2018年6月1日 4:20 am
カテゴリ: 活動報告
新年度の県予算を様々な角度から徹底分析
50年、100年先に生い茂るよう現庁舎建設時に計算し植えられた県庁前公園の木々が何本も伐採されました。県庁舎建設にともなうヘリポートの移設のためです。木育をかかげる岐阜県としてこのやり方はどうなのか住民から疑問の声が上がっています。疑問はこれだけではありません。県庁舎建設の疑問を今号で取り上げます。
最優先。雇用と福祉、暮らし応援
3月議会は予算議会といわれています。県債や基金の現状やこの間の取り組みで前向きに変わってきたことなど、中川ゆう子の質問を中心にご紹介します。最新の数字でみる県財政の問題点
中川ゆう子の提案
大型公共事業に加え、計画されている県庁建て替えは現時点で500億円の見込み。一方で福祉の面はというと、県単位化された国民健康保険の保険料は負担が重く、引き下げは必須です。子どもの貧困対策もやっと調査を始めようという段階で、具体的施策はこれからです。借金を減らすため、原因となっている大型公共事業を見直し、福祉とくらし応援の施策に最優先にあてるべきです。県債(借金)が増えると、何が問題に?
県では毎年のように新しい大型公共事業を計画し、その都度新規の県債を発行してきました。このアンバランスさが解消されないと、先の世代に過大な負債を遺し、将来的に住民サービスの質の低下を招く恐れがあります。一方、県庁舎建設のために、基金が異常減
異常なまでに減少してしまったのが「財政調整基金」です。原因は県庁舎建て替えのための資金を「県有施設整備基金」として短期間で230億円も積み立てたこと。財政調整基金は、災害が発生したり経済が急激に冷え込んでも安定した行政サービスを実施するための財源です。県庁舎でお金が必要だからといって切り崩すのは間違っています。県庁舎が新しくなっても災害時の対策ができなければ行政の本来の役割を果たせなくなってしまいます。
知事「厳しい段階にきていることはわかっている」
Q中川ゆう子 財政調整基金が35億円まで減っている。新年度、災害や景気の悪化などの不測の事態が発生した場合どう対応するのか。A知事 災害や景気悪化の際には国のセーフティネットがある。この役35億円はH30年度予算ベースのもの。これまでも経費節約努力により切り崩しを減額してきた。少なくともH29年度末は約150億円程度確保できる。
Q中川ゆう子 決算は結果論。H29年度は約150億円というが、H30年度は35億円に減っている。
A知事 財政調整基金については苦しい段階になっていることはわかっているが、工夫と努力で積み増してく。
中川ゆう子の提案
国のセーフティネットは災害規模によって決まる限定的なもの。知事も「厳しい段階」だと認めざるをえませんでした。財政調整基金の目安は標準財政規模の5%(岐阜県の場合230億円程度)といわれています。むやみな基金のため込み、切り崩しを防ぐよう、このような指数を参照し基準・ルールを設けるべきだと提案しました。県庁建て替え約500億円。総事業費は明らかにせず
建設規模を縮小し、県民の負担軽減を
Q中川ゆう子 新たに約250億円の借金をして作る新しい県庁舎。これから高齢化や人口減少によって社会保障の充実が必要な時に、その借金返済が県民生活に大きな影響を及ぼすことになるが、その認識は。また、立体駐車場や現庁舎解体などを含めた総事業費と県債発行額の見通しを明らかにするべき。A知事 持続可能な財政運営を考えながら必要な事業を行う。向こう10年の予算の中で借金返済割合を10%ほどで維持していく。
A総務部長 事業費は行政棟、議会棟に約500億円。立体庁舎場などに約27.5億円。道路・公園の改修、現庁舎解体などの周辺工事は来年度以降設計する。県民サービス棟の設計は新県庁舎が完成し現庁舎を取り壊した後に検討する。
Q中川ゆう子 建設費約500億円を前提として知事は答弁されているが、総務部長の答弁では、周辺工事や県民サービス棟を含めた総事業費は明らかになっていない。財政調整基金もなくなっている中で、その認識は甘いのではないか。現在の現在性を考え規模を縮小するべき。
A知事 庁舎の詳細が決まってくる中、こういったことも念頭に置き具体的な計画や費用を見て検討しなければならない。
中川ゆう子の提案
現在、老朽化した学校や福祉施設など県有施設の整備は急務。県有施設整備基金はそのために必要なもの。しかし実際は、県庁舎の建設費に9割もあてられます。これから50年、100年を考えるなら、偏りをただすべきです。今こそ福祉へ!くらし最優先へ舵を切ろう
高すぎる国保、引き下げる取り組みを
国民皆保険のセーフティネットである国民健康保険は、加入者の多くが低所得者ですが、他の保険と比べても保険料が高すぎるという構造的な問題があります。保険料滞納により保険証がない、または保険料の負担が重く医療費が払えないことは命に直結します。さらに4月から始まった県単位化は、市町村が保険料を抑えるために行ってきた一般会計からの法定外繰入を無くす方針です。中川ゆう子は国保の事業主体となった県に対し、高い保険料を根本的に解消する取り組みを求めています。・市町村の繰り入れの継続を
・県から市町村への財政支援を
・国へ更なる財政支援の要請を
実現しました!
子ども食堂支援補助制度(871万円)
昨年度新設した子ども食堂支援事業。しかし対象や条件が厳しく昨年12月時点で活用実績がゼロでした。昨年12月議会で制度改正を求め、新年度は法人でない子ども食堂への補助が拡大。補助期間も開設時だけでなく3年目まで延長されました。制度の利用は市町村へご相談ください。子どもの貧困実態調査(1,100万円)
昨年12月議会で求めた結果、新年度県で初めて予算化。これまで市町村に任せていた実態調査を県が行い、貧困そのものをなくすために必要な支援制度の拡充へつなげます。3月議会では超党派で意見書も出されました。みなさんの声が反映されました!
①障害児の療育支援への補助(5,256万円)
障害を持った子どもが入所する保育所へ、専門知識を持った保育士を配置する際の必要な経費を補助する制度です。保育関係の各団体が毎年粘り強く県に訴え実現。今後も保育士の待遇改善など、保育現場の充実を求めていきます。②駅のバリアフリ-化の促進(1憶1,283万円)
JR岐阜駅や名鉄新那加駅の段差解消やエレベーター、多機能トイレなどの設置に必要な事業費を補助するものです。高齢者や障がい者、また子育て世代など、全世代で必要なバリアフリー化。各市民団体が何度も要望し動き出しました。③大東がん検診の無料化(5,500万円)
がん患者の離職防止・就労支援相談窓口への助成制度(300万円)が新設。条例の改正も超党派で議論し策定されました。今後は当事者や関係者からのご意見をもとに、生活援助など具体的な支援拡充を求めます。④生活困窮者の就労準備支援(800万円)
失業や引きこもりなどを経験し様々な課題を抱える人へ、日常生活から就労までを支援する制度です。就労支援員が対象者に対し課題や支援策を決めてサポートするほか、就労体験を受け入れる支援事業者の開拓を行います。その他にも実現しています!
・第3子の保育料無料化補助(9,678万円)・子供の生活・学習支援(1,324万円)
・発達障がい者支援制度(3,693万円)
・特別養護老人ホーム等整備事業(7憶4,109万円)
・特別支援学校施設整備事業(つり天井など)(13憶9,993万円)
・市町村コミュニティバスなどの運行補助(3憶4,463万円)