中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

2021年度岐阜県一般会計予算の見方と問題点。経済支援について。

2021年4月30日 10:30 am
カテゴリ: 予算分析

「持続化給付金」、「家賃支援給付金」の再実施を求める声を県も支援すべき

コロナ禍での中小・小規模事業者やそこで働く人たちに与えている影響は甚大で、今後も一層深刻になると思われます。昨年の1~10月に休廃業,解散した企業は全国で4万3802件になり、解雇や雇止めは7.7万人に上ります(「しんぶん赤旗」2020.2.24)。

地場産業を中心に中小,小規模事業者の多い岐阜県でも深刻な状況と思われます。休廃業・解散は飲食業、宿泊業、建設業などに多いといわれますが、それに関連した業種でも大きな影響を受けています。事業の存続に貢献した「持続化給付金」、「家賃支援給付金」の再給付を求める声が全国知事会・地方議会・事業者から挙がっています。

県も再給付のため積極的に政府に働きかけてほしいものです。「アフターコロナ社会」を展望する場合、こうした中小・小規模事業者の実態を把握し、コロナ後の新しい社会で活躍できるような幅広い支援策をとるよう県は求められています。

生活困覇者への支援推進を~生活保護の 「扶養照会」は中止に~

国の予算の中に生活困窮者支援の対策が見られます。しかし、例えば、生活保護費では今回も、食費や光熱費などにあてる生活扶助費が減額されました。中学生と小学生のいる4人家族の40代夫婦の場合、月約20万5,000円の支給が約19万円となります。

その上、福祉事務所が生活保護申請者の親族に行う「扶養照会」が主なネックとなって生活保護受給者は増えていません。日本共産党の小池見参院議員がこの 「扶養照会」を止めるよう質問したところ、田村厚労相は 「義務ではない」と答弁しました。地方議会でこの成果を取り上げ、「扶養照会」を中止させましょう。

また、一時的な生計維持のため最大20万円を一括で貸す 「緊急小口貸金」や、失業などで生活の立て直しが必要な場合に最大月20万円(単身15万円)を支給する「総合支援資金(生浩支援費)」の政府資金の活用を行いましょう。

県予算の中には、「生活困覇者、離職者、中小・小規模業者などコロナの影響を大きく受けた」人々への支援を推進するとの項旧があり、相談体制や自殺予防対策の充実・強化として2536万円の予算が組まれています。他に、融資制度、離職者への再就職の促進や雇用維持に向けた人材マッチング支援などを推進するとしています。

コロナ後の 「新たな日常」に向けた施策の中に見る便乗予算= 「デジタル化」

政府は、コロナ対策の特別定額給付金(1人10万円の給付金)の実施に時間がかかったことなどを口実にして、「デジタル化」を推進しようと予算を組んできました。しかし、政府が狙っているのはマイナンバーカードの普及促進です。国の方針を受け県予算でも主に次のように予算化がされています。

・行政のデジタルトランスフオーメーションの推進                                1億9415万円。

・学校教育のデジタル化推進 18億9599万円。

・中小企業や商店街等のデジタルトランスフオーメーションの支援  6億2180万円。

・文化芸術活動のデジタル配信等の支援                                                          7020万円。

・中山間地域等におけるスマート農業機械等整備への支援                         5450万円。

県のコロナ対策の財源捻出には問題があります。県は、財政調整基金から多額を県庁建設のための県有施設整備基金に繰り入れていたのですが、慌ててコロナ対策費に充てています。そのため財政調整基金は2019年度には201億6700万円あったのですが;現実には本来の使命が果たせない状況にまで減額されています。

県は、2021年度末には財政調整基金を102億6700万円まで戻すとしていますが、災害など不測の事態に備えておく財政調整基金の誤った使い方は厳しく問われるべきです。

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