中川ゆう子

中川ゆう子岐阜県議|日本共産党

【22年3月議会/質問と答弁1】連続した大規模イベントの誘致について

2022年3月14日 4:00 pm
カテゴリ: 活動報告

本会議の質問。[1]連続した大規模イベントの誘致について。3月11日、午前。

3月11日、午前に本会議で[1]連続した大規模イベントの誘致について質問しました。以下に内容を載せます。

[中川 質問] [1]県民生活や地域経済の立て直しが求められる時期における連続した大規模イベントの誘致について

県事業は県民に寄り添った暮らしや命を守るものを最優先に、という思いを込めて質問します。知事は昨年、国民文化祭の誘致を、そして今年度はいったん開催中止となったねんりんピックの再誘致を決定されました。

国民文化祭は、他県の状況からすると開催までに総額10億円を超えるのではと思われます。新年度は実行委員会の立ち上げや実施計画の策定など、準備作業が本格化するとのことでした。

ねんりんピックは、今年度開催中止になったものと同規模であれば総額約14億円。従事する職員数はこれから徐々に大きな組織となり、開催予定の令和7年には動員職員は4日間で実人員1000人、のべ2300人と想定される規模です。

こうした大規模イベントは当然、準備段階から人もお金もかなりの労力が費やされますが 、これから準備を本格化し、それぞれ令和6年、7年と連続して開催することになります。

現在、保健所をはじめコロナ対策を担っている部署では職員が足りず、たとえば2月時点で保健所業務には200名を超す職員が兼務で支援に人っている状況であり、従事する職員が減った部署でも、少ない人員で従来業務を進めなくてはならないというのが、今の県庁の実態です。

ここに全力投球すると同時に今後コロナ禍で落ちこんだ地域経済の立て直しや、困難が多面的に直撃している女性や若者への支援、ぜい弱性が明らかになった医療や福祉の強化充実など、命やくらしを守るものを現在の延長ではなく思い切った規模で力を集中して取り組まなくてはならないときと感じております。

だからこそ、さきほど申し上げたように、コロナ禍やその後の立て直しという重要な時期に、連続して大規模イベント開催に突き進む姿勢には疑問を感じており、最新の県政世論調査で県民が進めてほしいと答えたのは上位から防災、高齢者福祉、子育て支援、地域医療であり、スポーツ、大規模イベントではありませんでした。

岐阜県がいま力を入れて進むべきなのは、例えば文化芸術活動なり日常的に続けていけるような支援、頻発する災害への防災対策、小中学校すべての学年で少人数学級を実施することや、子どもの医療費の無料化、過疎地域の医療体制の立て直しなど、日々の生活に根付いた県民に寄り添ったものだと思います。

そこで、県民生活や地域経済の立て直しが求められる時期における連続した大規模イベントの誘致について知事にお聞きします。コロナ禍において一層、県民生活や地域経済を支える役割が県政には求められており、大規模イベントではなく、もっと県民に寄り添った施策に重点を置く必要があると考えます。

知事は立て続けて2つの大規模イベントの開催を決断されましたが、国民文化祭とねんりんピックはどちらも、コロナへの対応に力を注ぐべき時期と準備期間が重なり、さらに開催時は、コロナ後の県民生活や経済の立て直しを最優先で行うべき重要な時期です。なぜこうした時期に決断されたのでしょうか。

<答弁 知事>

ご答弁申し上げます前に、既に、先ほど黙とうもありましたけれども、本日、東日本大震災から11年を経過したところでございます。改めて、お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、ご遺族の皆様に心からお見舞いを申し上げる次第であります。

被災地の復旧・復興事業が進む一方、なお全国で約4万人、県内では164人の方々が避難生活を続けておられる現実がございます。

県としては、被災者及び避難者の方々を引き続き支援するとともに、県民の安全・安心を守るべく、防災・減災対策を不断に見直し、強靭な岐阜県づくりに取り組んでまいりたいと思います。

本県は、これまで、「岐阜県長期構想」及び「「清流の国ぎふ」創生総合戦略」に基づきまして、我が国が直面する人口減少、少子高齢化に向き会い、いかに人を育て、地域の活力を向上させ、本県の未来を形作っていくか、に力を注いでまいりました。

そして、2年に亘るコロナ禍で様々な活動に制約が出ている現在こそ、この本県の基本的な目標に立ち返り、本県が培ってきた地域力を再認識し、磨き上げ、県内外に発信していくべきであると考えております。そのまたとない機会として、「国民文化祭」及び 「ねんりんピック」を誘致することといたしました。

まず、「国民文化祭」でありますが、令和に入り、天皇皇后両陛下の行幸啓行事として位置付けられ、令和の国民文化発信の場となっております。令和2年9月議会でもご答弁申し上げたように、ゴロナ禍により様々な文化芸術活動が制約され、停滞を続ける厳しい状況の中で、文化芸術の灯(ともしび)を守り続け、将来に向け希望と活力に満ちた地域づくり、人づくりの種を蒔き、育てていく必要が一段と高まっております。

こうした中、本県では、これまで地芝居をはじめとする地域文化や地域資源を磨き上げ、その魅力を活かしたまちづくり、内外の観光キヤンペーンへの活用、世界遺産の獲得など様々に取り組んでまいりました。

これらの取組みをさらに広く発信し、新たな交流を作り出し、「アフター・コロナ」時代における 「清流文化の創造」に向かうとの決意で、関係者の方々からもご意見を伺った上で、「国民文化祭」を誘致したところでございます。

また、「ねんりんピック」でありますが、本県は、平成24年の 「ぎふ清流国体・清流大会」以降、「スポーツ立県ぎふ」を掲げて、県民が生涯健康で活躍できる、活力あふれる長寿社会づくりを進めてまいりました。

その中で、平成28年には全市町村が参加するというかつてない広がりでの 「全国レクリエーション大会in岐阜」を開催し、すべての県民が参加する「ミナレク運動」へと展開してまいりました。

その延長となる 「ねんりんピック」については、高齢の方々のスポーツを通した社会参加及び交流が、健康寿命の延伸と生きがいづくりにつながるとの観点から、過去最大級の交流大会とふれあいレク大会を準備してまいりました。残念ながら、コロナ禍で1年延期を余儀なくされ、さらに今年度の開催も断念せざるを得ませんでした。

しかしながら、コロナ禍で人々の行動が制限され、県民が身体を動かす機会を失うとともに、心身の健康への影響が懸念される中で、「県民が健康長寿の素晴らしさを体感し、生涯健康で活躍でき、活力あふれる長寿社会を実現する」というねんりんピックの意義が一層高まっております。

そうしたことから、開催に向けて既に万全の準備を積み重ねてこられた多くの参加予定者、高齢者団体、スポーツ団体、経済団体、さらには、県議会スポーツ振興議員連盟からも再誘致を強くご要望いただきました。

そしで、県内全ての市町村からも同意をいただいたところで、改めて再誘致をしたわけでございます。

もとより、県財政や職員負担への配慮は必要でございます。それぞれの催しを開催するにあたっては、これまで本県に蓄積された全国規模の大会の開催ノウハウを活かしながら、特に、ねんりんピックについては、開催断念直前まで整えた開催の枠組みや手順準備を十分に活用し、効率化と負担軽減を図ってまいります。

[再質問 中川]

大規模イベントの誘致について、再度お伺いします。コロナ禍の2年間を経:て、大事なことは何か、重要ことは何かということが明確になってきたと思います。

これから先は、今までの考え方もやり方が変わってくる時期ではないか。今まで古田知事のもとで大型イベントは何回も開かれましたが、今後は違う視点が重要ではないかと質問をしました。

特にイベントの目的、文化芸術の種を蒔いて磨いていくとか、高齢者のスポーツを通じた社会参加、生きがい作りいくとか活力あふれた長寿社会づくりと仰いましたが、それらは大規模イベントを開催しないとできないわけではない。

特になぜこのイベントにこだわるかと、従事される担当課にお聞きしました。このイベント開催にあたっては、何年も前から開催のために詳細な打ち合わせ、調整が繰り返されて、開催に至るまで莫大な労力と税金が使われます。

だからこそ、こういった重要な時期に開催する是非について伺います。これに是非向き合っていただきたい。

<知事 答弁>

今回、来年度予算をお諮りしているところでありますが、そのタイトルは、ご案内のように、喫緊の対応であるウィズ・コロナ対策、そしてコロナ後を見据えたアフター・コロナ対策と、「ウィズ・コロナからアフター・コロナヘ」ということが、私どもの最重要課題だというふうに認識しておるわけであります。

その考え方に沿って予算編成しておるわけでありますが、その流れの中で、「国民文化祭」あるいは「ねんりんピック」のいずれも、先ほども申し上げましたように、コロナ禍であればこその意義を有するというふうに私としては考えておる次第でございます。

それから、何かイベントが一過性の軽いものであるかのようなご意見があるようでありますが、私自身は、一過性のイベントが成功するかしないかではなしに、その行事が岐阜県に何をもたらすかということが大事ではないかというふうに思っております。

様々やってまいりましたけれど、一つの意義として、関係者や県民の皆さんが思いを一つにしてチームで取り組むことと、あるいはそのテーマが県民の誇りとなること、あるいはそれを起爆剤として様々な県の政策、施策が展開され、それがまた県民に還元されること。

さらには,企画力、構想力、あるいは実行力、あるいはおもてなしと、こういったことについても様々な財産が積み重ねられてきているのではないかというふうに思っております。

敢えてへ過去の 「全国豊かな海づくり大会」について例をとりますと、「なぜ海なし県でやるのか」ということを言われたものでありますが、この結果として、私どもは「清流の国ぎふ」を内外にまずアピールができたと、「清流」が県の誇りであり、アイデンティティ一であるということについて、しっかりと認識ができたこと。

それから、 「森は海の恋人、川は仲人」と、「森・川・海」が一体になった環境保全の重要性をアピールできたこと。そして、県の誇るべき「清流」を「守る・活かす・伝える」ということで、憲章にまでつながったということ。

そして、平成23年度以降の予算は「清流」というキーワードで、様々な県の政策を組み立ててまいりました。そして、平成27年には「清流長良川の鮎」が世界農業遺産の認定につながったと。

また、「あゆパーク」の建設、さらには内水面漁業の研究・研修ということで国際貢献にもつながったということで、この一つの大会を契機に、「清流の国」というものについての様々な展開が見られたということでございます。こういったことの、財産づくりといいますか、意義を私としては考えておるということでございます。

[再々質問 中川]

知事に大規模イベントについて質問したのですけれども、伺っているのはこういった時期にあたっての開催について伺っているのです。「財産づくり」という答弁であったが、県民の暮らしに寄り添って全力でコロナ対策とその後の立て直しに取り組むことこそ財産づくりにつながるのではないか。

例えば職員の皆さんが現場に足を運んだりとか、県民の声を直接聞いて新制度の創設につなげていくとか、もっと言うと、兵庫県のように自分たちで実証実験をやって補聴器購入の導入を進めていくといったことこそ大事だと思います。

それには時間も労力がかります。それには県庁を挙げてこうしたことに取り組んでいくべき時に、こうしたイベントの開催がふさわしいのか、そのことを再度お答えください。

<知事 答弁>

国民文化祭、ねんりんピックについて、いずれも私一人で決めているわけではありませんで、多くの方々からご要望・提案があり、そういったことを踏まえて誘致させていただいたということでございます。

ねんりんピックにつきましては、ここまで準備してきてどうして断念しなくてはならないのか、コロナ禍だからこそなんとしてもやりたいというのが全市町村の意見でもありますし、当議会の議員連盟からも強いご要望をいただいているということで、まさにコロナ禍における県民の皆さまのご要望を受けながら、私もまさにそうだという想いで誘致をしたということでございます。

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