中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

2026年岐阜県議会第3回定例会(6・7月議会)中川ゆう子一般質問議事録 1中東情勢の影響を受けた石油関連製品不足への対応策と具体的な支援について

2026年8月6日 3:19 am
カテゴリ: 活動報告

1,中東情勢の影響を受けた石油関連製品不足への対応策と具体的な支援について

【質問 中川】

日本共産党の代表質問を行います。

石油関連製品の価格上昇と資材不足は、様々な分野に深刻な影響をもたらしています。アメリカとイランの間で戦闘終結の合意がなされましたが、合意によってただちに供給不安が解消されるわけではなく先行きは不透明です。事態の推移を注視し必要な手立てや支援策を具体化する必要があると考えます。

県は5月、資源エネルギー庁、中小企業庁、厚生労働省等へ中東情勢に関する緊急要望の申し入れを行っておられることは、現場の声に応えた大変重要な事だと思います。特に県内の小規模事業者、一人親方など、小規模な事業所の状況は深刻です。ひきつづききめ細かく声を集め、国へ要望するとともに、県としての具体的な取り組みを求めます。

実際に私も4月から6月にかけて、様々な業種の小規模事業者の方を尋ね、状況や要望を伺ってきました。そこで聞く現場の資材不足の状況は深刻で、「不足ではなく目詰まり」だという政府の説明とはかなり大きな乖離(かいり)があると感じました。

実際にお聞きした声の一部を紹介します。自動車整備、修理業では、オイルや塗料の価格が2割上がった。オイル類の製品が入荷せず、仕事への影響はリーマンショックやコロナ禍とは比較できないほど大きい。材料が高騰しており支払いが厳しい中、資材不足で仕事が止まっており資金の目途が立たない。木材を使った家具製造業の方は、ボンドが入荷せず、現在の在庫が尽きたら仕事の見通しがたたない。2ヶ月ごとのスピードで大幅に資材の価格が上がっており十分に対応できない。医療的ケアを行う福祉施設では、手袋の価格が高騰しており、さらに入手も難しくなっている。医療的ケアなので医療機関と同等に物資の支援が必要。下請けの建設業者の方は、5月の連休明けから一切仕事がなくなり自宅にいる。あらゆる所に問い合わせしているが仕事をまわすことができないと断られている。今は問題なく仕事を進めているが、再来月からは仕事を休んでくれと言われ、別業界で仕事を探そうかと考えている。

特徴としては、「現時点での影響は限定的で大丈夫だが、来月、再来月の見通しが立たない」という方がいらっしゃる一方、「すでに全く仕事がない」という深刻な声もあり、影響は特定の業種に集中しておらず、業種、規模に関わらず状況はバラバラであるということです。ただ「影響はまだあまりない」という方も、今後は資材が納品される目途はなく、来月、再来月の見通しはかなり不安であるという見方は共通していました。

また県では、いち早く県制度融資に中東情勢枠を設け対応されていますが、コロナ禍の融資の返済があったり、この先の状況が不透明だという理由で、大変な状況の方ほど「新たな融資を受ける余裕はない」といったご意見が多かったのも事実です。

岐阜県は、中小・小規模事業者が9割以上を占めており、国への要望だけでなく、県としても廃業を防ぎ事業継続に向けた独自の対策を検討すべきであると考えます。以前リーマンショックによる、いわゆる「派遣切り」が横行した際には、失業された方々に対し、緊急的に行政の業務補助など仕事を切り出し、短期のつなぎ雇用を行う緊急雇用創出事業が行われました。当時、県の商工労働部長として江崎知事が奮闘されていたことは強く記憶に残っております。当時のこの事業はあくまでも失業者に向けた雇用の場の創出であり、今回の仕事がないという個人事業者への対応策とは異なるかもしれませんが、何らかの仕事によって収入を得ることで事業継続をはかるといった点では、今求められていることと共通しているとも感じます。行政等の業務の中から仕事を切り出したり、仕事作りをする事で、短期的ではありますが収入の確保策も可能です。あくまでこれは一つの例ですが、現場の状況を掴んで様々な方策を検討できないでしょうか。

財源についても申し上げます。今年度の当初予算は編成時期の関係で、中東情勢の緊迫化という事態を前提としたものではないため、現在の予算内で対応することは限界があります。今議会の補正予算には、そうした中東情勢の影響を受けている小規模事業者に特化した支援が盛り込まれておりません。たとえば、財源として活用可能な基金残高は、R8年度当初予算編成時点で約367億円です。こうした基金の活用なども検討し、国の財政支援を待つことなく何らかの支援策を講じるべきです。

そこで知事にお聞きします。今後もきめ細かく情報を集め、特に小規模事業者や医療現場に対しては、国への要望や県の取り組みを進めて欲しいと考えますが、どのように取り組まれるでしょうか。そして、それらを踏まえて、県としての具体的な取り組みを検討すべきと思いますが、お考えをお聞きします。

【 答弁 知事】

これまでの答弁でも申し上げてまいりましたけれども、今回の中東情勢に伴います国内経済への影響は、大きく二つの点に分けて考える必要があると考えています。

一点目でございますが「日本のエネルギー安全保障の脆弱性」ということでございますが、これは化石燃料の大部分を海外に依存する我が国においては、国際情勢の混乱に影響を極めて大きく受けるんだということが改めて浮き彫りになりました。

二点目でございますが、やはり「流通の目詰まり」でございますが、これは今後購入できなくなるのではないかという不安から、「川上」の段階で少しずついつもより在庫を貯めることで、国全体としては十分供給量は確保されていても、「川下」と言われる中小・小規模事業者や個人事業主までは行き届かないという事態が発生したと考えられております。

そうした状況の中、県としては、まず何と言っても専用窓口を3月に設置いたしまして状況を確認すること、さらには若手経営者勉強会や経済・雇用再生会議、個別の事業者ヒアリング等によりまして県内事業者の状況把握を進めてまいりました。

また、医療分野につきましても、医師会、歯科医師会及び薬剤師会などを通じて医療機関等における医療品の不足状況を定期的に把握しているところでございます。

さらに5月下旬には、資源エネルギー庁や中小企業庁など関係省庁に対し、事業者の方々の不安や危機感を私が直接伝えるとともに、目詰まり解消や支援の充実を求める緊急要望を行いました。

また、医療機関、介護・障害福祉サービス事業者等につきましては、財政支援として、臨時的な診療・介護報酬等の改定や補助制度の創設・拡充を求めて、健康福祉部長が厚生労働省に要望を行ったところでございます。

加えて6月からは、県制度融資に「中東情勢影響枠」を新設し、経営状況が厳しい事業者の資金繰りを支援する体制を整えたところでございます。

県としましては、県内事業者に対して、業界の影響把握、現在の資金繰り支援の継続に加えまして、国際情勢や新たなビジネスモデルを学ぶ機会を提供するとともに、今月中には、価格高騰分を適正に転嫁する手法を学ぶセミナーを開催いたします。加えて、商工会・商工会議所による個々の事業者の状況に応じた経営相談、国支援制度の活用促進など、小規模事業者・医療現場を含む幅広い事業者へのきめ細かい支援を行ってまいります。

一方で、このような厳しい状況の中、県内事業者からは「事業の多角化でリスク分散をしている」とか「リスク分散のため、植物由来の油を使う成形機を新たに導入した」といった、将来を見据えた動きも見受けられるところでございます。

県としましても、先程申し上げた国要望におきましても、事業者が抱える在庫の一部を国による支援の下で組合等の中立的な組織が買い取り、合理的な価格で不足している方へ供給するといった、そうした制度構築を行うための政策提案を行ってきたところでございます。

今後も、各事業者・団体によりますリスク対応力の強化を後押しするとともに、設備投資や人材育成など生産性向上、さらには、「働いてもらい方改革」を推進することで、環境変化に強い経営体質の構築を支援してまいります。

【再質問 中川】

中東情勢の影響を受けた対応策ということで知事に再度伺います。

今お答えになられた対応策というのは、例えば新たなビジネスチャンスに関する研修であったりとか、それから価格転嫁の仕方、リスク対応、設備投資などなどでしたが、設備投資に至っては資金力があるところしか対応ができません。

また、今言われたことというのは、中長期的な取り組みとしては、それぞれの事業者にとってとても重要なことかもしれませんが、私、実際に現場に行ってお話を伺って感じましたのは、やる気もあるし技術もあるけれども、今仕事がなかったり、また今の仕事を完了できずに収入化できていない、ここがとても深刻なので、そういったところに、この緊急的な何か取り組みができないかなということをお聞きしたかったところです。廃業してしまっては意味がありませんし、つなぎ対策とこうした中長期的な取り組みと、両面での取り組みが重要ではないかと思います。

その点について、具体的なお考え、取り組みのお考えをお聞かせください。

【答弁 知事】

まず、中東情勢に係る緊急雇用等の対策についてなんですが、実際、私も緊急雇用対策、商工労働部長で対応したところからすると、今回の状況とリーマンショックとは全く違います。

リーマンショックの時は、そもそも仕事が無いのでですね、なんとかしろということで緊急に雇用を作ったものなんですが、今回は、仕事はあるんです。無いのは資材と価格高騰に対応できる資金繰りがないということなので、従って今回の対応としては、まず緊急に資金繰り体制ができるような融資制度を作ったこと、そして、もう一つは目詰まりを解消する、逆に言うとですね、モノはあるので、解消した後に今度はダブついてしまうという問題がありますので、従いまして、この2点に集中する形で対策をとったものでございます。

国に対しても、この問題意識は全く国も共通しておりますので、恐らく仰るとおり、やる気も技術も仕事もあるんです。だから、それをちゃんと回すような形をすることであって、別の仕事を作ることではないと思っておりますので、ここはしっかり対応していきたいと思っております。

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