中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

質問と答弁(10月1日、午前)。1,コロナ禍で疲弊する事業者や県民への支援について

2021年10月6日 9:00 am
カテゴリ: 活動報告

質問と答弁(10月1日、午前)。1,コロナ禍で疲弊する事業者や県民への支援について

10月1日、午前に1,コロナ禍で疲弊する事業者や県民への支援についての質問を行い、答弁がありました。

(1)中小零細事業者の廃業、倒産をふせぐための財政支援

昨年2020年の岐阜県での倒産件数は、東京商工リサーチの調査によると、138件。休業、廃業、解散を選択した企業はその5倍の705件と、初めて700件台にのぼっています。地区別に見ると、岐阜地区、東濃地区、飛騨地区で増加しています。この背景について、同調査では、「(事業)承継相手が見いだせないまま高齢化が進んでいる」中で、「2020年はコロナ禍が広がり、休廃業、解散の決断を促す契機になったようだ」「先行きを見通せず事業をたたむ「あきらめ型」休廃業を回避できていないとみられる」と分析されています。

実際、相次ぐ外出自粛要請のたびに、いよいよ店をたたもうと思うといった声をお聞きしていますので、私自身もそう感じるところがあります。実際には廃業届を出さずに静かに店をたたむパターンもあり得ることから、地域ではこの数字以上の状況が広がっている可能性があります。

また、この休業、廃業、解散の発生率はどうかと言うと、帝国データーバンクの調査で、東京、神奈川、愛知など大都市に次いで岐阜県は4番目に高く、「政令指定都市を有しない県としては(休廃業、解散の発生率が)最も高い」ことが指摘されています。

昨年多くの事業者が利用した持続化給付金は1回限りですし、家賃支援給付金は本年2月で終了となりました。

昨日、渡辺崋山議員が述べておられたように、全国の休廃業・解散は4万9698社と2000年の調査開始以降最多であり、7割近くの企業がコロナ前より売り上げが下回り、中小企業の7.6%が廃業の可能性が「ある」と回答している結果を見ると、今年は、この全国的な傾向が県内事業者にさらに影響を及ぼす可能性は大きいと考えます。

国ではこの春、前年、前々年比5割以上売り上げが減少した事業者へ月次支援金が作られました。岐阜県ではさらに対象の幅を広げ、3割以上売り上げ減になった事業者が受けられる売り上げ減少事業者支援金を約10億円の予算で創設していただきました。4月から6月分の申請は先月末までということで、申請状況を伺うと9月29日時点で2858件の申請があったとのことです。予算規模から考えると、非常に少ない印象です。

減収しているけど申請できないという事例をお聞きした。まず、この制度は、4月から6月などの、まん延防止や緊急事態措置の期間しか対象になっていません。しかし建設業では受注が減っても収入に反映するのは数ヶ月後ということもありますし、保険業は年間通じて外出自粛による契約への影響が出ており、緊急事態措置などの影響がそのまま当月にでない場合もあります。

この制度は農産物生産者も対象になるとのことですが、たとえばこの後触れる米農家では米の概算金が支払われるのは秋以降で、清算金はさらに後です。時短要請の影響がたまたま4月から6月に出れば対象になりますが、そうでなかったら受けられないという、実態に合っていない制度設計は課題ではないでしょうか。さらには、1ヶ月あたりの金額は国制度は個人10万円、法人20万円、県制度は個人5万円、法人10万円と、減収の実情との乖離が大きいとの意見もありました。

 そこで(1)中小零細業者の廃業、倒産を防ぐための財政支援について商工労働部長にお聞きする。月次支援金の拡充、家賃支援など固定費の支援について、対象期間を限定することなく常設にする必要があるのではないでしょうか。国への要求とともに、県独自の「売り上げ減少事業者支援金」の拡充、常設化についてお考えをお聞きします。

[答弁 商工労働部長]

国の月次支援金は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置等の適用時に、外出自粛の要請などで経済活動が大きく制限されることで影響を受ける事業者を幅広く支援するものですが、売上が前年比50%以上減少という要件が厳しいという要望を踏まえ、30%以上減少に要件を緩和して、県独自の支援金を支給しています。

なお、国に対しては、月次支援金の支給上限の引き上げ、売上要件の緩和など、さらには家賃支援給付金の再支給について、全国知事会を通じて要望をしております。緊急事態宣言等が解除された状況下では、これまでも、ウィズコロナ・アフターコロナ社会に対応するため、事業転換、新事業展開などに取り組む小規模事業者を支援する取組を行ってまいりました。

今後は、更に、ニーズの高いアフターコロナに対応する新商品開発・生産設備の導入やデジタル技術を活用した業務効率化などを支援する補助金を増額するなど、支援の強化を図ってまいりたいと考えております。

 <再質間  中川>

中小零細事業者の廃業、倒産を防ぐための財政支援についてということで、国の月次支援金、・家賃給付金、そして県の売上減少事業者等支援金についてもお答えをいただきました。今の答弁の中では、緊急事態中はそういった支援金を出すけれども、緊急事態が解除されたらアフターコロナに向けた支援内容に切り替えたいと、切り替えていくというお答えだったんですが、実際に収入にタイムラグがある方々というのは、その網からこぼれてしまうわけです。ここについて、どうお考えか再度伺いたいと思います。

特に、今回の売上減少事業者等支援金の申請数というのは、想定していた申請数のだいたい35%40%弱くらいだったということです。10万円の予算がついていながらここまで使われずに残すというのは非常に残念なことだと思います。国に対して制度の改善や期間の延長などを要請されているということですが、要請しつつも県としてこうやってお金を残すのではなくて、制度の改善というのができないのか、お考えを伺います。

 [答弁  商工労働部長]

月次支援金について、再質問を2点いただきました。まず、タイムラグの問題でございますが;先ほど国に対して支給金額の引き上げや売上要件の緩和を要望しているとお伝えしましたが、柔軟な、弾力的な運用についても国に対して要望しておりますのでご理解いただきたいと思います。

それから、制度の改善ができないかということでございますが、確かにご指摘のとおり、月次支援金については要望が少なかったということがございますが、それでもですね、連日100件を超える相談が寄せられており、それは大半が税理士さんから寄せられております。

ということはですね、税理士さんが事業者さんに寄り添った形で申請するかしないかと相談に乗っていただいているのだと思います。そのうえで事業者さんが判断されたということでないかと思います。

私どもが着目しておりますのは、むしろ、スマートワークであるとか、アフターコロナの補助金について、予算額を大幅に上回る要望が出て来ておりまして、今回9月補正で増額をさせていただいたところでございますが、事業者の皆さんは、事業者支援もさることながら、このようなアフターコロナを見据えた新たな事業展開への要望が強いということで、それに対して県としては支援してまいりたいと考えております。

 <再々質問 中川>

再度伺いますけれども、国に条件の緩和を要請しているということなんですが、私は今回の10億円という予算、これが半分以上余っているわけなんですね。ですので、国に要請しながら県でも対応できないかと。網から外れている人たちの対応ができないかということなんです。その点について検討していただきたいんですね。制度の改善について。お考えを伺います。

 [答弁 商工労働部長]

月次支援金の制度の改正について再々質問をいただきました。制度の改善に向けては、大枠は国に対しで要望していきますが、例えば申請様式の見直しですとか簡素化とか、県の判断でできるところはありますので、そういう細かいところにつきましては見直しを検討してまいります。

 (2)感染者または濃厚接触者になった方が生活困窮に陥らない支援について

不安定雇用など低収入の世帯への経済的打撃が深刻です。県の毎月勤労統計によると、規模30人以上の従業員は3ケ月連続で前年同月を上回っている一方、5人以上の事業者の給与は、15ヶ月連続で前年同月を下回っています。1年以上にわたる収入源に加え、今回のコロナ禍で深刻なのが、シフト制で勤務する非正規雇用の収入源です。所定の勤務時間が無いシフト制では、休業や時短営業によってシフトがカットされても、もともとシフトが組まれているわけではなければ休業手当の対象にならず、個人で申請できる休業支援金もうけるための企業側の協力が得られない状況にあります。3月議会で質問いたしましたが、様々な支援策が講じられている中、それが必要な方に届いているのかしっかり検証し、相談体制のあり方などを充実させる必要があることを再度申し上げます。

その上で、(2)感染者、または濃厚接触者が生活困窮に陥らない支援について健康福祉部長に伺います。「第5波」の中で、ホテルでの宿泊療養施設で療養中の方から、収入が途絶えてしまうという相談が知人を通じて寄せられました。こうしたシフト制など不安定な雇用にある方はかなりの割合でもともと収入が減少している可能性があり、感染者または濃厚接触者として長期間の隔離により一気に生活困窮に陥る危険があります。特に「第5波」以降、40代以下の現役世代が感染の中心を占めるようになったため、その方の生活の保障をどうするのかといった点が重要です。体調面で苦しむと同時に経済的な問題で二重の苦しみに陥るということは、なんとしても防がなくてはいけないと感じます。そこで、感染者、または濃厚接触者になった場合に生活困窮に陥るケースへの丁寧な支援の必要性について健康福祉部長に伺います。

 [答弁 健康福祉部長]

ご指摘のように、感染者又は濃厚接触者になることにより、出勤できず、急に生活に困窮する例はありうると考えられます。本県では、きめ細かな相談体制の構築のため;通常の相談対応に加えメールでの相談受付も行っており、県内全ての相談窓ロの連絡先についで、ホームページへの掲載やコンビニェンスストアでのチラシの配布などにより、支援が必要な方へ周知してまいりました。

今後は、更なる周知のため、入院者には保健所から各種書類を送付する際にチラシを同封することとし、同様に宿泊療養施設入所者には人所の際に、濃厚接触者として自宅待機する方には保健所での検体採取の際に,相談窓口情報をお知らせしてまいります。

そして、収入減少などにより、実際に生活困窮に陥った方には、先ほど知事かち申し上げた生活福祉資金、住居確保給付金、ひとり親世帯への給付金などの生浩支援とともに、ハローワークへの同行支援による就職支援など、相談者の実情に合った支援をワンストップかつ、きめ細やかに実施してまいります。

(3)消費税の引き下げについて

この消費税の引き下げはかねてから主張してきたものですが、引き下げた分の財源はどうするのかということについて、私たち日本共産党は、研究開発費減税など大企業が優遇されている税制の見直し、中小企業以外の法人税率の引き下げをやめ元の28%に戻すこと、富裕層の株取引への税率を欧米の水準に引き上げるなど、大企業と富裕層に応分の負担を求めることを提案しております。ただ今回は、こうした税制や財源の問題ではなく、景気をどうするか、コロナで疲弊する低所得者や事業者の支援をどうするのかといった観点で、質問いたします。

この消費税は、事業者、生活困窮者、それぞれの立場で矛盾を抱えています。事業者にとってこの消費税は他の税金のように利益に応じたものではなく、仮に赤字であっても支払わなくてはなりません。売り上げが減った事業者が7割に上り、特に宿泊業や飲食業の4割で売り上げはコロナ前の半減以下に激減しており、さらなる追い打ちをかけるものになっています。

家計面で見ると、日本生活協同組合連合会が行った消費税の調査によると、2020年、家計の中で消費税の負担額は増税の影響で増加。そして収入に占める税負担の割合は、所得1000万円以上の世帯では2.94%なのに比べ、所得400万円未満の世帯では5.79%と2倍近くも重くなっています。コロナ禍で、不安定雇用や低所得者ほど経済的影響を受けていることを先ほど申しあげましたが、この消費税が持つ逆進性はコロナ禍で矛盾をさらに大きくしています。

これまで、消費喚起策や経済対策としてGOTOイート事業、県独自の宿泊キャンペーン等や県産品の販売促進策など、多彩な事業の予算が組まれてきました。しかしこれらは経済的に余裕のある消費者と、プレミアム感が強い宿泊業者が中心の支援策になっており効果も限定的であり、公平性に欠くという課題が残ります。そこで知事に質問します。コロナ禍で疲弊する事業者や県民への支援として、消費税の引き下げが最も効果的で公平ではないでしょうか。見解をお聞きします。

[答弁 知事]

原則論をあえて申し上げますと、消費税は、年金制度などを支える貴重な社会保障財源であると同時に、地方消費税、地方交付税財源ということで極めて重要な地方財源でございます。そういった意味で、地方行政を預かる立場からしますと、その引下げには慎重にならざるを得ないというところがございます。

その上で、消費税の性格に基づいて、いくつか申し上げますと;第一に、消費税は、広く薄く課税する税でございます。これを引き下げることで得られる効果もいわば分散するということになるわけでありまして、疲弊する事業者あるいは県民への支援として、そういう意味で「最も効果的な手段」と言えるかどうかということについては、疑問が残るのではないかというふうに思われます。

また二番目に、消費税の引下げ効果は高所得者にも当然及ぶわけであります。高額消費に対しましてより多くの、より多額の減税効果が及ぶということでございます。それから、第三に、消費税は,仕入れ税額控除による調整によりまして、消費者が最終的に負担をするという税でありまして、基本的には事業者には引下げの直接的な恩恵はないということでございます。

事業者にとりましては、あくまでこの消費税の引下げによる消費喚起、それによる波及効果ということになるわけでございます。そういったことから、県といたしましては、新型コロナの影響を受けて、社会的に困窮しておられる方々、経済的な打撃を被っておられる事業者などの方々に対して、歳出によって直接支援する施策が適切だというふうに考えておるわけでございます。

まず、低所得者あるいは生活困覇者の方々に対しましては、生活福祉資金や住居確保給付金の確保のほか、ひとり親世帯に対する給付金など、きめ細かな支援を行っております。また、人流抑制による感染防止対策の影響で、飲食業、観光業、運輸業などの落ち込みが大きい一方で、製造業などは比較的軽微であるなど、業種によってもバラつきがございます。

そうしたことから、人流抑制による苦境が長く続いている商店街を応接するプレミアム商品券事業への支援でありますとか、あるいは県民向けの県内観光キヤンペーンでありますとか、農畜水産物の需要喚起や販路拡大に向けた取組み支援など、影響の大きい分野を中心に対策を行うということにしておるわけでございます。

もちろん、更なる支援の拡大は必要であると考えております。今後、政府において年内に予定されております大型の補正予算、さらには来年度の当初予算編成も見据えまして、引き続き、支援が必要な方々、あるいは事業者の皆さんへの対策を積み上げてまいりたいと思っております。

<再質問 中川議員>

消費税は広く薄く課している税金であり、これを引き下げることによる効果も分散するという答弁であったが、所得が1000万円以上の方と、400万円以下の方では、負担割合が倍近くになっており,逆進性と言われているのはそこに理由がある。

影響の大きい低所得者に対して、生活福祉資金の貸し付けを行っているとのことだが、生活福祉資金は借金であり、低所得者には、返す見込みの有る無しに関わらず、借金か生活保護しか今のところ支援がなく、そういった方に高額所得者に比べて重い消費税の税率でかかっているという認識をして頂きたい。

また、事業者については、正確には知事の発言通りだが、実際にコロナ禍で消費税が払えず納税猶予されている事業者がとても多い。特に前回10%の引き上げの対象となった飲食、お酒、旅行の分野は、今回最も影響を受けている。収入に見合った負担となることが大事であると考えるが、再度知事の認識を伺う。

[答弁 知事]

議員がおっしゃるように、収入に占める課税負担の割合という角度からしますと、明らかに差があることは事実でありますし、そのことは、私もよく理解しているつもりであります。

ただ、ここで申し上げたのは、消費税引下げという政策目標について議論されたわけでありますが、私としでは、一定率で広く分散されている税について、このコロナ対策ということでかかっていくか、それとも影響の大きいところに直接、歳出という形でかかっていくか、いろんなやり方があろうかと思いますが。

消費税で一律に上げ下げずるということではなくて、むしろ直接、歳出面で対応すべきではないかということを申し上げたかったわけでありまして、そういう意味で、広く、薄く、分散しているという表現をしましたけれども、また他方で、消費税額そのもので言うと、高額商品に対しては、減税額効果は高いことは事実でありますので、それも、我々の感覚としては、事実としてあるんではないかということで、申し上げた次第であります。

最後に、事業者の負担の間題は、これはあくまでも制度上「預り金」ということで、事業者の利益には関わりなく払うものであるというのが消費税の仕組みとなっておりますので、そのことを申し上げた次第であります。

<再々質間 中川議員>

先ほどの商工労働部長の答弁のように、いろんな支援を行っても、そこから外れてしまう方がいる。直接歳出面で対応すべきとめことだが、歳出面で対応しきれていない状況がこの1年半の間ずっと続いている。最初に申し上げたとおり、今後、倒産、休業、廃業の検討をしている、すると言っている方の3割以上が、この1年以内にその検討をすると言っているおり、大変危機感を感じている。

税金というのは本来、富の再配分であり、大変なところは歳出面で対応すべきというのは、基本的に間違っているのではないか。実際に県の制度は出来ていないため、その点について再度伺う。

[答弁 知事]

一つの政策目標に対して,どういう手段を有するかという議論かと思いますけれども、消費税のようにですね、広く一般的にかかっているものについて、どうするこうするというのは、国の税制全体の骨格にも関わる議論でもありますし、それから、トータルな財源論にも関わる問題でもありますし、私ども知事会でも議論がありますが、この点について、今、消費税を云々しようという意見は知事会の中ではございません。

むしろ、おっしやるように歳出面で不備があれば、さらに、丁寧にその分を追求していくと、変えていくという工夫をしていくということがまず優先されるんではないかなというふうに思っております。

コロナ禍で疲弊する事業者や県民への支援についての財政支援や消費税の問題の質問を行いました。すべての人々の支援につながる国への消費税の減税を求めました。

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