中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

2024年度岐阜県一般会計当初予算案について(分析)

2024年5月6日 4:06 am
カテゴリ: その他

2024年3月2日 日本共産党岐阜県員会自治体部

 

岐阜県議会は2月22日に開会され、2024年度岐阜県一般会計当初予算案と2023年度補正予算案を併せて審議します。予算の骨格は以下の通りです。(単位は一部を除きすべて万円)

2024年度の一般会計当初予算案は12年ぶりの対前年度比で減額となっていますが、それでも過去3番目に大きな予算額となっています。

2024年度予算案総額》

【一般会計】8,860億8,000万円

【特別会計】3,9962,370万円

合計 1兆2,857億370万円

県の2023年度一般会計補正予算は、補正額▲22,339,104千円(▲印は減額)。2024年度の政府の予算編成は2023年度の補正予算と一体として組まれており、岐阜県予算もその観点で見る必要があります。

2024年度岐阜県当初予算案について(岐阜県提出文書より)

当初予算の骨格

(1)歳入   (単位:億円)
項    目 令6当初予算額 令5当初予算額 増減額 増減率
構成比 構成比
県            税 2,562 28.90% 2,586 29.10% ▲24 ▲0.9%
地  方  譲  与  税 403 4.60% 412 4.60%  ▲9 ▲2.2%
地  方  交  付  税 1,952 22.00% 1,904 21.40% 48 2.50%
県     債 671 7.60% 641 7.20% 30 4.80%
臨時財政対策債 35 0.40% 84 0.90%  ▲49 ▲ 58.3%
国  庫  支  出  金 977 11.00% 1,302 14.60% ▲325 ▲25.0%
繰     入     金 517 5.80% 328 3.70% 189 57.80%
そ  の  他  収  入 1,779 20.10% 1,724 19.40% 55 3.20%
合            計 8,861 100.00% 8,897 100.00%  ▲36 ▲0.4%
(2)経費別歳出   (単位:億円)
項    目 令6当初予算額 令5当初予算額 増減額 増減率
構成比 構成比
件  費 2,338 26.4% 2,213 24.9% +125 +5.6%
職員給等 2,153 24.3% 2,113 23.8% +40 +1.9%
退職手当 185 2.1% 100 1.1% +85 +84.7%
公債費 1,122 12.7% 1,101 12.4% +21 +1.9%
社会保障関係経費 1,477 16.7% 1,822 20.5% ▲345 ▲19.0%
コロナ・物価高騰対策以外 1,453 16.4% 1,405 15.8% +48 +3.3%
コロナ・物価高騰対策 24 0.3% 417 4.7% ▲393 ▲94.3%
普通建設事業費 1,266 14.3% 1,126 12.6% +140 +12.5%
その他 2,658 29.9% 2,635 29.6% +23 +0.9%
合 計 8,861 100.0% 8,897 100.0% ▲36 ▲0.4%

令和6年度当初予算案の概要  「清流の国ぎふ」づくり

 〜確かな未来の創造〜

1 基本方針

能登半島で発生した地震の大きな揺れで始まった令和6年は、本県にとっては3年ぶりとなる鳥インフルエンザ発生とも相俟って、行政の最大の責務が「県民の生命と生活を守 ること」であると再認讖する年明けとなった。

特に、今回の地震により交通インフラやライフラインが酷く損なわれた状況に鑑み、「救援物資輸送ロジスティックス」の見直しが急務であること、そして災害に強いインフラの構築を含めた県土の強靱化への絶えざる努力が不可欠であることが改めて認識された。

過去3年余に亘る新型コロナ感染症との厳しい闘いにおいて、多くの県民の方々のご協力をいただきながら、私たち県職員はこの責務を果たすベく努力してきたところだが、予期せぬ自然災害の発生に限らず、岐阜県を取り巻く環境は厳しさを増してきている。

先ず、世界に目を向ければ、ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルとハマスの紛争といった国際情勢の緊張と不安定は、世界的な燃料・食糧危機や物流の停滞を引き起こしている。本県においても、燃料費や食糧費の高騰を招き、県民生活や中小零細企業の経営に大きな影を落としている。

また、SDGsの推進、地球温暖化防止に向けたGXや新エネルギーの活用などのグローバルアジェンダ(すべての人々が取り組むべき課題)については、本県としても真剣に取り組む必要がある。

次に、国内では、人口減少・少子高齢化のトレンドが一段と加速している。本県は全国に先駆けてこの問題に取り組んできたところであるが、依然として深刻な状況にある。

また、ヤングケアラーや老々介護といった様々な生活上の困難に直面している方々への支援にも取り組まねばならない。

以上のように、県政を取り巻く内外の環境・課題を踏まえた上で策定した令和6年度当初予算案は、県政を推進するための3つの政策群で構成されている。

1つ目が、「持続可能な『清流の国ぎふ』を目指して」である。これは、地震を始めとする自然災害への備え、人や産業への未来投資、GX・DXなどにより、「清流の国ぎふ」の礎を強固なものとするための政策群である。

2つ目が、「暮らしやすい『清流の国ぎふ!』の実現」である。経済対策、暮らしの安全安心の確保、少子化対策の推進などにより、県民の健康や豊かさを実現し、子どもを産み育てやすい地域社会を築いていくための政策群である。

3つ目が、「『清流の国ぎふ』の魅力向上と発信」である。文化イヤーを契機とする「清流文化」の創造・発信、インバウンドの推進、国際交流の深化などにより、魅力向上と発信のギアを上げる政策群である。

併せて、持続可能な財政運営にも十分意を用いていかなければならない。

本県財政は、近年、頻発化する自然災害に対応するための防災・減災対策、行政施設や公共施設の老朽化対策といった課題により、県債残高が高水準で推移している。これに伴って、公債費及び実質公債費比率は増加に転じている。

また、高齢化の進展などにより増加が見込まれる社会保障関係経費などにも適切に対応していく 必要がある。

これに加え、新年度当初予算では、能登半島地震での被災状況などを踏まえ、県土を一層強靱なものとするため、ハード・ソフトの両面において、所要の予算を増額する必要がある。

こうした財政需要の増加に対し、予算全般にわたり、国庫補助金などの外部資金をできる限り活用することとしているが、基金の取崩しも避けられない状況にある。

以上を踏まえて、新年度予算全体としては、政策課題について重点的な配分を行いつつも、事業見直しの徹底などの効率化を合わせて進めることで、メリハリのある編成に努めたところであり、予算総額は12年ぶりに若干のマイナスとなった。

2 予算案の体系

1  持続可能な「清流の国ぎふ」を目指して

(1)県土と危機管理体制の更なる強籾化

①災害対応力の強化

②災害に強いインフラの整備

③災害避難者及び被災地への支援

(2)人への投資

①未来を担う子どもや若者への投資

②地域や産業を支える担い手への投資

③多様な人材の活躍推進

(3)産業への未来投資

①商工業・サービス産業への投資

②農林畜水産業への投資

(4)GX・DXの推進

①GXの推進

②DXの推進

2 暮らしやすい「清流の国ぎふ」の実現

(1)困難な状況からの脱却に向けた経済対策

①物価高騰を乗り越えるための支援

②厳しい状況に直面する農畜水産業への支援

(2)暮らしの安全安心確保

①医療•福祉の充実と暮らしの安全確保

②誰もが安心して暮らせる社会の実現

(3)少子化対策の推進

①子どもを産み育てやすい地域づくり

②若者向けの移住定住対策の強化

3 「清流の国ぎふ」の魅力向上と発信

(1)清流文化の創造・発信

(2)観光・交流の推進

①インバウンド、国内誘客の推進

②国際交流の深化

(3)地域の新たな魅力創出

3 予算案の概要   「◎」は新規事業「〇」は拡充事業「•」は継続事業

1.持続可能な「清流の国ぎふ」を目指して

(1)県土と危機管理体制の更なる強籾化

①災害対応力の強化

〇「岐阜県強勒化計画」の改定(119万円)

・近年の災害からの教訓や現行計画の検証などを踏まえ、県土強靭化の推進に関する基本的な計画である「岐阜県強靭化計画」を改定。

○「岐阜県地震防災行動計画」の改定(67万円)

・「岐阜県強靭化計画」の改定と合わせて、地震防災施策に関する具体的な取組みを定める「岐阜県地震防災行動計画」を改定。

〇「岐阜県新五流域総合治水対策プラン」の改定(150万円)

・激甚化、頻発化する水災害に対応するため、県内五流域の治水対策の方向性と具体的な取組みを定める「岐阜県五流域総合治水対策プラン」を改定。

〇巨大地震を想定した実践的な総合防災訓練の実施(1,000万円)

・巨大地震発生時の県・市町村の円滑な連携と市町村の災害対応力強化に向け、県と複数の市町村で同一のシナリオを用いた実践的な総合防災訓練を実施。

② 災害に強いインフラの整備

〇住宅などの耐震診断・改修に対する支援の拡充(1億774万円)

・住宅などの耐震診断や木造住宅の耐震改修を支援する制度について、能登半島地震を踏まえて事業費を拡充。

〇空き家の除却などに対する支援の拡充(1億2, 000万円)

・危険な空き家の除却や空き家の利活用等に対する支援制度について、能登半島地震を踏まえて事業費を拡充。

〇緊急輸送道路などの整備推進(241億350万円)

・災害時の救援活動のために必要な緊急輸送道路などの拡幅やバイパス整備、斜面対策、橋りょう耐震を推進。

〇流域全体における水害・土砂災害対策の推進(169億6,859万円)

・河川改修や砂防関係施設の整備、堆積した土砂の除去など、流域のあらゆる関係者で協働して災害対策を行う「流域治水」を推進。

〇流域下水道・県営水道の地震対策や施設整備の推進(24億2,107万円)

・災害時にも流域下水道の処理機能や県営水道の給水機能を確保するため、施設の耐震化や更新などを実施。

〇農業用ため池の地震・豪雨対策や農業用排水機場などの整備(29億6, 584万円)

・ため池工事特措法に基づき農業用のため池の地震・豪雨対策や、老朽化した農業用排水機場の整備などを実施。

〇治山施設と森林整備による山地防災力の更なる強化(42億4,130万円)

・事前防災対策として、不安定土砂の移動を防ぐダム設置などによる地産対策と間伐などの森林整備を総合的に実施するほか、災害発生リスクが高い箇所に治山施設を整備。

〇東海環状自動車道西回り区間、ICアクセス道路の整備(108億316万円)

・防災・減災、県土強靭化、企業立地、広域観光などへの効果が期待される東海環状自動車道西回り区間と、効果を最大限引き出すためのICアクセス道路を整備。

③ 災害避難者及び被災地への支援

〇孤立の発生やライフラインの途絶に備えた備蓄資材の拡充(8,784万円)

・孤立の発生やライフラインの途絶の備え、広域防災サンターなどの食料や発電機を拡充するほか、新たに循環式シャワールームやトイレトレーラなどを整備。

〇女性などの視点を踏まえた避難所の環境改善に対する支援の強化(1,650万円)

・女性など多様な方の視点を踏まえ、専用更衣室や防犯センサーなどを備えたモデル的な避難所について、本年度中の全市町村への整備に向け、事業費を拡充。

〇緊急消防援助隊の備蓄食料などの追加配備や警察の災害用装備機材の拡充(3,040万円)

・緊急援助消防隊が被災地で活動するために必要な備蓄食料や簡易トイレを追加配備するほか、新たに警察官が使用するレスキュー用の資機材などを整備。

◎災害時の給水活動を行う給水タンクや運搬車両の追加整備(883万円)

・災害時に速やかな給水活動を行うため、給水タンクや運搬車両を追加整備。

〇道の駅のマンホールトイレや応急対策用資機材を備蓄する拠点の追加整備 (1億4,122万円)

・道の駅において、災害時におけるマンホールトイレなどの整備を進めるほか、ブルーシートや土のうなどの災害用資機材を備蓄する拠点を追加整備。

◎市町村の災害対策をサポートする人材の育成・強化(462万円)

・災害時全般を支援できる職員や災害担当に当たる市町村職員向けの具体的な災害を想定した演習型の研修、消防団員の能力向上訓練を実施。

〇地域で一体となった消防団員確保対策の充実(1,149万円)

・各地域の現状や課題を踏まえ、市町村、消防団及び県が一体となって、消防団員確保に向けた加入促進の取組みを実施。

〇被災地の医療機関で看護を行う災害支援ナースの派遣体制の充実(387万円)

・被災地の医療機関での看護業務や避難所での感染防止対策を行う災害支援ナースの派遣体制の充実に向け、活動に必要な費用の一部(保険料など)を県が負担。

(2)人への投資

① 未来を担う子どもや若者への投資

〇県立高校における遠隔授業の本格実施に向けた機器などの整備(2,400万円)

・生徒の多様な学びの選択肢を確保するため、遠隔授業の本格実施に向けた機器などの整備や実証研究を実施。

◎外国人児童生徒へのオンライン日本語指導や指導の手引きの作成(425万円)

・外国人が少ない地域の学校や受け入れ体制が十分確保できない小規模校に通う外国人児童生徒へのオンライン日本語指導や教員向けの日本語指導の手引きを作成。

◎不登校児童生徒の学習をサポートする学習指導員の設置支援(4, 254万円)

・不登校児童生徒への学習指導や学習に関する相談対応を行う学習指導員を設置する市町村を支援。

〇不登校生徒の心と学習の両面を支援する教育支援センターの機能強化(928万円)

・不登校生徒の心と学習の両面を支援する教育支援センター(G―プレイス)において、在籍校のオンライン授業が受けられるICT学習環境などを整備。

◎オンラインなどを活用した生活困窮世帯の子どもへの学習支援(550万円)

・生活困窮世帯の子どもに対し、学習塾などのノウハウを活かしたオンラインなどによる学習支援を実施。

◎入院中の児童生徒へのオンデマンド型授業の実施に向けたコンテンツの作成と普及(200万円)

・病気療養により入院中の児童生徒に対するオンデマンド型授業の実施に向けた映像コンテンツを作成し、実証授業を行い、効果の周知広報を行う。

◎学生へのキャリア教育支援を行う産学連携コーディネーターの配置(887万円)

・高校生や大学生などの県内就職促進に向け、産学連携コーディネーターを配置し、キャリア教育に関するニーズの掘り起こしや企業の魅力を伝える授業などを実施。

◎空宙博の新企画棟オープンを記念した特別企画展の開催(6,457万円)

・宇宙博における新企画棟のオープンを記念して、宇宙開発をテーマとした特別企画展を開催。

② 地域や産業を支える担い手への投資

◎県内企業に就職する若者への奨学金返還支援制度の創設(811万円)

・県内企業に就職する35歳未満の若者に対し、県と企業が拠出した基金により、大学などの在学 時の奨学金の返還を支援する制度を創設。

〇DX人材、ものづくり産業の専門人材育成に向けたリスキリングの強化(7,313 万円)

・生成AIを活用できる人材の育成講座や、品質、生産管理からIoTなどのデータサイエンスまで一連の生産技術を学ぶ実習などを実施。
  • 医学生への修学資金や専門研修中の医師への研修資金の貸付(4億162万円)
・医学生や専門研修中の医師に対し、卒業後や専門研修後に県内医療機関で勤務するなどの条件を満たした場合に、返還を免除する資金の貸付けを実施。

◎看護学生に対する修学資金貸付制度の創設(3, 604万円)

・県内の看護師等養成所で学ぶ看護学生に対し、卒業後に県内医療機関で勤務するなどの条件を満たした場合に、返還を免除する修学資金貸付制度を創設。
  • 県内小中学校の新規採用教員への奨学金の返還支援(561万円)
・県内高校などを卒業し、県内小中学校に新規採用された教員のうち7年以上の勤務を予定する者に対し、大学時の奨学金の返還を支援。

◎トラック•バスドライバーなどへの就職促進フェアの開催(700万円)

・トラック、バス、タクシードライバーなどへの就職に向けた合同企業説明会や魅力発信イベントを開催。

◎農業者のキャリアステージに応じた体系的な経営力強化研修の実施(950万円)

・就農研修生向けの経営シュミレーション研修、農業経営者向けの会計データ活用研修や人材マネージメント研修など、キャリアステージに応じた研修を実施。

◎架線(ワ仆-による木材運搬)技術者養成への支援(750万円)

・木材生産を拡大するため、林業事業体が行う急峻な地形で、作業道などの整備が困難な森林から木材を搬出できる架線技術の○JT研修を支援。

◎県内外の建築系学生を対象とした建築現場などでの実習プ□グラムの実施 (224万円)

・県内外の建築分野を学ぶ学生に対し、県内の建築関係企業や建築現場などの魅力を体験する実習プログラムを実施。

③ 多様な人材の活躍推進

◎「ぎふ農福連携推進センター」の設置による推進体制の強化(1,163万円)

・県農畜産公社内に、「ぎふ農福連携推進センター」を設置し、農福連携の推進体制を強化。

〇農福連携商品の販路拡大に向けたオンラインマルシェやフォーラ厶などの実施 (2,970 万円)

・農福連携商品の販路拡大に向け、新たにオンラインマルシェや展示商談会を開催するほか、魅力を発信するフォーラムなどを開催。
  • 障がい者の就労支援を担う人材のスキルアップ研修などの実施(1,200万円)
・障がい者の就労先企業の開拓、就労、職場定着に向けた相談支援を担う人材のスキルアップ研修などを実施。

◎外国人県民のための「日本語教育総合支援センター」の開設(1,949万円)

・外国人県民のため、市町村などが運営する地域日本語教室に関する相談対応や日本語教育人材の育成などを総合的に支援する「岐阜県日本語教育総合支援センター」を開設。

〇外国人の雇用や定着に向けた専門家によるサポート体制などの整備(2,487万円)

・外国人雇用や定着に関する企業向けセミナーになどに加え、新たに外国人雇用に関する課題解決に向けた行政書士などの専門家によるサポート体制を整備。

〇ワーク•ライフ.バランスの推進や性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)解消に向けたキャンペーンの実施(1,431万円)

・ワーク・ライフ・バランスの推進やアンコンシャス・バイアスの解消に向け、講座やトークセッション、動画コンテストの開催、家庭向けの啓発など各種キャンペーンを展開。

〇「ぎふ女のすぐれもの」の認定•・PR及び岐阜で活躍する女性と女子大生などとの交流会による女性の活躍推進(1,678万円)

・女性が企画・開発に参画した「ぎふ女のすぐれもの」の認定・PR及び岐阜で活躍する女性と県内の女子大生や女性社員との交流会を開催。

(3)産業への未来投資

① 商工業・サービス産業への投資

〇スタートアップを後押しする事業化支援と専門コンシェルジュの設置  (1億4,371万円)

・スタートアップの事業化経費を支援するほか、新たにスタートアップの経営や支援に精通した専門のコンシェルジュを設置。

〇「テクノプラザものづくり支援センター」におけるものづくり産業の高度化と新たなビジネスモデル創出への支援(3,454万円)

・「テクノプラザものづくり支援センター」において、5G、ロボット、スマート工場などの導入・実証などに向けた支援やDX実践のためのワークショップなどを実施。

◎企業の競争力強化に向けたリサイクル技術や半導体関連部材の製造技術等の開発 (6,453 万円)

・企業の競争力強化に向け、繊維部材のリサイクル技術や半導体製造装置用セラミック部材の製造技術、映像のAI解析による作業支援技術などの研究開発を実施。

◎デジタル技術を活用した共同配送や倉庫の自動化、ドローン配送などスマート物流の構築への支援(2,100万円)

・県と企業により「スマート物流推進協議会」を設置し、デジタル技術を活用した共同配送や倉庫の自動化、ドローン配送などに向けた支援を実施。

◎物流業と荷主が連携して物流2024年問題に取り組むための課題共有や意識改革を目的としたシンポジウムなどの実施(1,000万円)

・物流業と荷主が連携して物流2024問題に取り組むための課題共有や意識改革を目的としたシンポジウム、消費者などの行動変容を促すための情報発信を実施。

〇企業立地支援制度のGX枠の新設など支援事業の拡大と投資要件の緩和による誘致の推進(26億7,239万円)

・企業立地支援制度において、脱炭素効果が高い製品などの生産工場への補助枠の新設や経済安全保障上の特定重要物資の生産工場への要件緩和を行うなど企業誘致を推進。

〇グローバル・アンテナ・ショップ(GAS)の開拓による海外における県産品の販路拡大(1,434万円)

・海外の県産品販売・情報発信拠点であるGASについて、現在設置のないイギリス、ブラジルなどを含めた新規開拓を行い、県産品の海外販路を拡大。

② 農林畜水産業への投資

◎農畜水産物の生産性向上やブランド化に向けた生育診断技術などの開発 (1,773 万円)

・農畜水産物の生産性向上やブランド化に向け、AIを活用したトマトの生育診断技術やブランド柿「天下富舞」の輸出に向けた長期保存技術などの研究開発などの研究開発を実施。

◎海外依存から国内生産への転換に向けた米粉や飼料米の生産拡大を支援(196万円)

・米粉や飼料米の生産拡大に向け、大学や企業と連携した米粉の新商品開発や、地域の気候変 動に適し、多収性に優れた飼料米の実証試験などを実施。

◎オールジャパンの海外プ□モーションの編成・参加による県産農畜水産物の輸出拡大(722万円)

・国や全国知事会と連携し、オールジャパンで行う海外での畜産水産物の総合見本市などのプロモーションの編成と参加により、県産農畜水産物の輸出を拡大。

〇和牛日本一奪還に向けた肉量改善や輸送ルートの実証などの実施(5,219万円)

・全共北海道大会での和牛日本一奪回に向け、肉量改善に資する飼料の実証試験などに加え、新たに長距離となる北海道への輸送ルート最適化に向けた試験を実施。

〇県産材を活用した非住宅建築物の木造化などに対する支援の拡充(4億879万円)

・県と協定を締結した事業者が行う県産材を活用した非住宅建築物の木造化などへの支援について、500㎡以上の施設への補助率の引き上げなどの拡充を実施。

◎森林を活用したビジネス創出への支援や「ぎふ森の体験博覧会(仮称)」の開催による森林サービス業の育成•普及(2,250万円)

・森林を活用したビジネスに取り組む事業者の施設整備などの初期費用への支援や、県内各地で森の体験プログラムを行う「ぎふ森の体験博覧会(もりはく)(仮称)」を開催。

◎バイオマス資源林の整備に向けた早生樹の施業体系などの構築(275万円)

・成長が早く、木質バイオマス発電用の木材として期待される早生樹の導入に向けた試験植栽を行い、施業体系などを構築。

〇花粉の少ないスギなどの種子増産に向けた採種園整備やスギ人工林の伐採・再造林などによる花粉発生源対策の実施(4億7,387万円)

・花粉の発生源対策として、花粉の少ないスギの品種の種子を増産するための採取園などの整備を進めるほか、スギ人工林の伐採と花粉の少ないスギへの植替えなどを実施。

◎現地プ□モーシヨン拠点の設置などによる県産木製品の海外販路開拓(1,100万円)

・新たに欧州などにおける現地プロモーション拠点の設置や商談会などにより、県産木製品の海外販路を開拓。

(4) GX ・ DXの推進

①GXの推進

〇県有施設における太陽光発電設備の導入やL E D化などの推進(8億9, 658万円)3補を含む

・県有施設の再エネ・省エネに向け、ぎふ清流おもいやり駐車場などにカーポート型太陽光発電設備を設置するほか、照明のLED化や高効率の空調設備への更新を実施。

〇県民や事業者に対する太陽光発電設備などの導入支援(4億848万円)

・太陽光発電設備や蓄電池の導入拡大に向け、県民に対する補助を行う市町村を支援するほか、事業者に対する支援制度の補助上限額を拡充。

〇県民や事業者による太陽光発電設備などの共同購入の普及拡大(200万円)

・太陽光発電設備や蓄電池の導入費用の低減に向け、県民や事業者による共同購入の普及拡大を図る。

〇企業立地支援制度のGX枠の新設など支援事業の拡大と投資要件の緩和による誘致の推進(26億7,239万円)【再掲】

・FCV (燃料電池自動車)の普及に向けた水素ステーションの整備支援 (1億2,500万円)

・FCVの普及に向け、県内で水素ステーションを整備する事業者を支援。
  • 省エネ性能の高い住宅取得への支援(1,600万円)
・国が定める省エネ基準に適合する住宅を県内で取得する方への支援を実施。

〇県内企業の省エネ•再エネに関する相談対応や省エネ診断への支援(812万円)

・県内企業の省エネ化や再エネ化導入に向けた相談対応のほか、省エネ診断について、増加するニーズに対応できるよう事業費を拡充。

〇環境負荷の少ない有機農業の推進に向けたアドバイザー派遣や販売フェアの開催(1,880 万円)

・有機農業アドバイザーの派遣制度を新設するほか、量販店における有機農産物の販売フェアやオーガニックマルシェなどの県内展開を実施。

〇県営ダ厶や農業水利施設を活用した小水力発電の設置促進(4, 019万円)

・県営の内ケ谷ダムにおける小水力発電設備の設置を促進するとともに、農業水利施設を活用した小水力発電の整備を支援。

◎県独自の「G-クレジット」の本格運用や県営林での「J—クレジット」の販売推進(7,682 万円)

・県内の適切に管理された森林の二酸化炭素吸収量を県が認証するG―クレジット制度の本格運

用や、県営林における国のJ-クレジットの販売を推進。

◎バイオマス資源林の整備に向けた早生樹の施業体系などの構築(275万円)【再掲】

② DXの推進

◎市町村のD Xを支援するデジタル人材の派遣(3,955万円)

・市町村のDX計画策定、スステム標準化、行政手続きのオンライン化などを支援するため、ニーズに応じたデジタル人材を派遣。
  • 「DX推進コンソーシアム」による県内企業のDX支援(1億円)
・県内企業や団体などで構成する「岐阜県DX推進コンソ-シアム」において、会員企業などが行うデジタル技術に関する共同研究や実証の支援、先進事例調査などを実施。

◎企業間の商取引を効率化するデジタルインボイスの普及に向けた支援 (2,710万円)

・県内企業に対し、請求業務をデジタル化し、データによる自動処理が可能となるデジタルインボイスの普及に向けたサービス利用料支援や普及啓発を実施。

◎デジタル技術を活用した共同配送や倉庫の自動化、ドローン配送などスマート物流の構築への支援(2,100万円)【再掲】

〇観光事業者と連携したデジタルマーケティングの推進(3,850万円)

・県の外国人観光客向けのウエブサイトへのアクセス状況から国ごとの旅行者の嗜好を分析し、それを活かしたウエブサイト、SNSなどでの効果的な情報発信を実施。

◎公共施設の空き状況確認から決済までの機能を備えた予約管理システ厶の構築(4, 239 万円)

・県と参画希望のあった市町の公共施設について、施設の空き状況確認から予約、決済までの手続を可能とする予約管理システムを構築。

◎県の事務効率化に向けたオンラインでの決裁完結を可能とする文書管理システ厶の運用開始(2,713万円)

・県における事務の効率化に向け、オンラインでの決済完結を可能とする、新たな文書管理システムの運用開始。

〇クラウド型データ連携システ厶の実証などデータ活用型農業の推進(1,513万円)

・クラウド型データ連携システムを活用したトマトやいちごの生産管理の実証を行うほか、就農支援センターにデータ活用型農業経営の習得に向けた機器を整備。

◎農畜水産物の生産性向上やブランド化に向けた生育診断技術などの開発 (1,773万円)【再掲】

〇林業の生産性向上に向けたデジタル技術の導入支援の拡充(772万円)

・林業の生産性向上に向けたデジタル技術を導入する林業事業体への支援について、新たにドローンによる運搬などの委託費用を支援対象に追加。

◎犯罪発生などの情報を地図上に統合し、高度分析や県民への情報発信を行う「警察活動統合型G I S」の運用開始(1億2,581万円)

・犯罪発生などの情報を地図上に統合し、高度分析や県民に対する視覚的に分かりやすい情報発信を行う「警察活動統合型GIS」の運用開始。

2.暮らしやすい「清流の国ぎふ」の実現

(1) 困難な状況からの脱却に向けた経済対策

① 物価高騰を乗り越えるための支援
  • 物価高騰下における生活者、事業者への支援策の延長(13億9,957万円)
・LPガス利用世帯への支援、医療・福祉施設への食材費及び光熱費の支援など、生活者、事業者への物価高騰支援策について、本年5月末までの支援を延長。

◎小規模事業者の事業転換支援と賃上げ事業者への補助率の引上げ(1/2→2/3)(3億円)

・小規模事業者に対し、事業転換や事業拡大に要する経費を支援するとともに、賃上げを行った事業者に対しては、その補助率を1/2から2/3に引き上げ。

◎本年6月の報酬改定に先駆けた介護職員や看護補助者などへの賃上げ支援(8億5,603万円)

(3月補正予算を含む)

・介護・障がい者福祉サービス事業所、病院などに対し、介護・障がい福祉職員、看護補助者への月額平均6千円の相当の賃上げ(本年2~5月分)を行うための経費を支援。
  • 民間ゼ□ゼ□融資の借換え資金など中小・小規模事業者への金融支援 (394 億 2,959 万円)
・民間ゼロゼロ融資の借換えなどに対応する伴奏支援型借換資金の対象期限の変更(本年3月末までに保証申込受付したものは4月以降も融資可)など金融支援を実施。

② 厳しい状況に直面する農畜水産業への支援

〇電気ショッカーボートの本格運行によるコクチバス生息拡大防止緊急対策の強化 (1億1,116万円)

・電気ショッカーボートを新たに2艇導入し、4艇で集中駆除するほか、漁業協同組合連合会内に駆除作業専門チームを編成するなどコクチバスの緊急対策を強化。

◎鳥インフルや豚熱に備えた農場の分割管理などに必要な施設整備支援 (3,909 万円)

・鳥インフルエンザや豚熱などの家畜伝染病の感染防止対策や殺処分となる家畜の縮減に向け、農場の分割管理などに必要となる施節整備を支援。

・畜産農家に対する配合飼料の価格高騰分の一部を支援(1億1,049万円)

・配合飼料の使用量削減に取り組む畜産農家に対し、配合飼料の価格高騰分の一部を支援。

・物価高騰を踏まえた土地改良区への光熱費支援や養殖事業者への飼料高騰対策などの実施

(1,950 万円)

・農業水利施設を管理する土地改良区などへの光熱費や、養殖事業者への配合飼料価格の高騰分の一部を支援するなど対策を実施。
  • 農業者が加入する収入減少を補填する保険料の一部を支援(504万円)
・農業経営のリスク対策として、収入減少を補填する保険(収入保険)に新たに加入する農業者の保険料の一部を支援。

〇ニホンザル、ニホンジカ、カワウの捕獲など鳥獣被害対策の実施(8億76万円)

・市町村のニホンザル個体数調整捕獲の支援や、捕獲従事者不在地域でのニホンジカの捕獲体制構築、ドローンを活用したカワウの繁殖抑制などの鳥獣被害対策を実施。

(2) 暮らしの安全安心確保

①医療・福祉の充実と暮らしの安全確保

◎新興感染症に備えた医療機関に対する設備整備の支援などの実施(2億3, 740万円)

・新たな感染症発生時の病床確保などに関する協定を締結した医療機関に、防護具の保管庫などの整備を支援するほか、感染症対応を学ぶ医療従事者向けWEB研修を実施。

◎患者の検査画像を医療機関で共有できるアプリの導入や遠隔医療に必要な機器整備の支援(3, 202万円)

・医療機関に対し、患者の検査画像データを共有できるコミュニケーションアプリの導入や遠隔医療に必要なコンピュータなどの機器整備を支援。

◎子宮頸がん検診の受診者(25歳)の自己負担額の無料化(449万円)

・子宮頸がん検診の受診者(25歳)の自己負担額を無料とした市町村に対し、自己負担相当額を支援。

〇医師の労働時間短縮に必要な機器整備などの支援(4,477万円)

・医療機関に対し、医師の労働時間短縮に向けた勤務環境改善や業務効率化に必要となるICT機器の整備費用などを支援。
  • 医学生への修学資金や専門研修中の医師への研修資金の貸付(4億162万円) [再掲]
◎看護学生に対する修学資金貸付制度の創設(3,604万円)[再掲】

◎介護現場の生産性向上を支援する「介護生産性向上総合相談センター_(仮称)」の開設 (1,027 万円)

・ロボットやICT機器導入などに対する相談対応や活用研修の開催などワンストップ型で支援を行う「岐阜県介護生産性向上総合相談センター(仮称)」を開設。
  • 介護や障がい福祉事業所の生産性向上に向けた□ボットやICT機器の導入支援 (3億8,588万円)
(3月補正予算を含む)

・介護j事業所や障がい福祉事業所に対し、職員の業務負担軽減・業務効率化につながる介護ロボットやICT機器などの導入に要する経費を支援。

◎市街地出没の恐れのあるクマの個体識別調査などの実施(500万円)

・自動撮影カメラを設置し、市街地に出没するクマの個体識別調査を実施するほか、市町村職員への被害防止に向けた研修や地域住民への注意喚起を行う講座を実施。

◎特定外来生物の生態系への影響、防除方法などをまとめたリストの作成(628万円)

・生態系の保全に向け、県内に生息する特定外来生物の特徴や生態系への影響、防除方法などをまとめたリストを作成。

〇若者や高齢者向け消費者トラブル防止教材の作成など消費者教育の推進(1,918万円)

・中学・高校生向けのWEB版消費者教育副読本の作成や高齢者向けのインターネットトラブルに関する教材の作成、見守り人材の育成など消費者教育を推進。

◎犯罪発生などの情報を地図上に統合し、高度分析や県民への情報発信を行う「警察活動統合型G I S」の運用開始(1億2,581万円)[再掲】

②誰もが安心して暮らせる社会の実現

〇ケアラー支援に向けた実態調査と計画策定、SN Sなどを活用した相談体制の構築(2, 644万円)

〇児童養護施設退所児童などの自立を支援する拠点の強化(2, 643万円)

・ケアラーの実態調査を行い、支援に向けた推進計画を策定するほか、ヤングケアラーの悩みを共有するオンラインサロンに加え、新たにSNSを活用した相談窓口を開設。

◎児童養護施設などの生活や措置に関する子どもの意見表明を支援する体制の整備 (413万円)

・自立困難に陥りやすい児童養護施設の退所児童などの自立を支援する拠点を設置し、生活相談や退所児童の相互交流などを実施。
  • ひきこもりの当事者や家族への個別相談支援、就労準備への支援(2,403万円)
・「ひきこもり地域支援センター」において、当事者や家族への個別相談支援、ひきこもりサポーターの要請などを行うほか、個々の状況に応じた就労準備支援などを実施。

◎不登校児童生徒の学習をサポートする学習指導員の設置支援(4, 254万円)【再掲】

〇不登校生徒の心と学習の両面を支援する教育支援センターの機能強化(928万円)【再掲】

◎オンラインなどを活用した生活困窮世帯の子どもへの学習支援(550万円)[再掲】

◎入院中の児童生徒へのオンデマンド型授業の実施に向けたコンテンツの作成と普及(200万円)【再掲】

◎困難な問題を抱える女性に対する支援体制の構築(348万円)

・DV被害者、生活困窮や家庭に居場所がないなど困難な問題を抱える女性への専用電話相談窓口を開設するほか、支援の内容を協議する支援調整会議を設置。
  • 「ひとり親家庭等就業•自立支援センター」における相談や就業支援((2,868万円)
・「ひとり親家庭等就業・自立支援センター」において、養育や心の悩みに対する相談対応、就業に関する支援を実施。

(3)少子化対策の推進

① 子どもを産み育てやすい地域づくり

・新婚世帯に対する引越費用や新居の家賃などの支援(1億787万円)

・市町村が行う新婚世帯に対する引越費用や新居の家賃などの支給支援。

・体外受精などの特定不妊治療費の自己負担分の支援(2億4,800万円)

・体外受精などの特定不妊治療費の保険適用後の自己負担分に対し、10万円を上限に支援。

・出産•子育て応援ギフトや第2子以降の出産祝金など子育て世帯への経済支援 (15億9,383万円)

・市町村が行う出産・子育て応援ギフトの支給支援や、第2子以降の出生児への10万円の祝金、進学などを控えた中学3年生への3万円の準備金など経済支援を実施。

〇児童手当の支給対象と給付額の拡充(41億8,261万円)

・国の少子化対策の加速化に向けた児童手当の所得制限の見直し、対象年齢の18歳以下までの拡充、第3子以降の給付額の引き上げにあわせ、県の児童手当負担分を拡充。

〇私立学校や幼稚園などの運営に対する支援の充実(91億3,569万円)

・私立学校や幼稚園などの運営費を支援する補助金の単価を増額。

〇私立高等学校などに通う生徒の世帯に対する授業料支援の拡充(4億8, 364万円)

・私立高等学校などの授業料に対する補助制度の対象世帯について、これまでの世帯年収800万円未満から910万円未満に拡充。

〇県営住宅における子育て世帯向けの改修工事の実施(2,800万円)

・県営住宅において、県内大学の建築系学生からの提案を基に、子育て世帯に配慮した間取りの改修や収納スペースの確保といった改修工事をモデル的に実施。

◎若者のライフデザイン形成を支援する子育て家庭での体験プ□グラムの実施 (120万円)

・結婚や子育てなど、若者のライフデザイン形成を支援するため、大学生や若手社会人などを対象に、子育て世帯での子育て体験プログラムを実施。

② 若者向けの移住定住対策の強化

〇子育て世帯の移住促進に向けた移住支援金の拡充や魅力発信フェアなどの実施 (1億3,202万円)

・清流の国ぎふ移住支援金における18歳未満の子どもを帯同する世帯への加算(30万円)、39歳以下の単身者の支給要件緩和のほか、東京での魅力発信フェアなどを実施。

◎県内企業に就職する若者への奨学金返還支援制度の創設(811万円)【再掲】

◎東京の大学生に対する県内企業の面接参加に要する交通費の支援(276万円)

・東京都内に本部を置く大学の学生に対し、県内企業の選考面接に参加するために必要となる交通費を支援。
  • 県出身の大学生などへのUターン奨学金の貸与(2億5,560万円)
・県出身で、県外の大学などに在学する学生に対し、卒業後に県内で居住・就業する場合に返還を免除する奨学金を貸与。
  • 医学生への修学資金や専門研修中の医師への研修資金の貸付(4億162万円)【再掲】
◎看護学生に対する修学資金貸付制度の創設(3,604万円)【再掲】
  • 県内小中学校の新規採用教員への奨学金の返還支援(561万円)【再掲】
3.「清流の国ぎふ」の魅力向上と発信

(1) 清流文化の創造•発信

〇「『清流の国ぎふ』文化祭2024」の開催(7億6,684万円)

・本県の魅力や特色を生かした地域文化の披露や、全国規模の団体による文化交流など、300を超える事業を県内全域で展開し、清流文化を国内外へ発信。

〇「清流の国ぎふ総文2024」の開催(4億7,888万円)

・総合開会式やパレードのほか、「演劇」「合唱」や、県独自の「花いけバトル」など22の部門別行事を開催し、全国の高校生による文化交流を実施。

〇地芝居•伝統芸能フェスティバルの開催(7, 755万円)

・ぎふ清流座(ぎふ清流文化プラザ内)において地芝居などの公演を開催するほか、県内各地での地芝居公演の一体的なPRを実施。

◎「『清流の国ぎふ』文化祭2024」に合わせた県産品のPR販売及び食文化の発信(1,514 万円)

・「『清流の国ぎふ』文化祭2024」などで多くの方々が本県を訪れる機会を活かし、県産品のPR販売や、本県の食文化、郷土料理の魅力を発信。

◎県産材の利用促進に向けた魅力の発信(1,750万円)

・家具や建材などの木製品の紹介や木に触れる体験の提供などを通じた県産材の魅力発信。

◎「匠の国ぎふ」の技の継承及び人材育成(3,164万円)

・県内の職人などから道具や原材料に関する相談を受け付け、課題解決を支援するほか、匠の道具への興味・関心の醸成に向けたワークショップなどを実施。

〇万博に向けた関西圏での県産品•県産農畜水産物のプ□モーション強化 (2,200万円)

・大阪・関西万博を見据えた県産品・県産農畜水産物の認知度向上、販路拡大に向け、関西圏の主要駅などでの県産品コーナーの設置拡充や万博に出展する飲食店への食材提案会を実施。

(2) 観光・交流の推進

① インバウンド、国内誘客の推進

〇インバウンド消費拡大に繋がる付加価値の高い体験コンテンツの充実(6,098 万円)

・インバウンド消費拡大に向け、本県ならではの伝統・文化、匠の技などの観光資源を活用した高付加価値な観光コンテンツの充実を図る。

〇県内「もう一泊」による県全域へのインバウンド誘客の推進(4,490万円)

・航空会社、空港、万博を見据えた関西圏の事業者などと連携し、県全域へのインバウンド誘客に向け、「もう一泊」を促すプロモーションなどを実施。

〇オーバーツーリズム対策などに向けた地域の取組みを支援(1,000万円)

・今後、懸念されるオーバーツーリズムの未然防止など、持続可能な観光地域づくりに向け、地域住民も交えて行う受入環境整備など、地域の取組みを支援。

〇岐阜関ケ原古戦場記念館を核とした近隣県•県内市町村との連携による戦国•武将観光の推進(2,400万円)

・歴史ファンの集客力が高い県外のお城イベント出展などの誘客プロモーションや戦国・武将をテーマとしたスタンプラリーの実施により広域周遊観光を促進。
  • 電子観光クーポン「ぎふ旅コイン」による観光消費拡大と利用データの分析による効果的なプ□モーションの実施(1億2,000万円)
・電子観光クーポン「ぎふ旅コイン」付き宿泊プランの造成などにより観光消費を拡大するほか、利用データを分析し、効果的なプロモーションを実施。

② 国際交流の深化

◎協定などを締結するポーランド・シロンスク県、フランス•アルザス、中国・江西省の文化紹介展などによる国際交流の深化(3,178万円)

・本県と協定などを締結するポーランド・シロンスク県国立民族合唱舞踏団「シロンスク」や中国江西省の芸術団の公演、フランス・アルザス欧州自治体の文化紹介展などを開催。

◎八ンガリーとの陶芸・音楽交流(3,259万円)

・ハンガリー・ヘレンド社の社員を県内に受け入れるほか、現代陶芸美術館でのハンガリーと県内の陶芸作家による展覧会、リスト音楽院の教授などによるコンサートの開催。

〇第7回となる「リトアニアNOW」による文化交流(3,072万円)

・第7回となる「リトアニアNOW」により、杉原千畝の功績とリトアニアの文化の魅力を広く発信。

(3)地域の新たな魅力創出

〇奥飛驛ビジターセンターのリニューアルオープンをはじめ「松本高山B i g Bridge構想」の展開(7,394万円)

・奥飛騨ビジターセンターを本年7月にリニューアルオープンし、中部山岳国立公園の魅力を体験するプログラムなどの提供のほか、公園南部地域への誘客プロモーションを展開。

◎フランス.・アルザスと連携した「ONSEN.・ガスト□ノミーウォーキング」の開催 (950万円)

・フランス・アルザス欧州自治体の関係者を招致し、「ONSEN・ガストロノミーウォーキング」開催。

◎地域資源を活用した「南飛騍アートプ□ジェクト」の開催(7,000万円)

・南飛騨地域において、地域の歴史・文化・伝承などを活かしたパブリックアートの設置やアーティストと住民の協働による言葉と絵で巡る周遊コースづくりなどを実施。

◎空宙博の新企画棟オープンを記念した特別企画展の開催(6,457万円)【再掲】

〇木曽川中流域の市町などとの連携による地域資源を活かした観光地域づくり (3,000 万円)

・木曽川中流域の市町や観光関係者と連携し、流域の魅力的な観光資源を活かした周遊・滞在型観光を推進。

〇「岐阜未来遺産」認定地域などへのブラッシュアップ支援(1億688万円)

・「岐阜未来遺産」認定地域や認定を目指す地域に対し、認定委員会によるアドバイスを踏まえた受入環境改善や魅力発信の取組みを支援。

◎「国際陶磁器フェスティバル美濃’ 24Jの開催(4, 500万円)

・日本を代表する陶磁器産地である多治見市・瑞浪市・土岐市・可児市を舞台に、3年に1度の陶磁器の祭典「国際陶磁器フェスティバル美濃’24」を開催。

◎薬草の商品開発や情報発信など薬草の里づくりプロジェクトの展開(1,000万円)

・薬草を活用した地域活性化に向け、プロジェクトチームを設置し、薬膳料理メニューフェア、フォーラム、大都市圏での新商品のプロモーションなどを展開。

◎宿泊業の高付加価値化に向けた研修会や個別相談の開催(450万円)

・客単価のアップにつながるサービスの向上など宿泊業の高付加価値化に向け、成功事例を学ぶ研修会や個別相談を開催。

〇名鉄名古屋本線鉄道高架化事業の推進(12億6, 600万円)

・円滑な交通の確保や岐阜市の中心市街地活性化に資する名鉄名古屋本線の高架化に向け、高架化する鉄道施設の詳細設計や用地取得などを実施。

○リニア中央新幹線を活用した地域づくりの推進(1,400万円)

・岐阜県らしいリニア駅・周辺整備の実現やリニア開業を見据えた地域を担う人づくりに向けた取組みを推進。

 【2024年度岐阜県一般会計当初予算案の見方と問題点】

《政府予算案との関り》

政府は昨年度、財源も明らかにしないまま「5年間で43兆円」という計画を示し大軍拡予算を成立させました。2024年度の政府予算案でも軍事費は7兆9,496億円と過去最大を更新しています。そのため社会保障など国民生活に密着する予算を削減させ、社会保障費の自然増の内、1,400億円程度を圧縮させようとしています。また、雇用を維持するための雇用調整助成金まで軍拡予算に流用しています。その上、政府の新年度予算案では、半導体など政府が戦略物資と認定した分野での生産や販売に応じて10年間大企業への減税を行い、誘致企業に有利で大幅な補助金も出しています。こうした大企業優遇の施策が鮮明になる一方、中小企業対策費は昨年度より8億円減の1,082億円と冷遇されています。

物価高対策等への予算措置として政府は、定額減税や給付金の措置をとっていますが、一度きりの対策では物価高に苦しむ国民生活の立て直しには全く見合っていません。減税するなら消費税であり、その実現を求める意見書を地方からあげていきましょう。

政府は、「重点支援地方創生臨時交付金」の内「推奨事業メニュー」分は、自治体の地方単独事業に充当できるとしています。学校給食費の無償化や水道料金の減免など、暮らしを支える自治体の取り組みに活用できます。政府の2024年度予算案では引き続いて抑制傾向が続いているものの、国民の要求実現の取組みを進める財源は十分とは言えないとしても確保されています。

《2024年度当初予算案の県の基本方針》県は財政危機論表明

新年早々の能登半島地震は、行政の最大の責務が「県民の生命と生活を守ること」だと再認識させました。また、ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルとハマスの紛争という国際情勢の緊張と不安定が、世界的な燃料・食糧危機や物流の停滞を引き起こし、そのため岐阜県でも県民生活や中小零細企業の経営に大きな影を落としていると分析しています。それらを踏まえて2024年度当初予算案は3つの政策群で構成されていると指摘。それは、①「持続可能な『清流の国ぎふ』を目指して」②「暮らしやすい『清流の国ぎふ』の実現」③「『清流の国ぎふ』の魅力向上と発信」です。

その上で、岐阜県財政は、頻発化する自然災害に対応するための防災・減災対策、行政施設や公共施設の老朽化対策といった課題により県債残高が高水準で推移し、公債費及び実質公債費比率が増加に転じているとしています。また、高齢化の進展による社会保障関係経費の適切な対応や能登半島地震の被災状況から県土の強靭化が必要としています。そして、こうした財政需要の増加に対し、国庫補助金などの外部補助金の活用をしながらも基金の取り崩しも避けられないとしつつ、政策課題を重点的に配分し、事業見直しの徹底を効率的に進めるとしています。しかし、県債残高が高水準に推移したのはどこに原因があるのかには触れていません。県債残高は2024年度末において県民一人当たり87万円となります。県民目線で県予算を組み替えることを求め切実な県民の要求を正面から県議会でも県民運動でも掲げて実現を迫ることが重要です。

《岐阜県に於ける物価高対策》

政府は、物価高対策や賃上げに活用する予備費を1兆円計上しました。昨年12月岐阜県議会では、国の財源を基にした物価高対策が提案され可決されました。例えば、医療機関、社会福祉施設、農業者等に対する「燃料価格高騰への支援策」です。しかし、こうした一時的でバラマキ的な物価対策には限界があります。日本共産党の中川ゆう子県議は、2023年度実施の「県民世論調査」の結果、「暮らし向きが苦しくなった」と訴える声が15年ぶりに6割を超え、「満足度」も2年連続で低下している岐阜県民の現状を示し、知事に「生活者支援の施策が足りない」と質問し、古田知事は、「2024年度予算編成に反映させたい」と具体的な答弁を避けました。

そして県は、2024年度予算案で「物価高騰を乗りこえるための支援」として、次のような施策を計上しています。

・物価高騰下における生活者、事業者への支援策の延長(13億9,957万円)

・小規模事業者の事業転換支援と賃上げ事業者への補助率の引き上げ。

・本年6月の報酬改定に先駆けた介護職員や看護補助者などへの賃上げ支援(8億5,603万円)

・民間ゼロゼロ融資の借り換え資金など中小・小規模事業者への金融支援(394億2,959万円)

しかし、「生活者支援」としても効果の高い学校給食費の無償化や、子どもの医療費無料化の年齢拡大等は触れられていません。その実現のためにはいっそう大きな県民運動が必要です。

全国的には、「生活者支援」の施策が各地で始まっています。岩手県では、「福祉灯油」を一世帯当たり7千円に拡充し、賃上げを行った県内中小企業を対象に、最大100万円を補助する賃上げ支援策を新設しました。2024年度から東京都の23区すべてで小中学校の給食無償化が実施される見込みです。東京都は、市町村が給食費の保護者軽減をする場合、費用の二分の一を補助する方針を決めたため、23区以外でも無償化実施の方向が広がっています。また、青森県では全県での給食費無償化を決め、新たに「学校給食費無償化等子育て支援市町村交付金」の創設案を発表しました。都道府県内の全自治体で一律の給食費無償化は全国初です。対象には、公立の小中学校のほか、私立中学や県立特別支援学校なども含まれます。青森県知事は、交付は今年10月に実施し、来年以降も実施すると表明。千葉県船橋市は、政府の「臨時交付金」を財源とした小・中・特別支援学校、公立保育園、私立幼稚園、認定こども園などを対象とした給食費を無償とする補正予算案と条例改正案が市議会で可決されました。今回は2024年1~3月までとする予算化で、新年度は不透明ですが、あるべき物価高対策として一石を投じたと言えます。

《焦点となる国民健康保険料(税)の県統一化への圧力》

2018年度からの「都道府県単位化」以降、自治体独自の保険料(税)軽減への圧力が高まり、かつて全国で毎年3,500億円程度あった一般会計から国保会計への繰入れは、2021年度には674億円にまで激減しました。これによって保険料(税)は、日本共産党政策委員会の調査では、2023年度は全国で509自治体、この制度を導入した2018年度以後の6年間では999自治体(※)が値上げをしています。自治体の国保財政に対する自主的判断を抑えつける制度はやめるべきです。物価高騰が国民の暮らしを直撃しているなか、この値上げはさらに国民の生活苦に追い打ちをかけます。

岐阜県の日本共産党地方議員も各議会でこの問題を取り上げ闘っていますが、関市議会では党議員が「負担が重すぎる国保税・介護保険料の独自軽減を求める」との質問をしたところ、関市長は「県の国保運営方針に賛同し、国保税水準の県内統一化に向けた公平な負担の観点から一般会計からの繰入による市独自の軽減はしない」と答弁しました。また、中津川市の党議員は「県内で保険料を統一にした場合、中津川市の保険料はさらに上がります。子どもの均等割を廃止して協会けんぽ並みにするべき」と「民報なかつがわ」で反論しています。岐阜県の「国民健康保険財政安定化基金」の残金は本年度末見込みで45億500万円です。

(※)日本共産党政策委員会の2023年度全国調査の結果では、6年間の間に値上げしたのは999自治体、値下げは109自治体、残りの1118自治体は据え置きです。

2022年度から小学校就学前の児童の均等割は半額とする措置が導入されました。但し、一部の自治体では、小学生以上の子どもにも特別の減額措置を設けているところもあります。日本共産党は、「人頭税」ともいうべき「均等割」「平等割」を廃止して協会けんぽ並みにするよう提案しています。政令市及び都道府県庁所在市等の国保料の推移をみますと、岐阜市は、2017年32.0万円であったものが、2023年は35.2万円と毎年徐々に上がっています。

 《健康保険証の存続を求める県民の声は大きい=3本の請願が出る》

政府は、今年秋に現行の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに一本化する法案を可決成立させました。しかし、個人情報の流失や命に係わるトラブルが噴出している重大問題を放置したままマイナンバーカードへ一本化させることは絶対に認められません。こうした強権的なやり方に直面して県民の怒りと不安が沸騰しています。県議会には直ちに、「岐阜県保険医協会」、「県民が主人公の岐阜県政をつくる会」、「岐阜県商工団体連合会」の3団体から「健康保険証の存続を求める意見書を求める請願」が出され、日本共産党の中川ゆう子県議が紹介議員となって県民の声を代弁して存続を求めました。

《一区切りつけた新型コロナ対策と新興感染症対策》

政府は、昨年5月に新型コロナウイルス感染症法上の位置づけを「5類」へ移行させ支援制度を打ち切りました。しかし、現実には新型コロナウイルスによる感染は流行して、インフルエンザの感染拡大とも相まって県民の不安は収まっていません。「5類」移行以後は原則1~3割の自己負担がかかるようになりますし、無料だったワクチン接種も2024年度からは7,000円程度の自己負担が発生します。県が独自に実施してきた高齢者施設での社会的予防検査は、たいへん効果があったと評価されたにも関わらず、3月で打ち切ると発表しました。県は「5類」移行によって一つの区切りを迎えたとしていて、「これまでに得た教訓や知見を活かし、感染予防計画の改定を進める」としています。新年度予算案では、「新興感染症に備えた医療機関に対する設備整備の支援」として2億3,740万円を計上しています。

 《深刻化する学校統廃合問題》〝恵那市では住民運動起こる〟

政府の方針のもとに学校の統廃合計画が県下あちこちで進められています。恵南5中学校を1校に統廃合する計画、今年4月に海津市旧海津町地域の小学校5校を統合して、「海津小学校」を現高須小学校の場所で開校する計画、郡上市大和地区の小学校の統廃合計画、多治見市笠原地区での計画、中津川市福岡地区の小学校での計画、八百津町の小中学校や七宗町での統廃合計画、岐阜市の梅林小と白山小の統廃合計画などです。進展する少子化を口実にした大掛かりな統廃合計画で、過日、日本共産党岐阜県委員会や教職員組合が共同でこの問題で交流会をもちました。

名古屋市とほぼ同じ面積の恵那市南地区において恵那市は、5つある中学校を1校にする計画を住民の声を無視して一方的に進めています。この計画が実施されると生徒の8割がバス通学となり、往復2時間かかる場合も出てきます。こうした恵那市のやり方に対し、住民でつくる「恵那南地区中学校統合を考える会」がつくられ、1校への統合案や、住民合意のない進め方をやめるようもとめる賛同署名に取り組み、地区の有権者の半数に迫る5904人分を集めています。市の教育委員会は、「(学校の規模は)子どもが切磋琢磨できるクラス数が必要」と述べています。しかし、なぜ少人数学校ではいけないのかという根本的な説明はありません。小中学校でこうした大掛かりな統廃合が進めば次に県立高校のいっそうの統廃合へと進むことは必至です。また、こうした施策は、県が進める少子化対策や人口減対策にも反することになります。

《教職員定数はほとんど増えず》

国の教職員定数は、35人学級の実施、小学校高学年での教科担任制の導入、公務員の定年延長に伴う特例などで増員される一方、子どもの減少や加配定数の振替等によって実質的にはほとんど増員されない方向です。岐阜県では、60人近い教員の未配置が出るほど教職員不足は深刻です。昨年の9月議会で中川ゆう子県議がこの問題を質問し、12月議会において、教職員組合等が各会派の県議会議員にも陳情して、国に意見書を提出することが出来ました。

《深刻な各務原市等のPFAS問題

各務原市の三井水源池から、世界保健機構(WHO)が発がん性を指摘する有機フッ素化合物(PFAS)が国の暫定目標値を超えて検出されました。こうした結果が出ているにもかかわらず各務原市は公表していませんでしたが、県の指摘によってようやく公表しました。県議会での中川裕子議員の質問に答えて、知事はその他の市町村については検査の実施と公表を促すと答えました。また、岐阜市のみどり病院が大学と連携して血液検査を実施したところ、これまで調査された沖縄県や東京都多摩地域よりも高い数値が出ました。中川県議は県に対し、「民間の調査では限界があり、国や県として血液検査を実施できないか」と質問しました。県の健康福祉部長は「国内において個人の健康被害が発生したという事例は確認されていない」と検査の予定がないとしながらも、「民間の独自の取組みを注視しつつ、国に対し毒性評価の検討を求めていく」と答弁しました。同議員はさらに「自衛隊岐阜基地内の土壌調査をくまなく行い全容把握するべきだ」と求めましたが、知事は、「必要があれば基地内の土壌調査について要請を検討したい」と答えました。ところが昨年7月と11月に岐阜基地側は、独自に基地内の井戸の水質検査を行っており、安全検査数値をオーバーした結果が検出されていました。しかし、防衛省は井戸の使用を中止したもののこれを公表していませんでした。各務原市も防衛省からこの数値結果を聞かされていながら同じく公表しませんでした。市民、県民の命と健康に関わるPFAS問題の徹底した究明が求められます。

《破たんする再開発事業や高層ビルによる街づくり計画

岐阜市では、JR岐阜駅前に再開発事業による高層ビルが相次いで建設され、最近では高島屋百貨店南側にグラッスル35が県・市合わせて総額83億円の補助金をかけて建設されました。岐阜市は補助金以外にもビルの3・4階の保留床を購入し市施設が入居しました。その上、続けてJR岐阜駅前に2棟の高層再開発ビルの建設を計画しています。しかし、リモート勤務の定着などによって就業人口は確実に減少し、それに伴ってオフィス需要も減少しています。従って、再開発事業で高層ビルを建設しても事業費にあてる保留床を市場でさばくことができず、代わりに自治体が公共施設として購入し、穴埋めするという事例が増えています。岐阜市の場合もその一例です。一方、建設労働者の激減、建設資材の高騰が続き、再開発事業費が当初価格で済まない場合が多くなっています。こうした一部大手不動産企業による再開発事業の高層ビル建設は街づくりとしても適格とはいえません。また、市や県の財政にも大きな負担をかけることになります。一方、建設から40年以上経過した老朽化した民間マンションが、2042年には全国で今の3.5倍に当たる445万戸に急増する見込みです。居住する住民も高齢化し管理・再生にも支障をきたすだけでなく、老朽化したビルは居住者だけでなく近隣の住民にも危険を及ぼす可能性があります。

《空き家対策による街づくりを》

2015年に施行された「空き家特措法」が昨年改正されました。この「特措法」で対象となるのは「住居目的のない空き家」が全国で350万戸あります。この空き家が具体的に集中している地域は中心市街地で、「特措法」は、ここで具体的に利活用を促進したいとしています。「空き家特措法」の「改正」に際し、日弁連会長は声明を出し、「住民主体の街づくりに空き家問題を位置づけるよう」求めています。再開発にかける莫大な補助金をやめ、空き家の改修・建て替えに補助金を出すことの方が街づくりにも適格ではないかと思われます。しかもこうした事業を地元中小建設企業が請け負えば経済や雇用の活性化にも有効となります。

県は新年度予算で「住宅などの耐震診断・改修に対する支援の拡充」として1億774万円を、「空き家の除去などに対する支援の拡充」策として1億2,000万円を計上しています。いずれも災害対策を中心としていますが、街づくり対策の転換策として従来の再開発補助金をやめ、こうしたものへと大規模に使う方針に転換すべきです。

《相変わらずのイベント行政》

今年は、「『清流の国ぎふ』文化祭2024」(7億6,684万円)、「清流の国ぎふ総文2024」)(4億7,888万円)が多額の予算をかけて行われます。また、2025年には「ねんりんピック」も予定されています。こうした相変わらずのイベント行政では、多くの県職員が投入されますし、その政策的な効果も不明です。何より開催に対する県民の理解と賛同が広がっているとも思えません。また、同様に、国民の間で反対や延期の意見が多い大阪・関西万博の自治体参加催事の準備に651万円をかけることも疑問です。

《新年度岐阜県予算案に見る人口減少・少子化対策》

岐阜県の推定人口は、192万7053人(2024年1月1日現在)ですが、2050年には137万に減ると予想されています。岐阜県では人材を県内に呼び込むために「新規採用教員への奨学金返還支援制度」(561万円)、「県内企業に就職する若者への奨学金返還支援制度」(811万円)、「子育て世代の移住促進に向けた移住支援金の拡充や魅力発信フェア」(1億3,202万円)等を予算化しています。少子化対策の推進としては、新年度の予算案で次の新事業を計上しています。
事 業 名 内  容 予 算 額
若者のライフデザイン形成を支援する子育て家庭での体験プログラムの実施 結婚や子育てなど、若者のライフデザイン形成を支援するため、大学生や若手社員などを対象に、子育て体験プログラムを実施。 120万円
県内企業に就職する若者への奨学金返還支援制度 県内企業に就職する35歳未満の若者に対し、県と企業が拠出した基金により、大学などの在学時の奨学金の返還を支援する制度を創設。 811万円

(再掲)
東京の大学生に対する県内企業面接参加に要する交通費の支給 東京都内に本部を置く大学の学生に対し、県内企業の選考面接に参加するために必要となる交通費の支援。 276万円
看護学生に対する修学資金貸付制度の創設 県内の看護師等養成所で学ぶ看護学生に対し、卒業後に県内医療機関で勤務するなどの条件を満たした場合に、返還を免除する修学資金貸付制度を創設。 3,604万円
 《新年度の農林水産業費はわずかな増》

2024年度の国の予算額と2023年度補正予算額を合わせた総額は、3兆868億円減となっています。これは政府の「審議会」の答申で触れられた「『食料自給率の向上』はもはや大きな目標にせず、主として米豪加などの同盟国からの供給が確保できればよい」等の驚くべき農業政策によるものだと思われます。こうした中、岐阜県の新年度予算案の農林水産業費は対前年度比0.4%アップの32億4,460万円という微増です。

県は、農業者の高齢化や減少化が急速に進展しているとしながらも、認定農業者対策に加え、障害者や女性など多様な担い手が活躍できる施策をわずかに増額(前年度2.5倍の3,834万円)しているにすぎません。また、国の「食料・農業・農村基本法」の見直しにおける食料安全保障の強化の動向を踏まえ、県は国庫支出金(1億5,556万円)を基に、物価高騰の影響緩和、食料生産の拡大、流通体制の強化、地産地消の推進などのため2億236万円の予算を組んでいます。しかし、危機的な我が国の食料自給率を考えるなら農業に対する抜本的な対策をとるよう国に強く求めるべきです。

地震や水害などの災害に強い農村づくりとして、防災重点農業用ため池の豪雨・地震対策を94地区で実施し、老朽化した農業用排水機場の整備や農道橋の耐震補強等を行うための予算を29億6,584万円計上しています。また、県産材を活用した非住宅建築物の木造化などに対する支援として、補助率の拡充を図るため4億879万円を予算化させています。花粉の少ないスギなどの種子増産に向けた採種園整備やスギ人工林の伐採・再造林などによる花粉発生源対策を実施するため4億7,387万円を計上しています。

《能登半島地震の教訓をどう生かすのか!! 防災・減災対策

県は、「令和6年能登半島地震を踏まえ、令和7年度から次期岐阜県強靭化計画の策定に取りくむとともに、孤立の発生やライフラインの途絶に備えて備蓄資材を拡充するほか、県内避難所における生活環境のさらなる改善、被災市町村を支援する職員の能力向上など、ハード・ソフトの両面から地震防災対策を推進する」としています。

新年度予算案の中には、①「緊急輸送道路等の整備推進」(241億350万円)や②「流域全体における水害・土砂災害対策の推進」(169億6,859万円)という通常事業を災害・減災対策として強化しようというものがあります。だが、その主な財源内訳をみると国からの財政支援が少額なのが目立ちます。災害対策の大部分を地方負担させ、地方は借金を増やすというやり方は問題です。

更に県は、(1)孤立発生やライフライン途絶に備えた備蓄資材の拡充(87,835千円)、(2)避難所における生活環境改善の加速化(16,500千円)新、(3)市町村の災害対策をサポートする人材の育成・強化(4,622千円)、(4)巨大地震を想定した実践的な総合防災訓練の実施(10,000千円)などの独自事業を計上しています。全国各地で相次ぐ気象災害や南海トラフ地震など切迫する大規模地震災害を想定した対策は、国に求めなければならない大きな課題で、早急な対策の強化と国の財政負担の増額を強く要望すべきです。

《水害・土砂災害対策の矛盾》

政府の河川行政は、気候変動による激甚化・頻発化による大規模水害で行き詰まりを見せ、氾濫する河川流域全体のあらゆる関係者が協働し、流域全体で水害を軽減させる治水対策、「流域治水」の取組みを本格的に進めるようになってきました。新年度予算案でも「流域治水」の推進として169億6,858万円を計上しています。ところが、一方では治水対策としてのダム建設事業を相変わらず国でも県でも推進しています。県の新年度予算案では、新丸山ダム建設事業と内ケ谷ダム建設事業に合わせて40億5,009万円を投入しています。内ケ谷ダム建設事業は当初の建設予定額をはるかに上回る総額約309億円(現時点)となっています。今回の建設費の財源も56%以上が県債です。県債残高が急上昇し県財政に圧迫を加えている今日、治水対策として行き詰まっているダム方式をやめ流域治水方式にすべきです。

 《原発問題》

今回の能登半島地震で北陸電力志賀原子力発電所では、変圧器の故障や油の漏洩関係、モニタリングポスト116局のうち18局で一時期欠測事故が起こっています(2/7原子力規制庁発表)。運転が休止中であったとはいうものの、大きな事故につながりかねない状態でした。また、この地震の影響範囲内には東京電力柏崎刈羽原子力発電所や福井県の原子力発電所群も存在しています。一方、今回の地震は、山崩れや地面の亀裂によって道路が破壊され、津波によって海岸線も壊滅状態になるなど、原子力発電所で事故が発生しても避難することが不可能だという事を実証しました。岐阜県は福井県の原子力発電所からも能登半島の原子力発電所からも遠くありません。その事故の影響は短時間で県民に影響を与えます。今回の地震からも原子力発電の中止が強く求められます。

《目途のないリニア中央新幹線工事は中止を》

JR東海は昨年11月、リニアの工事完了時期を「令和9年」から「令和9年以降」へと変更する申請を行い政府はこれを認可しました。JR東海はその理由を、静岡工区の見込みが立たないからとしていますが、しかし、東京都の北品川工区や愛知県の坂下西工区は予定していた大深度地下トンネル工事の調査掘進が、シールドマシンの損傷によって中断しており、静岡工区だけが工期未定となった原因とはいえないようです。JR東海の強引な計画や工事に対し、予定沿線を中心にした住民の反対の声や中止を求める運動が高まっています。岐阜県でも、地盤沈下、区分地上権、水枯渇、磁気圧波、汚染残土処理の問題に加えて、大型公共事業ばかりのリニアのための街づくりにも批判が上がっています。この計画は中止すべきです。

 《県が表明:財源不足を基金の取り崩しで補う》

県は、新年度予算案の作成に当たって基本方針の中で「財政需要の増加に対し(中略)基金の取り崩しも避けられない状況にある」としています。資料によりますと、岐阜県の「基金の状況」は18ある基金の令和5年度末見込み額は1,930億2,400万円です。これが令和6年度末には1,483億8,700万円になると見込まれています。また、財源対策活用可能額は、令和5年度末に235億5,300万円ありますが、令和6年度末には96億5,600万円になると見込まれます。結局、2024年度の財源不足分は、県の貯金にあたる「財政調整基金」や「県債管理基金」などから計517億円を繰り入れる事になります。これによって県の「財成調整基金」は、年度末には全国平均の約100億円を下回る96億円となる見込みで、不安定な財政状況です。

《今後の県財政の見通し―予算編成で思い切った転換を》

=県民の所得を伸ばす施策を=

県債の2024年度の発行額は671億3,900万円で前年度から30億8,400万円少なくなり、県債残高(年度末見込み)は1兆6,860億9,400万円です。前年度から366億900万円減少しています。しかし、2024年度当初の公債費(借金の返還)は1,122億6,700万円で、前年度から21億4,500万円増です。実質公債費率は2022年度で7.2%となり年々上昇しています。県の資料「実質公債費率の推移」で分かるように2021年以降急上昇を続け、2024年度末時点の推計値で9.5%が見込まれます。18%以上になると「起債許可団体」に指定されます。長期的な視野で県財政を見ることが必要です。

岐阜県の2010年度の財政状況は毎年300億円を超える財源不足が見込まれる危機的な財政状態でした。県は「行財政改革アクションプラン」を策定し、県職員の給与削減や市町村への各種補助金の抑制、また、県民サービスの低下など多方面の犠牲の下、2013年度にようやく「起債許可団体」を脱却しました。岐阜県は、こうした経験からどういう教訓を学んだのかがいま問われています。

従来のように東海環状自動車道やダム建設など県債を多額に発行して行う事業から思い切って脱却しなければなりません。そして、県民の所得を増やし消費を喚起するような循環型の施策を中心にするべきです。老朽化した社会資本の整備に本格的に取り組み、街づくりも例えば高層ビル中心から空き家・空き地の再整備などで中小企業の仕事を確保し、政府に最低賃金時間給1,500円の実現を働きかけて中小企業や商店で働く人々の賃上げ支援をすることが必要です。

《インフラ老朽化対策を本格的に》

政府は、インフラ機能に支障が生じる前に対策する「予防保全型」に本格転換し、持続可能なメンテナンス実現を目指すとしています。それは当然の対策ですが、実際にはそうはなっていません。既存の点検、修繕事業にこそ予算も人も注力すべきです。そのためには大型公共事業を抑止して、国民の暮らしと命や安全を護る事業を最優先する大転換が求められます。岐阜県は政府に基本的な立場の返還を強く求めると同時に、岐阜県自身も姿勢を転換すべきです。

2024年度岐阜県予算案に対する一般新聞の評価(2/16)

(中日新聞) 解説欄を設け見解を表明。まず、県内人口の減少にいかに向き合うかとして、本予算での政策の一端を紹介し、急速に進む高齢化と人口減少への県の危機感を述べています。また、古田知事が「予算の優先順位をつける意味で、能登半島地震は切口になった」という話を紹介して県の、防災対策にふれました。インフラ整備の重視とともに、外国にルーツを持つ県民への日本語教育に力を入れていることにふれ、人口減少の流れを遅らせる必要があるとの県の思いがうかがえると解説しています。その上で、増加する社会保障費負担などで県財政に余裕がなく「守り」の印象が強い編成だと見解を述べ、コロナ後の成長ビジョンを描くためにも、県事業のさらなる「選択と集中」が求められると主張しています。

(岐阜新聞) 解説欄の中で、古田知事が新年度予算案を「『清流の国ぎふ』づくり~確かな未来の創造~」と命名したことに触れ、「コロナとの闘いは乗り越えたが、自然災害や燃料・食料費の高騰等の困難は続き、地球温暖化防止などのグローバルな課題にも真剣に取り組まなければいけない。それらを克服していくのだという思いを〝創造〟という言葉に託した」という知事の話を紹介。そして、「人口減少社会からの脱却」に向けた未来を担う人材への投資、新産業の創出にもつながる脱炭素などDXへの予算措置も時代の要望に応える施策で意義深いとしています。一方で「清流の国ぎふ」文化祭の開催に約8億円、清流の国ぎふ総合文化祭に約5億円を充てていますが、政策効果は現時点で不透明と述べ、多くの県職員を投入して開催準備が進むが、機運醸成もいまひとつだと断じ、イベントはレガシー(遺産)が残せなければ無駄になる。開催で目指す狙いや効果について丁寧に県民に説明し、理解と賛同を得る姿勢が求められると批判しました。

(朝日新聞) 県は新年度予算において、能登半島地震などを受けた災害対応力の強化や子ども・若者らへの投資、物価高騰対策などの施策に重点配分したと説明。また、循環式シャワールームやトイレトレーラーなどを新たに整備するため8,784万円を計上したことや、「ヤングケアラー」の実態調査を県内で初めて実施し、支援計画を策定し相談窓口を開設するという施策を紹介しています。2024年度予算の財源不足を補うため、県は財政調整基金や県債管理基金などから計517億円を繰り入れるとし、県では、財政規模に対する借金返済額の割合を示す「実質公債費比率」が現時点で当初予算ベース9.5%となっており、2030年代までには13%程度にまで高まるという県の財政状況の見通しを説明しています。

(毎日新聞) 新年度予算案で県は、新型コロナウイルスの感染対策経費が大幅に減ったのを受け、健全財政を維持しながら少子化対策や震災対策といった課題へ積極的に取り組む姿勢を前面に打ち出したと捉えています。歳入については、県債発行を4.8%増の671億円に抑えたとしていますが、県債発行残高が1兆6,861億円で、県民一人当たりの借金が87万円になったと記しています。歳出については、人件費、扶助費、公債費の大半からなる義務的経費が、歳出全体の約4割を占めると述べています。また、能登半島地震の発生を受けた防災対策の強化などで普通建設事業費が12.5%増の1266億円に膨らんだと記述。そして、岐阜県では積極財政の影響もあり実質公債費率が上昇傾向にあるとし、その見通しについて古田知事の見解を紹介しています。

(読売新聞) 古田知事の「本格的なアフターコロナの時代に向き合い、優先度の高いものを盛り込んだ」という説明を紹介し、予算案は、県土の強靭化や人口減少対策などに力を入れたとしています。歳入では、県債残高の高止まりが続くとし、県債管理基金や財政調整基金からの取り崩しを説明。また、知事の記者会見での一問一答の中での知事の答え、「慎重に持続的な財政運営も考えてやっていく」「能登半島地震は優先順位をつけるうえで大きな切口だった」を紹介しています。

日本共産党・中川ゆう子県会議員が県民とともに取り組んで今回予算化されたもの

◎特別支援学校設置基準を踏まえた環境整備(2,322万7千円)

特別支援学校設置基準を満たしていない校舎について、面積等の拡充に向けた実施設計を行う。

・岐阜本巣特別支援学校(実施設計)

◎老朽校舎の改築(34億3,738万3千円)

昭和30年代に建築された老朽化した校舎について、教室・廊下面積等の拡充やユニバーサルデザインを導入した改築を行う。

・華陽フロンティア高校、岐山高校、加茂高校(改築工事)

・岐阜総合学園高校(解体工事)

◎発達障がい支援を担当する教員の養成(140万円)

発達障がいのある児童生徒の支援にあたる教員を養成するため、受講する教員の経験年数や学びのニーズに対応した各種研修を準備・開講し、専門性及び実践的な指導力の向上を図る。

◎医療的ケアを必要とする児童生徒への支援充実(202万9千円)

医療的ケアを必要とする児童生徒が在籍する県立特別支援学校15校において、校外学習・校外行事への看護師派遣を拡充する。

◎新規採用教員の奨学金返還を支援(561万円)

小中学校の新規採用教員のうち、県内高校等の卒業生であって、教員採用選考試験合格後7年間以上勤務を予定する者に対し、奨学金返還を支援する。

◎住宅・建築物耐震診断事業費補助金(3,056万4千円)

木造住宅の耐震診断を希望する者に対し、市町村が無料で木造住宅耐震相談士を派遣する事業を支援する。また、建築物の耐震診断を実施する者に対し、市町村が補助する事業を支援する。

◎住宅耐震改修工事費補助金(7,717万8千円)

木造住宅の耐震改修工事を実施する者に対し、市町村が補助する事業を支援する。

◎子育て世帯向け改修工事の実施(2,800万円)

県内大学の建築系学生から提案があった改修プランを基に、子育て世帯に配慮した改修を実施する。

・対象住宅:加野住宅(岐阜市)、尾崎住宅(各務原市)

・改修戸数:各住宅2戸(合計4戸)

◎空家対策支援補助金(1億2,000万円)

市町村が行う空き家の利活用や除却等の補助事業に対し支援する。

◎市町村バス交通総合化対策費補助金(4億7,402万2千円)
市町村が運行するコミュニティバス等の運行経費に対し支援する。

◎長引く生産資材等の価格高騰に対する支援(1億2,999万6千円)

畜産農家や養殖業者、土地改良区等に対し、飼料費や電気料金等の価格高騰分の一部を支援する。

◎技術確立や販売拠点づくりによる有機農業の拡大(1,880万円)

・有機農業の優れた技術と豊富な経験を有する有機農業アドバイザーの派遣制度を新設するほか、有機農業の拡大に意欲的な地域に対し、生産技術の確立や消費者との交流等の取組みを支援する。

・有機農産物の販売拠点づくりに向け、オーガニックマルシェを県内全域に拡大するとともに、量販店での販売フェアを開催する。

◎LPガス一般消費者等に対する支援(6億1,000万円)

LPガスを使用する一般消費者等に対し、LPガス販売事業者を通して料金の値引きによる支援を実施する。

◎正規雇用に向けた支援(240万5千円)

総合人材チャレンジセンターにおいて、小グループ制の就活塾(連続講座)を中心とした伴走型支援により、正規雇用化を促進する。

◎無業状態からの職業的自立支援(1,174万9千円)

若者サポートステーションにおいて、15から49歳の若年無業者を対象に、カウンセリングや各種プログラムにより、一人ひとりの状況に応じた支援を行う。

◎IT資格取得の支援(1,360万円)

就職氷河期世代の方の正社員就職促進のため、IT資格取得に向けたオンライン講座を開催する。

◎正社員への転換の促進に向けた支援(1,000万円)

就職氷河期世代の方を非正規社員から正社員に転換した中小企業事業主に対し、1人当たり10万円の奨励金を支給する。

◎第3子以降保育料等無償化事業補助金(4,745万1千円)

保育所や認可外保育施設等に通う児童のうち、国の無償化の対象とならない第3子以降の児童に係わる保育料及び副食費について市町村が無償化を実施する場合、その費用を補助する。

◎看護学生への修学資金の貸付(3,603万6千円)

地域医療を担う看護人材を確保するため、卒業後、県内医療機関に一定期間勤務する意思のある看護学生に修学資金の貸付を行う。(県内医療機関において勤務するなどの一定の条件を満たした場合、返還を免除)

◎看護補助者処遇改善への支援(7,610万円)

病院及び有床診療所に勤務する看護補助者を対象とした賃上げを実施するための経費を支援する。

◎孤独・孤立対策の推進(873万1千円)

・孤独・孤立対策官民プラットフォーム活動の推進―孤独・孤立対策に取り組む多様な支援団体間の連携強化や情報共有を図るため、連携会議やシンポジウムを開催する。

・孤独・孤立対策に取り組むNPO等への支援―複数の支援団体が連携・協働しながら、悩みを抱える方への支援として、新たな取組みを実施する場合の事業費を補助する。

◎高齢者福祉施設整備等への支援(9億7,190万4千円)<地域医療介護総合確保基金事業>

介護サービス提供体制の整備を計画的に進めるため、高齢者福祉施設の整備・開設準備等に係る費用に対して、補助を行う。

◎子ども食堂・子ども宅食運営支援事業費補助金(1,123万8千円)

子どもの居場所としての「子ども食堂」や訪問支援型の「子ども宅食」を実施又は支援する市町村に対して、新設や運営などにかかる経費の1/2を補助する。

◎ケアラー実態調査の実施・支援推進計画の策定(648万7千円)

身近な人に無償で介護等を行うケアラーの実態を調査し、ケアラー支援に関する推進計画を策定する。

◎ヤングケアラー支援体制の構築(1,871万7千円)

ヤングケアラーの気持ちに寄り添った相談支援を実施するため、本人や経験者等が悩みや経験を共有(ピアサポート)するオンラインサロンの運営やSNS相談窓口を開設する。

◎子宮頸がん検診の自己負担無料化(448万7千円)

子宮頸がん検診の受診者(25歳)の自己負担額を無料とした市町村に対し、自己負担相当額を補助する。

◎女性相談支援員の増員(2,246万3千円)

専用窓口対応や市町村等への助言を行うため、女性相談支援センターに女性相談支援員を3名増員し、困難な問題を抱える女性への相談、支援体制を強化する。

◎児童生徒の就学支援(52億6,255万8千円)

・私立高等学校等の授業料に対する定額補助の対象世帯を拡大する。

・私立専門学校の授業料等に対する補助の対象世帯を拡大する。

◎県出身大学生等のUターンの促進(2億5,560万2千円)

本県を離れて県外の大学等に在学する学生に対し、県内に戻って居住、就業することを条件に、「清流の国ぎふ大学生等奨学金」を月額6万円貸与し、条件を満たした場合には返還を全額免除する。

以上

 

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