中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

6月議会(4)関ケ原ビジターセンターの建設について

2017年7月12日 1:13 pm
カテゴリ: 活動報告

討論6月議会_4

今議会には敷地拡大と期間延長のため設計費の増額が提案されていますが、一昨日の県政自民クラブの代表質問に対し、これによる建設費はおおむね50億円前後、年間の管理運営費は、おおむね2億円前後を見込んでいるとの答弁が知事からありました。当初計画では建設費約20億円、管理運営費は約7200万円が見込まれていたということですので、敷地、建設費、管理運営費とも2倍以上と、どんどん膨らんでいます。
さらに、オープンはオリンピックイヤーに合わせるという答弁でしたので、建設時期はちょうどオリンピック関連の工事時期になります。資材や人件費の高騰により、さらに費用がかさむ恐れがあります。

(1)規模縮小に向け、目的や役割を整理したうえでの建設判断について

観光国際局長へ質問

この関ケ原古戦場の整備と活用は、指針となる関ケ原古戦場グランドデザインにもとづいておこなわれてきました。
可能なかぎり合戦当時の眺望(ちょうぼう)に近付けるため景観の復元をめざした史跡の再整備と、分かりやすい案内表示、などが書かれています。古戦場は、「歴史的建造物のように目に見える資産ではないが、全体として住民の誇りや観光価値を生み出すような保存と整備が求められている」という趣旨も述べられております。

ビジターセンターの必要性は否定しないが、大切にすべきは、歴史的価値の高い古戦場の景観です。どんどん大規模化していくビジターセンターの構想に、非常に不安を感じるところです。
今後の財政負担を少なくするため、ビジターセンターの目的や役割をもう一度整理し、施設の規模縮小にむけて取り組む必要があるのではないでしょうか。お考えをお聞きします。

観光国際局長の答弁

関ヶ原古戦場ビジターセンターの建設につきまして、2点ご質問いただきました。まず、規模縮小に向け目標や役割を整理した上での建設判断についてお答えします。

関ヶ原古戦場ビジターセンターにつきましては、有識者による関ケ原古戦場グランドデザイン・フォローアップ懇談会、地元の各種団体、住民等による関ケ原古戦場魅力向上連絡会議、さらには、県議会においても、この3か月間精力的に意見交換を重ねてまいりました。

頂いた意見の多くは、「関ヶ原の戦い」の再現は感動を与えるようなものにすべきではないか、「壬申の乱」や「不破積」といった地域の歴史や東西文化の結節点としての生活文化を展示してほしい、世界三大古戦場として、ゲティスバーグやワーテルローの古戦場の展示をしてはどうかなど、展示の充実を求める意見でございました。また、岐阜・西濃地区の広域観光の拠点、あるいは「ふるさと・ぎふ」の歴史文化の学習拠点、地元の地域振興の拠点、関ケ原に関心のある国内外の方々の交流拠点としての整備を求める声も聞かれました。

こうしたご要望、意見にすべてお答えすることは到底不可能ですので、どのような機能を優先して整備するかを検討した結果、現在の「検討案」のような機能、規模になったものでございます。したがいまして、現在の機能、規模を前提として、基本設計を行ってまいりたいと考えております。

中川ゆう子の再質問

意見を聞くと欲しい機能がどんどん出てきて、それを詰め込んでいけば大きくなるのは当然です。建設費50億円、毎年維持するだけで2億円というのはあまりに大きい。本当に大事になるのは、人にどれだけ史跡を歩いて楽しんでもらうか、主役をビジターセンターにするのではなく、史跡にどうやって持っていくか。

何もかもここに詰め込むのではなく、必要な機能を街道沿いや街並みに埋め込んでいくこともできるのではないでしょうか。設計期間を長くとることが本議会で提案されている中、規模縮小のため、こういった観点での検討が必要と考えます。

観光副局長の再答弁

規模縮小に向けた建設判断について再度ご質問をいただきました。現在の検討案につきましては、様々な方々との意見交換を行い、機能の絞り込みなどの検討を重ねてきた結果でありますので、これ以上の規模の拡大は考えておりません。

中川ゆう子の再々質問

本来は、建設費50億円、毎年管理するだけで2億円という金額と、やっていくことの必要性とを両方あわせて検討すべき。これ以上の拡大はないとの答弁ですが、規模縮小について、もう一度考えお聞かせ下さい。

観光国際局長の再々答弁

規模縮小に向けての建設判断について再度ご質問いただきました。
先程ご答弁申し上げたとおり、意見交換の中で、関ケ原古戦場ビジターセンターに対する様々な期待や意見をいただいているところでございます。これらをすべて実現するためには、非常に大きな規模となりますので、財政負担に鑑み、展示エリアを可能な限り確保した、現在の検討案の規模としているものでございます。

(2)財政負担や施設運営に関する関ケ原町との協定締結について

観光国際局長へ質問

ビジターセンター完成後の管理運営費に関しては、「原則として県が全額負担し、関ケ原町には負担を求めない」と知事から答弁がありました。総事業費は、関ケ原町の年間予算を超えるものであり、この対応には私も賛成です。

また、ビジターセンターの建設場所は、町役場の隣であり、関ケ原町の中心地でもあります。関ケ原町のまちづくりに大きく関わる重要な町所有の土地でセンターを運営するということになります。
答弁にあった費用負担はもちろんのこと、今後の施設運営にあたっては、県と町が、関ケ原町の街づくりにも配慮する必要があると思いますが、町との協定締結についてご見解をお聞きして、私の質問とします。

観光国際局長の答弁

県と関ケ原町では、関ケ原古戦場ビジターセンターの整備や関ケ原町歴史民俗資料館のリニューアルの検討にあたりまして、当初から一体となって進めてきております。
検討を進める中で、センターの整備、管理運営にあたりましては、一昨日の野島県議への知事の答弁のとおり、県が原則として負担していくことを考えているところでございます。今後とも、県と町との信頼関係のもと、役割分担等について十分協議を行い、事業を実施してまいります。

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