中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

9月県議会の閉会日に討論しました。10月6日、午前。

2022年10月6日 1:30 pm
カテゴリ: 毎日の活動

9月県議会閉会日に討論しました。10月6日、午前。


10月6日午前、9月県議会の閉会日に下の議案や議員提案に反対し、選択的夫婦別姓を求める請願の採択を求めて討論をしました。

議第91号 令和4年岐阜県一般会計補正予算 款 衛生費 項 医務費 目 医療整備対策費 1億2220万8千円病床機能再編支援事業費<反対です>

これは、国の消費税財源を活用し現在稼働中の病床を1割以上削減する場合に、削減病床あたり稼働率に応じた額を交付するもので、これまでの病床削減支援給付金と同じ内容です。本予算は、2医療機関で54床削減です。

この根拠となっている地域医療構想については、不足する回復期を増やすといいつつも高度急性期、急性期を中心に削減し、全体として病床数を大幅に減らすものであるため、かねてから見直しを求めてきました。

昨年12月、国と地方の協議の場において全国知事会の代表からも、2025年に向けて急性期病床を減らすという考え方の変更や、感染拡大に備え「一定程度の余力がある」医療体制を求める発言があったところです。コロナ禍を教訓に、地域医療構想の根本的な見直しが求められています。

各医療機関が病床削減を決断せざるを得ない背景には、医師不足の問題があり、実態は深刻です。急性期病床の削減を進める施策より、岐阜県で深刻的な課題である医師不足解消に取り組むほうがよほど建設的であり、この予算部分に反対します。

議第93号 令和4年度岐阜県徳山ダム上流域公有地化  議第120号 徳山ダム上流域の山林の取得<反対です>

議第93号 令和4年度岐阜県徳山ダム上流域公有地化  議第120号 徳山ダム上流域の山林の取得は一括して申し上げます。

徳山ダム上流域の山林取得については、以前から申し上げている通り、旧徳山村村民がダム建設の条件として合意した取り付け道路が反故にされて進められている経緯のため賛成できません。

議第110号 岐阜県自然公園条例の一部を改正する条例 <反対です>

県内の県立自然公園は、数河(すごう)高原、伊吹山、天生(あもう)湿原、また県内の原生林を含む自然豊かなエリア、15カ所指定されています。

自然公園条例は、これらの生態系保全や環境保護と利用の両立を図るため定められており、各公園ごとに公園計画を策定し、自然を楽しむことと自然を守ることの両立が図られてきました。

そのため自然公園において様々な事業を行う場合、それぞれの開発行為に対して許認可手続きが必要とされてきました。

今回の条例改正は、事業を行いたい事業者が市町村と協議会を作り、計画を策定し認定されると、様々な行為にたいする許認可は不要になるというものです。

問題は、保全と利用の両立が必要にもかかわらず、協議会のメンバーには環境の有識者、地域住民の参加もなくてよいとされていること。

この協議会で策定した計画に基づいて、大本である自然公園計画の変更を県に申し出ることができることです。この一連の新たな仕組みの中に、環境保全の仕組みが組み込まれていないことは非常に気がかりです。

今回、法改正に先立って、国立公園8カ所で先行された国立公園満喫プロジェクトでは、分譲ホテルの展開など、利用促進に偏り保護と利用のバランスが崩れる問題が明らかになっています。

岐阜は山と清流に恵まれた自然豊かな地域で、この環境こそが財産であり、一度毀損された生態系は回復させることは非常に困難です。

この条例改正は、自然を楽しむことと守ることという条例のもつバランスを重要視せず、活用偏り過ぎており、賛成できません。

請願第39号 選択的夫婦別姓制度の法制化を求める国への意見書提出について<採択を求めます>

不採択理由として、国民の意見は様々だ、とのことでしたが、様々だからこそ「選択的」がふさわしいのであり、強制的同姓ではなく姓を選択できる本請願との矛盾はありません。

内閣府の世論調査(R3)では、姓を変えることによる不利益だけでなく、通称を使ったとしても生じる不利益についても調査されています。

「通称を使うことができてもそれだけでは対処しきれない不便、不利益がある」「結婚による改姓で、不利益がある」との回答はどちらも過半数を超えており、「ない」との回答を大きく上回っています。

特に、10代から40代で夫婦同姓や通称使用での不利益があるという方が6割から7割と大半を占めている点は注目すべきで、当事者や働き盛りの現役世代の実情を反映していると感じています。

具体的な不利益を1例だけ申し上げますと、たとえば、国際線の航空券や入国ビザは、ICチップが通称併記非対応であるため、戸籍名しか使えず、場面によって、戸籍名と通称の2つの名前を名乗ることによる弊害やトラブルは数えきれません。

この弊害は本人の負担だけでなく、経済的損失にも及んでいます。世界で、夫婦同姓が義務づけられているのは日本だけとなりました。

現在、ますます個人認証が厳しくなり、重要視されるようになっている中で、どれだけ国内で通称使用を広げても、世界では通用しないことは明らかです。

そして姓を変えるのは圧倒的に女性が多いため、請願にあるように、国連や国際機関からも繰り返し勧告が出されています。

世論調査からもわかるように、実際の不利益や困りごとを解消するため、困っている方が姓を選択できる法制化の議論は決して時期尚早ではありません。請願の採択を主張します。

県議第8号(議員提案)リニア中央新幹線の早期整備についての意見書提出について <反対です>

リニア中央新幹線事業の遅れの背景には、残土処分の問題や工事現場周辺の環境問題、トンネル工事や40メートル以上深い大深度空間における工事の課題など、全国沿線各地で様々な問題が起きている事があります。

通常、国家事業であれば建設発生土の処分先を事前に決定してからの着工となりますが、リニア事業はいまだに多くの残土の処分先が課題となっており、沿線住民の不安は大きいものがあります。

特に有害物質を含む要対策土の埋め立てについては、中津川の車両基地の事例を議会で質問いたしましたが、環境への影響を強く心配する声は県内の沿線上でも広がっています。

農業を営む方からは期限付の保障しかない水の枯渇や汚染の心配もあり、地域によっては死活問題です。このように、沿線地域からは、リニア新幹線事業に賛成の方も反対の方も、判断に悩んでおられる方からも、本当に困ったという声をお聞きしていますが、この意見書案はこうした住民の複雑な思い、困ったという思いを正面から受け止めているとは思えません。

私はこうした中でのリニア新幹線事業の推進には反対です。また冒頭に「リニア中央新幹線は東京・名古屋・大阪間の時間距離を大幅に短縮し、地域間の交流・連帯をいっそう強化し」とありますが、すでに今の時代は、巨大IT企業によるプラットフォームが国際標準となり、市場は国際規模で確保できるようになっています。

コロナ禍で加速したのは対面とリモートの逆転です。移動を伴わなくてもできる事が仕事上も、日常生活上もこの数年でかなり広がり、地方回帰の流れができたとしても、人口減少化の波と共に、人が移動する全体量は増えることはありません。

一方、増えているのは事業費です。JR東海は、品川・名古屋間でさらに1.5兆円増額し、7兆円に上ることを明らかにされています。リニアの需要と膨らみ続ける投資額が見合うのか、今一度見直すべきです。

最後に、意見書案では「2027年開業に向けて着実な推進」とありますが、そもそもJR東海ご自身が開業は困難だと明言しておられ、開通の見通しはいまだ不透明な状況です。

そんな状況の中、やみくもに2027年の開業を主張される意見書は現状から見て無責任と言わざるを得ません。いま沿線住民が直面している数々の問題を直視することが適切であり、この意見書案には賛同できません。

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