中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

【2022.6月議会】採決にあたり討論しました(討論全文)6月30日午前

2022年6月30日 4:00 pm
カテゴリ: その他

3つの請願の採択を求めて、閉会日に討論しました。6月30日、午前。


6月30日、午前。3つの請願の採択や徳山ダムの土地の取得に反対を求めて、閉会日に討論しました。

<議第86号 徳山ダム上流域の山林の取得について>

旧徳山村村民の個人の所有地に入る道路建設の約束を反故にして、この計画は進められてきました。こうした理由から反対をいたします。

<請願第34号 日本政府に核兵器禁止条約の署名と批准を求める意見書採択についての請願>

今月ウィーンで開かれた核兵器禁止条約第一回締約国会議では、核の傘、核抑止力論という核兵器に依存した安全保障を明確に批判する「ウィーン宣言」が採択されました。
この宣言では、「一部の非核兵器保有国が核抑止力を擁護し、核兵器の継続的な保有を奨励し続けている」と強く批判されており、日本はこの言葉を重く受け止めなくてはならないと思います。

核保有について、立場の違いを超えた各国の積極的対話の姿勢が見られたのも、この締約国会議の特徴です。
条例の締約国は65か国ですが、さらに会議にはアメリカの同盟国をふくめ34か国がオブザーバーとして出席しました。NATO加盟国からは「立場の違いはあるが、締約国と「建設的対話を続ける」と発言があり高い評価を受けています。これこそ、核保有国と非核保有国との「橋渡し役」だと思います。

橋渡しというのであれば、唯一の被爆国として真っ先に核兵器廃絶を主張すべき日本政府は、この場に参加すべきでした。この締約国会議に合わせオーストリア政府主催の国際会議で、岐阜市にお住まいの日本原水爆被害者団体協議会(被団協)事務局長、木戸季市(すえいち)さんが被爆体験のスピーチをされています。

『幸せな人生をありがとう』とか、別れを告げることができない。どんな人生を歩んだか残すことができない。このような死が人間の死として認められるでしょうか」。私は、核兵器廃絶の意味はこの言葉に尽きると思います。核兵器に依存した安全保障は成り立ちません。

核兵器が脅迫や緊張激化の道具として使われた今、核抑止論がもはや成り立っておらず、核兵器の脅威を根絶するためには核廃絶しかありません。

本請願は、条約への署名と批准を日本政府に求めるもので、全国で637自治体議会が意見書決議しています。県議会では、第一回定例会で採択した「ロシアによるウクライナ侵略を非難する決議」は、ロシアによる核兵器の使用を示唆する発言をも強く非難した、非常に進んだ決議でした。この威嚇を禁じるのが核兵器禁止条約であり、さらに進めるためにも請願を採択すべきと考えます。

<請願第36号 消費税のインボイス制度実施延期を求める請願>

来年10月から実施される消費税のインボイス(適格請求書等保存方式)制度とは、これまで帳簿で行ってきた計算を、インボイスを使って納税することが義務付けられるものです。

経過措置があったとして導入には変わりありません。昨年、日本商工会議所が行った調査では、「そもそも制度が複雑でよく分らない」42.4%、「複雑で事務負担に対応できない」49.2%と、制度と事務量の煩雑さに現場が困惑している状況が明らかになりました。

日本で長く成り立ってきた帳簿方式を覆すものであり、行政手続きコスト削減に逆行しているばかりか、企業の生産性向上の観点からも矛盾が生じるものです。

さらに、インボイスは消費税課税業者しか発行できないため、免税事業者は取引から排除、または値下げを迫られる恐れがあり、それを避けるためには課税業者になることを選択せざるをえません。

価格交渉や価格決定権がない下請けや小規模事業者は、価格転嫁できない可能性が高く、廃業を余儀なくされる事業者が増える可能性を日本税理士会連合会も指摘しています。

現在、事業者の6割が消費税免税事業者と言われており、中小、小規模事業者が事業者のほとんどを占める本県においても、その影響は相当深刻なものになると考えられます。

インボイスの影響を受けるのはこうした事業者だけでなく、出版に関わる著者やライター、デザイナー、カメラマンなど多数のフリーランス、個人タクシー、シルバー人材センター、ウーバーイーツなどの宅配パートナー、電気・ガスの検針員など多岐に上り、その数は1000万人前後とも言われていますが、ほとんど知られておらず混乱は必至です。

そのため、日本税理士会連合会、日本商工会議所、日本出版者協議会なども、見直し、延期、凍結、中止を主張されており、本請願も共通する主旨です。

長引くコロナ禍と物価高で、すでに経営状態が苦しい事業者の倒産や廃業が相次ぐことが強く懸念されており、請願の採択を主張します。

<請願第37号 消費税率を当面5%に引き下げることを求める請願>

総務省の家計調査をもとに物価高騰の影響をみると、所得が低い層ほど大きな打撃を受けています。立憲民主党、日本共産党など野党4党は、消費税5%への引き下げ法案を提出しました。

物価高騰対策は待ったなしであり、最も効率的で効果的なのが消費税の一律引き下げだと考えます。世界では韓国、中国、イギリス、イタリア、ドイツ、など現時点で91の国と地域がなんらかの消費税(付加価値税)の減税に踏み切っています。日本にできない理由はありません。

「消費税は幼児教育など社会保障の安定財源」として消費税減税に否定的なご意見もあるようですが、すでに現時点でも、年金引き下げ、高齢者の医療費2割負担化など社会保障は充実とはかけ離れているのが現実です。

消費税が作られてから34年間で、消費税総額は476兆円にのぼりますが、ほぼ同期間の法人税と所得税・住民税は合わせて613兆円減っています。実際に、最近では、消費税が8%に引き上げられた2014年に復興特別法人税が廃止、国税の法人税率は28%から段階的に引き下げられ、現在は23・2%まで下がっています。
消費税がこうした減税の穴埋めになっているのが実際の姿ではないでしょうか。

消費税5%への減税には、12.5兆円が必要ですが、現在まで行ってきた大企業富裕層を優遇する減税を改め、累進課税を強化すれば大きく超える19兆円の財源確保が可能です。

消費税は収入の少ない世帯ほど負担が重くなります。弱者ほど手厚くしなければならない社会保障の財源にこの消費税を充てることはふさわしくありません。今は物価高騰と冷え込んだ個人消費の回復のために税のあり方を根本的に見直しすべきだと申し上げ、本請願の採択を主張します。

<県民の皆さんのくらしの声や様子をを聞きながら、討論を行いました。全国の自治体議会で取りあげられていることも紹介しながらさらに取り組みをすすめていきます。>

Pocket

↑ページトップへ行く