中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

9月議会(2)国民健康保険料の引き下げに向けた取り組みについて

2017年10月12日 12:16 pm
カテゴリ: 活動報告

9月議会代表質問_12

国民健康保険料の引き下げに向けた取り組みについて

3点、健康福祉部長にお聞きします。
国保加入世帯の平均所得は平成27年度には139万円と年々下がり続けています。一方、一人当たり保険料は上がりつづけ その所得の1割を超える額が国保料となり、「加入者は低所得世帯が多く、一方で保険料は高い」という国保の構造的矛盾は、国保事業の広域化の議論でも指摘され続けています。
保険料を払う気持ちはあっても払えずやむをえず滞納してしまう、保険料は払っているけど医療費が払えないので、毎日服用する薬を1日おきにしている、などの声をお聞きするたびに、多くの矛盾を感じずにはいられません。
構造的矛盾の抜本的解決には、公費負担を増やし収入に見合った保険料に引き下げるしかないというのが、私の思いです。
どのくらい保険料が重いのが、という話になりますが、たとえば現役世代が加入しもっとも加入者が多い協会けんぽと、次に加入者が多い国保で比較してみました。
たとえば、岐阜市に住む年収400万円30代夫婦と子ども2人の4人家族の場合で試算すると、協会けんぽ加入の正規雇用者の保険料は本人負担で約20万3000円、非正規雇用の国保加入の場合は約32万円です。
同じく岐阜市に住む年収180万円の20歳代単身者の場合で試算しますと、協会けんぽ加入の正規雇用者の保険料(本人負担分)は約8万9000円ですが、非正規労働者の場合、国保料15万5000円にも上ります。
以前は自営業者が多い国保でしたが、今では、国民健康保険の世帯主で最も多いのは年金生活者などの無職で約45%ですが、続いて多いのがこうした非正規雇用など被用者で35%を占めています。
収納率を高めるため市町村では滞納者に対し差し押さえを行っていますが、原因は悪質な滞納というより収入に見合っていない高い保険料ですので、それを引き下げないことには、抜本的な改善は不可能です。

協会けんぽと比べて重い保険料負担に対する県の見解について

中川ゆう子の質問

国保加入者の大部分が低所得世帯なのにも関わらず、保険料は高く、高すぎて払いたくても払えない実態があります。加えて高い保険料が県民生活を圧迫しつつあるという実態をどう考えておられるか、県の見解を伺います。

健康福祉部長の答弁

加入者1人当たり平均保険料を加入者1人当たり平均所得で除した割合をみると、協会けんぽと比較し、国保の方が高い水準にあります。
今般の制度改正においては、国保の保険料水準を抑制するため、公費による財政支援が行われることとされています。
具体的には、これまでに、全国で1700億円規模の公費拡充により、低所得者への保険料制限制度の対象者拡大などが行われたほか、平成30年度からは、国保保険者間の財政調整機能の強化や、保険事業の充実のため、さらに1700億円規模の公費が配分されることとなっております。
これらにより、保険料水準は一定程度抑制されるものと考えております。

中川ゆう子の再質問

公費の拡充額より高い、市町村の法定外一般会計繰入れがなくなった場合、保険料水準が一定程度抑制されるとの認識は違うのではないでしょうか

健康福祉部長の再答弁

県におきましての試算ではございますが、平成30年度の新制度開始に合わせ、毎年実施される、全国で1700億円規模の追加公費のうち、配分方法が示された1200億円について試算しました結果、本県におきましては、被保険者1人当たり、およそ4100円程度の抑制効果が見込まれると考えております。

中川ゆう子の再々質問

正規雇用の協会けんぽ、非正規雇用の国保料とであまりにも差がありすぎる。もう一度、重すぎる保険料の認識について伺います。

健康福祉部長の再々答弁

被保険者の保険料負担割合につきましては、被用者保険と比べて高い水準にあるということは承知をしております。
今後も高齢化が進行し、医療費の増大が見込まれる中で、被保険者も保険者である市町村も、負担に耐えられる程度を超えて、国民皆保険のセーフティネットといわれます。国保制度の持続がかなり困難な状況になってきているというふうに認識しております。
したがいまして、これを回避するために、将来的に持続可能性のある制度とするために、今般の改正が行われたものと承知をしております

保険料抑制のための県及び市町村による財政支援の取組みについて

市町村事業だった国保は、来年度から県と市の共同運営事業に移行します。
県においては、国保の広域化を見据え、県が定めることとなる標準保険料率の試算をこれまで3度行っています。
しかし、その試算結果をみると、広域化がなされても現在の高い保険料の軽減にはつながっておらず、広域化によって国保の構造的矛盾解決の見通しはみえません。
なぜなら、財政基盤の強化といっても、国からの財政支援約3400億円は、平成27年度に市町村が行った法定外繰り入れは総額3856億円を確実に下回っているからです。法定外繰り入れをなくしてしまうと確実に保険料の引き上げにつながります。

中川ゆう子の質問

現在の国保加入者の実態と高い保険料を考えると、広域化後も、県と市による法定外一般会計繰入を実施し、収入に見合うよう保険料の引き下げをすべきと考えるがいかがお考えか

健康福祉部長の答弁

県では、今後とも従来の市町村間の財政力調整、低所得者への保険料軽減措置等を目的とした財政支援を行ってまいります。
一方、新たに県に設置される国保特別会計は、原則として、必要な支出を国庫負担金や市町村からの納付金で賄い、単年度で収支を均衝させることが重要であると考えております。
したがって、県としては、保険料全体を一律に引き下げるための一般会計繰入れを行うことは考えておりません。
また、このことは市町村の国保特別会計においても同様であり、市町村がこうした繰入れを行うことは望ましくないと考えているところです。

中川ゆう子の再質問

県も事業主体となることから、保険料を引き下げるための法定外一般会計繰入れを検討する責任があると思うが、認識を問う

健康福祉部長の再答弁

県におきましては、保険料を一律に引き下げるための一般会計繰入れを行うことにつきましては、国保特別会計は、国庫負担金、市町村からの納付金で、単年度で収支の均衝を図ることが重要であり、考えておりません。
県におきましては、これまで、従来の市町村間の財政力調整、低所得者への保険料軽減措置等を目的とした財政支援を行ってまいりました。
これにつきましては、引き続き行ってまいります。なお、国に対しまして国定率負担の引き上げ等、様々な財政支援の方策を講じるよう、全国知事会を通じまして要望してきたところですけれども、今後も新制度移行後の状況を踏まえつつ、財政支援の拡充について要望を検討してまいります。

重い保険料負担の抜本的な解決に向けた国費の更なる投入に関する国への働きかけについて

中川ゆう子の質問

問題のおおもとには国庫負担の減額があると考えます。
国保会計の総収入に占める国庫支出割合は37年前57%だったのが、現在では全体の約20%にすぎません。国が責任を持って、せめて協会けんぽ並みの保険料に引き下げる必要があると考えます。
国費のさらなる投入について、県から国にさらに強く働きかける必要があると思うがいかがお考えでしょうか。

健康福祉部長の答弁

高齢化の進展や医療の高度化などにより、今後も医療費の増加が見込まれます。
将来にわたって、国保制度の安定的な運営が可能となる財政基盤の確立を図るため、国に対しては、かねてより、国定率負担の引き上げや、子どもに係る均等割保険料権限措置の導入など、様々な財政支援の方策を講じるよう全国知事会を通じ要望しているところです。
今後とも、新制度移行後の状況を踏まえて、必要な財政支援の拡充を、全国知事会と連携しながら要望してまいります。

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