中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

9月議会質問(2)災害時の停電対策について

2019年10月17日 4:15 am
カテゴリ: 活動報告

災害時の停電対策について

首都圏を直撃した台風15号では、お亡くなりになられた方、重軽傷を負われた方、被災された多くの方に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
この台風15号では、千葉県で大規模停電となり、多くの方が電気のない不自由な生活を長期間にわたり強いられました。
このような長期にわたる大規模停電が相次いでおります。
中電管内では、昨年9月に岐阜県をはじめとする東海地方をおそった台風21号は、最大約69万戸以上が停電し復旧までに最長6日半、その月末から10月1日に本州を横断した台風24号では愛知・静岡を中心に最大102万戸が最長6日間停電しました。昨年は台風だけでなく、その直後をおそった北海道胆振東部地震では、ほぼ全域にわたる295万戸で停電するブラックアウトが起きています。
住民生活においては、停電により情報が遮断され行政からの災害や避難情報が入らないという問題に加え、自宅や施設で機械による吸痰や呼吸器使用している方、冷暖房が使えないため障害や高齢により体温調節ができない方などにとっては、長期にわたる停電自体が命に関わる災害にあたります。
中部電力では、昨年の台風による大規模停電を受け、非常災害対応検証委員会を立ち上げ、復旧体制や情報発信についての検証とアクションプランを作られておられます。また自治体との連携強化もあげておられました。もちろん電力事業者をはじめ早期復旧に全力を尽くしていただきたいのですが、今回の千葉県の停電でも明らかになったように、規模が大きければ大きいほど、早期復旧には限界があり、自治体による停電対策も同時に重要です。

昨年の停電を踏まえた対応策について

昨年の9月議会で、この長時間停電時の対応について質問した際、危機管理部長からは、「電気事業者との間での、役割分担や連携方策についての協議を開始した。さらに市町村との協議を行い、避難所での資機材の整備や公共施設での対応など、指摘の点を含め検討を進めて、停電時の対応策として取りまとめていきたい。」との旨の答弁がありました。
そこでまず危機管理部長に、昨年の停電を踏まえた対応策について、昨年9月議会で取りまとめると答弁した停電時の対応策はどのようなものになったのか、お聞きします。

危機管理部長の答弁

昨年ご答弁しました停電時の対応策については、関係する電力会社と8回にわたり協議を行い、事前対策、停電発生後の早期復旧対策、県民への情報発信対策について整理をしたところです。
まず、事前対策として、今年度から、電力会社及び市町村と連携し、倒木の恐れのある電線沿いの立木を事前に伐採する事業を開始するとともに、携帯電話への急速充電が可能な機材を購入する市町村への助成事業を設けたところです。
次に、停電発生後の早期復旧対策では、ドローンを活用した被災状況の迅速な把握に加え、医療・福祉施設など復旧を優先すべき施設をリスト化し、電力会社と共有するなど、県・市町村と電力会社との連携を強化しております。
さらに、県民への情報発信対策として、電力会社ではきめ細やかな情報を提供するためのホームページの改修のほか、プッシュ通知機能を有する専用アプリによる対応も行っていただいているところです。

昨年の台風21号と今回の千葉県の事例をうけて

先日、千葉県が災害用に備蓄する非常用発電機の半数以上が活用されていないことが明らかになったと報道されました。報道によると千葉県が保有する発電機は468台とのことです。
岐阜県でも、各務原市川島にある岐阜県広域防災センターに25機、飛騨県事務所に3機の合計28機が備蓄されているとのことです。また、県内市町村では合計1769台が備蓄されている。再び長期停電になるような事態を想定した際に、備蓄している発電機が避難所など必要なところに行き届くのか心配です。
また、福祉避難所についても申し上げます。災害時に在宅介護の患者や障害者を受け入れるのが福祉避難所であり、停電は命に直結するため電源の確保は重要な問題です。しかし、昨年の台風21号の際、停電した福祉施設では、電源確保ができないという理由で避難所開設を見送ったそうです。また、入所施設では吸痰ができなくなったことで次々と様態が悪化し救急搬送されたという事例も出されています。
県にお聞きすると、県は平成27年に、関係10団体と「岐阜県災害派遣福祉チームの派遣等に関する協定」を結んでおり、その中で、発電機や資器材や備蓄品の融通が受けられる仕組みになっているとの事でしたが、あまり知られていないようで、福祉避難所において活用された話は聞いておりません。
さらに、協定先がどれほどの発電機を保有されているかは把握していないとのことでした。こうした仕組みの運用についても改善が必要だと思います。
そこで、 2点危機管理部長と健康福祉部長にお聞きします。

「正確な情報と発電機が行き届く仕組みづくりについて

今回の千葉県の停電では、停電により防災無線が使えなくなるなど生活に直結するライフライン情報が住民へ行き届かない、また、備蓄されていた発電機が使われなかったことも問題となっています。停電時でもライフラインなどの正確な情報や発電機が地域住民に確実に届くような仕組みづくりが必要と考えるがいかがお考えでしょうか。

危機管理部長の答弁

防災行政無線は、停電時には一定期間、非常用発電機やバッテリーにより稼働しますが、長期化した場合は燃料などを補給する必要があります。このため、補給ルートとなる道路の早期啓開に加え、広報車による巡回広報などの機動的な対策が必要になると考えます。
また、発電機については、緊急性の高い医療・福祉施設、避難所あるいは在宅療養患者宅などの状況を把握した上で必要数量を確保するとともに、確実に届ける方策についても検討する必要があります。
これらの必要な仕組みづくりにつきましては、現在、本県としても台風15号での対応状況について検証作業を進めているところであり、その結果を踏まえて検討してまいりたいと考えております。

福祉避難所における電源確保に向けた取組みについて

協定を締結する団体が保有する発電機の数の把握、さらには、福祉避難所へ発電機が行き届く仕組みの周知、訓練を今後どのように行っていくのかお聞きします。

健康福祉部長の答弁

福祉避難所に必要な電源や資機材は、国作成ガイドラインにて、市町村が、施設管理者と連携し確保することとされております。
県では、こうした市町村の取り組みを支援するため、平成27年に社会福祉施設など関係10団体と協定を締結し、被災市町村から県への依頼に基づき、非常用発電機を含めた不足する資機材を、団体の加盟施設から融通いただく制度を設けております。本年10月1日現在の融通可能な非常用発電機数は、117台となっております。
この資機材の融通制度については、市町村に対し、福祉避難所に係る研修や調査の際に周知するとともに、団体や加盟施設とは、災害時を想定した融通の依頼や回答を行う、情報伝達訓練を実施してまいりました。
今後、市町村や団体、加盟施設に対し、引き続き研修などにより制度を周知してまいります。また、融通可能な非常用発電機などの資機材の数を定期的に確認するとともに、情報伝達訓練を市町村も参加したものとするなど、制度の実効性向上に向け取り組んでまいります。

県地域防災計画への反映について

地域防災計画は、一般対策計画や地震対策計画、原子力災害対策計画の3つに区分けし作られております。その中のライフライン施設対策、応急対策などの中の一つに電気が記されておりますが、長期停電が即、命に直結する問題であることも分かってきました。
そこで、危機管理部長に、県地域防災計画への反映について質問します。
昨年の本県での停電、そして、今回の千葉県の長期停電を踏まえると、長期停電を災害のひとつとして捉え取り組むべきと考えます。県の地域防災計画にも、しっかりと位置付けるべきと考えるが、その必要性をどのようにお考えでしょうか。

危機管理部長の答弁

今回の台風15号に伴う大規模かつ長期にわたる停電は、電化製品全般の機能停止にとどまらず、水道ポンプ停止による断水、各種通信基地局の通信途絶など広範にわたる二次的被害をもたらし、市民生活に多大な影響を及ぼしました。改めて電力がライフライン中のライフラインであることを痛感させられた次第です。
先ほど申し上げました通り、現在検証作業を進めておりますが、その中では、現地での復旧支援活動に参加した電力会社からは、被害状況の聞き取りを行うとともに、早期復旧に向けた課題などについて意見交換を開始しております。
そのうえで、総合的な停電対策を策定するためには、議員ご指摘のように電力会社のみならず県や市町村など行政をはじめ多様な主体が参画して協議・調整していくことが必要となるものと考えております。
そのため、検証結果を踏まえて、これら多様な主体により構成される県防災会議の場において停電対策の大枠をお示しし、県地域防災計画への反映についてもお諮りしてまいりたいと考えております。

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