2016年6月3日 5:57 am
カテゴリ: 活動報告
病院のベッドが減らされる?地域医療構想とは
3月議会では、現在医療の現場で産業カウンセラーとして働いている大須賀しづか前県議(裏面にも登場)や職員の皆さんの声をもとに地域医療構想について質問しました。これからも「いつでもどこでも誰でもが安心して良い医療と福祉」を受けられるように、地域や現場の皆さんと力を合わせて頑張ります。
3月議会質問Part3 約7人に1人が、病院にかかれない現実。
現実味を帯びる「入院したくてもできない」未来
現在、国では「国民健康保険の都道府県化」と「病院のベッド数の一律削減(約16~20万床)」がセットで議論されています。いずれも医療費の削減が狙いで、都道府県に対してはベッド削減目標を定めさせ、岐阜県でもH37年度までに約3000床の削減が見込まれています。
3月議会で中川ゆう子は、ベッド削減が盛り込まれた「地域医療構想」について質問をしました。現在でも約14%(※)の人が病院にかかりたくてもかかれない実態があります。また、病気は決して規則正しくやってきてはくれず、インフルエンザなどが流行すれば医療需要はその都度大きく変動します。そのため、ベッド数にゆとりが必要というのが医療現場で働く人の思いです。ちなみに県総合医療センターでは救急搬送された後、入院のため他院に転送された件数は昨年1年間で151件でした。国では病院ベッドを削減し施設入所や在宅医療にまわす方針ですが、介護施設も医師も不足しており受け皿がない状態でのベッド削減は危険です。
※ 出展:国立社会保障・人口問題研究所「生活と支えあいに関する調査」より
このように国が定めた一律の削減目標には地域ごとの潜在的なニーズは考慮されていません。現場の実態をつかみ、いかに早期受診に繋げるかという観点と、誰もが安心して受診できる環境づくりが求められています。 健康福祉部長は「一方的な削減を押し付けるものではない」と答弁しましたが、今後も実態に沿った運用となるよう求めていきます。
3月議会 全議員の主な議案への態度
◯ 賛成・採択 ● 反対・不採択 ◎ 紹介議員 各会派名の下の段は、それぞれ選出選挙区と議員名です。敬称は略。議長は採決には加わりません。また、会派構成や議長は3月議会時点のものです。ポイント解説 安保関連法の廃止を求める意見書採択についての請願
安保関連法案が審議されていた昨年6月議会から毎議会、同趣旨の請願が住民から提出され、中川ゆう子はすべて紹介議員となりました。昨年9月議会には県民クラブと共同で意見書を提出しています。5月臨時議会ダイジェスト
黒字企業に減税、赤字企業に増税?
5月10日に開かれた臨時議会では外形標準課税の税率変更や人事案件など、3つの議案が上程されました。中川ゆう子はこのうち、「議第76号 岐阜県税条例等の一部を改正する条例の専決処分の承認について」に対する討論を行いました。概要は以下の通りです。
議第76号議案への中川ゆう子の討論(概要)
この議案は、大企業の法人実効税率引き下げの穴埋めに、外形標準課税の税率を引き上げるものです。これは賃金を上げる事などで増税され、赤字でも負担を強いられます。このところ一部の大企業は史上最高の利益を上げてきましたが、賃金や地域経済の好循環につながっていません。こうした黒字企業に減税し赤字企業に増税すれば、さらに賃上げ抑制や企業間格差を進めます。対象企業は1,500社。うち約3割が赤字です。赤字でも頑張る企業を支え雇用を守るのが行政の責任であり、承認しかねます。
結果:賛成44 反対1 討論は中川ゆう子のみ
所属する委員会が決まりました
この1か月間の主な活動を紹介します
報告会で、お聴きして
3月議会の報告会は市内外14か所で開催。机を囲み、和やかに懇談するスタイル。寄せられるご質問やご意見は、議会活動の力になります。
すぐ県庁でヒアリング
議会報告会で頂いた声をもとに、議会がない期間でも県担当課からの聞き取りや要望を続けます。この日は、特別支援学校や障がい者支援について。
集える人、集えない人
メーデー集会に参加。非正規雇用、過重労働、ブラック企業の広がりで、声をあげることもままならない労働者も。声なき声を受け止めたい。
企画経済委員会にて
新年度も引き続き委員に。かかみがはら航空宇宙博物館のリニューアル事業費が1.6倍の49億円となったことについて、委員会で説明を求めました。
荒れた山を住民の力で
県の補助金を活用し「ふれあい里山の会」の皆さんと森林整備。歩けなかった道もやっと舗装され、街灯も。子ども達の通学路として喜ばれています。
地域のスポーツに光を
地元スポーツクラブでご挨拶。補助金が減り財政面でご苦労も。オリンピック関連には多額の予算が付きますが、こうした地域の取り組みにも光を。
消防団の特別点検へ
労働環境が大きく変化する中、団活動には多くのご苦労があるとお聞きしています。団員やそのご家族、事業所への支援のあり方、考えなければ。
対案、作っています
今月の「チーム中川」の会議は県庁建て替えに絞って勉強と議論を重ねています。しっかりと対案を示せるよう、今後も継続して取り組みます。
「しずか」に見守る
国は、在宅を中心に医療も介護も生活支援も全部含めたサービス体系をとる「地域包括ケア」を打ち出しています。その議論の中で出されているのは「常に家族に見守られながら亡くなるわけではないことを、それぞれの住民が理解した上で、在宅生活を選択する必要がある(※)」 ということ。在宅医療がコストカットを目的としたものではいけません。目的達成のためには十分な予算と人財確保をした上で、患者家族と事業所を支えることが求められています。
※ 出展:地域包括ケア研究会 座長 田中 滋 氏
前県会議員 大須賀しづか(現:岐阜勤労者医療協会 産業カウンセラー)