2017年3月15日 2:29 am
カテゴリ: 活動報告
中川ゆう子は本日の本会議でH28年度補正予算への討論を行いました。以下がその内容です。
議第14号 平成28年度岐阜県一般会計補正予算
かかみがはら航空宇宙博物館リニューアル整備事業 約20億1500万円
航空宇宙産業の製造品出荷額倍増プロジェクトの一環として、人材育成や情報発信拠点としての位置付けで、各務原市と共同で取り組んでいるプロジェクトですが反対理由を2点申し上げます。一つ目は、産業を発展させ地域を豊かにするには、このプロジェクトにあるような人材育成とあわせて、一貫して平和産業にこだわることが最重要であると考えますが、戦時中の軍用機が展示されていながらも残念ながらこの博物館はこうした視点が盛り込まれていない点です。この地域の航空機産業は、第二次世界大戦中、軍事利用されたことでアメリカ軍の攻撃を受け、多くの方が犠牲となりました。加えて、貴重な技術や資料も手放すことになった歴史があります。現在、航空機技術は防災などあらゆる面で期待され、県としても高校生などを対象に技術者育成に力を入れています。一方、国では武器輸出三原則を廃止し武器輸出推進に舵を切りました。リニューアルというのであれば未来ある若者とこの地の産業が今の世界情勢のもとで、二度と軍事利用されることのないよう平和利用を願うメッセージを発信すべきです。これまで私はこの施設を博物館法に基づいた博物館に、と求めてきましたが学芸員も配置するなど、産業の歴史や社会的背景を学べる施設にすべきであります。
二つ目は、リニューアルにかかる費用や、今後のイベント費が、莫大になっているという点です。当初約30億円と言われていましたが、今年度途中で約49億円に増額されたリニューアル計画が明らかになりました。そこまで大規模な事業費を使うより現に経営や人材確保に苦しむ中小企業の具体的な応援策を充実させるべきであり、疑問であります。事業内容の精査を求めます。
清流長良川あゆパーク整備事業費約1億2700円
あゆ漁業など本県水産業の振興・発展をいう目的には賛同したしますが、新たな施設を作るより、あゆ釣りを愉しむ釣り人や担い手をどう増やすかという課題解決に真正面から向き合うべき時だと考えています。釣りを楽しむ方からは、「河口堰をつくってからアユが小さくなり釣れる数も減った」「10-11月なのに10センチの小さなアユが多い」「その問題をなんとかしてほしい」との声が聞かれます。釣れなければせっかくのアユ釣りの魅力も半減してしまいます。あゆのつかみ取りや、アユ料理が食べられるレストランを作るとの計画ですが、依然としてハコモノ中心の計画となっており、維持管理費など地元負担が増えるのではと懸念がされています。
以上2点の補正予算について反対の理由を申し上げましたが、どちらもすでに設計や一部着工している事業でありながら、将来の維持管理費がどれほどになるのか明らかにされていません。本来であれば、将来の負担と事業内容を明らかにし、この計画と事業費が妥当なのか議論する必要があるということも主張し、反対の討論とします。