中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

9月議会(2)県の公共交通政策

2015年10月5日 6:14 am
カテゴリ: 活動報告

コミバスなどへの支援を

中川15091

Q、中川ゆう子

2013年12月に成立した「交通政策基本法」は、鉄道やバスなど公共交通についての基本理念を定め、それまで個々の分野で個別に対応されてきた交通施策を総合的、計画的に推進するとされ国会で議論が進められてきたものです。検討されてきた交通弱者などの「移動権」の保障が明記されなかったことは残念ではありますが、「交通の需要の充足」「日常生活に必要不可欠な交通手段を確保する」「高齢者などの交通弱者の移動の確保」などの規定が盛り込まれ、国、地方自治体、事業者の責務が明確化されたことはとても興味深く、注目しているところです。

地方自治体では、実際に、地域の足を確保する手段として、コミュニティバスや乗り合いタクシーの導入が進められています。国土交通省「地域公共交通の現状」によるとコミュニティバスを導入した自治体は、2006年には全国で887でしたが、2011年には1065。5年間で1.3倍に増加しました。コミュニティバス数は1549台から2738台と1.7倍です。同時期の乗り合いタクシーは、事業数が813から1062。1619コースから3096コースと、同様に増加しております。自動車免許の所有率が圧倒的に高い団塊の世代が年を重ねられたとき、2025年前後には、いわゆる移動制約者の急増が予測されています。

自動車交通事故件数を見ると、全体の件数は減少傾向の中、高齢者の事故は増加傾向にあると報道がされています。現在、各自治体では高齢者に免許返納を推進していますが、しかし、免許を手放したくても手放せない実態が一方ではあり、今後一層広がるのは間違いありません。とくに車の保有率が高い岐阜県では、住民の移動権をどうやって保障していくか、住民が都市機能を自由に使えるようにするには何が必要か、非常に難しい問題だと感じます。あわせて、岐阜県としても、積極的に県内自治体の取り組みをさらに支援する必要があると考えます。そこで、都市公園整備局長に3点.。

1点目、都市公園整備局長へ

県内の公共交通空白地区と移動制約人口の実態と、今後の動向。また、市町村が独自で運行する自主運行バスの現状は。

都市公園整備局長の答弁

県内の公共交通空白地区と市町村自主運行バスの現状についてお答えします。公共交通空白地区や移動制約人口については、統一的な定義があるものではなく、それぞれの地域の実情に応じて設定されているところでございますが、例えば、平成24年の国の調査では鉄道駅から1キロ以上で、バス停から600メーター以上離れた地域の人口は本県全体の7.2%であり、また、平成26年の18歳未満及び運転免許を持たない65歳以上の人口は本県全体の27.6%となっております。今後、乗合バス事業者の撤退により、公共交通を利用できない方々が増加することも想定されるところですが、一方で市町村においては自主運行バスによる公共交通の確保に取り組んでおり、昨年度は33市町村の557路線が県の補助を受けて運行されております。

2点目、都市公園整備局長へ

具体的に市町村バスへの支援について。岐阜県では、県内の市町村バス534系統へ運行経費の一定割合を補助金として負担し、地域のバスを支えている。使いやすいバスへと、自治体と住民が力を合わせて運行し、その数は増加傾向。岐阜県では、平成25年度にこの補助金概要を変更し、補助を過疎地域に集中する方針に見直した。たしかに、過疎地域で自主運行バスを支えていくためには特別の手立てが必要であり、一定理解するが、高齢化が特に進んだ地域も、支援の対象とすべきではないかとも考える。郊外の集合住宅は人口が密集していますが、高齢者、一人暮らしが多く、地域での助け合いもままならなくなっている実態も。こうした地域で積極的に自主運行バスが導入でき充実させられるよう、補助対象の再検討はできないか。

都市公園整備局長の答弁

市町村自主運行バスへの財政支援については、県、市町村、交通事業者等からなる岐阜県地域公共交通協議会の議論を経て、人口集積が低いために、そのままでは運行経費の大部分を市町村が負担することが必要となり、その存続が危ぶまれる路線について、市町村の財政負担を軽減し、運行の維持を図ることを目的に行っております。したがいまして、一定の利用が見込まれ、運行経費の相当程度を運賃収入で賄うことが可能である地域については、支援の対象としていないところです。

再質問→都市公園整備局長へ

人口密集地域を運行する自主運行バスであっても、高齢者に対する支援という観点から、地域の高齢化率にも着目し、高齢化率の高いバス路線への支援も公共交通協議会で一度検討していただけないか。

都市公園整備局長の答弁

市町村自主運行バスについて再質問がございました。現在の補助制度につきましては、岐阜県地域公共交通協議会の議論を経て決定されたものでございます。高齢者の外出支援などにおいて市町村が自主運行バスを行うことそのものについては意味があることだと思いますが、こういる程度の人口が集積されている地域で運行されるバスにつきましては、運行経費の相当程度を運賃収入で賄うことが可能でございますので、県が支援の対象とすることについては考えてございません。

3点目、都市公園整備局長へ

具体的な移動権の保障は、都道府県によっても、県内各地域によっても異なる。また、公共交通施策は、行政や事業者だけでなく、住民も巻き込んで進めていく事が不可欠だと考えまる。そのためにも、岐阜県では何が課題か、目指すべき姿と具体的施策を県民と共有する必要があると考えるがいかがか。県内で公共交通を今後どう築いていくか、基本的な考え方と具体的計画を持つ必要性についてどうお考えか。

都市公園整備局長の答弁

公共交通は、自動車を運転できない方々などの自立した生活を支えるものであり、県としても、県民が利用しやすく、効率的な持続可能な公共交通ネットワークの形成を図ることが必要と考えています。このため、県は、広域的な観点から地域の公共交通の在り方などについて協議する場として、地域公共交通協議会を設置しております、しかしながら、公共交通の確保に向けた課題は御指摘のとおり地域ごとに異なっており、各市町村が主体となって、地域住民や事業者などの関係者とともに、まちづくりとの一体性に配慮しつつ、地域の実情を踏まえた公共交通計画を策定することが重要です。この考えに基づき、国においても、地域公共交通活性化再生法の改正により地域公共交通網形成計画が制度化されましたが、この計画はまずは市町村が作成することとされており、現在、県内で5市が策定済みであり、今後8市が策定予定となっており、市町村の取り組みに注目するとともに、必要な助言、情報提供を行ってまいります。

 

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