2026年4月12日 11:48 am
カテゴリ: 活動報告
男女の賃金格差に対する認識と対応について
【質問 中川】続きまして、男女の賃金格差に対する認識と対応についてです。 令和6年度賃金構造基本統計調査によりますと、岐阜県における女性の賃金は、正社員であっても男性の水準を100とすると74.2%にとどまり、全国平均を令和3年以降連続で下回っております。
3月8日、国際女性デーに公表された都道府県別のジェンダーギャップ指数では、岐阜県は経済分野で全国19位と上昇しましたが、フルタイムの仕事に従事する男女比全国38位、男女間の賃金格差43位、管理職の割合45位であり、岐阜県が他県に比べ、この分野で非常に大きい課題があることがわかります。岐阜県では、若い女性が岐阜から県外へ転出する要因の一つに、この男女間賃金格差や魅力的な職場の不足が挙げられていることからも、これまで以上の取り組みが求められます。
そして、このジェンダーギャップ指数に関連して申し上げたいのは、日本の男性、特に30代から40代の男性は、世界で最も長時間労働を強いられているという側面もあるということです。一家の大黒柱として、家計に対する責任の大部分を男性が背負い、女性は家計補助という性別役割分担は、長時間勤務や精神疾患、過労死など労働における歪みを起こす一因になってきました。ジェンダー平等という考え方は、決して女性だけのものではなく、男性にも女性にも生きやすく、自己実現できる社会であると思います。
賃金格差に関してもう一点指摘されているのは、30代以降にパートやアルバイトなど非正規雇用の割合が増加し、それが格差を大きくしているという点です。実際に女性が子どもを生み育てながら正社員として働き続けるには、本人や家族の努力、企業の意識だけでは限界があり、公的制度の充実が欠かせません。
例えば、子どもが保育所に通うときは、残業なしの部署に配属させてもらい、働くことができたとしても、小学校1年生になった途端、下校時間がお昼過ぎに早まります。岐阜市では教室不足もあり、学童保育留守家庭児童は近くに祖父母がいる場合は入れなかったり、運よく入れても小学校3年生、4年生以降は対象から外れてしまいます。柔軟な働き方や非正規雇用を自ら希望したというよりは、今までの働き方を諦めざるを得なかったと語る女性もいらっしゃいます。賃金格差の背景には、こうした公的制度の課題もあると思われます。
そのため、今後は柔軟な働き方の推進に加えて、女性の正規雇用、男女の賃金格差の解消を主要施策の柱にしっかり位置付けていくことが重要なのではないでしょうか。
そこで知事にお聞きします。
知事が掲げる働いてもらい方改革は、柔軟な働き方や非正規雇用がメインになり、直接的に賃金アップや安定雇用化を進めることが主軸にはなっておりません。男女の賃金格差解消を目標に設定して政策を展開する必要があるのではないでしょうか。問題意識と取り組み姿勢についてお聞きします。
【答弁 知事】本県における男女の賃金格差が、全国平均に比べて大きくなっている背景には、非正規雇用の割合の高さや女性管理職比率の低さなどがあると言われております。これは議員ご指摘いただいたとおりでございます。特に、民間調査機関による調査におきましては本県における女性社長の比率が16年連続全国最下位であることは、力を発揮したいと思っておられる若い女性が県外に流出する要因の一つであると考えております。
こうした傾向は実は愛知県などの東海地方においても同様で、報道機関などでは「東海地方はものづくり産業が盛んだから」とさらっと解説されることは少なくありません。しかし、なぜものづくり産業が盛んだと女性が社長になりにくいかについては、ほとんど説明がありません。このままなんとなく、そういうことだろうと思われているかもしれませんが、その背景には「ものづくりでは力仕事や拘束時間も長く、体力的にも無理をすることが多いから、女性には大変だろう」といったイメージが暗黙の了解となって、いわゆる「好意的差別」、女性には大変だから無理させないようにという好意的な観点での差別も含め、女性が活躍できる機会を奪っている可能性があると思っております。
一方、女性自身にも、自分にはあんな大変そうな仕事は無理だというような無意識の思い込みがあると言われております。こうした無意識の思い込みである、これを「アンコンシャス・バイアス」と言いますけれども、こうしたアンコンシャス・バイアスが結果的に、女性の責任のあるポストに就くことを妨げ、適切な人材の育成や登用を阻害し、結果的に男女の賃金格差にもつながっていると考えております。
こうした中、県では第5次「岐阜県男女共同参画計画」におきまして、働く場における男女共同参画の推進を掲げ、様々な政策に取り組んでまいりました。例えば、若手女性従業員を対象に管理職候補としての意識向上を目的とした「女性リーダー養成講座」を開催し、キャリア形成を後押してまいりました。また、企業における女性管理職の登用拡大に向けたアドバイザーの派遣を年間200件規模で実施しております。
さらに、ワーク・ライフ・バランス推進エクセレント企業の認定において、男女の賃金格差の把握を申請の必須要件に加え、企業の取組を促してまいりました。その結果、現在、新規認定企業では、女性の正規雇用率が67%に達しております。
今後、男女が等しく社会において活躍し、男女の賃金格差を解消するためには、男性の働き方も見直していく必要があると考えております。かつてのような徹夜、残業が当たり前といったフルタイムプラスアルファを前提とした働き方から、フレックスタイムやリモートワークも取り入れながら、責任ある業務をこなしていくスタイルの導入は、「働いてもらい方改革」が目指す最終的な形だと考えております。
ちなみに、「働いてもらい方改革」で紹介いたしました優良事例の中には、リモートワークなどの積極的な導入のほか、非正規雇用社員を全て正規雇用化した企業がございます。こうした「働いてもらい方改革」のエッセンスは、女性のキャリア中断を減らし、正規雇用率を上げ、結果的に女性の賃金水準を上げることにつながるものと考えております。実際、IT企業やスタートアップ企業などでは、従来のような男性中心の働き方にとらわれない新しい雇用形態の中で女性の活躍が進んでおります。
今後は、ものづくり産業においても、業務の細分化や役割のシェアなどにより、多様な人材が活躍できる環境を実現することが、人手不足を解消し、柔軟な発想に基づく商品開発など、新分野への進出も含め競争力の向上に繋がっていくと思われます。今後も、こうした取組みを推進し、女性が持てる能力を最大限発揮できる「女性に選ばれる岐阜県」を目指し、全力で取り組んでまいります。
【再質問 中川】
男女の賃金格差に対する認識と対応について知事に伺います。答弁の中に、女性の無意識の思い込みという言葉がありましたが、私はむしろそうではなくて、能力を発揮したいって頑張りたい女性が県外に出ていかないようにする、岐阜県内できちんと働けるようにするということが岐阜県に求められていることで、女性の意識の問題に落とし込んでもらいたくはないと思います。
なので、女性を対象にした意識改革セミナーであったり、企業への研修と言われましたが、そうではなくて、なぜ希望できないのか、希望する働き方ができないのか、そこにはどういう課題があって、これは公的支援制度も一緒です。そこについても問題があるのではないかという分析を始めていくことが、私はすごく大事じゃないかというふうに思います。
そこで伺いますが、働いてもらい方改革の中で、正規雇用への切り替えがあった、優良事例が出ていると仰いました。であるならば、政策の柱として正規雇用であったり、賃金格差の解消、これを柱にちゃんと据えるということも必要じゃないかと思います。その位置づけについて伺います。
【再答弁 知事】
次に男女の賃金格差についてでありますが、少し誤解があったらいけないんですけども、女性の意識に責任を押し付けているわけではなくて。どうしてもですね、先だって国際女性デーの中で、十六総研さんがやられた「女子に選ばれる地方」の著者である方が、田代さんだったと思いますが、彼自身もおっしゃっておられたように、特に中部地方においては、意識の高い人は出てってしまうけれども、逆にそれでいいんだと思っている方が残ることによって、まあ濃縮効果といって、女性はそういうもんだという意識が高まってしまっている可能性があると。
だから、そうしたものがかえって、若い人たちの居場所をいづらくしているのではないかと。彼自身が、次のシンポジウムの中では、そういった女性の意識に対してもしっかり目を向けていかないととおっしゃったのが、前回のシンポジウムのポイントでございました。ただ、その中で私が申し上げたのは、よく男性の男性のってあるんですけど、まず男性自身の意識だけではなくて、働き方も変えていくってことは重要だし、その時、特に私もその時の挨拶で申し上げましたけど、今の女性の社会参加の数字は、男性のように働ける女性の数が増えてるかどうかの話になっていて、根本的に違うんではないかと。
ですから、これまでの、女性の活躍といっても海外のようにですね、働き方が違うのに徹夜残業ができる職場にどれくらい女性が入ったかみたいな話になっていることはおかしいと思っています。ですから、今回の働いてもらい方改革はどちらかというと働かせるというような発想で、社会が成り立っているのを働いてもらうという視点を、働く方に変えた上で、どのように働いてもらうことが会社にとっての成長につながるのか、その視点を経営者に持っていただきたい。そのために、いろんな事例を出しながら、どうしても経営者にとっては人件費はコストという意識がありますから減らす方向に減らす方向に議論するんですけど、そうではなくて、むしろ投資であると。これは私が長年進めてきた健康経営の基本的な考え方ですけど、企業文化と哲学を変えていくと。で、それに今度は会社の経営のあり方そのものを変えていくと。で、それが進んだ段階で、まさに議員がご指摘いただいたように、この国において働くというのは基本的に正規が普通なんだと。例外的に非正規があるというぐらいに持っていく。ただし、その場合にはですね、今までの働き方を当たり前だと思っている方々にとっては何を言ってるんだということがあると思いますので、成功事例をより広く見ていただく中で、実は正規にした方が会社が伸びるんだという実例、これ今度50社まで増やしますけど、そんな中で制度を見直して、社会全体が変わっていくと。その中に合わせて女性も意外に多かったのは、いや、そういうのは私いいですからっていう声も結構多いんだということは同じシンポジウムでありましたけど、そうではなくて、男性のように働くことをイメージするから、私は結構ですというイメージが出てきてしまっているので、そうではなくて、本当に力が発揮できる。
これは女性だけではなくて、高齢者の方、障害のある方、いろんな方も、自分は無理だと思わなくて済むような形に社会を変えていきたい。これはまさに働いてもらい方改革の本質でありますので、その上で、数字目標その他が出てくるのは、今後、国の政策かもしれませんが、それをぜひこの岐阜県から、発信し、健康経営に対しても、今後アプローチをして、国のあり方そのものも変えていきたいと思っております。
【再々質問 中川】もう一つが、賃金格差についても知事に伺います。
いろいろ思いを仰いましたし、男性の働き方という側面もあるんだというのは同じで、ジェンダーギャップの一つの側面として男性には長時間労働を強いてきた。この問題もあると思います。
そこで再度伺いますけれども、このジェンダーギャップを解消するために政策にちゃんと位置付けていくのか、賃金格差であったり、女性の正規雇用化というのを位置付けていくのか、それともそうではなく、働いてもらい方改革というところに行くのか。その点について、ぜひ政策に位置付けていただきたいということも思いも込めて質問させていただきます。
【再々答弁 知事】
次に賃金格差についてお答えします。1点誤解があるといけませんが、働いてもらい方改革も大事な政策です。ですから、一応政策に位置づけております。ただ、その上で、おそらく働いてもらい方改革は現場で行われているものを吸い上げるという形をとっているので、いわゆるその帰納的な発想で、こういうものがいいんじゃないかということをやっているので、多分、今議員がおっしゃったのは、演繹的にこうすべきだみたいなものを、県か国が示して、それを強制するのが政策というようなイメージに聞こえてしまいますので、そうではなくて、やはり働き方、それから企業文化も含めて、いろんな業態、実態、それから歴史もありますので、その中で無理なく、企業の方々、特に経営者の意識改革で、働いていただいている方々の意識改革、この両方を結ぶには、政策として強制するのではなく、やはり積み上げ型の中でこちらの方がよりいいよねという事例を示していくこと。それがある程度たまったところで、おそらくルール、規制、おそらく労働法規なんかに反映していくのかなというふうに思っております。なので、まず私ができることとしては、今でも国の方が進めております、健康経営という、まさに政策になったものの中で、そうした柔軟な働き方というのを、加点ポイントを上げていく、そういう形の中で、より多くの企業がそういう取り組みやすい環境を作っていくことだというふうに思っております。加えて、先般の答弁でも申し上げたように、岐阜県だけがそれを進めていくのではなくて、取引先、特に健康経営が大きく進んだ一つの理由は、豊田さんが健康経営銘柄があった時に、取引先にもそれを求めますかという質問に対してイエスと答えられ、そこから一気に進んだというのがありますので、やはり国全体としてそういう環境を整えている中で、女性の皆さんが持てる能力を十分に発揮することができれば、先ほどの、いやいや私は無理ですということを言わなくても済む方が増えてくる。これはどちらが先で、どちらが後ということはありませんけども、政策としてそういったものをしっかりと進めていきたいというふうに思っております。




