中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

2021年3月議会,質問内容。新年度予算と県財政の見通し。3月12日。

2021年3月15日 9:00 am
カテゴリ: 活動報告


2021年3月議会,質問内容。新年度予算と県財政の見通し。3月12日。(要旨)

1  県民の生命(いのち)を守り新しい日常を創るための新年度予算と県財政の見通しについて

コロナ対策が最優先課題にあげられた当初予算のサブタイトルは「県民の生命(いのち)をまもり、新しい日常を創る」です。「県民の生命 (いのち)を守る」ことこそ 、地方自治の根本精神であり 、これをいっそう充実させることが県民に最も望まれていると私も感じます。

この立場で、この新年度予算について、後で質問するもの以外でいくつか申し上げます。

まず、医療分野です。「生命を守る」という点で、医療体制の充実は不可欠です。しかし、新年度予算に計上されている病床削減支援金は、稼働病床の削減に対して支給されるもので、稼働率が高いほど交付額も高い仕組みです。

コロナ禍で医療体制のぜい弱さが課題になっているこのタイミングで、病床削減を誘導する予算を立てるべきではありません。そもそも、このようなダウンサイジングの前提になっている地域医療構想は、コロナ禍に対応する病床確保の視点が欠落していることが指摘されています。

これらの検証をすることなく、病床削減、統廃合などは再検討すべきと考えます。経営悪化に苦しむ医療機関への国の財政的支援である「緊急包括支援交付金」は、国の交付要件が狭すぎるため予算額に対して交付額は1/3程度であり、必要な支援が医療機関に届いていないのが実態です。国に改善を強く求めるとともに、県独自の対策も検討すべきではないでしょうか。

教育分野について申し上げます。コロナ禍のもとで、改めて児童生徒が密にならない少人数学級の重要性が確認され、国は5年間で少人数学級を小6まで拡大、必要な教職員定数を措置することを表明しました。岐阜県議会においても、この少人数学級を求める請願は平成元年以降で、毎年出されています。

この義務標準法を改正した一律の学級規模の引き下げはおよそ40年ぶりのことであり、多くの方の願いが実った大変画期的なことだと思います。県では国のスピード以上に、国加配定数を活用して段階的に推進をはかっていただけるとのことで感謝いたします。だた、少人数指導などを担っていた加配分を振替えるのではなく、ぜひ根本的に職員定数の増をはかっていただきたいと思います。

女性への支援の重要さについても申し上げます。非正規労働者の7割が女性であること、その賃金は男性の正規労働者の4割と低賃金です。コロナ禍で仕事を失った多くは圧倒的に女性でした。女性への暴力・DVも増え、全国のDV相談支援センターへの枯相談件数は1.5倍に増加しています。各世代で女性の自殺数が急増した背景には、こうした不安定な生活基盤と長年のジェンダーギヤップがあります。人と予算を思い切って充てるなどの取り組みが必要ではないしょうでしょうか。

イベントについて

新年度は、オリパラ関連行事、ホストタウン交流事業、ねんりんピック、国民文化祭開催準備などで、1O数億円が計上されています。イベントを全否定するわけではありませんが、今は、限りある財源を県民の生活や営業の応援に最優先で充てるべきです。

また、これらのイベントを開催すれば多数の職員がその業務にあたることになりますが、現在、県職員はコロナ対策の最前線で文字通り昼夜を問わず全力で業務にあたっており、余裕はないのが実態です。コロナ禍での優先順位を考えれば、イベントの規模や時期について県民や県職員の声を広く聞き再検討することが必要だと考えます。最後に、将来の財政見通しに関連して申し上げます。

県民の生命を守るための施策を思い切って展開するために、将来に向けて財源をどう確保していくかが重要な課題です。

県債、県の借金は県財政の15.4%を占めており、新年度の発行額は対前年比で18.4%増です。たとえば新年度予算で見ると、新県庁舎は約3 09億円のうち74%が借金、東海環状自動車道とそのアクセス道路は約90億円のうち約93%が借金でまかなわれています。

公債費は昨年度下がったものの、新年度は1011億円とふたたび増加し今後も増え続けると見込まれます。「県民の生命(いのち)を守る」という地方自治体の根本精神を、将来にわたって発揮するためにも、大型公共事業や、660 億円を超す県庁舎建設等を進めるのではなく、県政の軸足を転換させていただきたい。

このように、あいつぐ公共事業で県債が増加したことにより、実質公債費比率は上昇を続ける見通しになっていますが、今議会では、昨年発表した今後 10年間の見通しよりさらに悪化させていることも気になるところです。

以上をふまえ2点知事にお聞きします。( 1)新年度予算の狙いと優先順位はどのように考えていらっしやるでしょうか。

<答弁 知事>

ご指摘のありましたように 「県民の生命を守り、新しい日常を創る、予算というふうに位置付けております。

まずは、当面の「ウイズコロナ」、中長期的な視点としての 「アフターコロナ」の両面から新型コロナ対策を進めていくこととしております。さらにこれまで進めてきた魅力あふれる「清流の国ぎふ」づくりに関する幅広い政策課題に丁寧に目配をし、しっかりと財源を振り向け対応していく「未来志向・課題解決型」予算といたしました。

同時に、財政の健全性の確保につきましても十分に配慮した予算編成を心がけたところでございます。

議員が言及されました政策課題の諸点を踏まえながら、重規した施策について、いくつか申し上げますと、第一に、医療・福祉につきましては、十分な病床及び宿泊療養施設の確保、PCR検査体制の充実など「岐阜モデル」を支える施策等に対し、国財源である緊急包括支援交付金を117億円活用しております。

また、 「後方支援病床」の確保に向けた県独自の空床補償制度を創設するとともに国に対してこの制度化を求めております。医療機関への経営支援につきましては、知事会を通して、国に対し一層手厚い対策を攻めておりますが、本県独自の対策として病床のひっ迫状況に応じた協力金を支給し、支援を充実してまいります。

第二に、人づくり、教育でありますが、国の計画を2年前倒しをして令和5年度までに段階的に小学校全学年で3 5人学級を実現することとし、国に先行している間は国加配定数を活用することといたします。そのほか、ⅠCT環境の整備、学習指導員やスクールサポートスタッフの配置など、教育環境の整備に向けた諸施策を盛り込んでおります。

第三に、女性に係る施策でありまずが、休日・夜間における女性相談センターでのDV相談体制の拡充、性暴力被害者支援に関するSNSによる相談窓口の常設化など、コロナ禍の中で生きづらさを抱える女性介の支援を強化いたします。また、緊急小口資金の確保や自殺予防支援対策など、生活困窮者対策を、きめ細かに盛り込んでおります。

第四に、イベントでありますが 、コロナ禍で延期を余儀なくされました「エンジン01in岐阜」、 「東京オリンピック・パラリンピック関連イベント」、「ねんりんピック岐阜2O21」につきまして、事業規模や内容を十分精査した上で予算化しております。

なお、当然のことながら、今後の新型コロナウイルスの感染状況に応じて、イベントのあり方についてはさらに慎重に対応してまいります。例えば、すでに、聖火リレ一につきましては、観客数の制限や出発式の時間短縮を行うことによって、簡素化を図っているところでございます。

まず、新年度予算について質問をしました。他のことについても質問しました。

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