中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

【22年3月議会】反対討論。大垣警察市民監視事件での県の控訴に対して

2022年3月10日 1:30 pm
カテゴリ: 活動報告

反対討論しました。大垣警察市民監視事件の県の控訴(議第59号)に対して 3月10日、午前。


3月10日午前、大垣警察市民監視事件裁判の県の控訴について、反対討論をしました。

<中川反対討論>

ただいまの議第59号の控訴の提起について反対致します。

この、大垣警察市民監視事件とは、風力発電施設の建設を巡り、岐阜県大垣警察署が中部電力子会社のシーテックに情報交換会と称し、市民4人の個人情報を少なくとも4回にわたって漏らしたことを問われ、原告4名が国と県に対し国家賠償請求した裁判です。

原告4名は自分の住むところで風力発電の計画があることを知り、鹿などの動植物や住環境をどのような影響が出るのか、住民であったら当然抱く疑問に対して、小規模な勉強会を開いた住民とその風力発電計画そのものを知らず、何の関与もしていなかった住民です。

裁判では彼らを危険だとレッテル貼りし、シーテックに情報提供し、それがどんどんエスカレートしていった様相が明らかになりました。

判決では警察が自ら、シーテックに情報交換を持ち掛け、積極的、意図的、継続的に情報提供していたことを認めています。

そして、それら情報提供の必要性は認めがたく、違法であるととともに、その具体的態様は悪質と言わざるを得ないとされました。

本議案における県の控訴理由はこの部分が承服できないようとのことでしたが、具体的理由はなく、控訴に正当性があるのかすら判断ができません。

これでは関与していない人も含め、だれもが情報収集のターゲットにされ、その情報を民間企業に漏らす行為が歯止めなく行われることになります。

この情報提供行為についてこれまでは通常行っている警察業務の一環だと国会で説明されてきましたが、それが違法とされました。

損害賠償金額が4名で220万円と、この種の裁判では非常に高額の支払いが命じられたことからも大垣警察署の行為がいかに悪質で、重大な権利侵害であったかということです。

新聞報道からうかがい知る情報ですが、これまでの県警の動きによって地域は二分されてしまい、計画に疑問を持った方は孤立を感じる状況になっているという、取り返しのつかないことが引き起こされているようです。

この事件に関係する原告を始め住民の心の傷は、筆舌に尽くしがたいものがあるのではないでしょうか。

県民のための県警でなくてはならないのに、まちをよくしたいという願う動きを敵視し、本来、住民の対話相手であるはずのシーテックの側に立ち、一方的に情報提供するという行為が、県民の立場に立っていないからこそ「悪質」とされたのです。

本来はこの判決を受け止め、深く反省することこそ求められることではないでしょうか。

 

最後に。

裁判の中で県警はなぜ、情報提供したのかを明らかにせず、当事者の警察官の証言も拒否し続けています。議会においても昨日の議案上程、そして本日議決、、と、議員にとって本会議での質疑の機会すらありませんでした。

県警が自ら県民に説明責任を果たしていくいという姿勢ではないことが非常に残念だということを申し添え、反対討論といたします。

 

大垣警察市民監視国家賠償裁判の控訴議案 ⇒ 県議会議案 大垣署人権侵害裁判 控訴 202203

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