中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

6月議会質問(2)県職員と教職員の働き方について(県職員)

2018年7月6日 7:06 am
カテゴリ: 活動報告

県職員と教職員の働き方について

行政の役割の第一は「県民の福祉の増進を図ること」です。いま、高齢化や子どもの貧困、不安定雇用の増大などが社会問題になっているが、こうした県民の現状をリアルにつかむことが県職員には求められていると思います。

とくに、困難な状況に置かれれば置かれるほど、声をあげづらい、相談する余裕すらなくなるのが実王です。だからこそ、県民の中の声なき声を受け止め県の施策に反映させることが多くの県民が県に望んでいることだと思うのです。

昨年、県職員の事務事業見直しが行われましたが、その目的だった「県民サービスの向上」とは、県民の暮らしに寄り添い丁寧に生の声をつかむ県政を実現することだと理解しており、これは県職員が毎日過重な業務に追われていてはできません。

この立場で、県職員と教職員の働き方について質問します。

(1)育児休業や中途退職者により生じた欠員の補充について

本県では男性職員も育児休暇の取得を促進するなど県庁全体で働きやすい環境づくりに取り組んでいるとのことです。しかし、現在、知事部局においては、育児休業などによる欠員を埋め切れていないようです。人事課では、様々な努力を相当されているとのことですが、育休取得促進で職員の負担が大きくなったり、逆に育児休業の取得を控えることに繋がったら本末転倒になってしまいます。

そこで総務部長にお聞きします。私は、育休などで生じた欠員についてはできる限りすべて補充するべきと考えるが、どのように対応されているのでしょうか

総務部長の答弁

先ず育児休業職員の代替職員の配置につきましては、平成28年3月に策定いたしました「岐阜県職員子育て支援と女性活躍の推進のための行動計画」において、配置率を100%を目標としているところでございます。その代替職員は、可能な限り正規職員を配置するように努めた上で、育休任期付職員や非常勤専門職等の採用の他、民間企業等職務経験者採用試験や大学卒業程度採用試験合格者の中ですぐにでも勤務が可能な方を10月又は11月に採用し、配置をしております。その結果、本日時点で、育休取得者68名の内25名は代替職員を配置し、残りの3名につきましても、現在、非常勤専門職などの募集をしているところでございます。

また、年度途中に退職が生じた場合も同様に、正規職員などによる補充を行っておりまして、本日時点では欠員は生じておりません。

今後も、育休取得予定者や中途退職者の情報を早期に収集し、欠員によって職員の負担が増えることが無いように、あらゆる手段によりまして、代替職員を全てに配置するように最大限努力してまいりたいと考えております。

 

(2)事務事業見直し後の時間外勤務増加に係る評価について

事務事業の見直しが進められ、一人当たり12分の短縮につながったとの推計がは発表されております。しかしこれはあくまでも推計であり、実際には昨年度と今年度の一人当たりの時間外勤務の実態を比較すると、4月、5月とも昨年より増加しており、部局別にみると3分の2の部局で増加するという結果になっています。特に12部局中7部局では4月、5月とも昨年度比で増加しており、時間外勤務が多い部局がほぼ決まっており、改善に至っていないことがわかります。

今年度は6月7日から10日までアジアジュニア陸上競技選手権大会が開催されました。推進室では昨年秋から準備に携わっておられたと聞いています。こうしたイベントに携わる部の時間外勤務が県庁でも大きく、また大幅に増加していることから見ても、事務事業の見直し以上に業務が増えたことで、結果として時間外勤務の縮減に繋がらなかったのではと考えます。

そこで知事にお聞きします。

来年度以降も、日本スポーツマスターズ、ねんりんピックなど立て続けにスポーツイベントの誘致が計画されているが、いくら事務事業の見直しを行い仕事の効率化を行ってもこれ以上にイベントが増えれば意味がないのではないか。見解をお聞きします。

知事の答弁

2点質問がございました。まず、事務事業見直し後の時間外勤務増加に係る評価ということでございます。

県の施策を進めるうえでは、変化する社会情勢、新たな県民ニーズや様々な課題に対して、迅速かつ柔軟に対応していく必要がございます。このため、当然のことながら、前年度と今年度では業務内容や事業実施時期も異なりますし、業務量が当初想定していた以上に増加することもあるわけでございます。

その上で、今年度の、4月と5月の状況について申し上げますと、アジアジュニア陸上選手権のほか、例えば、住宅宿泊事業法いわゆる民泊新法の施行、3年に一度の障害福祉サービス等の報酬改定、NHKの連続テレビ小説「半分、青い。」を契機とした観光魅力発信などが重なりまして、これらに対応した新たな業務が多くございました。

これらの担当部局では、4月より増員など体制効果をしておったわけでございますが、なお時間外勤務が昨年度の同時期よりも、増加しておるという状況でございます。

ただ、今申し上げましたいずれの業務も、現在は、一定の山場は越えたところでありまして、今後の時間外勤務の状況は徐々に改善していくというふうに考えておりますが、引き続き丁寧に目配りをしてまいりたいと思っております。

さらに、今後とも、事務事業の見直し及び時間外勤務の縮減対策を徹底して推進するとともに、必要な政策課題、その遂行のための予算、組織体制、人事配置などの過不足について、年度当初はもとより、年度途中においても十分フォローし、全庁的にバランスのとれたものにしていくよう努力してまいりたいと思っております。

 

(3)大規模スポーツイベントの誘致について

①今後開催や誘致を予定している大規模スポーツイベントの予算規模と従事職員数の見込について

日本スポーツマスターズ、ねんりんピックに引き続き、さらに2022年ハーフマラソン世界選手権の誘致にも取り組むとの話が出ているようです。しかし、開催にあたってどれほどの財政負担が県に生じるのか、従事する職員はどれほどになるのかといった情報は一切説明がありません。

スポーツイベントを全否定するつもりはないが、予算の見通しに加え、これだけ職員の過重労働が問題になっているのだから、誘致に動く前に情報を明らかにし様々な面から検討すべきと考えます。

まず、清流の国推進部長にお聞きしますが、今後誘致が計画されるこれら大規模スポーツイベントの予算規模と従事職員数についてどれほどを見積もっているのでしょうか。

清流の国推進部長の答弁

日本スポーツマスターズやねんりんピックは、全都道府県持ち回りで毎年開催されており、先催県の実績を参考に見積もっていくこととなります。昨年度の両大会における予算規模や携わる職員数の状況を見ますと、日本スポーツマスターズは、県予算が2年間で6千6百万円、会期前協議を含め9日間で延べ約80人、また、ねんりんピックにつきましては、県予算が3年間で約11億円、4日間の会期で延べ約1,300人と聞いております。

これら過去の大会内容を分析するとともに、岐阜県としてこれまで培った経験やノウハウを生かし、効率的な運営に努めてまいります。

なお、世界ハーフマラソン選手権につきましては、ぎふ清流ハーフマラソンと併催することで、コストを極力抑えた効率的な運営が可能であると考えておりますが、現在、実施しております先催地の調査結果をふまえ、今後、必要となる経費や人員を見込んでまいります。

 

②県職員の事務量に見合った大規模スポーツイベント誘致の見直しについて

つづいて知事にお聞きします。

先ほど申し上げたように、事務事業見直しにより業務数が減ったとしても新たなイベントが増えたら、業務は増えてしまい、福祉・防災などの施策充実も行えない。さらに、イベント開催のために職員がスタッフとして働く、観客席を満席にするため人集めに多くの労力とストレスがかかっているとの話を耳にします。

このような状況では、本来の行政の役割が見失われているのではないかと心配です。いまいちど、今後のスポーツイベントの誘致について見直しが必要と考えますが、いかかでしょうか。

知事の答弁

本県では、平成24年のぎふ清流国体・ぎふ清流大会の成果を一過性のものに終わらせることなく、継承していくという観点から、これにふさわしいスポーツイベントの誘致に取り組んでまいりました。

特に2013年、平成258年に東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定したということを受けまして、開催年の2020年まで、国民のスポーツへの関心が急速に高まるこの時期を、本県にもスポーツを通ずる活力を呼び込む絶好の機会と捉え、誘致活動を強化してまいりました。その結果、今月当初には日本初開催となるアジアジュニア陸上選手権大会を開催したところでございます。そして、来年の日本スポーツマスターズ、再来年のオリンピックイヤーのねんりんピック、この両大会とも、全国持ち回りでいずれ開催することになるわけでありますが、この時期を捉えて誘致したという次第でございます。

これら3つのイベントを開催しますことは、スポーツを「する・観る・支える」といった様々な機会を提供し、対象者を若者から壮年、そして高齢者へとつなぎながら、全世界へのスポーツへの関心を高めていくことが期待されます。そして運営する側にもノウハウが蓄積され、県全体のスポーツ振興、健康増進、地域の活性化、岐阜の魅力発信などが期待されます。

先日開催したアジアジュニア陸上選手権大会では、35か国・地域の約700人が参加をし、本県ゆかりの選手も大いに活躍したほか、大会期間を通じて約2万4千人の方々が来場され、世界レベルの競技に触れていただくことができました。

また、県内211の小中高校、特別支援学校は、それぞれに参加国の一つを応援するという「1校1国応援事業」を展開し、応援横断幕の制作、来場応援そして各国選手団との交流を行いました。

例えば、本巣松陽高校では、タジキスタンの大使館員から文化や生活様式を学び、生徒は琴の演奏でおもてなしをし、また、スリランカの選手が、羽島市内の中学校等を訪問し、ともにスポーツを楽しむなど、アジア諸国の若者と交流を深めるいい機会になったと考えております。

本県で19回目となる日本スポーツマスターズは、原則35歳以上のスポーツ愛好家を対象とするもので、働き盛りの世代がスポーツに親しむことにより、生涯スポーツの推進につなげる大会でございます。

また、本県で33回目となるねんりんピックでございますが、高齢者の皆様がスポーツ・レクリエーション、文化芸術活動に触れ、楽しむことで、生きがいや健康づくりを進めていくという趣旨の大会でございます。

両大会とも、全国持ち回りで開催される大会でありますので、過去の大会内容を分析し、できるかぎり効率的な運営に努めてまいりたいと考えております。

一方、現在、誘致を検討しております世界ハーフマラソン選手権でございますが、隔年で開催されるものでございます。本年3月にはスペイン、次回2020年にはポーランドでの開催が決定しておりますので、2022年以降の誘致を目指すということになります。

開催にあたりましては、1万人のランナーが参加する「ぎふ清流ハーフマラソン」をベースとして、これに約300人の選手による世界ハーフマラソン選手権を同時開催するということで、コストを極力抑えた効率的な運営が可能になると考えております。

加えて、この世界一を決める最高峰の大会を誘致できれば、日本初開催となり、本件のスポーツ振興のみならず、岐阜の魅力を強く発信する好機になることが期待されます。

これら行事を遂行するにあたりましては、これまでの、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会、全国レクリエーション大会などでの経験を活かし、適正な組織体制や人員配置を十分に検討押したうえで、関係団体、ボランティアの方々とも連携しながら進めてまいりたいと考えております。

また、一時的に多数のスタッフが必要となる式典などでは、担当部局の職員に過度な負担とならないよう、通常業務に支障のない範囲で他の部局の職員にも担っていただくなど、全体としてバランスのとれたものとなるよう取り組んでまいります。

加えて、コスト面につきましても、同様にこれまでのノウハウを生かしながら、最大限、効率的なものとなるよう努めてまいります。

中川ゆう子の再質問

スポーツイベントの重要性についてはお答えいただいたんですけれども、私が申しあげたのは、今の職員の業務量であったり、時間外勤務の実態であったり、また県の予算状況であったり、そういったことを考慮して誘致を決定したのかということを伺いたい。

先ほど、2022年の世界ハーフマラソン選手権でも、できる限りコスト抑えて効率よく開催ということをおっしゃっておりましたが、同じようなことをぎふ清流国体でも仰ってみえたのを議事録で読みました。簡素なものにするとの話でしたが、結果的には国体の関連経費というのは158憶円、また推進局の100人以上の職員が従事したと聞いております。

そして先ほど清流の国推進部長からもお答えがありましたが、世界ハーフマラソンの予算はまだ見込すら出されていないような状況です。スポーツイベントそのものを否定するわけではないが、限度を超え、度が過ぎることが結果として県民サービスにしわ寄せがされるのではないか、体制や予算について議論はされたのか、その必要性についてもう一度お答えいただきたいと思います。

知事の再答弁

ぎふ清流国体が度が過ぎていたというコメントは、私は初めて清流国体が終わってからうかがったワーディングでございます。

当時、この県議会でも議論はありましたが、先催県のコストを計算し、場合によっては300億円から400億円をかけてやっておられる中で、先程お話しいただきました160億円という数字でございまして、そういった先催県に比べまして、かつ行財政改革をやりながらではありますが、素晴らしい大会、手作り感のある大会をやろうということで、大幅にコストダウンしてやってきたつもりでありまして、度が過ぎておったというのは、私の平成24年以降初めて聞くボキャブラリーでございます。

そういう意味で、日本スポーツマスターズにつきましても、それからねんりんピックにつきましても、持ち回りで各県順番にやっていくものでありまして、例えば、ねんりんピックで言えばもう岐阜県が33回目にあたるというわけでございますから、どういうタイミングでどういうやり方をしたらよいのか、岐阜県にとって自由度はどこまであるのか、どこまで手作りであるのか、どこまで義務的にやらなければいけないのかということを精査しながら、最大限コストをダウンしていくということで、私はまさに、ぎふ清流国体のレガシーもそこのところにあるということで、他県に比べればおそらく相当なコストダウンをしながらやっていけるのではないかという風に思っておりますし、予算的にも他県の例を見てもはまる規模でないかと思っております。

それから、人の動員という話もございましたが、先ぼ度お話ししましたが、アジアジュニア大会では、のべ208人の県職員が、開会式、閉会式というピンポイントでお手伝いをしてもらったということであります。準備室は5人から13人に増やして頑張っていただきました。もちろん、時間外の勤務も相当あったと思いますが、頑張ってもらいましたが、ピンポイントで208人という、これが少し前に行われました全国レクリエーション大会と比較しますと、ここでは339人の方に職員に手伝ってもらっていまして、いわば4割ダウン、カットということでありまして、できるだけ通常業務に支障の内奥に最小限でという努力も少しずつやってきておるということでございまして、この努力は引き続きやっていきたいという風に思っております。

それから、世界ハーフでございますが、今のぎふ清流ハーフマラソンの予算規模が2億2千万円でありまして、これは、各スポンサー団体それから岐阜市、岐阜県多くの方々から協力を仰ぎながらやっておるということで、岐阜県の実行委員会への負担が600万円ということでございます。

そういう大会でございますから、当然、他のスポンサー団体とも相談しながら、この岐阜県が600万円負担しておる、トータル予算が2億2千万、これにあとどれだけ乗せたら1万人のレースに300人乗っかると、1万人のレースの中で300人の人がちょっと時差をかけて走ると、どれだけのコストをのせたら世界選手権が開催できるのか、こういうことを相談していこうということでございますので、私としましては、丁寧にコストを含めて、人員を含めてやっていきたいと思っておりますので、率直なご批判は甘んじて受けますが、ぎふ清流国体が度を越しておったというのは、私は初めて今日ここで伺いましたので、それは残念に思っております。

中川ゆう子の再々質問

度を越しているというのは、これから先、どんどんイベントを実施して度が過ぎると県民サービスにしわ寄せがいくのではないかとの懸念を持っているということである。

ハーフマラソン誘致が実現した場合、ハーフマラソンが行われる期間は、県庁建て替え時期の真っただ中である。県庁建て替えは、予算規模、事業共に一大事業であり、同時期にハーフマラソンを誘致することについて、費用面などで県民の理解を得られるか、丁寧に検討を行う必要があるのではないか。

知事の答弁

行政財政改革の努力というのは、不断にやらなければならないということであり、一方で、仕事が増えるからといって、増えるに任せておいてはいけないということで、だからこそ、事務事業の更なる徹底した見直しあるいは更なる残業対策の更なる徹底化は当然やっていかなければならない、不断のプロセスであると思っております。

それから、ねんりんピックとスポーツマスターズはすでに開催が登録をされておりますので、まだこれから検討するという世界選手権のほうに矛先を向けられたのだと思いますが、申し上げておきますが、ぎふ清流ハーフマラソンは、2億2千万円の予算でやっておるわけです。一回一回ですね。そこへの実行委員会の岐阜県の負担が6百万円であります。これで、1万人を超える人が走っている。この1万人の人が走るレースの冒頭に300人のアスリートが走る。今はどうでしょうか、数10人のアスリートが、かつてのメダリストやらいろいろな人が来ていますけれども、世界ハーフマラソン選手権という看板で、300人のアスリートがそれに先立って走るということでありますので、この300人乗せることのコストがどのくらいになるのかと考えますと、もちろん、世界選手権ですから、いろんな周辺の費用がかかると思いますが、すでにやっておる国の状況も聞かなければありませんが、私の想像するところでは、おそらく、そこそこのところに収まるのではないかと。かつ、他のスポンサーとも相談しながら組み立てていくということになりますので、その辺はおっしゃるように、行事ありき、イベントありきでですね、野放図にならないように、世界選手権だからいくら金を使ってもいいよ、ということではなくて、むしろ、手作り感のあるものをやっていきたいと。実は、手作り感があるからこそ、日本にあるハーフマラソンの中で、唯一、岐阜のハーフマラソンが世界陸上から最高のレースの資格をいただいておりますし、日本で2千以上あるマラソンの中で、たった6つしかただいていないゴールドの資格の中に、わずか7回、8回やっただけの岐阜のマラソンが位置付けられているということでございますから、国際的に名乗り上げる資格は十分にあるということでございますので、これを大いに岐阜をアピールするうえで生かしていきたいということでございますが、費用については、最初から最後まで徹底的に節約に心掛けていきたいと思っております。

Pocket

↑ページトップへ行く