中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

3月議会(4)「清流の国ぎふ」を支える人づくり

2017年3月17日 3:22 am
カテゴリ: 活動報告

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新年度予算の3本柱の最初に掲げられているのがこの「清流の国」ぎふを支える人づくりです。中小企業や観光、建設業など県内各産業での、人材育成・人材確保に取り組むとの説明がありました。これに関しては全く同感であり、その前提となる働きやすい雇用の場づくりこそ、県民の多くが望むことだと考えております。

まず介護職員の待遇改善について。総務省の労働力調査によると、H12年とH16年で比較した場合(7~9月期で比較)、建設、製造、小売りなどで軒並み正規従業員数が減る中、医療・福祉分野は雇用が増えており成長産業です。有効求人倍率を見ても、新規の求人数で最も増えているのはやはり医療・福祉分野です。離職率が高い産業分野であり、繰り返し求人が出されることで求人倍率を引き上げていると考えられます。

強い志を持ってやりがいをもって働いているという声の一方、離職率の高さは、低賃金で労働条件が悪いという問題があることも示唆しています。他の業種に比べ介護職は賃金水準が低く、同じ介護職の中でも岐阜県は周辺の県に比べ賃金水準が低くなっています。どの調査でもとなりの愛知県、滋賀、石川、長野などに比べ平均の収入は年間数十万円のひらきがあります。そのため、岐阜県内に住む介護職員の中には、「地元の岐阜で働きたいけど、少しでも給与の高い隣の県へかよっている」という声を耳にします。

県では「介護人材の育成・確保と定着の促進」のため、新年度約1億5300万円を計上して、さまざまな取り組みをされていますが、他県との格差解消や低賃金そのものにメスをいれる予算ではありません。

(1) 人材不足の根本的な解決に向けた介護職員の賃金引き上げ策について

中川ゆう子の質問

10年以内に、県内で約7000人の介護人材が不足すると見込まれています。地元での雇用が生まれ、今後も求人が伸びる分野です。介護職員の待遇改善や離職防止に幾つかの新規事業が提案されていますが、人材不足の根本的な原因は低い賃金であり、賃金を引き上げる施策が必要ではないでしょうか。

健康福祉部長の答弁

介護職員の賃金は、介護報酬の中で算定されており、その引き上げは、介護保険料や介護保険サービスの利用者負担、国や地方自治体の負担などにも影響を及ぼすことから、賃金の引き上げについては、介護保険制度全体の中で検討すべきものであると考えております。

このため、去年8月に全国知事会として、介護従事者全体の賃金の底上げを図るように、国に対し要請したところです。このような要請なども踏まえ、国においては、来年度から一定の要件を満たす事業所について、月額1万円相当の処遇改善を行うことを内容とした介護報酬の改定が予定されています。

県としましては、今回の介護報酬改定を受けて、各事業所に必要な対応を促すことを含め、介護職員の処遇改善に向けて取り組んでまいります。

(2) 岐阜県中小企業総合人材確保センターと岐阜県総合人材チャレンジセンターの職員の雇用の安定化について

先ほどの労働力調査によると、2016年平均の非正規雇用の割合は調査以来最も高い37.5%。この10年で、正規雇用が85万人減少する一方で、非正規雇用は281万人も増加しました。非正規雇用は、不安定な雇用形態であると同時に、正規雇用との生涯賃金格差は1億円とも言われており、本人の人生設計や社会全体に及ぼす影響は大きいものがあります。新年度の国の予算でも、同一労働同一賃金に関する相談に応じる「非正規雇用労働者待遇改善センター」を各都道府県に設置する予算や非正規雇用労働者の待遇改善の予算が計上されています。

ジンチャレはこうした非正規雇用が大半を占める中、求職者の生活の安定確保および就職の促進を図るために、平成16年度に国事業としてスタートしました。非常に大切な事業だと思いますが、問題は、その相談にあたる職員が正規雇用でなく、1年間の契約ということです。この事業は国事業として立ち上げられたのち、平成19年度に県事業になり、委託事業者として毎年事業者はプロポーザルにて選定されています。お聞きをしたところ、19年度から今年度まで人材派遣会社が業務を担っているそうです。

1年間の委託事業のため、働く職員も不安定雇用となります。実際に何年同じ業務についても、給与アップや正社員化は難しいと思われます。このように、求職者の生活の安定確保のために就職支援を行う事業でありながら矛盾した実態があります。新年度、人材不足に悩む中小企業の支援として、中小企業総合人材確保センターが創設され、ジンチャレと一体に業務を委託することが明らかになりました。

業務の幅は広がりますが、委託内容をみると必要人員が16名から14名に減ります。2名は別事業として別途委託されますので、同じ会社に委託されなかった場合、新たな失業を生み出す可能性があります。

中川ゆう子の質問

「人材を育てる」ことを積極的に進めると言いつつ、現場の最前線の職員が不安定雇用では、親身な相談はできません。新たな体制となるにあたって、現場職員の雇用の安定化にのように取り組まれるでしょうか。

商工労働部長の答弁

今回新設する当センターの運営にあたっては、企業や求職者の現場ニースや人材市場の動向に精通した民間のノウハウと実践力を最大限活用すべく、公募型プロポーザル方式により委託することとしております。

これまでの人材チャレンジセンターにおいては、毎年、委託内容の見直しを加えつつ、単年度の契約として公募してまいりました。一方、現在公募中の当センターにつきましては、立ち上げ2年目から複数年契約としている「障害者雇用企業支援センター」の先行事例も参考に、今後事業が軌道に乗ると考えられる2年目以降につきましては、初年度の成果も見極めつつ、複数年契約とする事を検討してまいります。

また、スタッフの正規雇用などの労働状況につきましては、通常、受託企業の裁量に委ねられており、ジンチャレと類似の他県の機関においても公募要件として定めている例はないものと承知しておりますが、今後、複数年契約とした場合には、この点についても何らかの働きかけができないか、併せて検討してまいりたいと考えております。

中川ゆう子の再質問

委託業務の中で検討していきたいということであるが、そもそも、その委託というあり方自体を検討する時にきていると思いますが、考えをお聞かせください。

商工労働部長の再答弁

中小企業総合人材確保センターでございますが、このセンターにつきましては、これまでの総合人材チャレンジセンターで行ってきた就労支援のみならず、企業の人材確保支援や県内外の人材獲得の機能に加え、総合的に人材確保に取り組む拠点として整備をするものでございます。したがいましてこの新たなセンターにおきましては、まずは、民間のノウハウや実践力、これを最大限にまずは活用する事を考えてまいりたいというふうに考えております。また、ご指摘をいただきました点につきましては、複数年契約とする事の検討の中で、合わせて検討してまいりたいと考えております。

中川ゆう子の再々質問

委託を前提とした答弁であったが、就労支援や中小企業支援などを総合的に取り組むのであれば、その職員は、本来は県で育成すべきです。委託というあり方そのものを検討すべきと思いますが、再度考えをお聞かせください。

商工労働部長の再々答弁

この中小業総合人材確保センターの運営につきましては、先ほども申し上げましたが、まずは来年度新たに立ち上げる施設でございます。この1年間の成果・実績、そのあたりを十分検証した上で、先ほど申し上げた複数年契約、そういった契約のあり方も含めてご指摘の点につきましては、広く検討してまいりたいと考えております。

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