中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

9月議会討論

2016年10月14日 2:26 am
カテゴリ: 活動報告

議案2件、請願2本について討論

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議第91号 平成28年度岐阜県一般会計補正予算中、宇佐地区文化施設共同駐車場(仮称)整備事業費10億円

これは宇佐地区に整備する木育総合拠点(仮称)森の恵みのおもちゃ美術館の駐車場整備にかかる工事費ですが、3点申し上げます。

2点目は、費用の問題です。

当初の計画から大きく予算が膨らんだ背景には、この周辺には駐車場を整備する土地がなく地上と地下、立体駐車場など3か所に作らざるを得なかったことにあります。しかし、この地域にはすでに400台の駐車場があり、さらに今回駐車場を増設しても、根本的な駐車場不足は解消できません。おもちゃ美術館の場所がここで良いのか、再検討すべきです。

2点目は駐車場計画そのものについてです。

ご説明によると、多くの方が来館したり、大型バスは県庁の駐車場を利用して、シャトルバスを走らせるということでした。事業目的である「「森と木からの学び」を推進するのは、二酸化炭素の吸収源としての貴重な森林資源を、将来の世代まで確実に引き継いでいこうという、大変重要なものであると認識しています。

しかし、岐阜県の大半は森林であるにも関わらず、わざわざ都市部に向かって、大型バスや車で来館するという計画には違和感があります。全国唯一の木のおもちゃであそべる東京おもちゃ美術館が昔の小学校の校舎を再利用しているように、10億円という予算を投じるのであれば、県内複数の既存施設に、日常的に木にふれあい遊べるスペースを小規模でも作る、

近くにはJRの駅が2駅もありバスも通っており、車利用前提の計画ではなく、公共交通利用者を増やす取り組みを強力に進める、など、駐車場ありきではない計画も検討できるのではないでしょうか。

最後に、申し上げたいのは、議会への説明についてです。この議会の議案内容が書面で私たちに示されたのは9月14日の議会運営委員会でした。その後、おもちゃ美術館の駐車場に関する説明が訂正され、しっかりと説明がされたのは、9月30日のことだったと記憶しています。すでに議会は開会し審議の途中であり、翌週からは本会議が始まるタイミングです。様々な事情があったのかもと推察しますが、議会の審議は重要であり、開会時と説明が異なるようでは、しっかり審議を尽くせません。

比較的高価なものが多い木のおもちゃで気軽に遊べ、それをとおして森林や自然を守り育てる大切さを学ぶというコンセプトには大いに賛同します。よいものだからこそ、財政面でも、駐車場計画の面でも、多くの県民に理解が得られるよう、もう一度、時間をかけて再検討することを求めます。

議第107号 徳山ダム上流域の山林取得について

当初、徳山ダムの建設にあたり、その上流域の土地は山林に水資源公団によって林道をつくり、所有者が引き続き自身の山林に入ることを保証することになっていました。それを途中で、所有者から山林を取得し公有地化する計画に強引に変えられました。山林所有者からも強い反発が起こったこの計画変更は、私有権の侵害に値するやり方であり、賛成できません。

請願第24号 安全保障関連2法の廃止を求める意見書採択についての請願

本請願に書かれている南スーダンですが、現在は大統領派と副大統領派による衝突で、7月には首都ジュバで数百人の民間人が犠牲となった大規模な戦闘が発生し、自衛隊の宿営地でも数日にわたる銃撃戦がおこるなど、深刻な内戦状態であることは明確です。8日にも首都ジュバと南部都市を結ぶ幹線道路で民間人を乗せた車両が襲撃され、少なくとも21名がお亡くなりになったとのことです。

この夏、安保関連法で拡大された「かけつけ警護」などの新たな任務について、自衛隊で全面的に訓練が開始されました。この任務は、離れた場所で武力攻撃を受けた他国の軍を救出するもので、任務遂行(すいこう)のために武器使用も認められており、市街地での至近距離射撃訓練まで入っています。南スーダンPKOに派遣する自衛隊にこの任務を加えることを視野に入れたものです。

新任務についてその判断は来月以降に先送りになりましたが、停戦合意もされておらず、現実に数々の武力衝突が起こっており、自衛隊が駐留するジュバは落ち着いているとの政府の認識が成り立たなくなっている証拠です。

そもそも、この安全保障関連法は、日本の安全保障もためという説明でしたが、内戦状態が続く南スーダンで、攻撃を受けている他国の軍を武器を使って救出することが、日本の国民の安全保障とは言えません。現実として、この安保関連法の発動によって、南スーダンが「殺し殺される初めてのケースになる深刻な危険がでております。日本の本来の役割は、非軍事の人道的支援という日本の本来の役割へ抜本的転換を目指すべきです。

本請願の願意は妥当であり、採択を主張します。

請願第25号 子どもの医療費無料制度の拡充を求める請願

子どもの貧困が社会的に問題となっており、医療費負担によって収入の低い世帯の受診抑制を招いてはいけません。岐阜県では、市町村の努力もあり、中学校卒業までの医療費無料化制度が実施されています。しかし、市町村への財政負担が大きいのも事実です。

児童福祉法では、18歳未満を児童とし、続いて「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う」としていますので、国や自治体は本来18歳までの医療費を無料にするため努力すべきと考えますが、県内では10市町村での実施に留まっています。

この間、国は、2002年から3歳未満児、2008年に就学前の窓口負担を2割負担に軽減しました。すでに子どもの医療費助成制度を実施していた自治体は、これによって財政負担が軽減され、多くの自治体で制度の拡充が実現しております。厚労省の調査によると、医療費助成対象を就学前以上とする市区町村の割合は2001年と比較し、外来で約20.04%から99.43%へ、入院は、37.8%から2012年には100%の自治体で実施されるようになりました。毎年、県内市町村からも同様の要望や陳情が出されているように、市町村にとって財政負担の軽減が、制度拡充の大きな力になることは間違いなく、本請願の願意は非常に重要と考えます。よって、委員長報告では不採択でしたが、採択を主張します。

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