中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

12月議会質問(4)障がい者雇用について

2019年12月18日 5:50 am
カテゴリ: 活動報告

障がい者雇用について

昨年、障がい者雇用率水増しが中央省庁、全国の自治体で発覚し、岐阜県教育委においても残念なことに水増しが明らかになりました。

その後、国では障がい者の採用計画を立て約2500人が採用されましたが、日本国家公務員労働組合連合会が行った霞が関(かすみがせき)相談ダイヤルへは、何も体制を整えず単なる数合わせによる採用により、障がい者枠で採用された方からはパワハラを訴える声が相次いだようです。たとえば、知力を使わない肉体作業ばかりさせられる、職場で無視される、大声で叱責(しっせき)される、といった相談が国会で取り上げられております。同様の声は、県内事業所で働く方々から私たちのもとにも届いております。

昨年の9月議会で、障がい者雇用率の水増しと今後の取り組みについて質問いたしました。その中で、「単に障がい者雇用率をクリアさせるということに留まらず、障がい者が働きやすい職場となるよう、環境づくりや教職員数まで広く検討を」と申し上げました。

問題の本質は、単なる数合わせやちょっとした手伝いではなく、職場の中で組織の一員としてその方の尊厳が守られているのか、ということです。非常にむつかしい問題だと思いますが、重要だと思います。ぜひ、岐阜県としても、現場の状況や当事者がどのような状況にあるのかを把握し、課題にしっかりと対応していただきたいと要望します。

今回は、事業者として総務部長と教育長。また、県内の障害者雇用を推し進める立場である商工労働部長にそれぞれお伺いします。

岐阜県庁では専属の支援員の方がはいって支援にあたる「かがやきオフィス」という独自の取り組みがあるとのことです。このように、専門性の高い支援員がいらっしゃれば良いですが、個々の所属に配属された障がい者については各所属ごとの対応となるようです。そもそも職員の過重労働が課題になっており、きめ細かく対応できる配慮がされているのか、懸念されます。

知事部局、教育委員会における取組とサポートについて

中川ゆう子の質問

各所属における障がい者の特性に合わせた仕事の切り出しや上司ではなく気軽に相談できる相談体制や窓口の構築が必要と考えますが、知事部局、教育委員会それぞれ今後どのように対応されるでしょうか。

さらに総務部長には、障がい者の声を反映した休憩スペースなどの合理的な配慮の必要性についても併せておこたえください。

総務部長の答弁

障がいのある方が働きやすく、継続して勤務できる職場環境づくりに向けては、これまでも、関係職員を対象にした研修会の開催、障がいのある職員の得意分野を考慮した業務の切り出しや、業務手順書による作業の見える化等を行ってまいりました。

また、先月には、人事課の「かがやきオフィスぎふ」の担当職員1名を「障がい者職業生活相談員」として選任し、障がいのある職員本人や各所属の担当者から、直接、気軽に相談ができる体制を整えたところです。来年度からは、相談員を2名に増員し、新たに各総合庁舎などへの定期的な巡回相談を行うなど、さらにサポート体制の充実を図ってまいります。

また、設備面に関しましては、障がいの種別や特性に応じた職場環境を整備することが重要と考えており、これまでも多目的トイレの整備や障がい者用駐車場の確保など、必要な対応を進めてきあところですが、今後も、関係職員の意見も聞きながら、障がいのある職員にとって働きやすい職は環境の整備に努めてまいります。

教育長の答弁

教育委員会における取組とサポートについてお答えします。

県教育委員会で共に働く障がいのある職員が活躍できる職場環境づくりを進めることは、重要なことと認識しております。

このため、これまでも、障がいの特性に合わせて業務の内容を切り出し、きめ細かく業務の進め方をサポートしてきました。あわせて、今年度から、県教育委員会の担当職員が、県立学校など、障がいのある職員が働く現場を訪問し、直接、本人や所属の職員から相談を受け、職場環境の改善につなげる取り組みも始めたところです。

また、先月には、県総合教育センター内に設置する「就労オフィス」の担当職員1名を、「障がい者職業生活相談員」として選任し、オフィスのスタッフからの相談にあたっております。さらに来年度から、相談員を2名に増員し、各所属の担当職員からの相談への対応や、障がいのある職員が働く職場への定期的な巡回相談を新たに行うなど、サポート体制の充実を図ってまいります。

今後も、こうした取り組みを通じて、障がいのある職員とともに働きやすい職場環境の整備に努めてまいります。

 企業における障がい者雇用の課題と今後の取り組みについて

中川ゆう子の質問

民間企業では法定の障がい者雇用率を達成するために努力をしているが、単なる雇用率という数字の改善だけではなく、個々の障がいにあわせた職場環境の充実が重要である。

障がい者を職場に迎えることにより、職場全体の雰囲気が変わるなど先進事例がある一方で、職場環境が原因により短期で退職してしまい定着につながらないといった課題があると聞く。ハローワークへ寄せられた相談は平成29年181件、平成30年248件と一気に増えている。

民間企業における障がい者雇用の課題をどのように認識し、そうした課題に対して、今後どのように取り組んでいくのか伺う。

商工労働部長の答弁

企業において、障がいのある方に長く安定的に働いていただくためには、その能力が十分に発揮できる業務の切り出しと配置、人間関係の悩みや業務みな阻止を気軽に相談できる体制整備、そして何よりも働きやすい職場の雰囲気作りが課題と認識しております。

このため、現在、障がい者雇用企業支援センターにおいて、経営者や従業員向けの意識啓発セミナーや出前講座、企業訪問や専門家派遣による障害のある方の特性に合わせた仕事や体制整備へのアドバイス、職場内での相談窓口となり障がいのある方と企業との調整を行うジョブコーチの育成などに取り組んでいます。

今後は、新たに開設する障がい者総合就労支援センターにおいて、障がいのある方と企業の双方を一体的に支援する体制を整え、障がいのある方への職場適応対応のフォローアップを充実させるとともに、企業に対しては、職場での状況に合わせた仕事や体制の見直しなど、よりきめ細やかに働きかけを行ってまいります。

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