中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

10月8日、閉会日の討論です。3議案、たばこ税活用の請願への反対の意見。

2020年10月9日 11:20 am
カテゴリ: その他

県民の財産や住民の意思を大切にし、健康を守るために3議案、たばこ税活用の請願に反対の意見を述べました。

議第121号 岐阜産業会館の設置および管理に関する条例を廃止にする条例について

施設の老朽化と稼働率低下を理由に岐阜県産業会館を廃止するというものです。この産業会館は、もともと岐阜市が岐阜県に要望をする形で、「産業の発展と文化の向上」という目的をもって市と県共同で建設、運営されている施設です。まだ築50年であり、耐震化工事を行ってから年月が浅く、おおむね65年まで活用するという岐阜県の長寿命化計画における基本的な考え方からみても矛盾を感じます。

また、この岐阜県産業会館は、重量機械や自動車の展示も可能であり、廃止した場合は他に代替施設がなく県外の施設を活用することになるという点も非常に残念です。この50年間で社会情勢や産業のあり方は大きく変化しましたし、当然、産業の拠点としてこの産業会館に期待される役割も変化していくものです。

しかし、今回の廃止にあたって、この先どうしていくのかという具体的な方向性は見えず、率直に申し上げて、次の50年にむけての商工政策に繋がる期待が感じられません。

岐阜県の成長・雇用戦略では、重要プロジェクトの一つが販路拡大支援プロジェクトであり、販路拡大のビジネスチャンスの提供や大規模展示会など、まさにこの産業会館が担ってきた役割でもあります。今後、新しい生活様式の中こうした大規模展示会や商談会がどういった形に進化していくのか、まさに「産業の発展と文化の向上」のための模索と変化が始まっています。

老朽化と稼働率低下を理由にした単なる廃止ではなく、本県の産業をどう守り、変化、発展させていくかといった展望や成長戦略を深めた上で、未来に繋がる結論が必要だったのではないでしょうか。耐震工事を行い、建物の当面危険性はないということですので、引き続き、岐阜市としっかり議論を深めていただくことを要望し、条例の廃止には反対します。

第133号も同様の理由です。

議第128号議案 徳山ダム上流域の山林取得について

以前から申し上げている通り、旧徳山村村民とダム建設の条件になっていた取り付け道路建設が反故にされ、この公有地化計画になっているという経緯から賛成できません。

請願第14号 たばこ税を活用した分煙環境整備に関する請願書については、不採択を主張します。

WHOでは公共施設や飲食店をはじめ8種類の「公衆の集まる場所」での屋内全面禁煙を義務づけるたばこ規制枠組条約を2003年に全会一致で採択し、日本もすでにこの条例を承認しています。屋外であっても学校や医療機関、児童福祉施設では敷地内禁煙、公衆が集まる場所は屋内全面禁煙が、世界的な流れです。

この点からも、請願内容はこうした国際的な流れや条約で求められている禁止措置との整合性がとれておらず、海外からの観光誘客をすすめる本県の姿勢としてふさわしいとは思えません。本請願は、分煙環境整備にたばこ税の財源をあてることを求めておられますが、喫煙専用室を設けても、受動喫煙のおそれはなくなりません。

厚労省の研究によれば、この受動喫煙で肺がん、虚血性心疾患を誘発したことによる超過医療費が日本では(2014年度データですが)年間3000億円を超えております。死亡者は交通事故死の4倍の年間1万5000人。増大する医療費の適正化がすすめられる中で、たばこ税の税収分は、まずは、こうしたたばこの被害に苦しんでいる人たちへの対策や医学的な研究、予防対策などに充てるべきです。

最後に、念のため申し上げますが、私はこの請願にかかれている「個人の嗜好として楽しむ自由」については否定しておりません。が、税金は、国民の生存と健康に資するところに充てるべきで有り、

本請願には不採択とさせていただきます。

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