2021年3月15日 10:15 am
カテゴリ: 活動報告
2021年3月議会,質問内容。就職氷河期世代への支援について。3月12日。(要旨)
この就職氷河期世代とは、氷河期に就職時期を迎えてしまったことで正規雇用への道が厳しく、職業能力を高める機会に恵まれなかった世代であり、現在の30代半ばから40代にあたります。1年前に県から受けた説明では、国の推計を単純に県に当てはめると、県内では就職氷河期世代で正規雇用を望みながら非正規で働いている方は約5000人、無業状態の方6700人と推計できるとのことでした。
実際の数はわかりませんがおおむねの対象の規模は認識できます。昨年、国では3か年集中支援プログラムが始まり、全国100万人を対象に3 0万人の正規雇用を目指すとされましたが、ちょうど初年度は 新型コロナ感染拡大が重なってしまい、取り組みにも困薙があったのではないかと気になっております。
しかし、ILOが今回、危機のときこそ雇用を守ることを提起しています。こういう状況だからこそ、不安定雇用から安定した就職に結びつける支援の重要性がいっそ‚う高まっていることは間違いありません。
そこで商工労働部長にお聞きします。就職氷河期世代の背景には、企業の採用控え、規制緩和による非正規の増大があります。社会全体の問題としてこの問題をとらえ、3年計画にとどまらず、息の長い取り組みが必要ではないでしょうか。
さらに正規雇用を希望しているもののいきなり正規雇用に挑戦することに二の足を踏む求職者も多く、そうした困難を抱えている方々に寄り添った支援が求められています。たとえば受け入れ企業を掘り起こすことも重要だが企業における仕事の切り出し等、正規雇用への第一歩を踏み出しやすい新たな支援ができないでしょうか。
これらを踏まえ、就職氷河期世代への支援に対する課題を今後の県の取り組み方針について商工労働部長にお聞きします。
<答弁> 商工労働部長
昨年5月に県と労働局が共同で設立した 「ぎふ就職氷河期世代活躍支援プラットフォーム」におきまして、先ずは今後3年間における取組みを推進することとし、県といたしましても、個別相談から、小グループでビジネスマナーなどを学ぶ 「就活塾」や合同企業説明会の開催、就職後の定着支援までの伴走支援を実施してまいりました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、企業においては雇用維持を最優先とし、採用マインドが低下していることが課題となっております。
そのため、新たに就職氷河期世代で前職が非正規雇用であった方を正社員として雇用した事業主へ1人あたり30万円の奨励金を支給するとともに、市町村の取組みを交接する交付金を設け、地域のきめ細かな支援の充実を図ってまいりたいと考えております。
なお、現在の状況を踏まえ、国に対しては3年に関わらず息長く支援するよう要請したところであり、企業における仕事の切り出し等の取組みについても、先ほどのプラットフォームで、意見を伺ってまいります。
中川<再質問>
今年度1年間の取組みであたりとか、企業の採用マインドが低くなっている、そういう中で3 0万円の奨励金を出していただくなどの取組みをされているということは理解できたのですけれども、もうあと一歩踏み込んで、県の取組方針についてしっかりと伺いたいと思います。先ほどご紹介したように、この例えばILOだったらこういう時こそ雇用を守っていくということを表明して、そのために全ての措置の中に人間らしい労働を位置付けて安定した雇用というのを、求職者だけじゃなく、企業に対しても支援するということを提起されております。
今回のコロナ禍で非正規雇用が激減しました。要するに、それだけ不安定雇用の方が仕事を失ったということです。リーマンショックの時の教訓が生かされてこなかったですし、その影響を受けているのがこの就職氷河期世代です。
感染症の苦しみだけじゃなく、一気に貧困に陥るという二重の苦しみに直面しているわけで、本来こういう働き方を無くしていこうというのが、この就職氷河期世代への集中支援の最初の根幹だったと思うのです。
規模感がちょっと小さいんではないかと、5000人、6000人という規模を先ほどお話ししましたけれども、必要としているそういう人たち全てにちゃんと届くような、細かいメニュー設定であったりとか、長期的な取組み、そのもとにどういう問題点を県として抱えているか、その辺りをですね、もう少し詳しくお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
<答弁 商工労働部長>
就職氷河期世代への取組みについてのお尋ねがございました。今年度につきましては、就職氷河期世代への取組みをスタートしたのでございまずが、新型コロナの影響で思うように取組みが進まなかったということで反省をしております。企業にとりましても、雇用を守りたいということで、正職員については雇用を守る傾向がありましたが、議員ご指摘のとおり、非正規雇用については切り捨でるという傾向がございました。
今後、新型コロナが収束に向かい経済活動が回復する中で、雇用についても状況が変わってくると思います。その中で、企業に対しましても、就職氷河期世代の現状について丁寧に説明する中で、できるだけ正規雇用へ進む道を作っていただくよう、県としてもしっかりと企業に対して取組みを求めていきたいと考えております。
中川<<再々質問>>
今のご答弁で、コロナが落ち若いたら企業に呼び掛けていきますということだったのですけど、そうではなく、どういうときでも、労働者の生活とか雇用は守っていこうと、そういう社会を岐阜県は目指していこうということだと思うのです。なので、コロナ禍で県が取り組む意味が私はあると思っております。そういう象徴的な取組みにして欲しいですので、新年度、是非、企業に対しても呼びかけるだけでなく、企業が正規雇用として雇いたいというとこには、財政的な支援だけでなく、思い切った支援をお願いしたいと思います。そういう取組みについて伺います。
<答弁> 商工労働部長
就職氷河期世代への取組みについでのご質問がありました。新型コロナが収束したらと言いましたけれども、全ての企業や業界が収束するまでにはまだ時間がかかると思います。中には、回復している企業もございますので、できるだげそういう企業から、業界から声をかけて働きかけてまいりたいと考えております。また、経済的な支援だけではなく、就職後の定着支援に向けた伴走支援も行っておりますので、引き続きこれについては取り組んでまいりたいと考えております
人生の「働き盛り」の方々を社会としても大切にする体制について引き続いて支援をしていきたいと思います。