2025年8月12日 5:01 am
カテゴリ: 活動報告
3 病床数の削減と病院の経営悪化について
【質問 中川】
医療機関の倒産、休業、廃業が最多といわれる中、患者を受け入れる病床を削減すると給付金が支給される国の病床数適正化支援事業に、全国の医療機関から申請が殺到しているとの報道がありました。県内でも795床の申請があったと聞いており、今回の補正予算では約4億1000万円が計上され、100床分を削減するとの説明があったところです。数年前には、新型コロナウィルス感染症の患者が急増し、受け入れ病床を探すのに苦労の連続であり、入院できず施設や自宅で命を落とす事例もありました。病床の削減がこのまま進めば、コロナ禍の教訓が生かされていないことになります。また、このまま病床削減と統廃合が進めば、当然都市部に医療機関が集中し、郊外や人口が少ない地方は病院がなくなります。将来像が描けなくなるということであり、本当にこのまま進めてしまって良いのか、非常に危機感をおぼえております。
そこで3点健康福祉部長にお聞きします。
(1) 国の病床数適正化支援事業による削減病床の選定基準について
今回の削減数は病床機能別には分類されていないと聞いております。100床の選定はどのような基準で行うのでしょうか。【答弁 健康福祉部長】
本事業において、県では、病院への要望調査に基づき、795床との回答を行いましたが、100床分を配分するという内示とともに、公立の医療機関を対象外とし、 「令和4年度から3年連続経常赤字の医療機関」または「令和5年度から2年連続経常赤字かつ令和6年度に病床削減済の医療機関」などの算定方法を示しました。しかしながら、この算定方法の対象となる医療機関はないことから、国との協議の上、一部の基準を緩和し、公立を除く「令和5年度から2年連続経常赤字の医療機関」の病床の削減に対し、100床分を配分する方向で調整しているところです。
(2) 患者と病院の医療ニーズを踏まえた病床数について
【質問 中川】患者と病院の医療ニーズを踏まえた病床数についてです。医療現場からは、看護師不足や長時間勤務が課題であり、入院させたい患者の受け入れできないケースがあることをお聞きしています。決して病床が余っているのではなく、受け入れ体制が課題のようです。この給付金申請の背景にどんな実情があるのか、実際の声をご紹介します。慢性的な赤字が継続し経営的にも厳しい状況にあり、看護師不足で病床もフル稼働できない中、県から病床数適正化事業補助金の意向調査があり、一旦は40床の病床削減の手上げを決めた。しかし、1.6億円の補助金はのどから手が出るほど欲しい現状だが、補助金は1回だけで終わり、今後40床分の減収は続く事になること、何よりも地域の財産である病床を簡単に削減して良いかとの意見があり、内部で議論した結果、申請しないことにした。とのことです。どの医療機関も経営と地域の医療を守ることでの苦渋の決断を迫られている状況だというのが実情だと思います。
このように給付金申請の背景には、厳しい病院経営や看護師など医療従事者の体制に課題があり、病床を稼働させることができないという状況があります。単に病床が余っているわけではなく、患者の医療ニーズがない状況でなく、このままま削減を進められれば、地域の医療を崩壊させることになります。
そこでお聞きします。こうした医療現場の声から見える医療二ーズと病床削減とのギャップをどう認識しているでしょうか。また、今後はさらに11万床の削減を目指すことが自民・公明・日本維新の会で合意されました。県の見解をお聞きします。
【答弁 健康福祉部長】
県では、平成28年度に策定した地域医療構想において、医療需要に基づき各圏域で必要病床数を算定し、参考値としてお示しをしています。適正な医療提供体制を構築するためには、病床の削減だけではなく、必要な病床機能への転換に取り組むことが重要です。このため、これまでの各圏域における地域医療構想等調整会議において、将来の医医療需要について共有し、地域の実情を踏まえた医療提供体制を構築するための議論をこ進めてきたところです。今後、2040年に向けた新たな地域医療構想を検討する際も、限られた医療資源をより効率的に活用する観点を踏まえた議論をしてまいります。なお、自由民主党、公明党、日本維新の会において新たな病床削減に向けた合意がなされたと承知しておりますが、具体的な方策は明らかになっていないことから、引き続き状況を注視してまいります。【再質問 中川】
平成28年度に策定された地域医療構想のその時の参考値を基に取組みを進めていると答弁されましたが、平成28年はコロナ禍前で、コロナ禍前に策定された数値で検討するのには危機感を持っています。コロナ禍での教訓は感染症など有事に対応するのは、病院のベッドは余力が必要だ。これが教訓でした。それがまだ反映されていない数字のままで、進められております。そして、自民党、公明党、日本維新の会3党での合意した11万床の削減について、具体的な方策が明らかになっていないとおっしゃられましたが、これは、これまで県が、病床数は削減するのではなく、病床数が足りない機能の病床数を増やして充実させていくと説明されてきましたが、3党合意の中身を読むとそれが目的ではなくて、具体的に11万床の削減は医療費削減の効果があるのだと、これはこれまでの県の姿勢と大きく違うのではないか。目的が違う以上、しっかりと県としての姿勢、立場を求めていくのが、本来の立場ではないか。注視ではなくお考えを伺いたい。
【答弁 健康福祉部長】
当職には2点お尋ねをいただきました。そのうち1点目、この1点目は2つに分かれると思いますけれども、お答えを申し上げます。患者と病院の医療ニーズを踏まえた病床数についてであります。
まず、この中での1つ目、平成28年度に策定した地域医療構想において算定した必要病床数、これにつきましては、当然その時点での参考値ということでありまして、当然、地域医療構想等調整会議は毎年行っております。その中で、将来の医療需要について共有しながら、地域の実情を踏まえた医療提供体制を構築するための議論を進めているところであります。
また、自由民主党、公明党、日本維新の会において合意がされた新たな病床削減 ですけれども、私が注視してまいりたいと申し上げたのはこの3党合意、それからこの後のそれを受けた国がどう対応するか、そこも含めての注視ということで申し上げました。県といたしましては、引き続き、病床削減だけではなく、必要な病床機能への転換に取り組むことが重要ということで、地域の実情を踏まえた医療提供体制の構築を進めてまいりたいと考えております。
(3) 病院の経営悪化に対する認識と支援の必要性について
【質問 中川】このように、病床を削減する医療機関に給付する病床適正化支援事業に申請が殺到したという背景には、医療従事者不足に加え、病院経営の苦しさがあると指摘されています。実際に約6割の医療機関が赤字となっており、倒産、休廃業が過去最多になる中、瀬戸際まで追い詰められ申請した医療機関も多いのではないでしょうか。医療関係者からは診療報酬改定前、今から支援金を出してほしいという要望が出ています。病床数適正化支援事業で約4億1000万円が補正予算として計上され今後も追加内示がされると聞いていますが、本来であれば、医療機関が経営を維持するための支援に税金を使うべきだと考えます。そこで、病院経営の悪化についての認識、支援の必要性についてお聞きします。
【答弁 健康福祉部長】
医療機関は、公定価格である診療報酬を主な収入源としているため、昨今の急激な光熱水費や材料賀の高騰、人件喪の上昇に対応できず、厳しい経営を強いられているものと認識しております。こうした状況の中、県では、国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金などを活用して医療機関に対する財政支援を複数回にわたって行いました。また、経営の悪化は全国一律の制度上の課題であるという認識の下、国に対して診療報酬改定や補助制度の創設を要望してまいりました。一方で、少子高齢化が急速に進む中、病床数の削減や、医療従事者の偏在対策、急性期医療を担う医療機関と慢性期医療を担う医療機関の役割分担の明確化など、限りある医療資源の最適化・効率化が求められます。こうした点につきましても、今後、地域医療構想等調整会議を活用して現場の 声も聞きながら、丁寧に議論を進めてまいります。
【再質問 中川】
現場の声を聞きながら議論していくと答弁されましたが、病院の声としては、例えば、日本病院会など6病院団体が訴えたのは、このままではある日突然病院が無くなると訴えています。また、岐阜県に対して、診療報酬改定前の支援を求めたいという医療団体からの声も聞いています。本来であれば、実際に支援を求めている声に対応するのが県の役割ではないか。聞きながらではなく、すでに届いている声に対する支援の検討について再度伺いたい。
【答弁 健康福祉部長】
それから2点目、病院の経営悪化に対する認識と支援の必要性であります。まず、県においては、国が示しました物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金、こちらを活用して、医療機関には財政支援を複数回にわたって行っています。また、先ほどもご答弁させていただきましたけれども、医療機関の経営悪化は全国一律の制度上の課題であるという認識の下で、先月は私自身が厚生労働省に出向きまして、臨時的な診療報酬の改定や国による補助制度の創設を要望して参ったところであります。こうじた取組みを引き続き続けて、病院経営の悪化に対して県としても支援を進めてまいりたいと考えております。




