2015年12月29日 9:11 am
カテゴリ: 活動報告
12月議会 上
ひきこもり支援へ、第一歩
岐阜市のひきこもりシンポジウムにて、トークセッション後の意見交流会。経験者や当事者の話に、参加者全員ウンウンと頷き、大いに盛り上がりました。支援の第一歩は、こうやって生の声をしっかり聴くことだと思います。
特集、他自治体に学ぶ
中川ゆう子は、日本共産党岐阜市会議員団と一緒に東京都日の出町、秋田県能代市、同藤里町の政策や取り組みを現地調査してきました。日の出町では75歳以上の高齢者の医療費窓口負担の無料化(後日窓口償還払い)制度などを、能代市では子ども子育て支援政策と、その代表施設でもある「サンピノ(市営住宅と保育所、デイサービスなどが併設されている複合施設)」などを、藤里町では社会福祉協議会が行っているひきこもり支援と、町おこし事業などを学んできました。12月議会ではこのうち、藤里町で学んできた中身を活かし、県のひきこもり支援施策について質問しました。「居場所と役割」が力を引き出す
藤里町は人口約3,500人、高齢化率43%と、町の担い手を増やす取り組みは急務でした。そこで社会福祉協議会が全戸規模の訪問でひきこもりの実態を調査。様々な就労支援や実習体験を通じた「居場所と役割」をつくり、多くの人がひきこもりを脱しました。「ひきこもりの人を特殊で不幸な弱者と見ない」という理念で、それぞれが抱くごく普通の「不便」を取り除き、自己肯定感を取り戻すのを支援する取り組みです。岐阜県でどう実践できるか研究が必要です。
高齢者医療、新たな可能性をさぐる
日の出町では継続して3年在住し、人間ドックを受診している75歳以上の高齢者は医療費がH21年より実質無料になりました。一般的に医療費を無料化すると、コンビニ受診が増え医療費の総額が上がるとされていますが、無料化するH20年以前と比べても殆ど上がっていないとのこと。この制度により、軽度なうちに受診をすることで、重度化を防ぎ、健康に暮らす人が増えています。(下表を参照)
12月議会、中川ゆう子の議会質問①
12月議会では3項目質問をしました。今号では「ひきこもり支援」を取り上げます。「正規雇用の促進」「県職員の働く環境」は次号以降でご報告させて頂く予定です。
ひきこもり支援へ、第一歩
Q、中川ゆう子
「社会的ひきこもり」(※1)は、不登校など学生の問題と捉えられがちだが、内閣府がH22年に行った調査(下グラフ参照)では、「職場になじめなかった」「就職活動の失敗」などの率が高く、大人になってからひきこもるパターンが多いことがわかる。背景には不安定雇用の増大や、ブラック企業など社会的要因もある。ひきこもっていても「いつか自分の夢を実現したい」とも思う人も6割に達しており、支援において行政の役割は大きいと考える。藤里町では社協の訪問で町内の現役世代の約1割がひきこもり状態にあると判明。段階に応じた支援メニューで多くの人が町内で活躍する場を得、4年間で60人がひきこもりを脱し、35人が一般就労を果たした。岐阜県でもこうした考え方のひきこもり支援が必要だと思うが、知事はどうお考えか。※1 コンビニなどへの外出はできるが、人と関わるなどができない状態が6か月以上続いている人のこと。
A、知事
ひきこもり状態で苦しんでいる方々が輝いた人生を取り戻し、力を存分に発揮できることは、希望と誇りを持てる県づくりにおいて非常に重要な課題と認識。支援内容は医療・福祉・教育・就労など多岐にわたるが、ご紹介にあった藤里町の事例は福祉の立場からの新しい支援であり、参考にしたい。今後は民間団体にもご参画いただき、医療、保健、福祉、教育、労働、支援団体等からなる連絡協議会を立ち上げ、積極的に現場に出向いてきめ細かな支援を行う体制づくりをしていく。Q、中川ゆう子
ひきこもり当事者や支援団体の把握、総合支援の役割が県には求められていると思うが、いかがか。A、健康福祉部長
支援団体などに蓄積されている情報を集約・分析して、根本的解決に向かうことが重要。情報を収集し、連絡協議会に広く参画いただくことで、ひきこもりの実態把握に努める。Q、中川ゆう子
連絡協議会とは、全国で設置されている「ひきこもり地域支援センター」を岐阜でもつくるということか。A、健康福祉部長
包括的な支援を行える組織ということで、連絡協議会もその一つの取組みとして考えていきたい。精神保健福祉センターを中心に、あり方等を検討中。積極的に現場に出向く支援を実施できるよう、体制を強化していく。ポイントを解説します
ひきこもり支援はカウンセリングだけでなく日常生活や就労など様々な支援が必要です。今回、連絡協議会設置を知事、部長が明言したのは大きな前進です。民間の支援団体も交えた協議を経て、支援センター設立の第一歩となるよう期待します。県には「社会的ひきこもり」の背景や実態をよく掴み、効果的な支援施策をとれるよう、幅広い角度からの情報収集を求めたいと思いますし、今後も建設的な提案を続けます。この1か月の主な活動を紹介します
地元の旬、収穫です
三輪地域の農家のみなさんが開いた収穫祭へ。生産者と触れ合い、おいしい農作物を食べられる機会は貴重。輸出戦略に躍起の県政ですが、地産地消にも光を。
多世代交流が輝く街
秋田県能代市で高齢者と子育て世代、子ども達の多世代交流の施策について調査。保育所とデイサービス、市営住宅が一つの建物に。大変興味深かったです。
議会報告、続けてます
今月も市内各地で県政市政懇談会が開催され、議会報告と共に、参加された多くの方と意見交換させて頂きました。12月議会が終わり次第、また再開します。
地道な取り組み30年
「子ども達にゆきとどいた教育を」と、署名を集められた皆さんが議会に請願提出。不採択でしたが、教員増を求める国への意見書が全会一致で採択されました。
ただいま、条例作り中
県議会超党派で2つの条例について検討しています。うち1つは中小企業・小規模企業に関するもの。関係する団体や事業主さんからも意見を集めています。
実りある研修会でした
県議会から派遣され、地方議員研修会に参加。テーマは地方分権改革。極端な権限移譲は危険も伴いますが、自治体ごとの特色を活かせば出来ることは多いのです。
決算審議は7日間
委員ではありませんが、決算特別委員会を6日間傍聴しました。昨年度の県のお金の使われ方をチェックする重要な機会。個別にヒアリングも行います。
若い保育士の悩みとは
県に対する保育団体連絡会の要望・懇談会に同席。志をもち現場で働く若い保育士さんから、低賃金や将来への不安が語られました。思いに応えて頑張りたい。