中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

宣言解除後における新型コロナウイルス感染症対策に関する要望書を県へ提出

2020年6月15日 2:14 am
カテゴリ: 新型コロナウイルス感染症

宣言解除後における新型コロナウイルス感染症対策に関する要望書

 

新型コロナウイルス感染症対策について、昼夜を分かたずご尽力いただいていることに感謝申し上げます。

緊急事態宣言が解除された今、県では感染拡大の第2波、第3波に備えた医療と介護、子どもの安全と教育、中小業者の経営、雇用、学生の就学などの対策が求められています。

つきましては、県民の命と健康を守り、暮らしと経営の立て直しに必要な対策を6月補正予算に盛り込み、スピーディーに実施されますよう、以下の項目について要望します。

 

【医療、検査体制の拡充】

  1. 検査センターについて
  • 市町村と各医師会が連携してつくるPCR検査センターに対し、県が全面的な財政支援を行うようにしてください。
  • PCR検査センターでのドライブスルー方式などの導入を推進するために、要望があれば県有地や県施設などを活用してください。
  1. 発熱した方が病院で診察を受けられない現状があります(飛騨)。実態の把握と改善をお願いします。
  2. 医師が必要と判断した患者のPCR検査が保健所を通さずに行える仕組みを、一刻も早く県内全域で整備し、保健所の負担軽減と体制強化のための支援を強めてください。
  3. 検査する基準を明らかにし、県民に情報提供を周知してください。
  4. 医療従事者をはじめ介護、保育、教育等の現場で働く人たちが、公費で定期的にPCR検査を受けられるようにしてください。
  5. PCR検査と並行して、県の財政負担で抗原検査、抗体検査の活用を積極的に進めてください。
  6. 院内感染防止のため、医療資材の確保、供給を進めてください。
  7. 人工呼吸器など医療機器の管理・運用のための専門スタッフの養成・配置に支援してください。
  8. 新型コロナウイルス感染症の治療や検査等にあたっている医療従事者を対象にした「危険手当」の対象と額を大幅に拡充してください。
 

【中小業者支援】

  1. 持続化給付金の対象とならない事業者へ県独自策で支援して下さい。
【持続化給付金はひと月の売り上げが前年同月比で50%以下にならないと対象外という厳しい制度となっています。売り上げ減少率が50%に満たない場合でも、事業が立ち行かなくなっている事業者が多く、支援が必要です。】
  1. 県の休業要請に応じた事業者への協力金は1回きりにせず、今後も休業要請と補償をセットにして、協力金支給を行ってください。
  2. 自粛要請で影響を受けたすべての事業者を支援する支援金を創設してください。
【自粛要請による飲食店の休業や営業時間短縮で、土産物店などにも影響が出ています。飲食店と土産物店などは商店街として一体のものであり、地域全体が経済的困窮となります。旅館業は協力金の対象にならず、倒産、撤退が生まれています。特に大きなホテル(高山グリーンホテルなど)ではパート職員など非正規の方に大きなしわ寄せが生まれています。奥飛騨温泉の本陣という新規ホテルもコロナの風評被害により倒産。高山観光ホテルもすでに廃業を決め従業員が解雇となっている現状があり、県による支援が必要です。バス関係旅行者なども同様です。】
  1. 家賃、リース料、地代、水道代、電気代など固定費に対する本格的な支援に踏み出してください。
  2. 緊急融資は、迅速に執行するなど、営業を守り抜くためのあらゆる措置を取ってください。
 

【雇用】

  1. 解雇、派遣切り、雇止め、無給の休暇、また使用者の指示による年休消化などが強要されないよう、岐阜労働局と連携を図り、実態把握とともに是正の要請を行ってください。
  2. 失業等に伴う住居喪失者への一時住宅等の提供を行っていることを思い切って広報し、必要としている方々に知らせてください。
  3. 休業になった給食センター任期付職員に対し、休業手当を支給できるように支援してください。
 

【介護支援】

  1. 利用者の減少等のため経営が困難に直面している介護・福祉施設等への減収補填を行い、地域の介護・福祉機能を支援してください。
 

【国保支援】

  1. 国民健康保険について、県に納める納付金を早急に見直し、国民健康保険料の引き下げができるようにしてください。
【病院への診察を控える人が多く、医療給付費が激減していると思われます。】
  1. 新型コロナ感染症の影響をうけた国保加入者へ国保料(税)の減免を市町村が早急に行えるよう、県として要綱やマニュアル作りをお願いします。
 

【生活困窮者支援】

  1. 生活福祉資金貸付制度の特例措置が行われていますが、今まで生活福祉資金を利用し完済していない場合でも特例貸付をうけられるようにしてください。
  2. 新型コロナの影響で就労(就職活動を含む)が困難になったり、収入の見通しが立たない場合、生活保護制度の利用につながるよう、市町村への丁寧な支援を行ってください。
  3. 女性や子ども、高齢者等に対する暴力、虐待の防止について
  • 相談体制の強化、シェルターや居場所としてのホテルの確保、支援に繋げるための広報活動を強めてください。
  • 被害者に寄り添いかけがえのない役割を発揮している民間支援団体に対し、物資及び財政的な支援を行ってください。
 

【子どもと教育支援】

  1. 特別定額給付金は、4月28日以降に生まれた新生児は対象外です。県独自策としてコロナ禍のなか生まれた新生児も対象にしてください。
  2. 学校の休業要請、分散登校、一斉登校の移行などは、学校の実情や市教育委員会の判断を尊重して行ってください。
【生徒数が30人以下の学校と500人以上の学校を一律に扱うのは困難です。それぞれの学校の規模や状況に合わせた対応ができるようにしてください。】
  1. 学校再開後は、三密を避け、一人ひとりの子どもの成長を大事にした教育を進めるために、少人数学級を実施してください。
  2. 少人数学級等を実施するため、必要な教職員や学業支援員の増員、施設整備をし、そのための財政支援を行ってください。
  3. 感染防止の要となる養護教諭の役割は重要です。未配置校を直ちに解消し、大規模校等への複数配置のため支援してください。
  4. 感染が疑われる子どもに対応するための別室の確保をはじめ必要な施設設備の整備を行い、保健室の体制を強化する市町村への支援を行ってください。
  5. 学校再開後の子どもの状況把握と心のケアの強化のため、スクールカウンセラー、スクール・ソーシャル・ワーカーの体制強化を行ってください。市町村の取り組みを支援してください。
  6. 体の弱い障がい児が多い特別支援学校等の教職員等に対し、PCR検査を行ってください。
  7. 特別支援学校のスクールバスは、増車を含め三密を避ける対策を取るようにし、保護者の負担にならないようにしてください。
  8. 県立高校入試試験は、学校休業を考慮した試験内容にしてください。また、入学希望者全員入学を基本においた検討を早期に進めてください。
  9. 学校が始まり、子どもの暑さ対策が必要不可欠です。炎天下30分以上かけて登下校する子どもは少なくありません。この子たちのために送迎バスを導入してください。コロナの影響を受けているバス会社への支援として、子どもの送迎をしてください。県としてそのための助成制度を作ってください。
  10. 子どもが発熱で学校を休んだ場合、「熱が出たから休んだが、熱が下がったから登校で良いのか」、「インフルエンザでは熱が下がってから 2 日 は登校停止だが、コロナが否定できない場合の対応はどうすればいいの か」といった学校現場が抱えている不安に対して基準を周知してください。
  11. 学力、カリキュラムのしわ寄せなど子どもへの影響が心配です。遅れを取り戻すために追い立てるのではなく、子どもに寄り添った対応をしてください。
  12. 休校中の宿題課題が評価の対象とならないようにしてください。
  13. 教育実習校・研修校制度の見直しをお願いします。教職員の研修強化でなく、子どもとしっかりふれあい心に寄り添う時間を保証してください。
 

【学生等支援】

  1. 県として、学生への生活費給付金、家賃補助、学費補助など支援を行ってください。
  2. 感染症の影響により経済的に困難な状況にある大学生等をアルバイト採用する企業へ支援してください。困窮した学生には、生活資金が間に合わない場合があるので、給与の月払いを、本人の希望を取り、前払いや週払いも行うようにしてください。
 

【災害等環境整備】

  1. 豪雨や猛暑などの災害、震災等に万全の備えをしてください。避難所の整備にあたっては、「密」状態を避けることをはじめ、感染拡大防止とプライバシー、ジェンダーに配慮した抜本的な改善をはかるようにしてください。
  2. 「密」を避けるため、一人あたり4平方メートル確保を基準に生活衛生環境を考慮して、多様な避難所を財政支援を行って必要数確保してください。
【小中学校では体育館にエアコン設置の助成拡大と加えてエアコンが設置された教室の積極的な活用、旅館、ホテルなどの宿泊施設、企業の会議室や研修施設など、大学・高校・専門学校など】
  1. 福祉避難所の設置に支援してください。
 

【財政確保と国への要望】

  1. 第33回全国健康福祉祭ぎふ大会(ねんりんピック岐阜2020)は、新型コロナウイルス感染症が長期化する中で開催は参加者を危険にさらすことになると考えます。誰もが安心して参加できるよう、延期または中止する決断を国に求めてください。
  2. 新型コロナウイルス感染症対策についての「地方創生臨時交付金」などの増額等の財政支援をするよう国に求めてください。
 

以上

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