度行うことが説明されてきました。

新年度は、本庁の東側駐車場敷地に建設予定の行政棟・議会棟の建設費が計上されています。このように、個別の設計や工事が続いていますが、最終的にどんな全体像になるのか、具体的なところはまだ知らされておりません。

本格的な着工に取り掛かる前に、県民サービス棟は建設するのか否か、この県庁舎再整備計画で最終的にどんな全体像を目指すのか、など全体像を示したうえで着工すべきではないでしょうか。

中川ゆう子の質問

県民サービス棟も含め県庁舎再整備の全体像を、改めて伺います。
今後、行政棟、議会棟建設のほかに、周辺整備、現庁舎の解体、備品、県民サービス棟、県庁前公園などの事業が予想されますが、総事業費はいくらと見積もっているのでしょうか。

知事の答弁

県庁舎の整備にあたりましては、2014年度に県内各界の代表等からなる「岐阜県庁舎再整備対策特別委員会」が設置され、議論を重ねていただいております。

加えて、ユニバーサルデザインの専門家などの有識者、県内の各種団体、県職員などに、それぞれの立場から意見をお聞きするとともに、パブリックコメントや県民説明会などでお伺いした県民のご意見も踏まえ、検討を積み重ねてきました。

こうしたことを経ながら、2016年3月に「岐阜県庁舎再整備基本構想」を策定し、この構想に基づいて、2017年10月に行政棟と議会棟に係る「基本設計」、本年2月にはその「実施設計」を取りまとめたところでございます。

新庁舎建設にあたりましては、行政サービスを着実に担う県政の拠点として十分な役割を果たしていくことを原則とし、そのうえで、豊かな自然と伝統文化に彩られた本県の魅力を発信する「清流の国ぎふ」の象徴にふさわしい建物として再整備することをコンセプトに掲げております。

こうした考えに沿いまして、大規模地震発生時においても災害対策の中枢拠点として十分に機能できる耐震性を確保するほか、木やタイル、和紙といった本県を特徴づける素材を積極的に活用してまいります。さらには、省エネルギーに資する設備、太陽光発電の導入なども図ってまいります。

提案しております今回の当初予算におきまして、行政棟と議会棟との建設工事費524億円を計上しているところでございます。さらには、基本設計段階では概算建設費を500億円程度というふうにお示ししておりましたが、その後の資材費、あるいは労務費の伸びにより増額となったものでございます。

この本体建設工事のほか、関連する経費として、これまで、立体駐車場の整備、広域排水路の改修などを実施しております。今回の当初予算計上分を含めて、これらの経費が40億円ということでございます。

今後につきましては、建物周辺の植栽や外構、敷地内道路の改良、公用車車庫の整備、さらには備品購入、建て替え後の県庁舎の移転、そして現行庁舎解体といったものが予定されているわけでありますが、これらにつきましては、来年度以降に具体的な検討を行い、経費を算定してまいりますが、現時点で粗々に試算しましたところ、ざっと100億円程度が見込まれるということでございまして、これを財政見通しに反映しているところでございます。

残るところは、県民サービス棟でございます。後ほどご答弁申し上げますが、この財政見通しには、県民サービス棟に係る事業費は含んでおりません。

中川ゆう子の再質問

県庁エリア全体の整備の全体像、総事業費について、知事の考えを再度問う。

知事の再答弁

まず庁舎の総事業費でありますけれども、このサービス棟を除いた分がすべてであるということでございます。したがって県民サービス棟についてのみ、今後検討していくということでご理解いただきたいと思います。

この県民サービス棟は目的がよくわからないというお話がございましたが、たとえば、各地に県の関係機関がバラバラに分散しているということで、これを一カ所に整理したほうが、県民サービスの面からも、効率の面からもいいのではないかという議論があって、構想に乗せているということでございますし、警察の機能につきましても、青少年サービスをひとまとまりにするという、効率化ということで、警察機能のその部分を集約してはどうかと、そういった内容が構想段階ではあるわけでゴアいますが、これらにつきましては、まず行政棟と議会棟を作り、全体を整理したうえで、予断無く検討したいというのが、私どもの考えでございます。

2点目、県庁舎建設が県財政に与える影響と県庁再整備基本構想の見直しについて

「岐阜県行財政改革指針2019」の今後の歳出見通しを見ると、投資的経費について、平成31年度から34年度の4年間は、県庁舎再整備が大きく影響するとの見通しが示されています。財政調整基金が激減している状況下で、県庁舎再整備が将来の県財政に影響を与えるのは確実です。

そうであれば、優先度を考え縮減していく選択肢もあったのではないかと私は思います。

例えば、行政棟の県民ホールはシンポジウムや講演会、式典も行える大ホールですが、清流プラザには長良川ホール、ソフトピアのソピアホール、県図書館の大ホールなど近郊だけでも同規模で類似する施設があります。
ふれあい会館にも類似の施設がある展望カフェやラウンジと、そこへ行くための専用の展望エレベーター2基、現在よりかなり広い面積をとることになった応接室など、見直すことで建設費だけでなく将来の維持管理費を縮減することができるのではないかと思います。

また、先ほど述べた通り、財政見通しの前提には、県民サービス棟など新たな施設整備は想定されていない、そうであっても、県債残高、及び毎年の返済金の割合増加は避けられないという見通しが出ており、この際、構想を見直し、まだ何も決まっていない3棟目の県民サービス棟構想は白紙にすべきと考えます。

中川ゆう子の質問

県庁再整備が将来の県財政へ与える影響をどのように認識しておられるでしょうか。また、将来の県財政への影響を考慮して、県庁舎再整備基本構想を見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。

知事の答弁

先ほど申し上げました行政棟、議会棟の建設工事費につきましては、県財政への影響をできるだけ抑えるため、2013年度から県庁舎再整備のための基金積み立てを開始いたしました。今議会で提出しました補正予算を合わせた合計で建設工事費524億円の約半分の260億円の基金を確保したわけでございます。残金の県債発行と合わせ、長期にわたって財源調整を図ったものでございます。

この本体工事費に、先ほど申し上げました関連事業費の当初予算までの40億円、そして今後の見込み分100億円を加えた経費につきましては、財政見通しに反映しております。その場合も、先ほどご答弁申し上げました通り、実質公債費比率について向こう10年間は、現状の10%を下回る水準で推移しうるというふうに試算をし、見込んでおります。

次に県民サービス棟を見直してはどうかということでございました。
この県民サービス棟につきましては、基本構想には含まれておりますけれども、行政棟、議会棟の建設後の段階で、行政ニーズ、社会情勢なども見極めながら、検討していくものというふうに考えております。

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