2016年5月9日 4:05 am
カテゴリ: 活動報告
本当にコレでいいの?新年度県予算
表紙写真:岐阜市南部を流れる境川にて、堀田信夫市議(左)と
豪雨のたびに氾濫が心配される岐阜市南部の境川。年に約5億円かけ下流から河川改修を進めていますが、このスピードだと完了までに10年はかかると言われています。ゲリラ豪雨が頻発する昨今、防災対策は待ったなしの課題。こういう所にこそ予算を手厚くすべきと提案していきます。
新年度県予算を分析しました
現在1兆5200億7800万円にまで膨れ上がった県債残高。このグラフはその推移を表したもの。臨時財政対策債は右肩代わりに増え続けており、県民一人あたりの借金額は、74万円にものぼる。
お金の使い方が間違ってる?
数年前まで、「起債許可団体(※1)」だった岐阜県。未来会館(現清流文化プラザ)は閉鎖され、命とくらしに関わる福祉医療費の助成や行政サービス、職員給与などがカットされ、大きな影響があったことは記憶に新しいはず。それなのに、新年度の県債(借金)発行額は1,000億円を超え、過去の教訓が生かされていません。更に、今後も550億円規模と言われる新しい県庁舎の建設を計画しており、そのうち250億円が県債と言われています。一般家庭に例えるなら、家計の危機を脱した直後にすぐ借金を重ねて別荘を建てたりはせず、くらしに必要なことを優先しますよね。「お金がないんじゃなく、使う時の優先順位がおかしい」
と中川ゆう子は思うのです。
※1 借金の返済率が税収の18%以上になった状態。新規の借金には国の許可が必要。
予算をこう「診る」
「県債残高は減っている」というのが知事の見解ですが、臨時財政対策債(※2)は増え続けており、借金の総残高としては右肩上がりなのが現状です。にもかかわらず、大型事業や、イベント、観光拠点づくりを中心に8000億円を超える予算となっており、矛盾を感じます。また、県土整備部の資料にも「既存の道路や橋、トンネルなどの補修をしないと危険度は増すばかりで、深刻」とあるように、大型事業より防災・安全確保にもっと手厚くするべきだと思います。
※2 国の財源不足を補うため、交付税の一部を地方が肩代わりする借金のこと。
一方、中川ゆう子が議会で取り上げてきた、ひきこもり支援や若者支援のための予算が一部実現するなど、生活応援型の項目もいくつか新設されている点は評価できます。(上青色の表参照)しかし、予算規模は少額です。本気で若者の移住定住を進め、老いも若きも安心してくらせる県づくりを目指すならば、更なる充実が必要。上ピンク色の表で取り上げた大型事業の中には不要不急の物もあります。削るべきは削り、県債をいたずらに増やす従来通りのやり方から、「くらし、福祉を最優先」に考える予算編成へ、舵の切り替えが望まれます。
3月議会質問② 新年度予算および今後の財政運営について
3月議会では、主に3項目について質問。今号ではそのうち、「新年度予算および今後の財政運営について」を紹介。「県庁舎再整備のための基本構想」については4月号で取り上げました。「地域医療構想がもたらす影響と問題点」は次号で紹介予定です。Q、中川ゆう子
県民世論調査では、くらし向きが「変わらない」が50.1%、「苦しくなった」が44.9%。こうした状況の防波堤になるのが県の役割。公共事業でも、既存の道路やトンネルの補修や、河川防災などに手厚くすべき。不要不急のイベントや大型事業はやめ、「くらし・福祉」最優先の予算にし、いたずらに県債を増やし続ける路線から転換すべきと考えるが、知事の考えは。A、知事
県としては「人に優しい社会づくり」「仕事づくり」「岐阜に呼び込む」「安全・安心をつくる」という4本の柱を政策の中心に掲げて予算を編成している。県債については、臨時財政対策債を除けば残高は減ってきている。今年度の県債額が増えたのは、東海環状自動車道と、防災システムの整備だけで120億円増加するためで、今後も引き締めた財政運営を行う。質問全文は以下のリンクからご覧いただけます。
中川ゆう子の提案
① 上グラフにもあるように、道路建設費の中で維持管理や補修に使われる予算の割合は少ない。道路や橋、トンネルの老朽化対策など、生活に密着した公共事業こそ最優先に。
② イベントを乱発し、そこに職員を巻き込むのではなく、職員が自治体本来の仕事に力を発揮できるように。県民が望む「防災」「福祉・医療」「教育・子育て支援」などへの予算増額を。
③ 過去を教訓に、県債(借金)の発行は慎重に。
この1か月間の主な活動を紹介します
子ども食堂の役割とは
市内の子ども食堂を見学し、実態をお聴きしました。食事を安く提供するだけでなく、地域の子ども達や高齢者の方の居場所にもなっています。
県営住宅のなやみごと
関ケ原町議の田中ゆき子さんと垂井町へ。県営住宅の車止めが過剰で、救急車の乗り入れができず困っているという声が。県に対応を要請しました。
事故がないよう工夫を
総合医療センターの駐車場についての相談を受け堀田信夫市議と現地へ。出入り口が多く周辺道路も狭いので、すれ違うと危険。県と交渉を予定。
嬉しい新条例の成立
「障害のある人もない人も共に生きる清流の国づくり条例」が施行。条例づくりに携わった1人として嬉しいです。良い条例にしていきたいですね。
県内駆け巡る、報告会
各地で県政市政報告会を開催。どの会場でも新県庁舎の建設計画への意見や、教育・福祉現場の切実な声が出されます。受け止め活動に活かします。
防災と健康の要として
国際会議場の東側に「防災・健康ステーション」が完成。珍しい組み合わせですが、緊急時以外は健康づくりの場として気軽に使って頂けます。
繰り返し、街角から
毎週、定時定点で行っている街頭県政報告は今月も、もちろん続けています。議会質問のこと、その時々の政治課題のこと、話す中身は尽きません。
応援したいまちづくり
春は自治会やまちづくり団体の総会が続きます。県の道路や河川改修の要望が中々実現しないとの声があり、予算の優先順位が間違っていると痛感。
スタッフ部屋より
「ハチドリのひとしずく」になるために
「ハチドリ基金」は、困っている子育て家庭や子ども・若者を支援するNPO等を市民の力で応援する基金です。「思いはあってもお金が続かない」というのは、NPO等に共通する悩み。解決するための基金にはとても意義があります。市内で行われた「ハチドリcafe」に中川ゆう子県議と参加し、実際に現場で頑張っておられる皆さんと意見交換をしました。応援したい取り組みです。