2015年8月3日 7:25 am
カテゴリ: 毎日の活動
貴重な中山間農業の研究拠点
そのトマト、濃厚
リニア関連懇談の後、議会でも取り上げた中山間農業研究所の中津川支所を見学させて頂きました。猛暑の中、職員のみなさんが2時間超、熱く研究内容を説明して下さいました。地道な取り組みの中にあるのは「逆転の発想」の数々。「連作すると土壌菌が増えて枯らしてしまう」「ならいっそ土をなくせばいい」と、辿り着いたのがビニール袋に少量の土とたっぷりの肥料を詰め、水やりをコンピュータ制御するという驚きの栽培法。
「まさか!」と農家の方も首をかしげたそうですが、実際に見せると「これは凄い!」となったそう。これだけで連作による作高の減少を食い止めるどころか、2割の増作。更に水をコントロールするので、驚くほど甘くて濃厚なトマトや、瑞々しいナスができるそう。「なんでだろう?」という農家の方や、職員さんの素朴な疑問から様々な画期的なアイディアが実現しているのです。
発進、あいがもロボ
また、同研究所では田んぼの雑草除去に合鴨農法からヒントを得た「あいがもロボ」を研究。「鳥インフルエンザで合鴨が全滅したらどうする?」という究極の状況を想像したところから着想し、稲を避け雑草だけキャタピラで踏みならしながら動くロボットを関係機関と共同で開発したそうです。
コンピューター制御で自動で動くものと、コントローラーで動かすものの2種類あり、後者を中川ゆう子とスタッフ、同行した木下律子中津川市議が実際に体験。非常に簡単に、正確に動かせる点に感激しました。「最初は起動直後にこけてしまった」という所から商品化直前までこぎつけたそうで、担当の職員の方は「これなら子どもも気軽に操作でき、おじいちゃんおばあちゃんと一緒に農業体験も楽しくできる。実際に展示会などでは大変人気です。利便性と共に、農業への関心を高めるアプローチ方法の一つとして普及を目指したい」と語る目は輝いていました。
課題と危機も
大変素晴らしい研究をしてみえる研究所ですが、リニア車両基地の予定区画に引っかかっていて移転のための予算が6月議会でつきました。近場の農家の方が気軽に夫婦で相談に来る、とても大切な施設。広大な敷地に少ない職員配置で草刈りもままならない実態は深刻。合理的な機能維持にとどまらず、更に発展できるよう、県には人員増も含めて提案していきたいと思います。