2024年10月24日 2:23 am
カテゴリ: その他
大阪・関西万博への自治体参加催事とその費用について
Q 中川
今回はこの自治体参加催事について質問します。予算は、今年度当初予算において自治体参加催事開催準備費として651万2000円。今議会の補正予算で405万5000円と令和7年度にわたる債務負担行為8100万円が提案されています。合計で9156万7000円です。2日間の催事に対して1億円近い県費を投入。あまりにも過大な予算であり県民目線からかけ離れたものであると言わざるを得ません。今議会には2023年度決算も出されていますが、実質公債費比率、将来負担比率は昨年度に引き続き悪化しています。こうした県財政の状況から考えても、この予算措置は理解に苦しむところです。
2点質問します。
(1)催事の目的と内容について
催事に対し、かなり大規模な予算措置がされるがその目的と内容をお聞きします。(2)催事の規模と予算の見直しについて
岐阜の文化を否定するものではありませんが、2日間の催事で1億円近い予算を使う必要があるのでしょうか。規模を見直すべきと思いますがお考えをお聞きします。A 知事

まず、万博でありますけれども、その時代における人類の文明・文化の粋を表現する世界的・国家的なプロジェクトであります。その中にあって、我々自治体が参加し、催事を行うということの目的でありますけれども、まず、世界中から、また、国内各地から大阪・関西万博に訪れる多くの来場者に対して、本県の魅力を力強くまずは発信するということであります。これに加えて、県民の皆さんが万博という晴れの舞台に出演・出展することで、自ら地域の魅力を再認識するとともに、その経験が誇りとなり、地域資源を一層磨いていくことで、地域を支える人づくりにもつながっていくのではないかというふうに考えております。
最近の例で申し上げますと、これはちょっと万博そのものではないんですけども、2018年に日本文化の総力を挙げてということで、パリで政府の肝いりで開催しました「ジャポニスム2018」でございましたけども、その一環として、本県は地歌舞伎公演を行ったわけであります。私も保存会の皆様と一緒に現地に行ったわけでございますが、大変な盛況を博しました。出演された保存会の方々は「岐阜の地歌舞伎は世界を魅了できる」ということを強く実感され、そしてそれを原動力に、その後も勢揃い公演や後進の指導等に大いにご活躍いただいているところではございます。
そこで、大阪・関西万博でありますが、本県の催事は、開閉会式が行われるメイン会場である「EXPOホール」におきまして、6月9日、10日のこれはウィークデイでございますけども、2日間、約20時間に亘って催事を実施する予定でございます。内容としては、地歌舞伎をはじめ、ユネスコ無形文化遺産に登録された「風流踊」、その他岐阜県の伝統芸能、あるいは、創作オペラや障がいのある人とない人が共に創る音楽劇でありますとか、この夏の高校生の「清流の国ぎふ総文2024」で披露された演目、あるいは、花生けバトル、書道パフォーマンス、演劇等々、年齢や性別、障がいの有無を問わず、多くの県民の皆様に参加していただいて、延べ50公演程度を予定しております。その具体的な演目や出演者等につきましては、文化イヤーのレガシーをしっかりと万博催事参加に引き継いでいくという観点から、国民文化祭と並行して検討を進めて、早急に固めてまいりたいと考えております。
次に、催事の実施経費でございますけれども、当初予算では、事業の大枠を定める計画の策定費等ということで650万円余を計上しております。今回の補正予算では、ただ今申し上げました内容、規模を踏まえて、歳出予算として、円滑な催事進行のための運営計画の策定費などに400万円余、また、債務負担行為として、出演者や運営スタッフの移動・宿泊費、会場の借り上げ、資機材に関する経費、広報経費などに8,100万円を、それぞれ必要な経費として計上しているところでございます。
Q 再質問 中川
世界中・国内各地から来場される万博で、岐阜県の伝統文化の良さ、魅力を発信すると答弁がありました。
この一般質問初日に答弁されたように、総文祭が終わり、国文祭に移っていく事について、今年度は文化イヤーとして位置づけて、総文祭で高校生が約2万人、関係者を含めて10万人といっしょに大交流会が実現できたと仰った。さらに引き続く国民文化祭で国内外に開かれた交流に発展させて、集大成にすると答弁された。集大成にするとおっしゃるが、さらにそのレガシーを継承すると言って、来年もまた万博で発信するということだ。これではレガシーを継承する、継承すると言って、発信ばかりである。本当に大事なのは、文化を根付かせて守ることであり、これでは継承にならないのではないか。私は発信自体を否定するものではないが、2日間で1億円近いお金を使って更に発信することに疑問を感じます。その点について再度お答えください。
A 知事
発信とそれから保存といいますか、発信ばかりしていていいのかというご指摘でございますけども、当然、発信と保存というのは相互作用の中で文化が発展していくというふうには思っております。今回の国民文化祭の中でも、保存、それから継承ということが一つの大きなテーマになっておりまして、例えば、飛騨高山でやりますが、「匠の技」これもどんなものが「匠の技」か、という発信だけではなしに、これを守っていくためにどれだけの努力がいるのかと、あるいは、その技を支える道具、その道具の作り手はいるのかというようなですね、継承・保存にまつわる問題を提起するということも、この国民文化祭の中でやってきておるわけでありまして、常に発信と、それから保存と継承ということについて、相互作用の中で見ていく必要があるというふうに私も思っております。
そうした中で、この万博についてでありますけれども、これについての色んな考え方があろうかと思いますが、私自身1851年の第1回の万博から始まって、ずっと歴史を辿っていく中で、やはり歴史的に見て、この万博というのは、段々内容は変わってきてはおりますけれども、依然として人類・世界のその時代の最先端の問題意識といいますか、課題意識といいますか、文化・文明の問題を扱う、そういう最大・最高の場であるというふうに私自身は考えておりまして、そういう最大・最高の場が日本で行われるというこのチャンスを逃さず、やはり岐阜県の魅力を強く発信していったらいいんではないかと、この万博での発信が、まさに国民文化祭、今年の文化イヤーのレガシーを大事にしていくということに繋がっていくのではないかというふうに思っているところであります。
Q 再々質問 中川議員

A 知事
大阪・関西万博への本県の参加の費用の積算でございますが、債務負担行為8,100万円、その内訳でございますが、催事の出演者の移動費、宿泊費、衣装等の輸送といった経費が3,100万円、催事運営に関わるスタッフの報酬や移動費、宿泊費といった経費として1,800万円、会場で必要となる資機材費として1,600万円、加えて、EXPOホールの借り上げに関する経費として1,100万円、その他広報経費などとして500万円ということで想定をいたしております。
実は、2005年に開催された愛知万博におきましても、岐阜県は参加しておるわけでありますが、当時の資料をチェックしてみましたところ、当時で予算規模が8,200万円ということでございました。2日間催事をやっております。当時からの物価変動を加味すると、ざっと9,200万円程度になりますので、トータルとしては、ほぼ今回と同じ規模だったのかなというふうに思いますが、ただ今回は、会場借り上げ料が1,100万円新たに発生しておりますし、開催地が愛知で日帰りもできたということに比べて、大阪へということでより遠方となっておりますので、輸送費・宿泊費等は当然増えてくるわけでありまして、そういう意味では前回の「愛・地球博」の時に比べて抑えたものになっているというふうにも言えるのではないかと思っております。
確認が取れた範囲で他県の予算規模を見てみますと、大体1日当たりで7,000万円が平均でございます。そこと比べても、私どもとしてはそれなりに考えて積み上げた数字になっているのではないかと思います。ちなみに、本県の催事の規模でありますけども、出演者が延べでざっと600名程度を考えておりますし、スタッフが延べで180名程度と、公演数は50公演程度ということでございますので、かなり大規模なものになっております。そういう中で、必要な経費を計上させていただいたということでございます。
※2024年10月9日で掲載した議事録で一部不備がありました。お詫びいたします。事務局渡邉