2016年11月29日 7:51 am
カテゴリ: 活動報告
守り抜け、地域医療
中津川市中心部から車を走らせること約30分。木下律子市議と一緒に坂下病院を見てきました。実際に目の当たりにし、直前に「坂下病院を支える会」のみなさんの集まりで聞いた「私たちの命綱なんです」という言葉の意味を痛感。ますます需要が高まる地域医療の中心を、あっさりと診療所にするわけにはいきません。
地域で安心してくらし続けるために
中川ゆう子はこの9月議会で4項目を取り上げました。そのうち今号では「障がい者への偏見や差別をなくすための県の取り組み」「子ども相談センターの現状と課題」「地域医療構想がもたらす地域医療の危機」の3つについてご報告します。「森の恵みおもちゃ美術館(仮称)の駐車場問題」は12月号で特集予定です。どの項目も、現場で頑張るみなさんや地域でくらすみなさんの声を聴き、その思いを受け止め、心をこめて質問しました。① 住民は訴えた。「坂下病院は、私たちの命綱なんです」
中津川市坂下病院(=写真左上)の入院機能をなくし、診療所化する計画を市が突如表明。坂下の地域の住民のみなさんを中心に大きな不安と混乱が広がっています。「坂下病院を支える会」の集まり(=写真右上)で中川ゆう子は切実な思いの数々をお聴きしました。母親が坂下病院に入院中という方は「坂下までなら20分。中津川市民病院までは40分かかる。冬場は雪も降る。働きながら通うのは、とても無理」と話して下さいました。坂下病院には、稼働していないベッドを除いても一般病床149床と療養病床50床があります。地域にほかの病院がない中、高度医療機器も備え、地域医療の中核を担っています。診療所化した際の影響は計り知れません。知事認める。地域医療構想「中津川市の説明は不適切」
Q、中川ゆう子
現地で地域の切実な声を聴いた。坂下病院の診療所化を市が突然言い出した背景には、ベッド数削減を含む地域医療構想を県が策定したことがあると思うがいかがか。A、知事
ベッド削減ではなく、不足している回復期の病床などを充実したい。中津川市の説明は不適切。Q、中川ゆう子
充実というが、削減されるベッドもあり、差し引きするとマイナス3000床になる。今回の事態は、具体的な数字が先行したことが引き金になった。撤回するように国に申し入れて欲しい。A、知事
地域医療の検討会を通じてしっかり議論していきたい。そういう中で要望や意見も出てくると思う。質問のポイント―県と住民、力を合わせて病院を守る―
① 6月に県議会では「10年間でベッド3000床削減の地域医療構想」を可決しました。(中川ゆう子は反対)この背景にあるのは、国の医療費削減の流れです。知事の答弁は大きな力になりますが、知事が国に対して働きかけていくことが重要です。病院の存続を求める住民からは短期間で2万3,068筆の署名が集まりました。今回表面化した中津川市坂下病院の問題だけにとどまらず、県内どこでも同様のことは起きかねません。今後も取り組みを強めていきます。
② 相模原の障がい者施設殺傷事件と優生思想にどう向き合うか
Q、中川ゆう子
「障がい者には価値がない、劣っている」とする優生思想のようなものが社会に蔓延しつつあることが事件の背景にあるように思う。自己責任や効率化が過剰に求められる社会では、弱者はどんどん排除されていく危険性がある。障がい者への差別や偏見をなくすため、県としてどのように取り組んでいくか。A、健康福祉部長
県民会議などでも「防犯対策だけでなく、障がい者は価値がないといった考えを根絶する仕組みが不可欠」などの議論があり、県も同様の認識。差別意識を解消し、共生社会を作るには障がいのある人とない人がふれあう体験を通じ、理解を促すことが重要。マラソン大会や芸術作品の展示会などを開催していく。③ 増え続ける虐待。さらにきめ細かい対応が求められている
Q、中川ゆう子
全国的に虐待件数は増えており、背景には保護者の経済的問題や精神疾患など貧困と孤立が根深い。さらにきめ細かく子どもや家庭に対応できるように、職員の増員や心身への負荷に対するケアなどは不可欠ではないか。A、子ども・女性局長
H27年度対応した虐待件数は1,018で過去最多。H31年度には児童福祉司が53人必要となるため計画的に増やす。職員の心のケアは課長、係長にメンタルケア研修。市町村向けにも研修や、児童家庭センターの活用で支援していく。質問のポイント―背景、実態をつかみきれるか―
② 優生思想を大勢の障がい者の安楽死という形で暴力的に進めたのがナチスドイツ。それがうっすらと蔓延しつつある状況に県として何ができるかがポイント。答弁にあった「障がい者への理解を深めるための交流機会を増やす」だけでは不十分だと感じます。もっと深い部分までの考察が必要だと思います。③ 深刻な相談が増えている中、岐阜県の子ども相談センターには「職員が少なく過密労働。時間外勤務も多い」「心身への負担が重い」などの課題があります。答弁は前向きでしたが、「1人の職員を育てるのに10年はかかる」と言われるだけに、計画的な人材育成計画や、現場の声を聴く仕組み作りが法改正に関わらず必要だと思います。
この一か月の主な活動を紹介します
「敬老の日」発祥50周年
戦後、兵庫県の村で高齢者の人生経験に学ぶため「としよりの日」が制定されたのが始まり。意味を受け止め、地元の敬老会でご挨拶。
思い入れがある場所で
岐阜市の「子ども若者総合支援センター」の取り組みをはら市議とヒアリング。この数年で進んだ点、新たな課題、色々見えてきました。
透析患者さん達の思い
岐阜県腎臓病協議会の皆さんと懇談。災害時避難所で必要なケアが受けられないこと、塩分が多い支給食の改善など課題を学びました。
核実験に、厳しい決議
9月議会開会日に「北朝鮮のミサイル発射と核実験への抗議」を全会一致で決議。いかなる国であろうとも、核実験の強行は許されません。
成果、徐々に現れる
岐阜県視覚障害者問題協議会の皆さんと県との懇談に同席。交差点のエスコートゾーン設置が約束されるなど成果もありました。
県で育てる子どもだから
病院内保育所の職員や保護者と県との意見交換に同席。昼夜問わず病院で働きながら子どもを育てる保護者の生の声を受け止めました。
身近なレクリエーション
地元のグラウンドゴルフ大会に参加。県でもレクリエーション大会が開催されましたが、身近で楽しめる機会があるのも良いですね。
請願者の「負けない心」
今議会でも「安保法廃止」「子どもの医療費無償拡充」の2請願の紹介議員に。不採択になっても諦めず粘り強い請願者の心に胸打たれます。
みんなの議会傍聴記
知らないことを知れた
初めて傍聴して、今まで知らなかった問題を知れた。若い人も来てみるといいなと思います。(20代男性 羽島市在住)傍聴すると県の色々な問題や計画がどんな内容なのかがよくわかるな、と思いました。(30代女性 大垣市在住)